Shpfiveのgooブログ

主にネットでの過去投稿をまとめたものです

既に音をたてて崩れ落ちている「南京大虐殺」否定論者の願望

2019-01-29 21:15:43 | 近現代史関連
Yahoo!知恵袋で、例によってこのような質問がたっています。

南京大虐殺の嘘は、音を立てて崩れ始めましたか。ようやくですか。
音を立てて崩れ始めた「南京大虐殺」の嘘

森 清勇 2019/01/22 06:00


https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14202550069?


2015年10月20日、エリザベス女王は習近平国家主席を主賓として迎えた晩餐会を主催した。席上に添えられたのは1本30万円もする仏ボルドー産の高級ワインの「シャトー・オー・ブリオン1989年」だったという。
1989年は民主化を求める学生を中国当局が武力で鎮圧し、多数の死傷者を出した天安門事件があった年で、中国が最も触れたくない年のはず。
1989年ワインは暗喩の皮肉か、かけ値なしのおもてなしか?
ワインはともかくとして、習主席が女王の前で話したのは中国が独豪などと合作した映画で描かれたジョージ・ホッグ記者の話しである。
記者は赤十字職員と偽って南京に入城し、南京虐殺の現場を撮影したところ、日本兵に見つかり処刑される寸前に中国共産党の軍人に助けられるというストーリだという。
習主席にとっては、「南京大虐殺」を現実に目撃した英国人記者で、日本の悪を暴く動かぬ証拠の現場写真を撮った人物である。
暴露されることを怖れる日本軍が彼を処刑しようとしたこと、それを中国共産党籍の軍人が救助したこと、これは素晴らしい英中の友情物語であるし、女王を前にした晩餐会で話すにふさわしいこれ以上の題材は見つからなかったのであろう。
ところが、この台本となったホッグの評伝『オーシャン・デビル』では、ホッグは1938年2月に上海に入国し、漢口を経て、黄石市(湖北省)に移り、ここで戦災孤児施設の教師を務めている。
国民党が孤児を徴兵しようとすると、孤児60人を連れて1100キロ離れたモンゴル国境に近い山丹(甘粛省)に逃れる。孤児たちを戦争から守ったということで、「中国版シンドラーのリスト」として評価されているという。
ホッグは上海、漢口に滞在しているが、南京に入っておらず、しかも上海入国自体が、日本の南京占領(37年12月13日~38年1月13日)が終わった後であることが評伝から明確である。



まず疑問に思ったこと。

ワインはともかくとして、習主席が女王の前で話したのは中国が独豪などと合作した映画で描かれたジョージ・ホッグ記者の話しである。


中国がドイツ、オーストラリアなどと合作で作った映画に、たまたま実在の人物であるジョージ・ホッグ記者が登場したからといって、それが、そのまま歴史的事実だと、なぜ思えるのでしょうか?

徳川光圀は実在の人物ですけど、光圀をモデルにしたドラマ「水戸黄門」がそのまま歴史的事実であると考える日本人は、普通いません。

また黄門様の全国漫遊が史実ではないから、「水戸黄門は実在しなかった」などと言ったらバカにされても仕方ないでしょう。

同様に

ジョージ・ホッグが当時の南京にいなかったからといって、それが「南京大虐殺」が嘘だった証明になるわけではありません。

せいぜい、映画のストーリーがそうなっているんですね、程度の話です。

そもそも、劇中のジョージ・ホッグ記者は、当時の南京にはいなかったはずの中国共産党籍の軍人が救助されるという、その時点でフィクションだと理解しろよ!

という話です。

なお、当時の南京にはニューヨーク・タイムズ社のF・ティルマン・ダーディン記者、シカゴ・デイリー・ニューズのA・T・スティール記者などがおり、彼らによって「南京大虐殺」の様子は記事にされています。

ダーディン
http://yu77799.g1.xrea.com/durdin.html


スティール
http://yu77799.g1.xrea.com/steele.html


最低でも、まずこれらが「嘘」である明確な根拠を挙げてくれないことにはお話にさえなりません。

なお、当のジョージ・ホッグ記者については、こちらが参考になります。

http://scopedog.hatenablog.com/entry/20160831/1472665656


あと、ホッグが南京事件を目撃したとか主張している人が誰かいるんでしょうかね?ホッグは陥落直前の漢口にはいました*1が、陥落時の南京にいたという歴史資料は多分ないと思いますよ。あるとすれば、脚色として、舞台を有名な南京事件の場に変えている映画の中の話だけでしょう。「「南京事件」の現場にもいなかったことが30日までに明らかになった」なんてドヤ顔で報じる方が恥ずかしいと思います。


本当に、こんな映画の話題だけで、ここまで騒げる「南京事件」否定論者の精神構造は疑いたくはなりますね。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。