正福寺(住職改め)長老のひとこと

正福寺住職が毎月テーマを決めて「ひとこと」申し上げます。
ホームページの更新情報も不定期に載せていきます。

3月のひとこと(令和5年・仏誕2589年・皇紀2683年)

2023年03月02日 | Weblog
3月の声を聞いて、少しずつ春めいてくる気配に、いよいよ春ちかし、です。

今月は私達にとって大切な春のお彼岸をお迎えします。

 お墓参りしていただき、亡き方への思いを確認しながら、この「私」の命の行く末を、しっかり考えてみようではありませんか。
 彼岸とは佛の世界を象徴する言葉、釈尊は、彼岸に到達することは難しい事だけれど、精進すれば必ず彼岸への道は開かれるよ、と言う言葉を遺されています。心強い言葉ではありませんか。

「彼岸に達する人は少し。大抵の人は、此方(こなた)の岸を右往左往する。
されど正しく説かれし真理に如法に従う人々は、彼岸に到らん。死の支配を超越するは難し。」
(法句経 85・86番)


  もう一言

 先日、太平洋側の海岸に、鯨が打ち上げられたニュースがありました。鯨は解剖され、お腹の中から沢山のプラスチックなどのゴミがでてきたとのことでした。死因は、おそらく、このゴミではないか、というコメントがあったと、記憶しています。

 私が現在隠居生活をする豊洲の老人ホームは、縦横に運河が走り、東京湾に注いでいます。潮の流れの関係で、多くのプラスチックなどのゴミが流れ、堆積しているのが見られます。

 私たちの生活の中で、余りにも便利に使わせていただいているプラスチックなどの製品は、使用後はゴミとなり、生態系、地球環境に大きな影響を与えていることを、私たちは、もっと深刻に受け止めなければなりません。

 私たちは、毎日の生活の中の、ちょっとした心遣いで、もしくは、
ちょっと我慢することによって、これらのゴミを、少なくすることが出来るのです。

 リサイクル、リデュース、リユウス、   

子孫にきれいな地球環境を残そうではありませんか。
         
合掌
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2月のひとこと(令和5年・仏誕2589年・皇紀2683年)

2023年02月01日 | Weblog
早いもので今年も、もう二月です。
東京でも二月は一番寒い日のはずですが。今年は、どうなりますか。
お寺の墓地に氷の張る事も本当に少なくなりました。

 私の様な高齢者には、やはり暖かい方が有難いのですが…。でも、寒い時には、寒くなければ…。

 今月は仏教を開かれた釈尊のご命日を2月15日にお迎えします。釈尊は35歳でお悟りを開かれた、と伝えられています。

 八正道に象徴される「正しい生活」を心がけることにより、必ずや誰でも悟りへの道は開かれるよ、という事が、釈尊のお悟りの中心でありました。

 その後、釈尊は、45年にわたりインド国中を廻り、この教えを広められたのです。そして、自分のいのちの尽きるのを悟られた釈尊の、弟子への最後の説法は…

・自らを灯明とせよ  (修行)
・教え(釈尊の説かれた)を灯明とせよ (教えを学ぶ)
・正しい目的に向かって努力を
  怠るなかれ (努力)

と言う言葉を遺されて、80歳の生涯を閉じられました。

 釈尊の説かれたこの教えは、今日まで八万四千の法門と言う言葉に象徴される仏教として、東南アジアを中心として、世界中に伝えられて来ました。

早いもので、住職を引退して足かけ四年、引退後の生活の場として定めた老人ホームでの生活も三年目に入りました。

 老人ホームですので、私を含めてお年寄りの多くの方との、出会いと別れが、いつの間にやら、頻繁に繰り返されていきます。
この場合の別れとは、再開のない別れとなります。

誰にとつても、明日の我が姿という事になりますが…。残された時間、今の自分がやらなければならないことは?

 今更ながら釈尊が弟子に遺された最後の言葉を、噛み締めている毎日でもあります。 

合掌

大般涅槃経より抜粋(雲井昭善訳)

かって我の説きし法             
 そは是れ汝が師なるぞ  
 よろしく頂き 護るべし
 修めて怠ること勿れ
 汝等精進努力せば
 我と異なるひとぞなし
 生死は甚だ脆くして
 身命すべて無常なり
 常に解脱を求めてぞ
 放逸の行いをなす勿れ
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1月のひとこと(令和5年・仏誕2589年・皇紀2683年)

2023年01月01日 | Weblog
明けましておめでとうございます。

 令和5年 西暦2023年 紀元2683年 佛誕2589年。

 えとでは、癸卯(きぼう)-みずのとう-12支獣では、兎が登場します。
兎どし生まれの方は、今年は、年男年女という事になります。一説に、兎どし生まれの方は、天性心美しく人に愛される生まれなり、という。

 さて、兎から何を思い浮かべますか?

 満月に餅をつく兎でしようか。イソップ物語に登場する兎と亀の競走の物語でしようか。イソップ物語では、最終的に、兎と亀は仲良くなるのですね。

 地球上に眼を転ずれば、ロシアのウクライナ侵略に始まる両国の戦争は、まだ終わりを告げていません。なんとも悲しいことです。

 昨年を振り返って、私には、もう一つなんともやりきれない事件があります。

 それは、東京オリンピックに関わる贈収賄事件です。なんとも腹ただしい事ではありませんか!

 人間の業(ごう)の怖さ、罪深さを思います。 

 話しは飛びますが、年末に、漢字一文字でその年の世相を表してみようという「今年の漢字」に、応募してみました。
私が選んだのは、「業」の文字でした。選ばれたのは、「戦」でした。

 満月に餅をつく兎を思い浮かべながら、地球上から、一切の戦いが、一刻も早くなくなりますよう、ともに祈ろうではありませんか。
そしてまた、満月に象徴されるまるい、円い心を、私達は、毎日の生活の中で、しっかりと育てていこうではありませんか!


 「正しい行いをなせ。悪しき行いをなすな。正しき行いをなす者は、現世にも来世にも安楽なり。」(法句經169番)
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12月のひとこと(令和4年・仏誕2588年・皇紀2682年)

2022年12月02日 | Weblog
隠居を決めて、今入っている老人ホームは、西に中央区の晴海のビル群を臨む南北に走る運河沿いに位置しています。江東区の南端と申し上げていいところです。
運河はそのまま東京湾にそそぎます。

入居当初は、高層ビル群に 息の詰まる思いが強かったのですが、慣れも有るのでしょうか、今は、朝に夕に食事をとりながら、そんな景色を楽しむ余裕も出来てきたような気がします。
特に夕食時には、沈みゆく太陽に照らされる高層ビル群と茜色に染まる雄大な雲の群れ…

私たちの最後には必ずお迎えくださると信仰されている阿弥陀如来のお住まいは、西方浄土、この雲の彼方(かなた)…しばし想いを馳せる大切なひとときであります。
そしてまた、ここに居を移して約2年、お近づきをいただいた方々との別れも経験してきました。これも老人ホームの宿命かもしれません。そんな方々の旅路を想うひとときでもあります。

今月はこんな事に触れたいと思います。
 「戦争はサイバー空間から始まる」
 「ウクライナ侵攻前に、米は参戦していた」

と言う新聞の見出し(朝日22年11月20日)に驚き、一生懸命にこの記事を読みました。

この程度の見出しに驚くようでは、(お年が知れるよねー)。全くその通りです。

考えてみれば、いつの間にか、地球上も、宇宙空間も、「サイバー空間」そのものになっていたのですね。
コンピュータとI.T.(情報技術)を核とした科学技術が、私たちの生活の一切を取り囲んでいます。そしてこの一部に、不都合が生じれば、すぐに大変な結果を覚悟しなければならない。私たちは、こんな空間で否応無しに呼吸しているのです。!

私たちが、当たり前に享受している今の生活は、サイバー空間の歯車が順調に回っているお陰、と言う事になります。
さて、この空間、何処まで広がっていくやら……

興味尽きないところですが、人間のコントロールの効かない空間も、確実に広がつつあるような気がしてなりません。 

皆さん、どう思われますか?

合掌
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11月のひとこと(令和4年・仏誕2588年・皇紀2682年)

2022年11月01日 | Weblog
どこまでも真っ青な青空、心地よい秋風、そんな秋の気配が本当に少なくなった気がします。
長く暑い夏からちょっとだけ秋、そしてすぐ冬将軍の到来、これも、地球温暖化のなせる業(わざ)。
私たち人間の業(ごう)の致すところ。以って銘すべし!

 さて、10月14日は鉄道記念日明治 5年(1872)、日本で初めて新橋(汐留)横浜(桜木町)間29キロに、陸(おか)蒸気が走ってから丁度150年の記念すべき日を迎えたというのです。ちなみにその時の時速は、32キロ、料金は、一円12銭5厘(上等)、今のお金にすると約15000円ぐらいだそうです。現在の新幹線の時速と料金と比較してみると興味深いものがあります。
   
 この150年、日本は鉄道の普及と共に成長発展してきた事は、皆さんご承知の通りです。

 今やリニアモーターカーは時速500キロ、実用化されるところ迄きています。反面かつて賑わった駅前の商店街は閑古鳥が鳴き、何キロも離れた「道の駅」は、観光バスと自家用車でいっぱいという、鉄道にとっては、厳しい現実も進行しています。これからも続く人口減少のなかで、鉄道はどうなってゆくのでしようか。気になるところです。(陸蒸気の料金などは、日経新聞より)

安倍元首相射殺事件を契機として明らかにされてきたある宗教法人の事について触れたいとおもいます。その名前は、世界平和統一家庭連合(略称家庭連合)です。 

 思い出すのは、もう何十年も前の事になります。韓国で行われた[世界キリスト教統一神霊教会」(略称統一教会」という宗教法人による合同結婚式のことでした。当時売れっ子だった女性タレントも、この合同結婚式で挙式するという事で、世間の注目を浴びていました。

 もう記憶も定かでは有りませんが結婚する相手は、神霊教会で定められた人と言う事でした。これも神霊教会の教えによるものらしいと……この宗教法人はいつたい何者なのだ…と驚いた記憶が残っています。しかも何百人?も一斉の結婚式だったとおもいます。

 その後神霊教会の話題は、ほとんどマスコミに上がりませんでした。代わりに霊感商法、高額寄付などで取り沙汰されたのが世界平和統一家庭連合でした。しかもこの団体も、宗教法人として認可を受けている団体だつたのです。

 まさかこの団体の前身が、神霊教会だったとは、知るよしも有りませんでした。
 いつ名称が変わった事やら…

宗教にとって名称は、教えの根幹に関わる大事な事なのです。
今後注意深く注目してゆきたいと考えています。

合掌
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