正福寺(住職改め)長老のひとこと

正福寺住職が毎月テーマを決めて「ひとこと」申し上げます。
ホームページの更新情報も不定期に載せていきます。

6月のひとこと(平成18年)

2006年06月02日 | Weblog
今月も、もう少しだけ辛口を。

100分の60=0.6→60% (数式1)
100分の80=0.8→80% (数式2)
 75分の60=0.8→80% (数式3)

国民年金保険料の不正免除が、先月報道されました。ある社会事務所が採用した算術を書いてみました。

今、仮に100名の年金保険料を納めなければならない人がいるとします。

現在、国全体で納付率は60%位だそうですから、100名中、60名の人しか保険料を納めていないことになります。(数式1)

世界一高い日本の平均寿命と、世界一低い出生率は、将来の年金がどうなるのか、まったく予断を許さない状況を作りつつあります。

それが、60%という納付率に象徴されているのでしょう。

社会保険庁は、この納付率を、何とか80%に上げたいと、種々対策を講じているとのことです。

今100名中60名の人が納付しているのですから、あと20名増えれば、納付率80%となります。(数式2)
これが、ごくごく当たり前の数式なのです。

ところが、一部の社会保険事務所で採用した方策は(数式3)なのです。

即ち100名中、25名の保険料免除、猶予資格者を探し出し、免除申請書を出させた、というのです。

これが実現すれば、間違いなく、納付率80%にはなります。

しかも、かなりの数が、本人の承諾なしの免除申請だというのです。

こんな納付率の上げ方があるのかな、と感心しているわけにはいきません。

これは、正に“嘘つき”そのものです。

古くから、“嘘つきは泥棒の始まり”と戒めています。

“嘘も方便”などと、こんな嘘がまかり通っては困りものです。

“嘘つき”は地獄に堕ちる、と仏教では戒めます。


合掌

コメント
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