※先に「作品」レビューの基本方針を必ずお読みください。
先週の土曜日、映画「ストロベリーナイト」を見に行ってきました。
その感想の前に、……一昨日録画してあったスピンオフのSPドラマを見たんですけども。
あれ、映画見終わった後で見たほうがよくないか?(爆)
ちょっと映画のネタバレ入ってるし、サブタイトルも「アフター・ザ・インビジブルレイン」だし。
(映画のサブタイトルが原作と同じ「インビジブルレイン」)
とまあ、今さらいっても仕方のないことをつぶやいてみました(笑)。本題に戻ります。
以下、映画のがっつりネタバレ感想に参ります。
ネタバレがイヤな人は回避してくださいね。
あと甘口じゃないかも……そういうのが苦手な方は回れ右をお願いします。
ちなみにドラマの感想はこちら
#01「シンメトリー」
#02.03「右では殴らない」
#04.05「過ぎた正義」
#06「感染遊戯」
#07.08「悪しき実」
#09~11「ソウルケイジ」
まず、私は原作既読組です。
そして話自体はテンポよく進んで、飽きることなく見られて、面白かった、というのを前提に。
見終わってどうしても拭い去れない気持ちが残りました。
これ、スペシャルドラマじゃダメだったのかなー。
ドラマと映画は違う。
映画は観客がわざわざ劇場に足を運んでお金を払って見に行くもので。
とくにドラマから映画化となった作品にはそれだけの、映画ならではの特徴や付加価値が必要だと私は思ってます。
スクリーンの大きさを活かした臨場感とか、スケール感とか。
そういうのがこの映画版「ストロベリーナイト」からはあんまり感じられなかったんですよね。
ドラマから映画化された作品ってたくさんありますけども。
「踊る大捜査線」シリーズや「相棒」や「SP」や「海猿」や、私がこよなく愛する「SPEC」や(笑)、もっともっとありますね。
ヒットした多くの作品は、“映画であること”を活かしてると思うんです。
ドラマでは出来ないようなことをやってる。
だからちょっと……残念だなぁと思ってしまいました。
そして、映画ということにこだわらずに見ても。
作品のクオリティは、ドラマの「ソウルケイジ」(ドラマ#09~11)には及ばなかったような気がします。
「ストロベリーナイト」って、ドラマ自体がとても質が高かった。
だから見るほうのハードルも高くなる。
映画「インビジブルレイン」とドラマ「ソウルケイジ」は、時間にして同じくらい。
原作も同じくらいのボリュームの長編。
何が明暗を分けたか考えてみて、登場人物とエピソード多さじゃないかなーと思いました。
「インビジブルレイン」は、原作自体そもそもキーとなる登場人物が多い。
映画ではそこにさらにレギュラーフルキャストにしていたため、エピソードが多くて散漫になった印象を受けました。
牧田と姫川玲子との恋愛模様に、原作にはない菊田も絡めているので、それだけでボリュームが多くなる。
さらに柳井健人のエピソードも中途半端にふくらませてある。
でも大事なところを端折っているので、見ている側が「あれ?どういうこと?」置いてきぼりをくらってしまう。
私は原作を知ってるから話がつながりましたが、原作未読のオットは混乱してました。
ばっさりとエピソードを切るか、もっとがっつりやるか、どっちかに徹したほうがよかった気がしたなー。
「和田学校」の部分もちょっと気になりました。
原作を知らないと、なんで管理官含めてあそこまで……って思った人が多かったんじゃないかなあ。
出演者は、レギュラー陣含めて演技派が集まってて脇まで豪華!
もしかしたらこのキャスティングをするために「映画化」という手段がとられたのかもしれないなーと思いました。
ドラマではここまで集めるのは無理だったのかもしれません。
牧田役を大沢たかおさんが演じると聞いたときは意外で。原作とタイプが違うんですよね。
でも見たら原作よりインテリヤクザ寄りになってて、私は好きでした。
(これは原作→ドラマの菊田と同じ現象)
あと存在感の出し方が上手い!って思ったのが柳井健人役の染谷将太くん。
いっそのこと牧田のエピソードをばっさりカットして柳井健人メインにしてもよかったんじゃないかと思ったくらい。
(あああああ、大沢さんごめんなさい!大沢さんの牧田は好きでした!)
ラストに向かうクライマックスのシーン、犯人の金子賢さんがちょっと……残念なんですよね(苦笑)。
だから諸々のバランスを考えるとなおさら。
個人的にはラストシーン、できれば姫川班全員出してほしかったなー。
たもっつぁん、ノリ、、コウヘイのいる、姫川班メンバーが最後に揃った場面が見たかった!
ただこれは好みが分かれるところかもしれません。
ああやって玲子と菊田だけのシーンのほうが、よりバラバラになった感が出るという見方もあるだろうし。
最後にここだけツッコミ入れさせてください。
今泉(高嶋政伸)が入院中の設定になってたのは大人の事情ですか(爆)。
いくらなんでもあれはないだろー!!
見終わってからオットと「ラストホープに取られたか?」と話してしまいました(真実はわかりません、念のため!)。
※
※
※
ここまで甘くないこと(笑)を書いておいてなナンですが、この「ストロベリーナイト」シリーズはやっぱりクオリティが高い。
だからこそ「もっとよくなったんじゃ?」という気持ちになったんだと思います。
そしてマルについてファン心理から触れますと。
役者・丸山隆平がこの作品に参加できて本当によかった。私の感想はそれに尽きます。
素晴らしい先輩たちの背中を見て、素晴らしいキャストのなか奮闘していて。
まだまだのびしろがあるだろうなーとも思ったし、これからのマルの役者仕事が楽しみです。
最新の画像[もっと見る]
興味深く拝読しました
映画にしないとキャストがそろわなかった
ギャラがでなかったと思います(笑)
高島さんについては、3年以上前からの
「エリザベート」の舞台の事情で
降板も視野にはいっていたみたいですが
監督と髭や坊主頭等の打合せ
スケジュールの調整をしたので
原作とは違う形になったことを
先日の姫川班のラジオで話していました
その話からもドラマの好評を得ての
映画化だった、映画ありきではなかったと
思います
会議室のシーンでも丸ちゃんが
いないだろうな?と想像できるシーン
彼の位置がうつらないようにしている
アングル撮りがあるような気がします
いろんな調整を苦労してくれたスタッフ
あっての映画だと思います
ミッドナイトでの生瀬さんやいっけいさんとの
掛け合いは関西演劇ファンとしては
うれしい限りでした
ただ、それを知って、個人的にはなおのこと、「だったらやっぱりスペシャルドラマでよかったんじゃないか」と思ってしまいました。
ミッドナイトは高嶋さんの回だけ少し見ました。いっけいさんや生瀬さんの回もあったんですね~。
原作を読んでもいない私には玲子と牧野の恋愛模様?の展開が早くて、どういう気持ちでその展開なの?と上手く納得できませんでしたよ~。
あと、姫川班の面々が思ったより出ていなかったのがなあ…というのが、何と無く未消化な気持ちの原因かもしれません。
内容はさておき、友人は牧野にヤられていました。あんなに菊田って言っていたのに~
やっぱり強引さがある方に気持ちが流れちゃうよね、なんて言っていました。
そんなものなのかな…私はやっぱり菊田がいいんだけれどな。
何だか良くわからないコメントになってすみません。
姫川班はせめて最後だけでも全員見たかったなあ(しつこい 笑)。
ご友人のお気持ち、私は少しわかります(笑)。わかりやすい態度や言葉にぐらっとくるときはありますねー。ふふ。
しょぼさんの文章はスゴく心にくるんですよね~★同年代、よろしくお願い致します!
さて、冒頭にも書きましたが、いつもは読んでいるだけで十分な私なのですが、マルちゃんと同じくらい誉田さんの本が好きなんです。ですから、牧田が牧野になってるのが気になって!訂正って可能なんでしょうか?
すみません、どうしても気になってしまいました!
教えて下さってありがとうございました。
謝っていただくことなど、全く必要なく!!そして、訂正くださり、ありがとうございました!
しょぼさんのブログ見るようになってから、エイトのこと、もっと楽しめるようになったんですよ!
辛口というか、大人目線っていうのかな?
まぁ、大人なのは年だけかもしれませんが、何事においても若者の好き!と同じようにいかないので~
本当に有り難い存在でいらっしゃいますよ★
去年の今頃、ストロベリーナイトのドラマをすごく楽しみにしていたの、思い出します。
面白かったですよね。私、原作好きですけど、湯田は全然覚えてなくて…マルちゃんが出演してくれたことは嬉しかったのですが、ただの脇役にならないスゴく心配になりました。
この間のミッドナイト~は最高でしたが!!
長くなりましたが、しょぼさんのブログ大好きですので、ファイトで乗りきって下さいね!!
応援してます!
コメントありがとうございます。すみません。謝っていただくことはないんですよ!
では、失礼します。
『ストロベリーナイト』のドラマはすごくハマッて見ていて、映画化もとても楽しみにしていました。
でも映画公開初日とSPドラマが同じ日にあって、ドラマを見てから映画を見にべきか迷っていたのでとても参考になりました~。
しかし、映画を見に行く時間がとれるかどうか・・・(泣)
『脳男』も見たいのに~!
私も誉田氏のミステリー好きなんです。姫川シリーズは「感染遊戯」以外すべて、「ジウ」シリーズ、「ハング」「主よ永遠の休息を」「ヒトリシズカ」と読んでます。
(しかしこの間違いでは説得力なし……)
コウヘイ、原作では影が薄いですよね(笑)。ドラマではうまくキャラを膨らませていたなぁと思いました。
同世代、嬉しいです。よろしければまた遊びにいらしてください^^