「夜行観覧車」 ＃05

だから怖いんだって言ってるじゃん！！
（完全なる逆ギレ、しかもちょい涙目）


「夜行観覧車」第五話の感想です。
がっつりと怖さが戻ってきました。前回がマイルドだったから油断してたぜちくしょう。
今回、話ももちろん怖いんだけど、それ以上に感じたことは。

画が怖い。

ものすごく効果的に怖さを増長させるように映像がつくられている気がします。
刑事（高橋克典）に、そんな遅い時間なにしてたのか問われて、逆光でゆっくりと微笑む小島さん（夏木マリ）。
逆光の微笑みがシュールで怖いーーー（涙）。
会社という平和な日常シーンの中に挟み込まれる、事件当日の啓介（宮迫博之）の回想、血だらけの荷物。
安心して見てたのに！心の準備が！（涙）
そして小島さんの赤ちゃん返り……違った、妊婦返り（って言葉あるのかな）。
まず絵本や遊具がちらばった映像に、何？いったい何事？と思ってたらあの小島さんの穏やかな表情（ぶるっ）。

でもって最後の、高橋家への張り紙ですよ。
車に！車に貼られてるよ！ってか……車を張り紙ですっぽり包み込んでるよ！（怖）
あの画のあまりのシュールな怖さに、夫婦で「うわあーーーーー！！！」って叫んじゃったじゃないか！！
（しかもBGMがオルゴールという……シュールの2乗）
あの画だけで小島さんの狂気が伝わってきてぞっとしました。

そしてもちろん（？）、相変わらず、原作世界にある、人のイヤ～なところ、弱いところもしっかり（すぎるほど）描かれてて。


良幸（安田章大）が！今回からがっつり出てきたよ！（嬉）
勉強が出来て、ふだんは平和主義で、でも実は冷静な部分ももつ良幸の、弱い部分が細かく描写されてましたねぇ。
彼女にスマホを勝手に見られて。彼女に理不尽な要求をされて。
やんわりと、だけどきちんと自分の思ってることは口にする。これはいつもの良幸。
（「私に説明するほうが先やろ！」に対する「なんで……？」のトーンや反応がすごく良幸を表してた気がする）
だけど今起こってることがわかってきて、パニックになって、女子から責められて、……とっさに逃げ出してしまう。
良幸に限らず、だいたいの男がああいう反応になるんじゃなかろーか。啓介もそうだよね。
女のほうが肝が据わるのが早くて強いんだよ（笑）。

今回、おそらくヤスの得意とする（だろう）「表情のシーン」が多かった気がします。
比奈子（宮崎香蓮）を部屋に招き入れるとき。
暗い研究室で、突然かかってきた携帯電話をとる瞬間。
慎司（中川大志）の、電話越しの「兄ちゃん、俺、死ぬしかないのかなぁ……」という言葉に対する逡巡。
表情を見るだけで、何を思ってるのかがわかる。その一瞬の良幸の感情の流れが読み取れる。
ここは役者・安田章大の上手いところだなぁと思って見てました。


あと……もう言うまでもないことかもしれませんが、杉咲花ちゃんって本当に上手い。
慎司を見つけて追いかける、本当は本気で慎司を心配している心中。
グループの中での弱い自分への葛藤。
母親の勤めるスーパーでの万引きへのためらい。
帰宅してから、今回はいつもと違って母親が真っ直ぐ向かってきてる、と感じたこと。
そんな母親を突き飛ばしてしまったことへの動揺。
一見いつもどおり汚い言葉で自分の部屋に籠っても、いつもはなかった罪悪感が襲う。
……杉咲花ちゃんの演技で、手に取るように彩花の気持ちの動きがわかる。
今回は彩花のシーンが多かったから、見ていて胸が苦しかったです。

いやほんと、このドラマは上手い役者さんが揃ってる。
登場人物がみんなリアルを生きてる。

そんな中、小島さんのわかりやすい意地悪さを見るとくすっと笑えて救われます（笑）。
（救われるって表現もおかしいか）
この大袈裟めの演技、作品にユーモアを入れるための意図的な演出じゃないかなーと個人的には思っているのですが。
もっとナチュラルに怖くしようと思うならいくらでもできると思うんだけど、敢えて緩衝材的に。
あとマー君（小泉孝太郎）が見られた！まんぞく！
しかもしっかりとフック残してくれちゃって憎たらしい！←？
……しかしこの先の小島さんはわかりやすく意地悪にはなってくれないのかもしれないなー（遠い目）。
マー君の罪は重かったぜ。
いや単に言葉のあやだったんだと思うんだけど。かわいそうになマー君。

最後に、真弓（鈴木京香）は優しいんじゃなく、鈍いんだと思う……。
だってさ、淳子の心配してるけど、どう考えても「そんな場合じゃないだろう」ってツッコミいれたくなる状況だよね。
来週は良幸が泣いてるぞ！慎司はどうなった！……待て次号！（←これ古い？）
しかし、……金曜日の夜にすげー疲れた、ドラマで（笑）。