できるだけごまかさないで考えてみる-try to think as accurately as possible

さまざまなことを「流さずに」考えてみよう。"slow-thinking"から"steady-thinking"へ

平島筆子さんのこと

2005-06-11 07:55:36 | Weblog

 今年4月、日本で世話になっていた平沢勝栄議員に黙ったまま、「日本に拉致された。金正日マンセー!」と叫ばされ、北朝鮮に「戻った」日本人脱北者の平島筆子さんからの手紙が、平沢勝栄議員に届いたとのこと。


北朝鮮へ戻った日本人妻、平沢議員に手紙「残る気なかった」(朝日)(写真は毎日)


(引用ここから)

 在日朝鮮人の日本人妻として渡った北朝鮮を脱出して44年ぶりに帰国したが、今年4月に北朝鮮に戻った平島筆子さん(66)が、日本にいた2年あまり生活の相談に乗っていた平沢勝栄衆院議員にあてた国際郵便が7日、東京都葛飾区の同議員の事務所に届いた。5月23日付で、手書きの便箋(びんせん)2枚だった。

 手紙では、「思いもよらず日本につれていかれたけど/その時から日本で一生くらす気持はありませんでした/私のかえりを待っているむすめまごたちといっしょにくらす事をけっしんして日本から出て来ました」と述べ、北朝鮮へは自分の意志で戻ったと強調。「日本にいる間ほんとうにありがとうございました/ごおんは一生わすれません」と謝意を述べ、「先生ぜひ朝鮮に来て下さい/お会い出来る日を待っています」などと結んでいる。

 平島さんは、03年1月の帰国前に川口外相(当時)あてに書いた嘆願書では「生きて日本にかえって、祖国で死のうと思って歯をくいしばって生きてきました」と、日本に永住帰国したい意志を強調していた。

 6月初旬に平壌から発送されたとみられる消印があるが、差出人の細かな住所はなかった。

 平沢議員は「私に訪朝するよう誘っているのは、北朝鮮当局が書かせたメッセージだろう」と話している。

(引用ここまで)

 4月にこのニュースを聞いた時は、ブログ記事にするのをやめた。彼女には北朝鮮に残した家族がおり、そのせいで発言がコントロールされているであろうからだ。私の煮え切らない思いをうまく書くことができなかった。

 この手紙も、北朝鮮当局が、苦しい自国のために、どうにか「平沢ルート」を作りたい(再開したい)という狙いの下で、平島さんに指示を出して書かせたものであろう。


 それでも、「ごおんは一生わすれません」の言葉に、彼女が平沢氏に込めた大きな思いがあるのだと思う。

 一つ一つの家族の幸福を、人質や言論統制や検閲で、このように平気で踏みにじる国家が北朝鮮であり、金政権である。現在日本にいる北朝鮮国民の中にも、似たような事情を持つ人が相当割合いることは察するが、政府の指示に従っているだけでは、いつまで経っても「他人を陥れることで得られる幸福」しか得られないであろう。現在の日本の政治体制がベストではないかも知れないが、この平島家のように「人間として持つのが当然の自由」が踏みにじられている場合、少なくとも日本ではそういう状態を改善する自由が与えられている。

 衆愚政治のリスクをも含めた「自由主義」と、自由がほとんど認められない「金一族独裁主義(もはや社会主義とさえ呼べまい)」のどちらかを、そろそろ北朝鮮国民自身が行動によって選ぶべき時期なのではないか。


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