笑いを語る

最近はお笑いについて考える。舞台やコントなどの作られた笑いと、日常会話での笑いを誘うセンスに満ちた話術は別物だと思う。舞台裏での内輪トークでは爆笑を誘う「楽屋名人」と呼ばれる人でも、舞台上で多くの観客の笑いを呼ぶとは限らない。舞台の笑いは掛け合いや、他のキャストとの呼吸で笑いを作る。個人プレーでは笑いが取れない。その中で、一見個人プレーにも見える明石家さんまさんのような強者もいるが、この人が司会するバラエティ番組を見ながら思ったのは、相手が自分より若手だろうが、笑いを知らない素人だろうが、全体として面白ければよしとして、自分の立場を変幻自在に変えることで相手と対等な空気を作り、即興の笑いを生み、同時に誰も傷付けない笑いを作り出す。業師だなと思う。