悪魔の囁き

これは自分にとって大事なことだと思い、今の自分の性格を構成するきっかけとなった過去の出来事を思い返してみた。現状は自分にとって決して満足のいく姿ではない。そうなったきっかけは、たとえば、信頼していた人に裏切られたとか、自分の経験や知識が足りなかったために失敗したとか、自分の配慮が足りず人を傷付けてしまい、結果、自分を責めたことなど、過去に経験した嫌な出来事の積み重ねにある。そうなった原因が自分にあると思ってしまうと、結局自分を責めて落ち込んでしまい、最悪の場合、鬱にもなりかねない。真面目な人ほどその傾向は強い。でも過去はもう変えられない。将来に向けてどう振る舞うか考える。そうやって前向きな気持ちで前進しようとすると、ふと、過去のイヤな体験がその気持ちを邪魔してしまう。この時、改めて自分に言い聞かせる。「これは自分の成長を妨げる悪魔の仕業ではないか？」と。悪魔は人間を怠惰・堕落の方向へと導くことに喜びを見出す。悪魔は悪魔の姿では近寄らない。人間の前向きな気持ちを萎縮させるのは、自分の意志に見せ掛けた悪魔の仕業。そんな悪魔には打ち勝たないと。