産経新聞 5月22日(水)15時20分配信
原子力規制委員会が22日に日本原子力発電敦賀原発2号機直下の破砕帯が活断層だと了承したことで、2号機の廃炉の公算が大きくなっている。だが、規制委には廃炉を求める法的権限はなく、廃炉はあくまで事業者、日本原電の判断となる。敦賀原発は1号機も稼働から40年以上経過しており、1、2号機ともに稼働できなくなれば、原電の経営を直撃する。原電が活断層調査を継続していることもあり、すぐに廃炉措置には移行せず運転停止状態が長期化する見通しだ。
国は活断層上に原発の重要施設の設置を認めていないが、建設後に活断層が見つかるケースは想定していない。原子炉等規制法は「災害発生の急迫した危険がある場合」に、規制委が必要な措置を講じることができると規定しているが、数万年単位で活動する断層の危険性が「急迫」といえるのか意見が分かれる。原電は「活断層」を否定するための調査を継続し、再稼働を目指す構えだ。
原子力発電専門の原電は他の電力会社と異なり、敦賀原発と東海第2原発(茨城県)だけで電力を供給している。東海第2は地元首長が再稼働反対を明確にしており稼働は困難な状況。原電は敦賀3、4号機の建設を目指すが、付近には破砕帯があり、断層調査の必要性が指摘されている。
このため敦賀2号機が廃炉となれば原電は電力を供給できなくなり、経営不安に陥る可能性がある。原電には電力会社が出資しており、原電の経営不安は電力会社の経営も圧迫、電気料金に跳ね返ることにもなりかねない。(原子力取材班)
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