もんじゅは2010年8月に核燃料交換装置が落下したトラブル以降、再開しないままになっている。使用停止処分は長期化するとみられ、同機構が目指す今年度中の運転再開は不可能となり、核燃料サイクル政策に与える影響は大きい。
もんじゅをめぐっては1997年9月、ナトリウム漏れ事故の虚偽報告で国が1年間の運転停止を命じているが、使用停止命令に踏み込むのは初めて。これにより、運転の前段階となる原子炉起動に必要な核燃料の交換や制御棒の動作、格納容器の密閉性などの確認作業が禁じられ、運転再開の準備ができなくなる。
点検の放置が発覚したのは、昨年9月の旧原子力安全・保安院による抜き打ち検査。ナトリウム漏れ検出器の主要部品の点検がされていないことがわかった。これを受けて同機構が内部調査をした結果、10年以降で未点検の機器は9847個に上り、中性子検出器や非常用ディーゼル発電機など最高度の安全性が求められる「クラス1」の機器も55個あった。
規制委は2月に立ち入り検査に踏み切り、機構関係者の事情聴取を進めた。担当職員らは「設備が健全で問題ないと思い、上司に報告しなかった」などと説明。点検担当の部長や課長らは「(未点検を)知らなかった」と答えたという。
規制委は、安全管理体制に重大な問題があり、「動かせる状態にない」として同機構に使用停止を命じることとした。安全管理の手順などを定める保安規定の変更命令も出す方針で、すべての機器の点検の実施のほか、点検計画と安全管理体制の全面的な見直しも求める。
同機構によると、3月末時点で点検を終えていない機器は1956個。もんじゅの広井博所長は朝日新聞の取材に「年内にすべての点検を終えるのは難しい」と説明。点検計画の全面見直しについても「来春以降になる」と述べ、今年度中の運転再開は困難との認識を示した。
もんじゅでは、原子炉施設直下の断層が近くの活断層「白木―丹生断層」と連動する可能性が指摘されている。規制委は、7月に施行される新規制基準への対応も求める方針だ。
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〈もんじゅ〉 プルトニウムとウランを燃料に、消費した以上の燃料を生み出す高速増殖原型炉。青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場とともに、核燃料サイクル政策の中核を担う。1995年に40%出力試運転を始めた直後、ナトリウム漏れ事故で停止。15年ぶりに運転を再開した直後の2010年には、核燃料の交換装置が原子炉容器内に落下し、再び停止した。これまでに1兆円近い国費が投じられた。
【コメント】
ブログ「ざまあみやがれい」では、もんじゅの運転無期限停止について、大したことではない、と言っています。
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狙いは、プルトニウム消費のためのプルサーマル原発の再稼働しかないことは、すでにこのブログで論理的に突き止めた。
『 もんじゅは2010年8月に核燃料交換装置が落下したトラブル以降、再開しないままになっている。使用停止処分は長期化するとみられ、同機構が目指す今年度中の運転再開は不可能となり、核燃料サイクル政策に与える影響は大きい。』
いいえ。
全然、与える影響は大きくはないんです。というより、影響はないんです。
核燃料サイクル政策の中で、もうすでに、もんじゅは、軽視されているからです。
『 もんじゅをめぐっては1997年9月、ナトリウム漏れ事故の虚偽報告で国が1年間の運転停止を命じているが、使用停止命令に踏み込むのは初めて。これによ り、運転の前段階となる原子炉起動に必要な核燃料の交換や制御棒の動作、格納容器の密閉性などの確認作業が禁じられ、運転再開の準備ができなくなる。』
報道は、なにか大仰なことのように書いていますが、困るのはもんじゅの下請けをやっている企業だけではないかと思いますね。
『 点検の放置が発覚したのは、昨年9月の旧原子力安全・保安院による抜き打ち検査。ナトリウム漏れ検出器の主要部品の点検がされていないことがわかった。これを受けて同機構が内部調査をした結果、10年以降で未点検の機器は9847個に上り、中性子検出器や非常用ディーゼル発電機など最高度の安全性が求められる「クラス1」の機器も55個あった。』
動かさなければ、これらの点検不良は、そこまで問題ではないわけです。
『 規制委は2月に立ち入り検査に踏み切り、機構関係者の事情聴取を進めた。担当職員らは「設備が健全で問題ないと思い、上司に報告しなかった」などと説明。点検担当の部長や課長らは「(未点検を)知らなかった」と答えたという。』
もうこういうことにいちいち熱くなるのはやめたいところです。
むしろ冷たく軽蔑し、突き放すべき問題でしょう。
このまま、もんじゅの存在を認めれば、立地地域周辺の住民には、大きな危険が及ぶのは明らかで、彼らこそが自分たちで考え動く必要があります。
『 規制委は、安全管理体制に重大な問題があり、「動かせる状態にない」として同機構に使用停止を命じることとした。安全管理の手順などを定める保安規定の変更命令も出す方針で、すべての機器の点検の実施のほか、点検計画と安全管理体制の全面的な見直しも求める。』
こういうまっとうそうなことをやりながら、規制委員会は本分を果たしたかのような態度を取りつつ、プルサーマルを動かそうとするわけです。
『 同機構によると、3月末時点で点検を終えていない機器は1956個。もんじゅの広井博所長は朝日新聞の取材に「年内にすべての点検を終えるのは難しい」と説明。点検計画の全面見直しについても「来春以降になる」と述べ、今年度中の運転再開は困難との認識を示した。』
むしろ動かしたくない、というのが本音のような気がしてくるのは僕だけでしょうか。動かしてもカネがかかるだけですからね。
『 もんじゅでは、原子炉施設直下の断層が近くの活断層「白木―丹生断層」と連動する可能性が指摘されている。規制委は、7月に施行される新規制基準への対応も求める方針だ。』
活断層の影響について、はっきりしなければ、動かす準備をしても無駄になる可能性すらあるのです。
ならば、今は動かさないほうが賢明です。そういうふうにちょっとでも頭が良い経営者なら考えて当然なのですね。
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