志穂 つぶやかないで、いってみよう。

日々の出来事を書いていきます。

マドモアゼル・モーツァルト 本編【音楽座ミュージカル】

2009-02-04 16:30:37 | 芝居・ライブ・イベント
ミュージカル「マドモアゼル・モーツァルト」本編です。

かなり長いです・・・

※ネタバレありです。
 ただ、内容を知ってからステージを観てもとても楽しめると思います。(何度観ても、楽しめると思います。)


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日時:2009/2/1(日)
   バックステージツアー開始:11:15
   開場:13:00/開演:13:30
会場:グリーンホール相模大野
上演:Rカンパニー
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<あらすじ>
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天才作曲家モーツァルトは、実は女の子だった!
名前は「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」ではなく「エリーザ」。
でも、時代は18世紀。
「女に作曲など出来ない」とされ、女性は宮廷音楽家になれなかった時代。

娘の才能を世に出そうと思ったモーツァルトの父レオポルドは、
なんと、エリーザの髪の毛を切り、男の子としてしまいます。
「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」の誕生です。

次から次へと才能を発揮して、注目を集めるモーツァルト。
しかし女であるにも関わらず、コンスタンツェの母によって
コンスタンツェと結婚させられてしまったモーツァルト。

男だけど実は女のモーツァルトと、コンスタンツェとの結婚生活。
実は女でありながら、そのことを隠して曲を作り続けた
モーツァルトの一生と、モーツァルトを取り巻く人々を描いています。
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●音楽
ミュージカルの曲は小室哲哉が作曲していますが、
モーツァルトのミュージカルですから、モーツァルトの曲がたくさん出てきます。

スタッフの「音楽担当」の先頭には
 「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」
と書かれています。

劇中で使われたモーツァルトの曲も、分かる限りで書いてみました。


●演奏
音楽の演奏は、基本は録音されたものなのですが、舞台上手の後ろ側のところに、ピアノとヴァイオリンの演奏者がいます。

録音された音楽のほかに、生の音が入る部分が劇中全般にあって、生のピアノとヴァイオリンが入ります。


●精霊たち
原作には登場しないらしいですが、ミュージカルには
モーツァルトを取り巻く14人の精霊たちが登場します。

精霊たちは
 ・劇中に最初から最後まで登場し、舞台の世界観を創り上げる。
 ・人間からは見えない(という設定)
 ・登場人物たちの気持ちを動作や歌で表現する(セリフは一切なし)
 ・グローブサークルに乗っている時は「音符」を表現していることがある
です。

精霊たちには台詞がありませんし、殆どのシーンで登場しているので、説明が難しいので、本当に「舞台を観てくださいっ!」としか言えないのですが、特徴あるシーンについては、説明を入れようかと思います。

精霊たちにはそれぞれ、モーツァルトの4つのオペラの登場人物の名前がついています。

 ・ケルビーノ(フィガロの結婚)
 ・スザンナ(フィガロの結婚)
 ・フィガロ(フィガロの結婚)
 ・ドン・ジョヴァンニ(ドン・ジョヴァンニ)
 ・ツェルリーナ(ドン・ジョヴァンニ)
 ・レポレッロ(ドン・ジョヴァンニ)
 ・グリエルモ(コシ・ファン・トゥッテ)
 ・フェランド(コシ・ファン・トゥッテ)
 ・フィオルデリージ(コシ・ファン・トゥッテ)
 ・ドラベッラ(コシ・ファン・トゥッテ)
 ・夜の女王(魔笛)
 ・タミーノ(魔笛)
 ・パパゲーナ(魔笛)
 ・ダーメ(魔笛)

各オペラの内容などはこちらをご参照ください。
・フィガロの結婚
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%AC%E3%83%AD%E3%81%AE%E7%B5%90%E5%A9%9A

・ドン・ジョヴァンニ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%8B

・コシ・ファン・トゥッテ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%83%E3%83%86

・魔笛
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%94%E7%AC%9B


●幕開け
モーツァルトが亡くなり、亡骸がベッドに横たわり、
ベッドのそばでコンスタンツェが泣いているシーンから始まります。

ベッドの反対側には、モーツァルトの弟子のフランツと
劇場支配人シカネーダー。

「この部屋から出て行ってください・・・二人っきりにしてください・・・」
コンスタンツェのこの台詞の後、
精霊たちのコーラスで物語が始まります。

使われたモーツァルトの曲
レクイエム二短調から(涙の日)


●ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの誕生
「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の第2楽章の旋律に合わせて歌う、天真爛漫で可愛らしい少女エリーザが登場します。

エリーザはツェンバロの前に座り演奏を始めます。
最初は「キラキラ星」を弾いているのですが、その旋律に飽き足らず、どんどんと変奏していってしまうエリーザ。

エリーザに音楽を教えている父レオポルトは
 「なぜ、楽譜通りに弾かないのだ!!」
と怒るのですが、すぐに
 「ん?もしかして・・・即興で弾いているのか?!!」
と、娘の才能に驚きます。

 「だって~こっちの方が楽しいんだもん!」
と、天真爛漫に即興で演奏を続けるエリーザ。

娘を宮廷音楽家にしたいと考えた父レオポルト。
しかし、女性は宮廷音楽家にはなれなかった時代。

父は娘を男の子にすることを考えます。
そして、彼女は父によって男の子とされ「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」が誕生します。

精霊たちがモーツァルトの誕生を祝います。

使われたモーツァルトの曲
アイネ・クライネ・ナハトムジーク(1楽章、2楽章)
きらきら星変奏曲
トルコ行進曲(ピアノソナタ11番第3楽章)


●コンスタンツェとの結婚
男性として成長したモーツァルトは、次々に曲を作曲していきます。

このころ住んでいた下宿の娘、コンスタンツェは、モーツァルトに想いを寄せています。
コンスタンツェは、何とかモーツァルトに想いを伝えたいのですが、なかなか伝わらず・・・

しかもモーツァルトは
 「あ~結婚なんて無理無理、僕には結婚は向かないよ!」
と言う始末。

そこへ登場するコンスタンツェの母。
いかにも「下宿をやってるお母ちゃん」って感じの
貫録たっぷりのお母さんです。
(コンスタンツェの衣装のテーマカラーはピンクなのですが、
お母さんもピンクを着ています)

コンスタンツェとモーツァルトを結婚させようと思っていた母は、
半ば無理やり、結婚させてしまいます。

オペラ「フィガロの結婚」に合わせて、精霊たちが祝います。
精霊たちが結婚式を先導し、二人の結婚式が行われます。
(あくまでも精霊は人間からは見えません)

モーツァルトに想いを寄せていたコンスタンツェは喜びますが、
実は女なのに、女性と結婚してしまったモーツァルトは困惑するだけ。

コンスタンツェは初々しい新妻らしく、モーツァルトをベッドに誘ったり、
色々と喜ばせようとします。

コンスタンツェのテーマカラーであるピンク。
淡いピンクのナイトガウンを着たコンスタンツェが初々しいです。

が・・・その度にモーツァルトは
 「あ~仕事仕事!」
と、ツェンバロに向かい、はぐらかすだけ・・・

そりゃ、そうですよね。。。
女であることを隠して結婚してしまったんですから、
普通の夫婦のようにはいきませんし、
モーツァルトだって困ってしまったでしょう。

最初は困惑していたコンスタンツェですが、
だんだんとイライラが募り、ついには爆発してしまいます。

そしてとうとう・・・モーツァルトは自分が女であることをコンスタンツェに明かします。

困惑するコンスタンツェ。

女であることを明かしたモーツァルトから
 「君に・・・そばにいてほしい」
と言われ、うなずくコンスタンツェ。

彼女は誰にも秘密を漏らさず、隠し通します。

父親の欲から、男の子にされ、ついには女性と結婚してしまったモーツァルト。
彼の苦悩は続きます。


使われたモーツァルトの曲
フィガロの結婚(序曲、恋とはどんなものかしら)


●サリエリの登場
時が前後しますが・・・宮廷音楽家サリエリです。

自分は宮廷音楽家なのに、宮廷音楽家ではないモーツァルトに人気を持っていかれてしまったサリエリ。
(まだ、モーツァルトは宮廷音楽家にはなっていない)
モーツァルトの人気に嫉妬します。

ふとしたことから、サリエリは
 「モーツァルトは女ではないか・・・?」
と思い始めます。

そして、恋人の歌姫カテリーナを使い、モーツァルトの正体を暴こうとたくらみます。

が、たくらみは失敗し、モーツァルトの正体は分からずに終わります。


●人気の落ち目と父の死
モーツァルトの人気が、次第に落ちてきます。

演奏会をやっても客は来なくてガラガラ。
そんな日々が続きます。

それと反対に、人気が出なかったサリエリは人気急上昇。

モーツァルトは
 「なぜ?なぜ?」
を繰り返します。

サリエリは冷たく
 「君の音楽は飽きられたのさ。世間は常に新しいものを求めている」
と言い放ちます。

そこへ、台本作家ダ・ポンテが、ドン・ジョヴァンニの台本を手に現れます。
 「新しいオペラを書かないか?!」
ダ・ポンテの言葉に「ドン・ジョヴァンニ」を書き始めるモーツァルト。

「ドン・ジョヴァンニ」の「地獄」のシーンで、モーツァルトの父レオポルトが死んだと伝えられます。

この「地獄」のシーンには、実際に「ドン・ジョヴァンニ」に登場する「騎士長の石像」と、複数の「黒い影」が出てきます。

精霊タミーノは剣を振り回し、戦いが繰り広げられ、地獄のシーンが終わります。

 「パパが・・・死んだ・・・」


●マドモアゼル・モーツァルト
モーツァルトの父レオポルトが死んだことによって、モーツァルトは
 「僕は自由だ!もう男でいる必要なんかないんだ!」
と喜び、今度は「女性」となって登場します。

モーツァルトのテーマカラーであるブルーのドレスを着て
コンスタンツェと共に「女同士」で出かけます。

今まで男だったモーツァルト。
ドレスを着ても、男だった頃のように大股でズカズカと歩き、
コンスタンツェから
 「もっと歩幅を小さく!おしとやかに!!背筋を伸ばしてっ!!」
と、ダメ出しを食らいます(笑)

出かけた先でサリエリ、カテリーナのカップルと遭遇したモーツァルトとコンスタンツェ。

モーツァルトは
 「モーツァルトのいとこで、ザルツブルクから来ているエリーザ」
と紹介されますが、サリエリはエリーザに一目ぼれ(笑)

エリーザ(モーツァルト)に一目ぼれしたサリエリは、花束を持ってモーツァルトの家を訪ねます。

コンスタンツェが
 「サリエリが来ちゃったわよ・・・」
と言うと
 「彼が用があるのは、男?女?」
と聞き返します(笑)

サリエリにとって、モーツァルトはライバルですが、エリーザは一目惚れした素敵な女性。

サリエリは両方知っているわけですから、モーツァルトとしては、男として出ていくか、女として出ていくか、困りますよね(笑)

サリエリが
 「エリーザさんはいらっしゃいますか?」
と聞くと
 「うちは狭いので、私の実家に泊まってもらっていまして・・・」
と取り繕うコンスタンツェ。

すると続けてサリエリは
 「では、ご主人にお会いしたいのですが」

全く忙しいったらありません(笑)

エリーザは「運命の人であり、結婚したい」と思うサリエリ。

しばらくしてサリエリがモーツァルトに打診します。
 「宮廷音楽家の席が一つ空いたんだが、君を推薦しようと思う」
モーツァルトは喜びます。

が・・・
 「その代り・・・エリーザ嬢によろしく伝えてほしい」
と。

 「モーツアルト = エリーザ」
ですから、そんなこと言われても困っちゃいますよね(笑)

この辺の、モーツァルト、コンスタンツェ、サリエリのやり取りが、結構面白いです。



●子供ができた!
コンスタンツェに子供ができます。

でも、夫であるモーツァルトは女。
皆が祝福する中、モーツァルトの姉ナンネリはかなり困惑して祝福します。

ハッキリした事実は語られませんが、子供はおそらく、コンスタンツェの不倫相手で、モーツァルトの弟子であるフランツの子供。

フランツは
 「お腹の子は、僕の子供ではないのか?」
と疑いますが、
 「夫の子です!」
と言い通すコンスタンツェ。

夫が女であることを隠し、お腹の子どもの正体を隠し、疲れ果てたコンスタンツェ。

 「あなたのせいで、いったいどれだけの人が振り回されてるのよ?!
  生まれてくる子供が・・・可哀そう・・・」

と、嘆き悲しんでモーツァルトに当たると、彼は「僕だって、どうしたらいいかわからないんだ。。。」と答えます。


ただただ、音楽が大好きだった女の子エリーザ。
父親の欲によって、男の子にされたエリーザ。
もう、過去には戻れない。。。


●魔笛とモーツァルトの死
劇場支配人シカネーダーが、モーツァルトの前に現れます。

「新しいオペラを作ろう。貴族相手の堅苦しいのじゃなくて、もっと民衆に受けるものを!」

モーツァルトは、新しいオペラを書き始めます。
書いて、書いて・・・書いて書いて・・・次から次から湧き出てくる音を、音符を、ひたすら五線紙に書き続けます。

不眠不休で作業をするモーツァルトを心配するコンスタンツェ。
シカネーダーに
 「少し、休むように言ってください」
と頼む彼女に
 「いま、彼を止めてはいけない。書き続けるんだ」
とシカネーダー。

弟子のフランツの方が先にギブアップしてしまいますが、
モーツァルトは書き続けます。

そして、出来上がったオペラ「魔笛」。

上演は大成功。
民衆は、オペラのアリアを口ずさみながら帰っていきます。

大喜びするシカネーダーの元に、フラフラとよろめきながら現れるモーツァルト。

そのまま倒れ、帰らぬ人となってしまいます。

倒れたモーツァルトを助けるために、服を脱がせたシカネーダーは、モーツァルトが女であることを知ります。

が・・・黙ったまま、そっと服を着せて亡骸を運ぶシカネーダー。

モーツァルトの亡骸がベッドに横たわり、
シカネーダーとフランツがベッドの脇に、
反対側の脇に、コンスタンツェがひざまづいている最初のシーンに戻ります。

「この部屋から出て行ってください・・・二人っきりにしてください・・・」



●サリエリが観たまぼろし
雪が降る中、サリエリはエリーザに出会います。

しかしそれは、エリーザではなく、エリーザの幻(面影?)。
雪が降る中、天から白い羽が3枚落ちてきます。

最後の1枚を拾った時、サリエリはエリーザの正体に気づいたんでしょうか・・・?


●カーテンコール
カーテンコールは5回くらい掛かりました。
客席は、スタンディング・オベーションで半分くらいの人が立っていたと思います。
あちこちから「ブラボーッ!」の声が飛びます。

ずっとずっと鳴りやまない拍手に、何度も応えてくれた役者さんたち。
そして、ステージ上手で演奏していたヴァイオリン&ピアノ奏者の方たち。


本当に本当に、素晴らしいステージでした。
この「素晴らしさ」は、言葉では言い表せませんし、説明もうまくできません。
ミュージカルは、演技、音楽、ダンス、歌、照明、音響、大道具、演出・・・色々な要素で出来上がっていますが、どれをとっても「素晴らしい」の一言に尽きます。

精霊は台詞がない分、ダンスや歌が多いのですが、
精霊の方たちのダンスも、素晴らしかったです。

追加公演とかあれば、もう1度観たいです。
1度と言わず、2度、3度と観たいくらいですね。

Rカンパニーの方々、苦境の中、上演を決めてくださって、
そして素晴らしい舞台を観せてくださって、本当にありがとうございました。
3月には関西公演もありますが、頑張ってください

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