京風流吟詠会9月の吟は、韋応物(い おうぶつ)作「雁(かり)を聞(き)く」です。
故園(こえん)渺(びょう)として何(いず)れの処(ところ)ぞ
帰思(きし)方(まさ)に悠(ゆう)なる哉(かな)
淮南(わいなん)秋雨(しゅうう)の夜(よる)
高斎(こうさい)雁(かり)の来(きた)るを聞(き)く
作者 韋応物 中国・中唐の詩人。長安の人。
【通釈】わが故郷長安はどこだろうと眺めるが、はるかに隔てていて見えない。帰りたいと願う気持ちが切々と迫り、つきない。この淮水(わんすい)(注)の南の地で、秋雨がさびしく降りしきる夜、わが住む屋敷の書斎で雁の渡って行く声を聞くと、いよいよ望郷の念がわき起こる。
(注)淮南とは「淮水(わんすい)」の南。淮水は淮河ともいう。中国東部の黄河と揚子江(長江)の間を東に流れる川。長江、黄河に次ぐ第3の大河。
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