先日、岩尾 龍太郎 氏 による「江戸時代のロビンソン―七つの漂流譚」を読み終えました。
以前、井上靖氏が、大黒屋光太夫を主人公に描いた小説「おろしや国酔夢譚」を読んだことがあります。
本書でも大黒屋光太夫は、第四話「北方のガリバー」の章で登場します。ただ、こちらは小説ではなく、著者が渉猟した当時の記録・原典の紹介が主になっています。
収録された漂流譚は7つ、当時の日本は鎖国政策下にありましたから、それらの記録は幕府や藩の公式文書として残されたものではありませんでした。「鎖国」という環境下、漂流から生還した人々やその事実はむしろ秘匿されていたのです。
沿海航路が中心だったために航海技術は未熟、しかしながら積載量を確保するために船体は頑丈。著者によると、このアンバランスさが江戸時代における数々の遠距離漂流を発生せしめた一因だと言うのです。そして、漂流者たちは、強烈な生命力で、気の遠くなるような長期間にわたる極限生活を耐え抜きました。
読後感については、また私のもうひとつのBlogでお知らせします。
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