社会保険労務士酒井嘉孝ブログ

東京都武蔵野市で社労士事務所を開業している酒井嘉孝のブログです。
(ブログの内容は書かれた時点のものとご理解ください)

特定社労士受験体験記⑦

2019年04月15日 09時54分45秒 | 社会保険労務士について
特定社会保険労務士の酒井嘉孝です。

特定社会保険労務士受験体験記の7回目は付記(申請・登録)について書きます。受験体験記としては最終回です。

4月1日から特定社会保険労務士と名乗ることができたのですが、土曜日に自宅へ全国社会保険労務士会連合会が発行した特定社会保険労務士標章が届きましたので冒頭に「特定」をつけました。

第14回の紛争解決手続代理業務試験の合格発表は3月15日でその翌日に簡易書留で合格証書と成績が届きます。
3月20日頃に連合会から付記申請に必要な書類が届きます。

写真館で写真2枚撮って、東京都社会保険労務士会の事務局へ3月25日に付記申請を直接提出しました。
申請にあたり、申請書に貼る印紙が5,000円、東京会の事務手数料が5,000円かかりました。
なお、連合会発行の標章は交換になります。東京会の会員証も交換で、事務局へ預けます。社会保険労務士たる証明書を2つ預けてしまうと何か心細い気がします。
3月25日に提出しましたが今年のこのタイミングであれば4月1日付記登録されるとのことでした。
東京は月1回登録なので都内の社労士では平成最後の特定社労士登録になりそうです。

私の場合4月13日に連合会発行の特定社会保険労務士標章が届きました。東京会の会員証は2ヶ月ちょっとかかるようです。

特定社労士受験体験記⑥

2019年04月04日 09時39分38秒 | 社会保険労務士について
社会保険労務士の酒井嘉孝です。

特定社労士受験体験記の6回目は再受験について書きます。

特別研修を終えていれば次の年にもう一度中央発信講義から受け直さなければならないわけではありません。特別研修を修了した証として「特別研修修了証」が特別研修を受け終わった2ヵ月後の1月下旬に届きます。
なお、もう一度特別研修の一部を受けることもできます。中央発信講義とゼミナールを有料で聴講という形で受けることも可能です(グループ研修の参加はできないようです)。私は聴講しませんでしたが聴講すればその年の新しい教材の一部ももらえるとのことです。


初年度不合格だった理由は、体験記⑤に書いたように予想問題集に頼った勉強で、問題用紙の構成すらわかっていなかったという準備の悪さとグループ研修での取り組み方にあったと思います。

もちろん、私としては一連の特別研修をまじめに取り組んでいたのですが(少なくとも本人はそのつもり)、グループ研修で取り上げられる5つある検討用課題の予習と復習、あっせん申請書・答弁書の作成について自分が作るものもさることながら、グループのほかのメンバーがどういった点に着目してあっせん申請書と答弁書を作成したか、自分が見落としていた点がなかったか、他の人の着目点が自分の考えと違うのならどうそれを説明するかをしっかり考えることが必要であったと思います。


2回目の試験勉強は過去13回の特定社労士試験の過去問をすべて解くことをしました。これでまず試験の時間配分と問われ方答え方をたたきこもうとしました。決まり文句的なものはやはり覚えるしかありません。ここは特別研修の事務局から評判が悪かったとしても過去問がまとまったものを他に知らないので対策本に頼らざるを得ません。
本に書いてある解答例については参考にはしましたが、絶対のものではないと思いました。2種類の対策本は手元にありましたが解答が同じとは限りませんでした。
なお、問1のあっせんの問いは試験の回を重ねるごとに問題文が長文化してきており、問2の倫理も最初のほうの回とは難化というか判断し、その判断の説明を記していくに時間を要する問題になってきていると感じます。


今思うと、という形になってしまいますが、問題文自体があまり長文でなかった試験の過去問の第1回から第10回くらいまでを特別研修が始まる前までにやっておくとその後の特別研修の勘所も含め、押さえやすいような気がします(安易に試験対策を行っていると怒られるかもですが)。グループ研修のあっせん申請書、答弁書の作成においても言い分からの事実の拾い上げと法的見通しなどもやりやすいと思います。


試験の申し込みですが、月刊社労士9月号に9月下旬に申し込み方法が全国社会保険労務士会連合会のホームページに掲載される旨発表されます。特別研修を受けている現役生は中央発信講義の際に試験の要項と申込書をもらえますが、再受験の場合は自分で取り寄せる必要があります。郵送でも可能ですが私は配布している東京会の事務局へ取りに行きました。
受験料は15,000円です。
受験申し込みでは先ほど書いた特別研修の修了証を同封します。修了証のコピーを送る方法もあるのですが私は原本を送りました。

試験は前回と同じく11月下旬。前回よりも難しくなっているような気がしました。
前回不合格であった苦手意識も手伝って試験を終えても自信もなく帰ってきました。現役組はグループで集まっている様子も見えました。浪人はちょっと寂しいです。

幸いなことに今回は合格でしたが、官報の発表を見たときは脱力してしまいました。
問題は難化しているような気がしましたが合格率は前年の57%から62%に上がっていました。

特定社労士受験体験記⑤

2019年04月02日 10時57分15秒 | 社会保険労務士について
社会保険労務士の酒井嘉孝です。

特定社労士受験体験記の5回目は試験のことについて書こうと思います。

特別研修の最終日は午前中のみで終わります。午後はいよいよ試験です。
昼食を摂った後、指定された部屋に14時集合です。試験会場は東京の場合ゼミナールと同じ建物内でした。
なお、昼食会場はゼミナール、試験会場と同じ建物内の大きめの部屋が用意されますが、収容しきれていなかったような気がします。


試験会場に行ってみると私の前、さらにその前の人が私と同じグループの人でした。
試験もグループでまとめているのかと思いましたが、ほかでグループでまとめていると聞かなかったので偶然そうなっただけのようです。

14時から試験についての説明、顔照合等があり14時30分から試験開始です。

問題の構成は第1問であっせんの問い、第2問で倫理の問いです。
分量はあっせんが文章量も配点も圧倒的に多い(配点は70点)ですが、倫理では配点30点中10点以上取らないとあっせんでいい点を取っても不合格になります。
なお、総合点は100点中55点以上で合格です。

第1問のあっせんの問いは解雇、雇い止め、パワハラなどのテーマは違えど答え方のパターンはこれまでほぼ同じです。
小問1は「Xの立場に立って求めるあっせんの内容」
小問2は「特定社労士としてXを代理して○○が無効であると主張する具体的事実を5項目箇条書き」
小問3は「特定社労士としてYを代理して○○が有効であると主張する具体的事実を5項目箇条書き」
小問4は「双方の主張内容を踏まえて○○の有効性について考察し法的判断の見通し」
小問5は「X(Y)の代理人である特定社労士して法的判断の見通しを踏まえ現実的解決を図るとしてどのような内容を考えるか」
をそれぞれ記述します。

第2問の倫理の問いはすこしずづ変わってきていて、特に最近は依頼を受けることができるかの結論YES、NOをしっかり述べる方式になっています。小問は2つです。


14時30分の合図と共にいざ問題用紙をあけてみると第1問のあっせんについての問いと第2問の倫理についての問いが続けて書いてあります。

あっせんの問いに答えるにはX(労働者側)の言い分、Y(会社側)の言い分を読まなければ答えようがないにもかかわらず、その言い分が書いてあるページがまるまる無いように見えました。
問題用紙の落丁か乱丁かと焦りました。

なお、そのXとY言い分は、第2問の倫理の後のページにあるのですが、それすら知らない状態で試験に臨んでいたわけです。


私の(初年度の)試験の対策ですが、現在は絶版となっている河野順一先生が出された予想問題集を借りることができたのでそれを中心にやりました。
なお、特定社労士の試験の対策本は河野順一先生が出している過去問の解説本、「おきらく社労士」で特定社労士受験界で有名な佐々木昌司先生がかかれた特定社労士受験ノートのほぼ2種類しかありません。受験者がここ最近は1000人を切っていますので本を出すという意味では市場が小さいのでしょうか。

なお、特別研修中、特にゼミナールでこれらの対策本の話をすると講師の方に明らかに嫌がられました。グループ研修のグループリーダーも『安易に解答を得ようとしている』というの理由で疑問を呈しておられたように思いますし、特別研修の事務局もそのように言っているようでした。ゼミナールの弁護士の方が言うには掲載されている解答例も明らかに間違えているものもあると仰っていました。
とはいえ、過去問をあたるにはほぼこの2種類の本しかないのが現状で、どちらかあるいは両方の本を買っている受講生が多かったように思います。

結論から言うと、予想問題集中心の試験対策は私としては失敗でした。ほぼそれしかやっていなっかった気がします。
話が少しそれていましたが、問題用紙の基本的な構成すら知らなかったわけです。
また、試験の時間配分もしっかりできませんでした。
私の場合、時間がぜんぜん足りませんでした。
試験終了後復元解答をしようにも、書いたことを問題用紙に写す時間はとてもありませんでした。

2時間の試験を終えた後、グループで集まっておつかれ飲み会をし、試験の労を労いあいました。

試験の発表は3月中旬ですが、グループ10人中7人が合格でした(全体の合格率は57%)。私は受験体験記の1回目で書いたように不合格でした。

(4月4日:誤記の訂正と追記をしました)