社会保険労務士酒井嘉孝ブログ

東京都武蔵野市で社労士事務所を開業している酒井嘉孝のブログです。
(ブログの内容は書かれた時点のものとご理解ください)

社会保険労務士試験の試験科目免除

2018年07月29日 16時59分42秒 | 社会保険労務士について
社会保険労務士の酒井嘉孝です。

社会保険労務士の登録をすると月1回全国社会保険労務士会連合会から「月刊社労士」が送られてきます。
それにそれに社労士試験の試験科目免除指定講習のことが書いてあったのでご紹介したいと思います。

社会保険労務士試験センターのホームページにも試験科目免除についても記載されていますが試験科目の免除がされるのは①労働社会保険関係の事務に関係した公務員10年以上勤務、②日本年金機構や全国健康保険協会、その前身の社会保険庁に15年以上勤務、③厚生労働大臣が指定する団体の役員若しくは従業者、社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人の補助者として15年以上勤務というのがありますが月刊社労士で触れているのは③についてです。

科目免除のための講習を受けると最大4科目免除されるようです。しかも毎年受験生を悩ませる労働・社会一般常識も免除に入っています。
普通に試験を受ける場合は9科目ですからかなりのアドバンテージです。

講習は半年間の通信教育と1科目18時間の講義を行い、科目ごとに修了試験があるようです。
結局試験自体はあるんですね。
平成29年度の受講案内(全国社会保険労務士会連合会)

なお月刊社労士には昨年度の実績も出ていて講習申込者は152人で終了された方は111人だそうです。
やはり長丁場を全員全うされるわけではないんですね。

業務災害・通勤災害と交通事故について

2018年07月19日 19時59分46秒 | 社会保険・労働保険
社会保険労務士の酒井嘉孝です。

職場に向かう途中、青信号の横断歩道を歩いて渡っていたら曲がってきた車にぶつけられたという事故であればまがいもなく交通事故ですが、通勤中の事故ですから通勤災害でもあります。

こういったケースの場合、自動車保険から治療費や休業補償を受けていくか、労災保険の給付を受けていくか選択しなければなりません。
結論から言うと労災保険にはあとで触れる特別支給金の制度があるため自動車保険から給付を受ける場合でも労災・通勤災害の手続きはとっておいた方が良いものと考えます。

相手の車が任意保険に入っていて、過失割合に争いがなければ保険会社から直接病院に治療費が払われる手続きを行うことが多いため、最初から被害者側の立て替えなどの負担はありませんが、任意保険に入っていない場合は相手の自賠責保険のみで支払われていくことになり、その限度額は120万円です。
120万円を超えた場合は本来加害者側に支払う義務がありますが加害者に支払い能力がない場合の治療費は被害者本人が立て替えていくしかありません。

業務中の交通事故、通勤時の交通事故では、加害者側の自動車保険(自賠責保険・任意保険)、被害者側の労災保険どちらをつかってもいいことになっています。
自賠責先行という考え方があり自賠責保険から給付を行っていくのが原則的です(自賠責保険の仮払い制度があるため)。ただ、自動車保険を使う場合、交通事故は100%加害者側が悪いとされず、過失割合で被害者側にも落ち度があり何割かは負担を強いられることもあります。その場合被害者側も治療費の負担が出てきます。また、過失割合に争いがあるうちは自動車保険の保険会社も治療費を払ってもらえない可能性があります。

業務災害、通勤災害の交通事故でも労災保険を使えば過失割合という考え方はないので治療費は全額支給されます。
また万が一の立て替えの不安もなくなります。
更に、労災保険には特別支給金という制度があり休業が4日以上になった場合は給付基礎日額(大雑把にいうと給料の日額)の2割が支給されるため、自動車保険側から治療費や休業補償を受け取っていても別途で労災保険からの支給を受けられます。

労災保険を先行して処理を行った場合、いったん労災保険から被害者に治療費等の給付を行い、あとで労災保険で立て替えた費用を加害者や加害者側の保険会社に請求します。
この労災保険側の処理を行うために第三者行為災害届という届を出します。
この第三者行為災害届はA4表裏2枚びっしり書くところがあります(ここは専門家社会保険労務士の出番となります)。

このように他の保険制度と絡んだ場合どの制度を利用した方がいいか社会保険労務士を含めた専門家に相談をされた方が良いと考えます。


三鷹商工祭り

2018年07月16日 19時13分38秒 | 日記
社会保険労務士の酒井嘉孝です。

7月14日、15日と三鷹市役所にて三鷹商工祭りが開催されました。
私が所属する東京都社会保険労務士会武蔵野統括支部も出展し、私も14日の午後に参加させていただきました。

我々社労士のブースは東京都行政書士会武鷹支部さまと同じテントでした。
年金や労働関係の相談もお受けしましたが、多くは子供さんむけのクイズや飴やティッシュを配り、社会保険労務士のPRを行いました。
この2日間は気象庁が「命に関わる暑さ」と言っていたからか、昨年より出足が鈍いようだったと先輩たちのお話でした。

社会保険労務士は認知度が他の士業と比べると低いようなのでこういった場でのPRも重要と感じました。

社会保険労務士の仕事(年度更新・算定基礎届)

2018年07月04日 19時10分10秒 | 社会保険労務士について
社会保険労務士の酒井嘉孝です。

社会保険労務士にとって7月10日は労働保険の概算・確定保険料の申告(年度更新)、社会保険の算定基礎届の提出とダブルで年イチの業務が来るため、4月と並んでかなり繁忙な時期です。

年度更新は前年の4月から今年の3月までの給与を積み上げ、労働保険の料率をかけて労働保険料と労働者の人数を申告します。
こう書くと簡単そうですが雇用保険には年齢によって免除があったり、出向者のカウントの方法など独特のルールがあるため、これらを専門にやっている方がいないと結構面倒くさい仕事です。
ただ、1年度の給与が固まる3月ないし4月から7月10日まで比較的期間があるので比較的準備を整えておくことは可能です。

算定基礎届は4月、5月、6月の給与を書き出してその平均をとって届け出を行うというものです。
算定基礎届は社会保険加入の社員の方全員について一人一人算出しなければならないことと、6月の給与確定から7月10日まで期間が短いのでこの短期間に全社員の計算を行って届け出を完遂することはかなり忙しさとなります。

総務人事担当の方にとっては労働保険や社会保険の計算ばかりが仕事ではないばかりか、事業主の方がこれらの作業をやられているとすれば多くの時間をそこに割かれることになります。また、労働保険と社会保険の積み上げを行う対象となる賃金は微妙に異なります。これらの判定も社会保険労務士が精通している分野であり、本来は除くべきものを除いていなかったり算入すべきものを算入していなかったということも防ぐことができます。

社会保険労務士にとって年度更新と算定基礎届は本業ですのでぜひご活用をいただければと思います。