1809- 秋雨前線

今が盛りの酔芙蓉は、秋雨に悩める麗人のよう。

　花材　・酔芙蓉　・吾亦紅
　花器　・津軽ビードロ 花瓶

1809- 叢の秋

　夕陽に薄紅色に染まった、叢は秋の虫たちの棲家らしい。夕闇を待ち兼ねたように、あちこちで鳴き始めました。
　細い茎の先に、ピンク色の花を 重たげに付けた秋海棠は よく今年のあの暑さを 忍んだものです。

　花材　・吾亦紅　・蛍かや　・コスモス　・マトリカリヤ
　花器　・相馬焼　宗像窯 にしん鉢

1809- 岬からの風は 藍色

　神戸から佐田岬へ移転した若い ご夫婦が訪ねてくれました。日焼けした顔が元気そうです。
昼食を一緒に取りながら、アイパッドに収められた岬での生活や風景は 私の想像を越える自然の厳しさが感じられます。
　ダイナミックな大自然から生まれる、夫君の書道家としての作品や 奥方がライフワークにしたいと言う生け花の作品が どのように変化していくのが楽しみです。
　お二人の大きな目的、藍の栽培から藍染は 始まったばかりですが あの海や空の青さから生まれた様な 藍染の布が 岬の風に揺れる日が心待ちされます。

　花材　・石化やなぎ　・葉ラン　・鉄砲ユリ　・スプレー菊
　花器　・ブルー ガラスボール

1809- 虫の音

　朝夕はすっかり秋めいて、待ちわびた秋の訪れです。
朝は、純白の大輪の花が爽やかさを届けてくれる酔芙蓉も 夕刻にはピンクに染まって 翌日には花殻になってしまいます。
　美しい散り際の彩に 艶めきが増します。
夕闇が深くなってくると、庭のあちこちから 虫の音が響いてきて夏の間 蝉の大合唱だったことが 嘘のように思えます。
　日本的な情緒が満ちてくる 秋の始まりです。

　花材　・酔芙蓉　・一ッ葉
　花器　・有田焼 蔦柄偏壺

1809- 忍耐・礼節・破顔

　テニスで見事グランプリ獲得のなおみさん、暗いニュースの世の中に 一筋のとても明るい光が射しました。
彼女が心に秘める忍耐、多くのブーイングの中で見せた礼節 、そして南国特有の素晴らしい笑顔。
　皆の心に刻まれたことでしょう。本当におめでとう。

　花材　・バラ　・スプレー カーネーション　・ケイトウ　・カスミソウ　・一ッ葉玉しだ
　花器　・変形水盤