1409- 秋 草

　近所の庭に咲いた、萩の花を いただきました。水揚げをしっかりとすると、たちまち元気になりました。
小さな赤い花からは、精気が伝わってきます。庭の花々と生けると、静かな秋の午後です。

　花材 ・萩　・吾亦紅　・秋明菊　・ざくろ
　花器　・津軽ビードロ

1409- 蘇州夜曲

　９月１５日の朝刊の一面に、山口淑子さんの訃報が告げられていました。９４年の生涯は波乱に満ち 戦後に至る 日本の歴史の中を生き抜いてこられたのだと思います。
彼女が、中国で活躍していた時代 私達家族も上海で 生活していました。戦中戦後、両親と多少のご縁があったそうです。
　戦後の昭和２１年春、上海からの引揚げも 同じ長崎丸だったとのこと。船中で、彼女は乗船の引揚者のために 多分 蘇州夜曲など数曲の歌を歌って 皆を慰め 力づけたと聴いています。当時、私は５歳の子供でしたから　記憶にはありませんが・・・。
戦争が激しくなった、終戦近くの一時期　家族で疎開した事のある蘇州を 戦後２度訪れる事がありました。とても、美しい街でした。

　それから、数十年平和な日本で 特に世の中の男性は　企業戦士として必死に働き 高度成長を遂げました。
街では、カラオケが大流行。私も女友達が営むスナックで 何時、何処で覚えたか判らない山口淑子さんの代表曲 蘇州夜曲を 十八番 ( おはこ ) として歌っていました。
　二度とあの様な、不幸な日々を繰り返さない様に 私達大人も 今後を生きて行く子供たちも 思慮深く行動しなければいけないと思います。
平和を望み、自分を見失うことなく 鮮やかに生き抜いてこられた方に あえて 紅白のお供え花で ご冥福をお祈りしたいと思います。
　美しい歌姫、李香蘭さん今、何処の国の青空で 歌っていらっしゃいますか ?

　 花材　・ゆり　・小菊　・桔梗ラン　・けいとう
　 花器　・コンポート　




　上海時代の母が愛用の 形見の翡翠帯留め

1409- ざくろ

　知人から、庭のザクロの木を処分するので 良ければ花材に使って下さい・・との事。早速、初めてのお宅に伺い お茶まで頂いてきました。
代々のお百姓さんの住んでいた地域で 彼女の家も300坪位の敷地の大きな邸宅。庭には、沢山の木が植えられていました。
彼女の代も、次世代も農業を継がないのでそろそろ、老い支度を考えている様です。

　ご近所も、農業を継ぐ人がいない 同じように大きな家に 高齢者が一人、二人と住んでいて静まり返っています。
自然相手の農業は、人々にとってそんなに魅力のないものなのでしょうか。
真っ青な空に、真っ赤に熟した美しい ザクロを見上げながら考えてしまいました。

　花材　・ザクロ　・鉄砲ゆり　
　花器　・備前緋たすき


　花材　・ザクロ
　花器　・益子焼壷

1409- 白い秋

　彼岸になって、いよいよ秋の気配も濃くなってきました。風も光も、空の青も透明度を増し 何をするにも最適な季節です。
一年の締めくくりをする前の、忙しい季節になりそうです。

　花材　・小判草　・ゆり　・山ブドウ
　花器　・ガラス花瓶

1409- メローな オレンジ色

　夏の間、涼しい陰を作ってくれた ゴーヤの棚に 次々オレンジ色に熟した ゴーヤの実が出来ています。牛乳・ゴーヤ・甘味料をミキサーにかけると ゴーヤ・ジュースの出来上がり。
牛乳とミックスされた メローなオレンジ色と独特な香り、そして　後味にチョッピリ苦味も感じます。このジュースを飲む度に " お母さんみたいな色と味 " と思ってしまいます。
そのためでしょうか、スポーツの後に飲む このジュースは 体の隅々まで タンパク質・ビタミン・ミネラル・etc が満ちていく様です。

　花材　・トルコ桔梗　・ナデシコ　・山ブドウ　
　花器　・手作りガラス器　手作りガラスコップ