1405- 調 和

　　「立てば芍薬、座れば牡丹　歩く姿は百合の花」麗人を形容する、随分古い言い方です。
　百合と芍薬は　この季節 双璧を成すほどに 美しい花です。　人間社会では、この様な両人が出会うと 競う事があっても なかなか調和する事は　難しい気がします。映画でも、主演の美人女優さんは 大体一人ですものね。
　 生けた掛け花の百合と、花瓶の芍薬は　それぞれの美を主張しながらも　調和 していて 見ている者の気を落ち着かせます。

　花材　・オリエンタルリリー　・鳴子ラン　　花器　・掛け花用 籠
　花材　・芍薬　・こばのずいな（紅葉木）　　花器　・金属製 アンティーク壷

1405-五月の風

　入梅前の、五月晴れの空を 爽やかな風が 渡っていきます。
初夏を彩る庭の花々も、その風に身をゆだねる様に スイングしています。静かな、明るい午後です。

　花材　・卯の花(ピンク) ・柏葉紫陽花　・姫あやめ　・三つ葉アケビの蔓
　花器　・志野焼 花器

1405- 新茶のかほり

　　八十八夜も過ぎ、街の店頭に新茶が 沢山並び始めました。どちらかと言うと、しっかりした味の渋茶の方が 味が深く好みですが 一年に一度のこの時期、やはり新茶の きれいなグリーンの茶葉と若々しい風味は 気分一新、と言う感じです。
　いただき物の 松山の薄墨羊羹との相性は 抜群です。見た目にも、美しい夕暮れ時の 薄明かりの桜の花の風情　上品な甘さと 香り高い新茶を頂きながら ひととき この国に生まれた幸せを感じました。

　花材　・こばのずいな ( 紅葉木 ) ・芍 薬　・けいとう
　花器　・青白磁 砥部焼壷

1405- パッション

　　大輪で濃い、エンジ色のオリエンタルリリーは 人の顔ほどの大きさです。
従来の、清楚な百合のイメージとは異なって つややかな黒髪が美しい　舞姫を連想させます。

　花材　・オリエンタルリリー　・いたやかえで　・アカバナときわまんさく
　花器　・イタリア製壷

1405- 五月

　五月も二十日を過ぎ、時々夏の暑さを思い出すような 日中があると思うと 朝夕はひんやりとする日があったり・・・。
連休を挟んで、二十日程 留守にしたたため 庭木は思うがままに枝を伸ばしていました。三日間かけて、剪定をすませた庭を眺め やっと落ち着いてお茶をいただく気分です。濃い目に入れたローズヒップテイに、メールシロップが良いでしょう。

　花材　・すかし百合 ・いたやかえで　・鉄砲百合　・雪やなぎ
　花器　・ガラス器