連休明けの、晴天に恵まれた日 六甲山の高山植物園に出かけました。
山に囲まれた、かなり広い園内には 満開の石楠花や エンコウ草、サクラ草の仲間のクリン草、豊かな水と澄み切った空気の中で 爛漫の美を見せていました。その中で、大山蓮華の木が 横に広がるように枝を伸ばしています。その姿を見て私は驚きました。
実は、我が家にもこの木が十年以上前から 育っていて毎年、何輪かの花を咲かせます。でも、山で育っている姿を見たのは 初めてでした。花や葉の形から想像して、泰山木の様に背の高い大木になって 上に伸びていくものと思っていました。
我が家の、この木が横に枝を伸ばそうとすると なんと行儀の悪い木なんだろうと 切っていたのです。二十日振りに、神戸から岡山に戻って
早速 裏庭に行って見ると ふっくらとした蕾をつけていました。長年の無礼を、深くわびながら生けました。
花材 ・大山蓮華
花器 ・焼締め 創作花器
箱根にての、恒例の太極拳講習会を無事 終えて後 二人の仲間と箱根の一日小旅行をしました。
青空に、雪を頂いた 真っ白の富士山、観光船から見た キラキラ光る芦ノ湖の湖面、そして見渡す限りの木々の緑のグラディーション。
岡田美術館で見る事が出来た、歌麿の幻の浮世絵(深川の雪) は思いがけない 旅の思い出となりました。
彫刻の森をスケジュールの最後に、それぞれの清々しい思い出が 明日からのエネルギーになるでしょう・・・と語りながら夫々の家路に着きました。
花材 ・エルダーフラワー ・ユリ ・パールブルー
花器 ・白色花瓶
箱根神社
芦ノ湖の海賊船
神戸の街も、大分歩きましたが 今日はハンター坂を散策しました。”S”と言う看板を掲げた、エキゾチックな絨毯屋さんが目に止まり 覗いてみる事にしました。気さくな店主は、中近東出身の 日本への帰化人。
30年かけて、コレクションした 沢山の絨毯・キリム まるで美術館に来たようです。
初めて見る、図柄や手触りの数々 特に印象に残った藍染のアンティークな物、時を経ても 生き生きとした色と質感は 手仕事の素晴らしさを感じました。時が経つのも忘れて、話に聞き入ってしまいました。
店主のお薦めの、近くの喫茶店で格別 美味しいコーヒーとカップでのコーヒーブレイクは最高でした。
花材 ・ユーカリ ・ガーベラ ・バラ
花器 ・アンティーク銅器 敷物はアンティーク・キリム
晴天に恵まれた日曜日、兼ねてから計画していた盆藤展を観に行きました。近鉄奈良駅近くの会場 旧世尊院は建物自体も 趣があって沢山の 丹精込めた盆藤が いっそう美しく感じられました。
藤の花の、形や色 香を堪能した後 久しぶりに東大寺へ足を延ばしました。圧倒的なパワーの大仏様、興福寺の国宝館の天平や 鎌倉の彫刻に日本文化の 美の深さを感じました。
奈良公園は、新緑に包まれ 所々の八重桜が 満開を迎えていました。
花材 ・芍薬 ・ユリ ・ユーカリ
花器 ・塗器
四季のある日本の行事は、それぞれに趣があって好きですが、五月の節句の鯉のぼりは 格別に良いものに思います。
最近では、使われなくなった鯉のぼりが 集団になって泳いでいる映像を 良く見かけますが 個々にいろいろな物語があるのではないかと思います。
地方に行って、大きな鯉のぼりが 碧空に悠々と 泳いでいる様は 大らかな気持ちになります。その様な、気持ちを生け花で表現してみたいと思って 鯉のぼりそのものと花をコラボさせてみました。
どなたか、鯉のぼりを譲って貰えないかと思っていた所、縁あって 四十年位経った、8メートル以上の物を頂くことになりました。
伺ったそのお宅は、元地主だったとの事で 長屋門のある大きなお宅でした。にこやかに迎えてくださったご夫婦から、ご長男が生まれた時の物で、家の前の田圃に 大きな柱を建てて、泳がせていたとの事。
その後、使い方を変え二度 花展に使い、ご家族もご覧になって喜んでいただきました。
神戸での初個展「いよいよ、三度目のコイです」と、花展のご案内をしましたが 何の音沙汰もなく 暫くして奥様の訃報を知りました。
とても、お元気そうだったので 信じられない気持ちでした。三度目は真鯉と緋鯉で、ご両親のお子様への愛をテーマにした作品でした。
花材 ・若松 ・すかし百合 ・オリエンタルリリー ・桜 ・椿 ・雲竜桑 (銀色着色)
花器 ・織部の壷 ・すり鉢型花器
2013年4月 個展作品より