MIYAGI VILLAGE

夏は雷、冬はからっ風、人は義理人情を重んじる・・・。

それが私の心だ

2006-07-20 23:12:34 | 政治・経済
私は 或(あ)る時に、A級(戦犯)が合祀され 
その上 松岡、白取(原文のまま)までもが 
筑波は慎重に対処してくれたと聞いたが

松平の子の今の宮司がどう考えたのか 易々(やすやす)と 
松平は平和に強い考(え)があったと思うのに 
親の心子知らずと思っている

だから私(は)あれ以来参拝していない それが私の心だ





靖国に関する昭和天皇のメモが今日発表されましたね。

実は俺は昭和天皇をめちゃくちゃリスペクトしてるのですが、やはり深い考えを持っておられたのだなぁ、と改めて感心しました。

昭和天皇は、世界史上屈指の名君。戦前においては立憲君主制を頑なに堅持し、戦後においては象徴天皇制を見事に演じ続けたのは言うまでもありません。

が、俺は、昭和天皇の政治センスを高く評価しているわけです。国際協調を重視していたとされる天皇にとって、第二次世界大戦はもっとも嫌な思い出だったそうです。あの戦争に幕を下ろしたのは天皇自身。有名な「ご聖断」のくだりですよね。それまでYESとしか言ってこなかった天皇がここに来て自分の意見を述べるという重要なシーンです。

「国民が玉砕して君国に殉ぜんとする心持ちはよくわかるが、しかし、わたくし自身はいかになろうとも、わたくしはできるだけ多くの国民に生き残ってもらいたい(要約)」

とまぁ、こんなセリフをしゃべれる王様はなかなかいないわけなんですよ。マッカーサー元帥も天皇が命乞いをすると思っていたそうですが、天皇の言葉を聞いて、天皇制護持を決めたとも言われています。これは殺してはならないと思ったのでしょう。

戦争の最高責任者であった天皇が最高責任者にならず、枠の外に置かれたのには、天皇を殺してはならないというマ元帥の心があったのでしょう。もちろん、国民への影響を考えたのが一番の理由であるのは言うまでもありませんが。

あの戦争は天皇にしか止めることができなかった。陸軍が玉砕を主張し、いつクーデターが起きてもおかしくない状況で、自分の命を顧みず、あの聖断をした昭和天皇の心意気っていうのは、すごいものがあると思います。

今回発表されたのは、その昭和天皇のメモなわけです。昭和天皇は、政治にまったく関与できなかったのですが、このように侍従長や宮内庁長官を通じて政治を動かしていたのではないかという説もあります。核拡散防止条約の件ですね。平野貞夫氏の「昭和天皇の極秘指令」という本を読みましたが、天皇自身は政治について側近の言葉を使って、なんとかして自分の気持ちを伝えようとしていた節があるのです。

もしかしたら、このメモは昭和天皇が残した現代へのメッセージなのかな、という気がします。存命中は発言できなかったが、将来このような形で自分の心を伝えてくれという発言があったのではないか、と思うんです。

となると、我々はこのメモの内容を深く尊重しなければならないと思うんです。靖国問題に詳しい識者の中には、今もっとも優先されるのは天皇が靖国神社を参拝することであるという主張があります。このメモの通りであるなら、今上天皇も同じお心持ちのはずです。

天皇の参拝には少なくとも分祀が必要という皇室の意見のようなものなわけです、このメモは。靖国参拝肯定派の議員にとっては大打撃でしょう。今のままでは天皇の参拝は不可能ということが公になってしまったのですから。

これから先、靖国問題に関する議論がどのように推移していくのか、注意して見守っていきましょう。