MIYAGI VILLAGE

夏は雷、冬はからっ風、人は義理人情を重んじる・・・。

ドラマのような5年間

2006-03-07 23:38:33 | ラグビー


今日はワセダクラブ主催のシンポジウムに行ってきました。

今年は清宮ワセダの最後の年と言うこともあり、清宮ワセダの5年間を清宮監督をはじめとするコーチ陣とともに振り返ろうという、とっても贅沢なイベントでした。

シンポジウムはまずは現監督である中竹さんの挨拶から。司会はラグビージャーナリストの村上晃一さんでした。

中竹さんは新チームを作るにあたって、意識する言葉として「継承・緊張。創造」の3つを挙げられました。「継承」は早稲田の伝統をそのまま引き継いでいこうということ。「緊張」は常に油断をしないでやっていこうとの意、「創造」は早稲田のいいところは残しつつ、自分なりの色を出していきたいとのことでした。

続いてステージに登場した清宮さんは中竹さんを監督に指名したエピソードを披露。中竹さんに監督の打診をしたのはなんと去年の春。「次に監督をやってもらうかもしれないから」という電話が清宮さんから来たそうな。そのときはまだ候補の1人だったのですが、去年の11~12月?に正式な打診が行なわれたそうです。

清宮さんが中竹さんを選んだ理由は公表されている「早稲田には30代前半が引っ張っていく伝統がある」、という理由のほかに、その中であえて中竹さんなのは「バランス能力が優れていたから」。中竹さんはグランドの中だけではなく外も見ることができると。

中竹さんはこのように紹介され「光栄です」と照れてましたが、かなり期待できそうな方ですね~。あと、中竹さんが清宮さんのところへ赴いた監督引継ぎの話題も少し。中竹さんは清宮さんのところに早稲田の弱点を書いて持っていったのですが、清宮さんはそれは弱点ではない、と一蹴。なんと早稲田には弱点はほとんどない、とのことでした。まぁ、史上最強ですからね、そりゃ、強いわ。

中竹さんのお話が終わった後は清宮さんが5年間を振り返る、というメインイベントへ。最初に清宮さんはドラマのような5年間だったと振り返り、何を欠いてもこのドラマは実現できなかったろうとおっしゃりました。時々「神様、ありがとうございまーす!」とジョークを飛ばしたりとかなり楽しそうで、清宮さんには珍しく関西弁も混じってました。

そして、まずは左京組の話から、と思ったら左京組の話で前半を費やしてしまい。あとは「究極の勝利」を読んでください、との流れへ。左京組の話は本に書いてある内容でしたが、清宮さん自身の口から話を聞くと全然凄みが違いました。

そして、関東学院戦をビデオ解説するというコーナーへ。関東戦の3トライを挙げ、早稲田のセオリーを説明してくださいました。あのトライは偶然ではなく必然だったんですね。すべてが計算のうちだったという清宮さんの言葉はすごかったです。

ちなみに挙げられたトライは1つ目は前半・首藤。外へ回すというセオリー、すぐに一番外には渡さないというセオリー。つまり池上→今村→首藤とボールが巡回。

2つ目は前半・曽我部。ボールを右→左→右と移動させ、相手のディフェンスを切ってしまうセオリー。なお、ここでは早稲田の選手の接点での秘策を披露。早稲田の選手は二人目の入りは早いと読んでいた春口監督の裏をかいて、1人でボールをつないでしまえ、というすさまじい発想をしたそうな。おかげで、ボールの展開は驚くぐらい早かったです。

3つ目は後半・松本のトライ。あそこにジャガーがトップスピードでやってきたのは必然だったんですね。もうちょっと早いくらいじゃないとダメだなぁ、と苦言まで呈す始末。すごすぎです。右にいたFWの選手が左に展開して言ったボールの折り返しを待って中央に飛び込むというセオリーでした。本来ならあそこは首藤→五郎丸→ジャガーではなく、首藤→ジャガー→トライ!が理想だったんだとか。

これはかなり勉強になりました。すげぇ、としか言いようがなかったです。清宮さんっていう人はマジですごい。

そして休憩時間をはさんで今度はコーチ陣を囲んでのパネルディスカッションへ。早稲田のチーム清宮が勢ぞろいして、藤島大さんも交えての秘話が披露されました。

中には言えないようなものもありましたが、重要な話もちらほら。まずは疋田広報続投のお話。ファンとしてはうれしいニュースです。疋田さんのHPは人気が高いですからね。清宮さんもドラマの脚本家だとおっしゃったり、実はサンゴリアスに引き抜こうと思っていた、などと高く評価されているそうです。疋田さんは「じゃぁ、ジャパンでお願いします」と発言。清宮ジャパンの広報は疋田さんに決まりです。

そしてあと大事だったのが「自信」のお話。藤島さんは「清宮には自信があった、早稲田を引っ張って行くのは清宮だと感じていた」と言えば、後藤コーチは「早稲田のせいで他のチームは自信を失ってしまった。」と精神面での駆け引きをおっしゃりました。このへんは清宮早稲田の批判されるところだったりしますが、勝負の世界では自信が強いものが勝つ、当たり前のことですよね・・・。

また、山岡コーチのいうトヨタ戦の前のメッセージシートの話も印象的。トヨタ戦の前に山岡コーチが各選手宛てにそれぞれメッセージの書かれたシートを送ったのですが、これについて、清宮さんが「いいよ」と言ったその一言が山岡さんは忘れられない一言だったそうです。これで山岡コーチも引退ですからね、印象に残ったんでしょう。さらに言えば、清宮さんは本当は選手に自身のメッセージを一人一人に送ろうと思っていたそうなんです。しかし、やめた。選手にとって自身が大きい存在であることを清宮さんは分かっているんですね。ここで俺がメッセージを送ったらおそらく選手の中でその言葉が大きくなりすぎてしまうだろう、と、そしたら選手はもう成長できない、だから山岡コーチに頼んだんだそうです。

やはり清宮さんの全体を見る目というかコーチング力のすごさを感じさせるエピソードでした。

あと、5年間でもっとも印象に残ったシーンはトヨタ戦に勝ったときに、コーチと見合った瞬間、だそうです。そのときのコーチの顔が忘れられないんだ、とおっしゃっていました。

そしてファンからの質問会を経て抽選会へ。ここで清宮さんが強調されていたのは今日が早大ラグビー蹴球部監督と書くのは最後の日です、だから今日のサインは価値が高いですよ~、と。

しかし、清宮さんはある景品にだけサインをしませんでした。それは諸岡が着ていた赤黒のファーストジャージ。清宮さんは「神聖な赤黒のファーストジャージに自分のサインなんてできない。」とおっしゃり、このジャージにだけはサインをしませんでした。会場には一瞬の静寂。清宮さんの熱さですよね。

そして会場は散会。あっという間の2時間半でした。

今日も清宮節が炸裂でめちゃくちゃおもしろかったです。これも今日で終わりかと思うとさびしい限りです・・・。清宮さんには新天地でもぜひぜひ究極の勝利目指して頑張って欲しいと思います。

5年間、お疲れ様でした。たくさんの夢をもらいました。そのお礼は一言では語りつくせません。本当にどうもありがとうございました。











PS.開場前にはサイン会も行なわれました。家宝をいただいてしまいました。ヤバすぎて家の外では読めなくなってしまいました。、まさか名前まで入れてくださるとは・・・、感謝感激雨あられ。100人を超える人全員にその人の名前入りサインを書いちゃう清宮さんのファンサービス精神はすばらしすぎです・・・。

ビニールにくるむなどして厳重に保管したいと思います。