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ホームレスを雇用、支援 回転寿司「ゆまんぎ」2人を採用

2009年02月10日 | Weblog
テーブルの片付けなどを指導する大城社長(右端)と男性ら=4日、那覇市安謝のスーパー回転寿司ゆまんぎ新都心店
 
 職を失い、一時は公園でホームレス生活を送っていた人たちに仕事の機会を与え、自立を後押ししようという企業の輪が広がっている。

 民間非営利団体(NPO)プロミスキーパーズ(西原町)の寮に入所中の名護市出身の男性(61)と那覇市出身の男性(53)は1月中旬、「スーパー回転寿司ゆまんぎ新都心店」に採用され、「アパートを借りたい」「自分で食べていきたい」と、自立へ向けて懸命に働いている。
 
 2人を採用したゆまんぎの大城国昌社長(60)は、昨年12月10日付琉球新報夕刊に掲載されたホームレス生活者の写真にショックを受け「何かできないか」と同団体に連絡。

 入所者には技術や経験がありながら県内で仕事が見つからず、公園生活を余儀なくされている人が多いと知り「施設から独り立ちする助けができれば」と寮に出向き、直接従業員を募集。2人がホール係と洗い場を担当することになった。
 神奈川や愛知などで15年以上季節工として働きながら職を転々とした名護市出身の男性にとって飲食業は初めて。「お客さんの顔を覚える余裕もなく、毎日精いっぱい」と話すが、接客から片付け、レジ打ちをこなし「若い子にはない落ち着きがあり、顧客の評判もいい。のみ込みも早く、営業や支配人の仕事もできそうだ」と、大城社長もお墨付きを与える。
 那覇市出身の男性は中学卒業後、集団就職で神奈川へ行き、運送業を中心に勤務し、弁当工場で働いた経験もある。店では1日4千―5千枚の皿を手際よく洗い「とにかく外に出て働きたかった」と充実した表情。大城社長は「まじめに黙々と働いてくれ、洗い上がりもとてもきれい」と評価する。
 大城社長は与那国島で義足ながら漁師を続け、生活を支えてきた父の姿を見て育った。障害者雇用にも積極的に取り組み「障害者やホームレスの人たちに偏見を持つ風潮に風穴をあけ、みんなが活躍する姿を見せていきたい」と力を込め「少しでも多く彼らの職場が増えれば、世の中、明るくなる」と期待している。
 同団体にはこのほか、建設関連会社や菓子製造業、スーパー、タクシー会社などの受け入れで、働きながら自立を目指す入所者らがいる。

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