80歳に向けて・「新風来記」・・・今これから

風来居士、そのうち80歳、再出発です。

六畳記 ②

2019年04月08日 19時09分15秒 | 考える
窓から眺める空に、一面の雲。
雨が降っているらしい。
時計は8時を指している。

今日もまた、退屈な一日を送るのだろうか?

何も出来ない。
何もやらせてもらえない。
無論、それは私個人の責任だ。

ならば、自ら気まま勝手に行動するしかない。
が、何をやればいいのか・・・?

65歳で退職、以降、しばらくの間、新しい職場を求めて歩き回った。
しかし、特殊能力を持たぬただの老人に、思うような働き口なんぞが
簡単に見つかるわけがなかった。

そうなのだ。
思えば、何の取り柄もない爺さんを、お義理でも雇ってやろうなどと
考える酔狂な社長なぞ、どちらを向いてもいるはずがない。

この不景気な世の中、そうでなくとも若いピンピンした新卒者が大勢、
仕事を求めて歩き回っている。

今さら、私がばたついてみたとて、思い通りになるわけもない。
私は職を求め続けるのをやめる事にした。
とは言え、このまま終わるわけにもいかない。

人は、生きている以上、何としても生き続ける必要がある。
生きるには、目的が必要なのだ。
さらにはそれなりの金も・・・。
それが人として生まれた、宿命とでも言うべきものかも知れない。

ウィスキーを一口・・・。
いいや、一口ならぬ、二口、三口・・・。
雨に出足を止められて、四口、五口と酒が減る。

タバコがない。
隣の部屋から弟のいびきが聞こえる。
今日は休日らしい。

気のせいか、雨が弱まってきた。
時計は10時半を指している。
何もせぬうちに、2時間半が経ってしまったらしい。
今日は、何か予定があったわけじゃなかったのでよかったが、
時間経過とは、本当に、油断も隙もあったものじゃない。

タバコを買いに出るとの口実で外に出る。
どうやら、雨も上がったようだ。

ふと思う。
今、私が出掛けたところで、何か一つでも変わるとは思えないが、
それでも、何やら影響を与える事が出来るのだと信じたい。

タバコ購入で、タバコ業者にタバコ代を支払う。
もっとも、家に引きこもって、何もせずとも、それはそれで環境に
影響を与える事になるだろう。

言ってみれば、私の存在そのものが、必然的に環境に影響せざるを
得ないのだとも言える。

まぁ、よくよく考えてみれば、一つの言葉遊びに過ぎないのだが。

六畳記

2019年04月07日 05時34分50秒 | 考える
ゆく河の流れはたえずして、しかももとの水にあらず。
よどみにうかぶうたかたはかつ消えかつ結びて、久しく
とどまりたるためしなし。
世の中にある人と栖と又かくのごとし。   方丈記より
 
 
私はどこへ行く?
何がどうあれ、今後30年をこんな調子で生き続けていくなぞ、
思ってもぞっとする。
何とかせねばと思い悩む日々だ。
何はともあれ、100歳までは必ず生き抜いてやると、昨晩考えた。

そうなのだ。
ともかく生きていく。
私にはそれしか能がない。

現在を見返してみれば、日々、酒を飲み、タバコをふかして、
ぼぉ~ッと窓の外を眺めている。
雨が降らねば、カバンを肩に、目的もなく、外を彷徨いあるく。

ひょっとしたら、何か見つかるかも知れない。
そんな運任せの日々を送っている。
そう、総てが、他人任せ、運任せの人生だ。

先日の事。
自分で調べた所番地を元に、ある場所を探しに出掛けた。
しかし、どうしても見つからず、やむを得ず、駅前の交番に飛び込んだ。
聞いてみると、そんな所番地はないと言う。
どうやら、調べた番地が間違っていたようだ。

まぁ、それは仕方のない事だが、その場で持っているカバンの中身を見せ
るように指示された。
どうやら、またしても不審に思われたらしい。
私は余程不審人物顔をしているらしい。

しかし、後から考えてみると、昼日中、人通りの多い駅前で、他の人間の
カバンの中を検査している光景がないとは言わないがほとんど見かけない。

いや、あるいは、ことさら、挙動不審に感じたのかも知りない。
以前にも夜間学校の帰りに交番で何度か止められ、職務尋問された事がある。

私はいつもおどおどして、余程怪しげな挙動を感じさせるのかも知れない。

交番は私を目の敵にしているのではないか?
そんな気さえする。

もっとも、その後、本署で改めて同じ事を聞いた時は、普通(?)に対応して
くれた。
後から調べてみると、どうやら私の調べていった住所は、昔の、つまり改正
前の旧住所だったようだ。

それにしても、旧住所で訪ねる人などは稀なのだろうか?
交番の対応としては、どうにも情けないなどと言ってはいけないのだろうか?
何だか、この所、人を素直に信用する事が出来なくなってきた。

70という年齢のせいなのかも知れない。

桜咲く。
そう、環境は常に移り変わっていく。

なのに私自身は、今も、いつまでも、もとのまま。
何一つ変わっていかない。

もっとも、それはそれでいい、それが正しいのかも知れない。
今さらどう変わったところで、何になるというのか?

今の私には、自分が見えていない。
自分の達成すべき目標も、目的も、何一つ、見えてはこない。

日々、タバコをふかし、酒をあおる。
何もかもが、思うようにいかない。
ことさら、タバコが吸いたいわけではない。
ことさら、酒が飲みたいわけでもない。

やる事さえあるなら、そんなものは、無論、二の次だ。

今、この手に触れるものが欲しい。
何かを感じたい。
今、この時間は二度と手にする事は出来ない。
誰もがよく知っている事なのに、いつの間にか忘れている。

人が何をやろうと、またやるまいと、時はそ知らぬ顔で、過ぎ去っていく。
さらに、過ぎ去った時は、二度と戻ってくる事はない。


今、この時に、自分を生きよう。 ・・・希望 !!

そう、後悔する前に・・・。


「待て、しかして希望を持て」(モンテ=クリスト伯)