セレネでお茶しませんか?

このブログをご覧の皆さまへ セレネから愛をこめて・・・

棋王戦(第39期5番勝負第3局)

2014年03月16日 | カフェ・セレネ情報

今日のセレネは棋王戦の会場となっております。

渡辺明 棋王 VS 三浦弘行 九段

立会人 加藤一二三 九段

解  説 村田顕弘 五段

聞き手 室田伊緒 女流初段

 

今まさに、対局中でいらっしゃいますが、(平成26年3月16日10時30分現在)

4階のロビーでは、指導対局が行われています。

3人のプロ棋士が、それぞれ6~7人を相手に同時対局中。

すごいな~、プロの方って一体どーゆー頭をしてらっしゃるんでしょうね?

お客様は、お子様からお年を召した方まで様々。女性の方もわりと見学していらっしゃいますね。

まわりのみなさんは静かにご覧になっておられて、大勢いるのに静かでちょっと不思議な光景です。

大盤解説は午後1時からはじまります。


鉄道フェア2014

2014年03月15日 | イベント情報

北陸新幹線開業1年前イベント

鉄道フェア2014 を開催します。

2014年 4月6日(日) 10:00~16:00

入場無料(ミニ鉄道乗車など一部有料)

 

今年で6回目となる「鉄道フェア」は、鉄道を通して親子で楽しむイベントです。

楽しいイベントが目白押しです!

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ミニ鉄道(ミニSLやミニ新幹線)乗車会・・・200円

 小さいけれど力持ち。かっこいいミニ鉄道に乗ってみよう!(安全のためこどもだけの乗車はできません)

 晴天時は屋外を走行します。雨天時はトンネル内を走行します。(荒天の際は中止になる場合もあります)

鉄道模型走行会・・・無料 

 NゲージやHOゲージなど、精巧な鉄道模型がたくさん走ります。

 北陸新幹線「黒部宇奈月温泉駅」周辺や、「黒部峡谷鉄道(トロッコ電車)」モデルもあります。

 その他にも多数出展! 今年はレゴブロックでできたレゴトレインも初登場です!

手こぎトロッコ乗車会・・・200円

 TVの鉄腕ダッシュでおなじみ(?)の手こぎトロッコに乗ってみよう!(小さなお子様はご乗車になれません)

 晴天時は屋外にて運行します。雨天時は屋内駐車スペースにて運行します。

巨大「鉄道カルタ」取り大会・・・無料 

 セレネオリジナルの富山にちなんだ巨大「鉄道カルタ」取り大会です。

木の電車をつくろう・・・300円

 木の部品を組み立てて、色を塗って、かわいい木の電車をつくりましょう!

鉄道あみだくじ・・・100円

 線路を選んで電車を走らせると、ジョイントが切り替わってどこに行くか分かりません。

 見事「あたり」にいきつけるかな?

おもちゃの電車で遊ぼう・・・15分100円

 自由にレールを組んで、電車を走らせましょう!

おもちゃのクレーン車やショベルカーを操作して景品ゲット!・・・1回300円

 長いタイトルだなあ・・・見事操作できるかな?

富山地方鉄道ブース

オリジナルグッズなどを販売します!

黒部峡谷鉄道ブース

お絵かきや、こども駅長に変身コーナーがあります!

 

協力

富山レールクラブ/やまと鉄道クラブ/富山地方鉄道株式会社

黒部峡谷鉄道株式会社/川端鐵工株式会社/くろてつの会

富山高専鉄道部/大高建設株式会社

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みなさんのお越しをお待ちしています!

そうそう、富山地方鉄道無料電車も運行中!

下記から無料乗車券も印刷できますので是非、本物の電車に乗って、宇奈月へ遊びに来てね!

http://www.unazuki-onsen.com/archives/558

 

お問い合わせ・会場

宇奈月国際会館セレネ

富山県黒部市宇奈月温泉6-3

TEL0765-62-2000

 

 


もののふの姿(その2)

2014年03月14日 | セレネ美術館

すみません「幕末明治の浮世絵・探訪展」は、

3月14日(金)~3月18日(火)はお休みとなります。

3月19日(水)~3月30日(日)に展示を再開いたしますのでご了承ください。

なお、2階のセレネ美術館「平山郁夫―黒部を描く」「黒部峡谷 日本画展」は通常通り開館しております。

 

それでは浮世絵展の作品紹介を続けましょう!

今日ご紹介するのは

平新王将門 歌川芳綱  弘化4年(?)1847年

へいしんのうまさかど  うたがわよしつな

 

芳綱も、国芳の弟子です。武者絵で活躍しました。

本作に描かれる平将門(たいらのまさかど)は平安時代中期の関東の豪族。

のち朝廷に背き、新しい天皇を意味する「新皇(しんのう)」を名乗りましたが、

藤原秀郷(ふじわらのひでさと。別名 俵藤太 たわらのとうた)に討たれました。

中央に、きっとした表情で座す将門。歌舞伎の隈取のごとくけっこう怖い顔です。

その周りには薄いグレーの将門の姿が6つ。分身の術のように将門を囲んでいます。

取り囲んでいるのではなく上と左右に重なりあい、まるで将門がずれたように描かれています。

さて将門といえば、荒俣宏の小説「帝都物語」で知られるように、数々のオカルト的な伝説のある人物です。

その体は鉄でできていて、こめかみだけが弱点とか、切られた首は何か月たっても腐らず、

夜な夜な目が輝き、もう一戦しようぞ、と叫び声をあげたとか、全くそっくりな7人の影武者が付き従っていたとも。

そう、この絵のグレーの6つの姿はその影武者を表しているわけですね。この影武者たちは太陽にあたっても影がなかったといわれ、神霊的な存在と考えられます。

将門の信仰していたのは「妙見菩薩(みょうけんぼさつ)」。北極星と北斗七星を神格化した仏で、天の中心(天帝)を意味します。

浮世絵に描かれている将門の旗印は、まさに七つの星をつないだ北斗七星。この影武者は妙見菩薩のご加護であるわけです。

さて、作品にもどりましょう。

絵の舞台は湖(海かも)のほとりの豪華なテラス。イメージとして厳島神社(いつくしまじんじゃ)を思い浮かべていただければ。

将門は豪奢な服を着て、美しい縁取りのあるぶ厚い畳の上におかれた椅子らしきものに座しています。

その周囲にはこれまた豪華な動物の置物が。これは・・・四神(しじん。青竜、朱雀、白虎、玄武)だ~! 絵師の芸が細かいですね。

さらに多くの旗がゆらめき、大勢の武将が付き従っています。一見、華やかで頼もしい雰囲気ですが、先に述べたように怖い表情の将門。

その視線の先には・・・

二羽の雁が水面に向かって落ちています。

これは 飛ぶ鳥落とす勢いを表すのか・・・それとも暗い未来を暗示しているのか。

解説によれば、この絵は天保の改革を実行した水野忠邦を風刺する絵では? とのこと。

忠邦を将門になぞらえているわけですね。

天保の改革は綱紀粛正などが性急で厳しかったことから庶民の反感を買い、忠邦が失脚した際はその屋敷が襲われたほど。

ということは、やはりこの絵は一時の権勢がすぐに滅びることを示しているようですね。

 

幕末明治の浮世絵展概要&他の作品紹介へ

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幕末明治の浮世絵・探訪展

~幕末の歴史絵から明治の開化絵まで~

期  間 平成26年 3月1日(土)~3月30日(日)

時  間 9時~17時30分(入館は17時まで)

休館日 毎週火曜日と、3月14日(金)~18日(火)の5日間

入館料 一般800円 高校・大学生700円 中学生以下無料

会  場 黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館 3階展示ホール

富山県黒部市宇奈月温泉6-3 TEL 0765-62-2000

セレネ美術館HP

 

 

 

 


もののふの姿(その1)

2014年03月13日 | セレネ美術館

本日は武者絵をご紹介。

八嶋壇浦海底之図 歌川芳艶 安政5年1858年

やしまだんのうらかいていのず   うたがわよしつや

 

安政5年は日米修好通商条約が結ばれた年です。

芳艶は、以前紹介した奇想の絵師、国芳の弟子

師匠に負けず劣らぬ大迫力の武者絵で人気を博しました。

さて、画面中央に大きく描かれるのは、平知盛(たいらのとももり)。

平清盛の四男で、清盛亡き後、平家の総大将として活躍した知将としてしられる人物。

壇ノ浦で平家が敗れたとき、「見るべきほどの事をば見つ。今はただ自害せん」といい残し、

いさぎよく碇(いかり)を抱いて海に没したといいます。

画中の知盛は大きな碇を抱き、顔の半分が変色している(・・・というべきか、

足元のカニ(もしかして平家蟹?)から立ち上る白い霊気のようなものが顔の半分をおおい、

その屈折率の違いから顔色が違うのかも?)、さらに幾本もの矢が背中にささったままで、

やや薄気味悪い印象

左には、美麗な衣装をまとった(矢がささってますが)「能登小二郎景盛」なる人物が大見得を切っている。

(調べてみましたがどんな人物かわかりませんでした。こんなに大きく描かれているから

なにかエピソードがあるはずなのですが・・・)

そして画面右には、安徳天皇を肩に乗せた二位尼(にいのあま)が端然と座しており、

その周りに青白い顔の武将たちが控えている・・・。

場面はもちろん海中で、左から右方向に強い流れが描かれています。

同じく左から右にの尾から胴体が描かれ、その頭は二位尼の足元に。

純粋な感想を言えば、はっきりいって悪の秘密基地みたい。

 

解説によれば、潔い最期を遂げた知盛は庶民の人気者だったそうですが・・・

まあ、そこが芳艶というところでしょうか。

 

幕末明治の浮世絵展概要&他の作品紹介へ

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幕末明治の浮世絵・探訪展

~幕末の歴史絵から明治の開化絵まで~

期  間 平成26年 3月1日(土)~3月30日(日)

時  間 9時~17時30分(入館は17時まで)

休館日 毎週火曜日と、3月14日(金)~18日(火)の5日間

入館料 一般800円 高校・大学生700円 中学生以下無料

会  場 黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館 3階展示ホール

富山県黒部市宇奈月温泉6-3 TEL 0765-62-2000

セレネ美術館HP

 

 

 

 

 


神様も働き者

2014年03月12日 | セレネ美術館

本日ご紹介するのは

出雲国大社之図  三代歌川国久 文久2年1862年

いずものくにおおやしろのず  です。

 

ぱっと見ると、大きな御殿に大勢が集い、なにやらにぎやかな雰囲気なので

宴会でもしているのかと思ってよく見ると・・・

すみません、神様たちがお仕事をしていらっしゃいます。


日本中の神様が出雲の国に集まり不在のため、旧暦の10月は神無月といいますが、

(出雲では神在月)、このとき神様たちは、出雲で重大なことを会議されるそうです。

また男女の仲も、このとき話して決められるそう。出雲大社は縁結びでも有名ですね。

さて、画面に描かれた三十柱以上の神様たちは、机で木の札らしきものに書き物をしたり、

厚い帳面をめくって調べものをしたり、多量の木札を大きなカゴにいれて運んだりと、

まことに忙しいそうでいらっしゃいます。

 

画面右には、社の主である大国主神(おおくにぬしのかみ)が

そのお隣には、天照大御神(あまてらすおおみかみ)がおられます。

その前では、春日大明神(かすがだいみょうじん)、鹿島大明神(かしまだいみょうじん)といった神々もお仕事中。

・・・まあ中には談笑されたり、御殿の外では焚火にあたってらっしゃる方もおられますが。

画面の左には巨大な竜(竜神でしょうか)が雷や波風とともに現れ、

その中を、馬に乗った八幡大明神(はちまんだいみょうじん)が、空を飛んでお越しになったところです。

 

解説によれば、前年にあった皇女和宮の将軍家降嫁にちなんで描かれたのでは、とのこと。

神様たちが重大な縁談をまとまていらっしゃるところということですね。

この浮世絵も大勢いの神々がおわし、おめでたく、お守りにも使えそうな雰囲気ですが、

神様たちがこんなに働いていらっしゃる以上自分たちも働かなくちゃ、到底ご利益は望めそうにありません・・・

 

幕末明治の浮世絵展概要&他の作品紹介へ

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幕末明治の浮世絵・探訪展

~幕末の歴史絵から明治の開化絵まで~

期  間 平成26年 3月1日(土)~3月30日(日)

時  間 9時~17時30分(入館は17時まで)

休館日 毎週火曜日と、3月14日(金)~18日(火)の5日間

入館料 一般800円 高校・大学生700円 中学生以下無料

会  場 黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館 3階展示ホール

富山県黒部市宇奈月温泉6-3 TEL 0765-62-2000

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超人間技 

2014年03月11日 | セレネ美術館

これは本当に人間のなせる技なのかっ!

なにかというと、

この作品には文章が書かれています。

一部をアップにしてみます↓

文章中の漢字には誰もが読めるように仮名が送ってあります。

この送り仮名の大きさ、なんと2ミリ!線の細さは0.1~0.2ミリといったところでしょうかっ!

筆でかかれた抑揚のあるなめらかな線を、よどみなく浮き彫りにしています。

しかも、文字を彫るので左右反転した文字を彫っていくわけです。

この、彫師の技、人間業ではないですよね!超人間業!!

ほかにも

こんなに細い線を無数に重ね頭髪や髭を表現しています。

浮世絵版画はどれを見ても、ここまでやりますか?!というほど、細部という細部に手を入れてあります。

歌舞伎の演目の一つ「助六」の芝居絵「助六廊の花見時」に描かれている伊久の頭髪です。

白髪なので着色はありません。しかし、版木に髪を擦り付けててできた

和紙の凹凸で、神の流れを表現しています。

職人たちの仕事への姿勢が伝わってくるように感じられました。

 

 

「すごい」としか表現できない自分が恨めしいです・・・もっと上手に皆さんにお伝えしたいのに・・・

なので、どうぞ、本物を見て、感じてください!

 

幕末明治の浮世絵展概要&他の作品紹介へ

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幕末明治の浮世絵・探訪展

~幕末の歴史絵から明治の開化絵まで~

期  間 平成26年 3月1日(土)~3月30日(日)

時  間 9時~17時30分(入館は17時まで)

休館日 毎週火曜日と、3月14日(金)~18日(火)の5日間

入館料 一般800円 高校・大学生700円 中学生以下無料

会  場 黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館 3階展示ホール

富山県黒部市宇奈月温泉6-3 TEL 0765-62-2000

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カフェ・セレネ メニュー紹介

2014年03月10日 | カフェ・セレネ情報

みなさんこんにちは カフェ・セレネです。

もうすぐ暖かな春の日になるのかと思っていたら、まだ、それはもう少し先のよう。。。

カフェでは、好評だった冬メニュー「あったか~いぜんざい」を、もうしばらくご提供します。

まだ、寒い日が続いているので、ぜんざいであったまってくださーい。

 

 

 


浮世絵の食べもの

2014年03月10日 | セレネ美術館

本日は目線をかえて、浮世絵に描かれた食べ物をご紹介します。

まず 

江戸名所 品川沖潮干狩之図 

歌川重宜(二代広重) 嘉永5年1852年 より。

題名の通り、大勢の人が潮干狩りを楽しんでいます。

手前に大きく描かれた女性の手に持ったカゴには大きなハマグリがたくさん。

煮たり焼いたりして食べるんでしょうね。おしそうです。

中には大きなヒラメを手づかみして大喜びの人も。

さて注目は、右端にいる男性。

ほっかむりして海の中に立っているのですが、彼が手にしているのは、どうみても一升瓶。

(でも、当時一升瓶があるはずもなく・・・巨大なとっくりでしょうか?)

片手にはもちろん杯(というより小さめのお茶碗)

・・・海にはいって立ちながら酒を飲んでいるのか?

そう見えるのはわたくしが酒飲みだからで、本当は休憩して水を飲んでいるだけなのでしょうか?

いや、どうみてもこのニヤけた顔は酒としか思えません。

誰か教えて!

 

さて、次に紹介するのは

かげま茶屋 歌川豊国 制作年不明

陰間茶屋とは、まあ、春をひさぐ少年たちのいるお店。

特に女装はしなかったそうですが、本作の登場人物は全員女装していますね。

(もっとも、かげま茶屋という題だから男性と思うわけで、題がなければ遊女と区別はつきません)

この絵の右下に料理がでています。

大きな尾頭付きの鯛の刺身(煮つけかも)、面取りされたサトイモ(?)の煮物、

なにか、軽くくるっと巻かれた緑色の食べ物など。

さらに、何かの料理がはいった大きな鉢も置かれています。豪華だなあ~。

 

 

ラストは

別荘雪見酒盛 三代歌川豊国 安政2年1855年

本展のチラシ表に作品が載っています。

タイトル通り、雪の庭を眺めながらの酒盛りのシーン。

画面左にある雪だるま(文字通り、雪の「達磨」です)も気になりますが

(誰かがわざわざ作った? それとも石の達磨像に雪がつもった? まさか妖怪!?)

今回はお料理! 

右端の、手におちょこを持った男性の前に置かれたものが、なんだかとってもおいしそうなのです。

優美な模様の火鉢の上に置かれた、浅い鉄の鍋(パエリア鍋みたいな感じです)、

その中には黄色の食べ物が。なんでしょう? イメージはホルモン焼きのみそ味ですけど・・・。おでんかな?

 

どの絵にも、料理の横にはきれいな重箱が置かれていて、中に何がはいっているのかとっても気になります。

上品な味付けの煮物に、酢の物とかですかね? きっと中の盛り付けもきれいなんだろうな。

江戸の人たちは何を食べていたのか、鬼平犯科帳のファンならわかる人が多いかも。

というわけで、想像するだけでも楽しい、お料理から見る江戸の暮らしでした。

 

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幕末明治の浮世絵・探訪展

~幕末の歴史絵から明治の開化絵まで~

期  間 平成26年 3月1日(土)~3月30日(日)

時  間 9時~17時30分(入館は17時まで)

休館日 毎週火曜日と、3月14日(金)~18日(火)の5日間

入館料 一般800円 高校・大学生700円 中学生以下無料

会  場 黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館 3階展示ホール

富山県黒部市宇奈月温泉6-3 TEL 0765-62-2000

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妖しい魅力の男たち

2014年03月08日 | セレネ美術館

奇想天外な絵といえば歌川国芳(くによし)

画面いっぱいの武者絵、おどろおどろしくもユーモアのある妖怪絵、

人間の集合でできた顔、猫好きにはたまらない猫の絵など、その活躍はまさに八面六臂。

きっとみなさんもどこかで見たことがあるはずです。

 

今日ご紹介するのは、そんな国芳の

頼光三天王囲碁図 文久元年(1861年)

よりみつさんてんのういごず

 (・・・残念ながら検索しても画像がありませんでしたので、ぜひに本物をご覧ください)

すきまなく画面いっぱいに描かれるのは巨大な3人の男(はっきりいってむさい

中央に置かれた碁盤に身を乗り出し、密集しているからよけいに暑苦しい。

右は酒田公時(坂田金時 さかたのきんとき まさかりかついだ金太郎の大人になった姿です) 

中央は碓井貞光(うすいさだみつ 特に個人エピソードなし)

左が源次渡(渡辺綱 わたなべのつな 鬼の腕を切り落としたことで有名)。

金時と綱が囲碁で対戦。貞光はそれを見学しているようです。

(念のため書きますが、源頼光(よりみつ。らいこう、とも)は、藤原道長に仕えた平安時代の武将。

物語の世界では、頼光四天王といわれる配下と行った、大江山の酒呑童子や土蜘蛛の退治で有名です)

さて、改めて絵を見ますと・・・3人のうち、金時はぎょろ目をむいたおっさんなので置いておくとして、

ほか2名が少女漫画にでてきそうな色男なのですね。

まあ、実際の少女漫画にはこんなごつい男は出ないでしょうが、ひげもあるし、腕毛も・・・でも結構色男です。

まず、目が大きい。大抵の浮世絵の人物は目がほそーいのに、この絵ではぱっちりしています。

そして、つり気味の目に色気があるなあとよく見ると・・・なんと、下まつ毛がある!

しかも結構長い! なんだかすごい発見をした気分です。

なるほど、下まつ毛には妖しい魅力があるなあ。

今の少女漫画でも下まつ毛のやつはちょっとあやしいキャラが多いし・・・と、まつ毛で終わりそうになりましたが

いやいや、この絵にはさらなる登場人物が。それは妖怪!

金時は、なんというか妖怪「お茶出し小僧」とでもいうようなヤツの口に、無造作に左手をつっこんで強引にひっぱっており、(かわいそう)

綱は、にゅっと伸びた妖怪「ろくろ首」をまったく気にせず、むしろその頭を、手を置くための台にしています。

貞光の後ろには、「ひとつ目」の妖怪がなにやらしようとしています(両手で変なポーズをとっています)が、

妖怪たちに全く勝ち目がなさそうです。

画題は「もののふ囲碁に集中しすぎて、妖怪を全く気にせずの図」でしょうか。

なんというかお守りとして使えそうな迫力です。



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幕末明治の浮世絵・探訪展

~幕末の歴史絵から明治の開化絵まで~

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時  間 9時~17時30分(入館は17時まで)

休館日 毎週火曜日と、3月14日(金)~18日(火)の5日間

入館料 一般800円 高校・大学生700円 中学生以下無料

会  場 黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館 3階展示ホール

富山県黒部市宇奈月温泉6-3 TEL 0765-62-2000

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喜多川歌麿(うたまろ)の絵

2014年03月08日 | セレネ美術館

最近、歌麿の浮世絵「深川の雪」が見つかったと、新聞やテレビで紹介されました。

たて約2メートル、よこ約4メートルの巨大な掛け軸で、版画ではなく肉筆の作品です。

NHKの番組を見ましたが、鮮やかな色彩に、大勢の人物たちの多彩なポーズ、

複雑な画面構成と、すばらしい作品でした。

その番組中でも紹介されていましたが、

歌麿が幕府から刑を受けるきっかけになった作品

太閤五妻洛東遊観之図  (文化元年 1804年)

たいこうごさいらくとうゆうかんのず

が、「幕末明治の浮世絵探訪展」に展示されています。

題名通り、太閤秀吉とその妻たち(北の政所や淀殿など)が、京都醍醐寺の三宝院で

お花見をしているシーンを描いた作品です。

なぜこの作品で刑を受けることになったかというと、幕府の法で「天正以降の武者絵に、

人物名や紋所などを書いてはならない」とされていたからです。

で、本作にはばっちり太閤の名や、石田三成などの名前が記されています。

また、「太閤記」そのものの出版も禁じられていたといいますから、つかまらないほうが不思議というものです。

歌麿は3日間の入牢、手鎖50日の刑を受け、その2年後に、53歳(推定。この方は生年不明なのです)で

失意のうちに死去します。

・・・じゃあ、なんでこの絵を描いたのか、そして出版したのか? となるのですが、これは諸説あって分かりません。

絵師のプライド説をとると、寛政の改革により、浮世絵などへの制約が強くなったことに反抗して、とも解釈できます。

そういえば、先に述べた「深川の雪」では、徳川家の葵の紋所をつけた女性が宴会をしているシーンがあり、

これも幕府への批判をこめたのでは、と言われていました。

本展では、浮世絵の美人画の時代が終わり、幕末にかけて武者絵、歴史絵へとシフトしていく

象徴的な作品として紹介しています。

(武者絵も単に人を描いているわけではなく、幕府への批判などが込められていました)

まあ、それは置いておき、純粋に絵をみますと・・・これが楽しそうじゃないのですね。

色彩が限られている(幕府の禁制です)のもありますが、お花見の華やかなシーン、

しかも天下人とその妻たちが大勢そろうシーンというのに、

秀吉はじめ誰も楽しそうではないのです。

不思議ですね・・・

やっぱり何か意味が込められているのかな?

そして、太閤秀吉はこの花見の約5か月後にこの世を去ることになります。

話は飛びますが「太閤五妻・・・」で受けた刑の後も、歌麿の人気は衰えず、

注文が殺到したため、その死因は過労死(!?)ではとの説も。

 

浮世絵の世界は予想以上に深いのでした。

 

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幕末明治の浮世絵・探訪展

~幕末の歴史絵から明治の開化絵まで~

期  間 平成26年 3月1日(土)~3月30日(日)

時  間 9時~17時30分(入館は17時まで)

休館日 毎週火曜日と、3月14日(金)~18日(火)の5日間

入館料 一般800円 高校・大学生700円 中学生以下無料

会  場 黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館 3階展示ホール

富山県黒部市宇奈月温泉6-3 TEL 0765-62-2000

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たこたこビーム!

2014年03月01日 | セレネ美術館

 「幕末明治の浮世絵探訪展」見れば見るほどおもしろ~いです。

本日ご紹介するのは

青物魚軍勢大合戦之図 歌川広景

あおものさかなぐんぜいおおかっせんのず

 

国立国会図書館デジタルコレクション内 作品写真

 

題名の通り 魚と青物(やさい)が戦っているシーンが描かれています。

解説によれば、コレラの流行により、魚などの生ものが売れなくなり、代わりに青物の価格が高騰したことを背景に描かれているとか。

また、画中の人物(魚や野菜が顔としてついています)たちの紋所などから、実在の幕閣たちの派閥争いの暗喩とも。

まあ、それは置いておいて、この絵の見どころは

左側の魚軍の中心人物(名前も画中にかかれています。 蛸入道 八足 たこにゅうどう やつあし!)が

口からビームをだしているところ。そしてそのビームにのって(?)小さいタコ数匹が刀を持って敵に切りかかっているところです。

ビーム! そして分身の術! もしかして幻術!? まさにマンガの表現世界

 

対する右側の野菜軍の中心人物はもうピーマンにしか見えません(ピーマンに目鼻がついています)

彼の名は 藤 顔次郎直高(とう がんじろうなおたか) 冬瓜(とうがん)でしたか!

ほかにも、藤 唐土之助(とう もろこしのすけ)に、甲斐武道之助(かい ぶどうのすけ)、

初 鰹之進(やっぱり江戸っ子はハツガツオ)、戸尾魚次郎(とびうおじろう)などなど、楽しい名前がいっぱいです。

 

これ当時のこどもたちは熱中して読んだでしょうね。もちろん、大人もニヤリとしながら。

だって、現代のわたしたちももう夢中ですから!

 

幕末明治の浮世絵展概要&他の作品紹介へ

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幕末明治の浮世絵・探訪展

~幕末の歴史絵から明治の開化絵まで~

期  間 平成26年 3月1日(土)~3月30日(日)

時  間 9時~17時30分(入館は17時まで)

休館日 毎週火曜日と、3月14日(金)~18日(火)の5日間

入館料 一般800円 高校・大学生700円 中学生以下無料

会  場 黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館 3階展示ホール

富山県黒部市宇奈月温泉6-3 TEL 0765-62-2000

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幕末明治の浮世絵・探訪展 開幕~!

2014年03月01日 | セレネ美術館

宇奈月国際会館20周年記念 & 宇奈月温泉開湯90周年記念

幕末明治の浮世絵・探訪展がいよいよはじまりました!

展示している60点の作品は、画面が大きく人物も大勢描かれているので、

その表情、構図、色彩、文字、演出など、みればみるほどその世界に

ひきこまれていきます。

考えてみれば、浮世絵は、絵や構図を決める絵師、それを正確に彫り出す彫り師、

美しい色で刷り上げる刷り師、さらには販売する出版者とが組み合わさった

一種の商業芸術といえるでしょう。

もちろんそうやって完成したものを購入する庶民が大勢いたからこそ成立したものです。

現在のマンガや、グラビア誌、週刊誌のおおもとといってもいいでしょう。

現代の私たちの生活は、まさに江戸庶民の生活の延長線上にあります。

さて、今日は展覧会にあわせて販売しているグッズをご紹介します。

 

グッズコーナーの様子です。

絵葉書や複製画をはじめ、風呂敷、文具などたくさんのグッズがあります。

 

さて、こちらは「クリアファイル」の一種類ですが、なにかおかしいですね?

分かりました? そうです。上の写真はクリアファイルに紙をはさんだ状態。

紙をファイルに紙を挟むと、奥の富士山が隠れるようになっているのです!

紙をぬくと、ごらんのように! ↓

なかなか凝った演出ですね!

 

クリアファイル 1枚 350円です。

(ちなみにグッズコーナーは無料でお入りいただけますよ~)

 

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題名 幕末明治の浮世絵・探訪展

期間 平成26年 3月1日~3月30日 9:00~17:30(入館は17:00まで)

休館日 火曜日と、3月14日~18日の五日間

会場 黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館 3階展示ホール

お問い合わせ TEL0765-62-2000

セレネ美術館HP