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もののふの姿(その3)

2014年03月19日 | セレネ美術館

みなさま、お待たせしました。

本日(3月19日)より、幕末明治の浮世絵・探訪展の後半がスタートします!

と、いうわけで作品紹介をつづけます。

のっけからなんですが、

姉さん、です、大蛇です。

でっかい蛇が巨大なと口をカッと開いて、不気味な胴体をくねらせています。

 

画面中央に巨大な蛇の顔があるものだから、迫力満点、目が離せません。

その蛇を囲むように3人の武者が刀を振るい、一人は蛇に刀をぶっさしています。

 

義仲ノ四天王木曽奥山ニ是ヲ退治 

歌川芳員 弘化年間(1847~1847)

よしなかしてんのうきそおくやまにこれをたいじ  うたがわよしかず   です。

 

芳員も、かの奇想の人、国芳の弟子。 武者絵などのほか文明開化の横浜を描いた絵で知られています。

ところでタイトルの「是」は、「これ」でいいんですかね。(タイトルは絵の中に書いてあるのです)絵を見たら分かるだろう!・・・と?

(「是」の字で、うわばみとか、みずちとか、おろちとか読むのか調べてみましたがそんな例はないようなので、やはり絵を見ろってことかな)

う~ん、やっぱり国芳の弟子だ。

 

さて、絵は題名の通り、義仲四天王(画中には5人おりますが。しかも義仲ではない)による蛇退治の図。

もう退治している図というよりは、みどころを全部にもっていかれています。

先にも書きましたが、巨大な目玉、口、鱗の不気味なこと・・・

夢に出てきそうです。

 

周囲は切り立った断崖、わずかな松が張り付き、滝のごとく水も流れ緊迫感ある場所。

この後、武者さんたちは頑張って蛇をしとめるのでしょうけど、もうそれはどうでもいい!

を描かせろ!という声が聞こえてきそう・・・

 

・・・話をそらして、この四天王の主、木曽義仲(きそよしなか)は、

倶利伽羅峠(くりからとうげ 富山県と石川県の境にある)で、火牛の計により

多数の平家の軍勢を打ち破りました。なのでここ富山や石川では有名人。

征夷大将軍にものぼりつめました。(朝日将軍とよばれました)

四天王のほかにも巴御前(ともえごぜん)という魅力的な女性も登場しますね。

今、木曽義仲を大河ドラマの主人公に! という運動もあるとか。

義仲のエピソードを読むと、従来の義仲像(悪人とか間抜けとか・・・)では説明できない

魅力的な部分がたくさんあるので、もし実現するなら、ぜひこれまでの義仲像と違う、

快活な一代の風雲児として描いてほしいですね!

 

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幕末明治の浮世絵・探訪展

~幕末の歴史絵から明治の開化絵まで~

期  間 平成26年 3月1日(土)~3月30日(日)

時  間 9時~17時30分(入館は17時まで)

休館日 毎週火曜日

入館料 一般800円 高校・大学生700円 中学生以下無料

会  場 黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館 3階展示ホール

富山県黒部市宇奈月温泉6-3 TEL 0765-62-2000

セレネ美術館HP