セレネでお茶しませんか?

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その4

2016年02月27日 | スタッフ独り言

おまたせしました。(というほどの内容でもないのですが)京都研修報告最終回です。

タクシーに乗ったわれわれは、智積院(ちしゃくいん)へ。

ここのありがたいところは、宝物館に長谷川等伯の障壁画(しょうへきが)が展示してあって、

わりと近くで、いつでも見学できるところです。

むかしはよく京都駅から歩いて、三十三間堂、養源院、智積院、京都国立博物館(かたまって近くにあるのです)を

みてまわったなあ、と思い出にひたりつつ境内へ。

この右に国宝館があります。

国宝館のチケットで、奥のお堂にも行くことができます。

と、ここで残念なお知らせです。

田渕俊夫画伯の襖絵は、行事のため取り外されており見られないとの張り紙が・・・涙です。

気を取り直して、長谷川等伯と向き合います。

天下人、秀吉の求めに応じて描かれた華麗なる障壁画。

まず感じるのは意外と寸法が低い・・・ということ。これ実は、もっともっと大きな絵でしたが、これまで何度か火災にあっており、

お坊さんたちが必死で絵をはがしてもちだしたため、人の手の届く範囲の大きさしか残っていないのだそう。

(昔の人は背が低かったから建物も低かったのかなあ、とか話していてすみません。昔のお坊さん、ありがとう)

そしてもう一つは、大きな木が中央をどんと占める大胆な構図なのですが、

その大樹の足元に、たくさんの植物が自然で正確に描かれていて、やわらかな野山の空気を感じるところです。

等伯のライバルである狩野(かのう)派の障壁画が、厳格な画風なのと好対照をなしているようです。

それにしてもこの絵の前で、当時の人たちが話したり、いろいろしていたんだなあ・・・

たっぷりと往時の雰囲気にふれたところでお堂へ。

五色幕が美しいですね。ここでお庭や、他の画家の襖絵を拝見して、予定された行程は全て終了。

京都駅発17:09の電車までちょっと時間がありますが一路、駅を目指します。

タクシーの運転手さんの苗字が喜多川だったので、喜多川歌麿の親戚ですかとベタな話をしつつ駅に到着。

やや天気があやしく、風もつめたく感じられますが、もう大丈夫。あとは帰るだけです。

そうそう、集合時に風邪をひいたという方は、一晩寝たらすっかり(かは分かりませんが)なおったとのことです。

さてさて、あとは各自ばらばらにお土産を購入したり、一休みしたりと自由に過ごしましたので特に書くことはないのです。

わたくしは頼まれた漬物と八橋を求めて、1階と地下のお店(ものすごい数があるのです)をいったりきたり。

漬物の店だけでもたくさんあって、店員さんがぐいぐい迫ってくるので、それをかわしつつ横目で物色。

老舗の文字にひかれて、そこで千枚付けを購入することにしました。(すごくおいしかったです)

なんと千枚付けって賞味期限が3日くらいしかなく、要冷蔵なのですね。全然知りませんでした。(お店の方、ご親切にありがとうございます)

 

京都から特急で金沢へ。金沢で新幹線に乗り換えて、黒部宇奈月温泉駅へ。

20:21 全員無事到着いたしました。

最後の締めくくりに、京都研修計画をつくり、事前準備はもちろん行程中もなにくれと奔走いただいた幹事と事務局長に、皆で感謝の言葉を

伝えようとしたところ、改札をくぐって止まることなく一直線に外に向かって歩いていく事務局長。

・・・あれ? (と思うわれわれ)

そして、そのまま集合することなく解散に。(あれ? と思うわれわれ)

お迎えの車が来ておられたのですね。・・・気を取り直し、せめて幹事に言おうとしたところ、その隣にもお迎えの家族が。にこやかに去っていく幹事。

・・・・・まあ、いいかと思うしかないわれわれなのでした。

 

これにて報告終了。おつきあいいただき感謝です。

幹事、事務局長に、ここであらためて厚く厚く御礼申し上げます。おつかれさまでした。

承天閣美術館にて。タクシーの運転手さん渾身の構図。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


京都その3

2016年02月26日 | スタッフ独り言

京都研修2日目。最終日です。

昨夜は、はりきってラーメンを食べに行く人、京都の知り合いと飲みに行く人、

うきうきとホテルの大浴場(部屋風呂とは別にあるのです)に行く人、

すぐ寝る人と、それぞれの夜をお過ごしになったようです。

 

さて、この旅の最大の目的地である京都国立近代美術館へむけて出発です。

9:30に美術館に到着。

柳原近代美術館長との面会時間(10:30)まで、開催中の「志村ふくみ展」を拝見します。

 

展覧会場へ入ると、そこはやわらかな光に満ちた空間でした。

やさしくも鮮やかな色に染められた糸の輝き。

織り上げられた紬(つむぎ)は、あるときはかそけく、あるときはきっぱりと色を表し、

融通無碍に世界を作り上げています。

(またひとつひとつの作品につけられた名前が素晴らしいのです)

みなさん感動の面持ちです。

ほわーっと見ているうちに、たちまち時間が過ぎていきました。はっと気がついたわれわれは、

別フロアの常設展を足早に見終え(残念。もっとゆっくり見たかったのですが)、いよいよ館長室へ・・・!

 

館長室の隣にある、素敵な応接室で柳原館長とお会いしました。

集客について、予算について、宣伝方法について、付加価値のつけ方について、いろいろお話しを伺いつつ、

あいまあいまに面白おかしく繰り出される館長の京都裏話や今後の展覧会の構想をお聞きしているうちに

あっというまに12:00に。辞去する時間です。

柳原館長、お忙しい中、お時間をいただき誠にありがとうございました。

 

お話しを噛み締めつつ、われわれがむかったのは昼食会場の京都モダンテラスさん。

京都国立近代美術館から徒歩3分ほど。1月にオープンしたばかりの話題のお店なのです。

1階は本屋さん。建物にはいるとペッパー君がいました。 

わーっと群がるわれわれ。

なんでか不自然なまでに顔を左に向け、われわれの幹事(しましまのコートの人です)をガン見するペッパー君。

話しかけるも反応せず。(みんなでやつぎばやに話しかけたからかも)

すごく時間がたってから、やっぱりガン見したまま「社会人一年目ですか」と話すペッパー君。(どういう意味?)

そしておもむろに「終了します」宣言をかましてくれました。

 

気をとりなおして、2階が目的のお店です。

お昼時とあって順番待ちの人が多かったですが、予約してあった(さすが)、われわれは順調に席へ。

前菜。お皿の模様がかわいいのです。

飛騨牛のハンバーグ。けっこう濃厚なお味でした。ライスつき。

 

コーヒーもいただき、お腹も満足したわれわれは、裏メインの呼び声も高い細見美術館へ。

モダンテラスさんから徒歩3分ほど。(近い)

中央の建物が細見美術館です。

ここでは、話題の「春画展」を開催中なのです。

浮世絵、春画も日本画の一分野ということで見学いたしました。

(実際、葛飾北斎や喜多川歌麿たちの作品もあります)

なお18歳未満は入場禁止。

 

入ってびっくり、展示室内はお客さんでびっしりです。

外に誰もいなかったので、てっきり閑散としているものと思いこんでいました。

そして、列が進まない・・・みなさん、じっくり見ていてなかなか動きません。

展示内容の描写については差し控えさせていただきます・・・。

でも、こういった作品を生み出せるのは、日本人が性に奔放というよりは、(ここだけ取り上げると外国人に勘違いされそうでイヤですね)

ます治安がよく、そうした分野が「笑える絵」として受け入れられる、安定した社会だったということでしょう。

そして「庶民」が、そういった絵を購入できる経済的余裕と、絵を楽しめる時間的余裕を持っていたということではないでしょうか。

そこから多様な分野が花開くことになったのです。浮世絵からはマンガや日本画が生まれ、(もちろんその誕生には大きな別の流れもあります)

屋台から、寿司、天ぷら、うなぎ、そばなどが発展し、今日の芸術的な「和食」へとつづいていくのです。

 

・・・と語ったところで、最後の予定地、智積院(ちしゃくいん)にむかいます。

ここには能登出身の大画家、長谷川等伯の障壁画(しょうへきが)と、セレネ美術館の招待作家、田渕俊夫画伯の襖絵(ふすまえ)があるのです。

 

(再び、つづく)

 

 

 

 

 

 

 


職員研修in京都 その2

2016年02月24日 | スタッフ独り言

さて、あぶり餅の次にむかいましたのは承天閣(じょうてんかく)美術館。

目的は、開催中の「岩澤重夫展」です。

この美術館は相国寺(しょうこくじ)が運営しておりまして、金閣や銀閣もこのお寺さんが管理されています。

なので、金閣に描かれた伊藤若冲(じゃくちゅう)の障壁画が展示されていたりと、見ごたえがあります。

岩澤重夫展も素晴らしい内容でした。

堂本印象に師事した日本画家で、大分県の出身です。

その作風は千変万化。

現代アートばりばりの作品や、たおやかな花の絵、抽象的なデザインのような絵、

細密で写実的な絵などなど、見ていて飽きません。

特に印象深かったのは、「天水悠々」という2003年の作品。

(「岩澤重夫展」の文字をクリック。リンク先のチラシ裏、右下にある絵ですね)

繊細な色彩と豪快な筆致があいまって、清冽で空気の引き締まるような作品でした。

まさに名品。

ところでみなさん、分かりました?

これ、富山県の立山にある「称名滝」を描いているのです!

ついうれしくて、美術館の売店の人や、タクシーの運転手に自慢するわれわれ。

宇奈月温泉の宣伝もしつつ、閉館の音楽がながれる美術館を後にしたのでした。

境内には梅が美しく咲いておりました。

そういえば出発前は天気を心配していたのですが、快晴ではないものの雨や雪も降らず、

それほど寒くもなく、なかなか恵まれた日程でした。

 

ここでいったんホテルにチェックインすることに。

タクシーにのってホテルへむかう車中で、運転手さんにおすすめのラーメン屋さんをきく人が。

ホテルは京都駅の南だったので、その近くにある、2軒並んだラーメン屋さんを教えてくれました。

2軒並んだ?・・・どっかで聞いたような。そう、あぶり餅のお店もそうでしたね。(正しくは向かい合わせですが)

ふむ、2軒が競いあうのは相乗効果を生み出して繁盛すのかもしれません。

タクシーでそのラーメン屋さんの前を通過したところ10人くらい並んでいました。

なお、むかって左のお店は深夜2時まで営業して、朝5時からオープンとのこと。(このとき、必ず行こうと決意した

人がいることをわれわれは知る由もなかった・・・なんてことはないのですが)

さて、ホテルに荷物を置いてタクシーで祇園に。

夕食会場は「豆寅」(まめとら)さんです。

さすが祇園。いい雰囲気です。

それぞれのお店には、共通の赤くて丸い提灯がともっていて、いい感じ。

これも宇奈月で真似できるのではないかしらん。

では、いよいよ、おまちかね。

一日おつかれさまでした。かんぱ~い。

白味噌仕立ての椀。あまくておいしいです。

海老のねりものを湯葉で包んで揚げたもの。お塩でいただきます。これもおいしいよ~。

ちょーかわいい、ちいさなお寿司。ちょーおいしいです。

左下の黒いのは昆布です。ちなみに右上は茗荷(みょうが)、貝ではありませんよ。

ぷりぷりのわらびもち。黒文字で切れないほどの弾力。すごく、おいしいです。

(お品はこれが全部ではありません。念のため申し添えます)

(あ、ついでに申し上げますが、交通費や宿泊費や食費など、旅の費用は全部自腹ですよ!)

なんだかんだいっても、やっぱり人はおいしい食べ物にひきつけられ、

記憶にものこるものですね~。

 

おいしいものを食べてご機嫌のわれわれは腹ごなしに夜の京都を散策することに。

白川(しらかわ)にかかる巽橋(たつみばし)をめざします。(ドラマ?で有名だそうです)

おしゃれで落ち着いたお店を川向こうに見つつ、ほろほろと歩くわれわれ。

宇奈月温泉もこんな風にお店とかあったら素敵なのにね~などと話しつつ、

やや迷いながらも数分で到着しました。

隣には小さな辰巳大明神のお社があって、きれいな路地がいくつもつながっており、

昔ながらの情緒あふれるしっとりとした場所です。

名残惜しいですが、京の街の夜の風情を味わいつつ、宿にもどることといたしました。

 

清水へ祇園をよぎる櫻月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき    与謝野晶子

 

(たびは明日につづきます)


職員&運営委員研修

2016年02月24日 | スタッフ独り言

セレネの職員と運営委員や、黒部市美術館の人たち、あわせて10名で研修旅行に行ってまいりました。

休館日を利用してのぎゅっとつまったスケジュールです。

行き先は・・・

京都です!

京都国立近代美術館長 柳原正樹氏(宇奈月町出身なのです)にお会いし、

美術館の運営や方針などについてお話しを伺ったり、意見交換するのが主な目的です。

さらに観光地である京都の魅力を研究し、宇奈月温泉の発展に寄与すべく

10名は京都に向かうことにしたのでした。(決意)

北陸新幹線、黒部宇奈月温泉駅ホームです。

(新幹線がまさに到着するところ。・・・いつも思うのですが、北陸新幹線って美人ですよね)

なお、参加者は、楽しみで寝られなかったという方、風邪をひいたという方、時間を間違えていた方、

マフラーを忘れたという方と、なんというか、いろいろです。

まあ、つつがなく京都に到着。

駅の地下でお昼を食べてから、地下鉄でわれわれがむかったのは。

烏丸今出川。(看板を指差す、なんだか楽しそうな運営委員のお二人)

ここにあるのは、京都御所です。

御所、広っ と思いました。

ちょっとお昼をゆっくりしたため、時間に(ご存知の通り、御所の見学は事前に宮内庁に申請しなくてはいけません)

遅れそうになるわれわれ。幹事が受付に走っていきました。(ありがとうです)

まあ、全員時間に間に合いましたよ。(よかったよかった)

御所内はガイド役の人が先導し、参加者の後ろからは警察(?)の方もついて来られます。

ここで私たちは案内するガイドの役割や説明内容の重要性等について考えたのでした。

 

次にタクシーに乗り込み、われわれがむかったのは。

大徳寺の塔頭(たっちゅう)、芳春院です。(写真は芳春院の前ではありませんが、大徳寺内)

加賀百万石の礎をつくった前田利家の妻、おまつの方が建てたお寺で、

京都四閣のひとつ「呑湖閣」(どんこかく)があります。(あとの三閣は、金閣、銀閣、西本願寺の飛雲閣)

普段は公開されておらず、今だけの特別公開!

北陸の関係者としては、いかねばなるまいと訪れたのでした。(芳春院内は撮影禁止でした)

ここでも案内・解説役の方の重要性を認識。そして黒部にある「松桜閣」(北陸の銀閣とも)を含めて

日本五閣というのはどうか、と語り合ったのでした・・・。

 

つづきまして。

タクシーの運転手さん情報により、近くに「あぶり餅」の名店があるとのことで、もちろん行くことに。

今宮神社の前に向かい合わせに2軒のあぶり餅のお店が建っています。

右が一文字屋(創業1000年とか!) 左が、かざりや(創業400年だそう)。

あぶり餅は、細い串にさして炭火で焼いたお餅に、きなこなのか白味噌なのか、絶妙な甘さのたれが

かかっています。素朴なんですが、それだけではない、説明できないおいしさがあります。

最初、一人前(一皿)13本と聞いてびっくりしましたが、ひとつひとつが小さいので余裕な感じです。

(夕食も近いので、われわれは3皿を分け合いましたが・・・)

なお、われわれが入ったのは右のお店です。時代劇の茶屋の雰囲気そのままに、ひと休み。

さて、行くかというとき、横でお茶を飲んでいたタクシーの運転手さんから「13本には意味があるんですよ」の一言が。

「え?」、「13本に」と考えるわれわれを置いて、運転手さんはたったか歩いていきます。

結局、タイミングを逃して答えは聞けず、ここに13本の謎がのこりました・・・・。

その後、みんながスマホで検索しても明確な意味は分からず・・・。

あの時すぐに「どんな意味ですか?」と聞けばよかったよ~。

 

(旅はつづく)

 


こども美術館ー出前授業「日本画」作品展ー

2016年02月06日 | オープンギャラリー

今日から2階オープンギャラリーでは 

こども美術館

出前授業「日本画」作品展 が開催中です。

セレネ美術館と黒部市美術館は共同で、市内の小学校に

美術の出前授業を行っています。

その授業で前沢小学校の5年生荻生小学校の5年生

描いた「日本画」を展示しています。

日本画とは・・・

千年以上にわたって受け継がれている絵画様式です。

岩絵具(いわえのぐ)や、水千絵具(すいひえのぐ)に、

接着のための膠(にかわ)を混ぜ、適量の水でといたものを

筆につけて、紙や絹などに描きます。

 

そして作品の展示スペースにはその道具が展示してあります。

 こどもたちが描いた日本画をぜひご覧ください。

 

期間  2月6日(土)~2月28日(日)

     9:00~17:00  火曜日休館

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館
富山県黒部市宇奈月温泉6-3
TEL0765-62-2000 セレネHP

 

 


宇奈月温泉の総湯

2016年02月01日 | オープンギャラリー

宇奈月温泉に建設中の総湯「湯めどころ宇奈月」。

最近、周りを囲っていた上部の足場や、防音幕がはずされ、外観が少しだけ見えるようになりました。

朝顔博士の中村いさむさんから写真をもらいました。

念のために書きますが、写真の右手前にある2階建ては「カフェ・モーツァルト」です。その奥の建物ですよ。

1階はフリースペースで、2階には「桃の湯」、3階には「月美の湯」と名づけられたお風呂ができます。

2016年4月27日(水)オープンです。

完成イメージ図(右下にあります)

4/26 オープニングセレモニーの様子

黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館
富山県黒部市宇奈月温泉6-3
TEL0765-62-2000 セレネHP