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浮世絵展、語りのこし

2014年03月31日 | セレネ美術館

幕末明治の浮世絵探訪展・・・昨日、終了いたしました。

楽しい作品、美しい作品、不思議な作品、往時を感じさせてくれる作品、考えさせてくれる作品・・・・

いろいろな作品がありました。

そのいつくかはこのブログでご紹介しましたが、まだ書きたかった作品もあります。

ということで、気になった作品を書き散らします。

 

春の明ぼの 歌川国輝   弘化4年1847年

はるのあけぼの うたがわくにてる

庶民のお正月風景が描かれています。門松が飾られた家の前で、武者が描かれた、自分より大きい凧をほこらしげに持つ子供。

その向こうでは女性が羽根つきを楽しんでいます。遠景には、屋根の上に、やっこ凧、鳥型の凧などが多数上がっています。

気になるのはその中に蛸(タコ)の形をした凧があること。しかもど真ん中に。

タコが扇を持ったデザインです。

これ本当にあったのかな? 絵師のお遊びでは・・・と思っているのですが・・・さて?

 

 

聖徳太物部守屋誅伐ノ図 

歌川国芳 嘉永5年1852年

しょうとくたいし もののべのもりや ちゅうばつのず   うたがわくによし

武将の格好をした聖徳太子が、目から強力なビームを発射しています!

・・・言いたいのは、それだけ!

ところでビーム表現の元祖はなんなのでしょう? 仏の後光とかになるのかなあ?

 

 

萬国男女人物図会  歌川芳幾  文久元年1861年

ばんこくだんじょじんぶつずえ   うたがわよしいく

絵の上部には、いろいろな国名が、下部には十数名のいろいろな国の人たちが描かれています。

イギリス、フランス、ロシア、アラビアなど(漢字表記です)おなじみの国のほか、

「小人国」や「女人国」、「腹無国」

(人物のおなかが極端にへこんでいます)など、想像上の国や人も。

まさか信じていたわけではないでしょうけど・・・絵を見ていると、楽しいですね。

 

 

江州坂本入江の浪士白狐にたぶらかさるる図

歌川国芳  明治14年1881年

ごうしゅうさかもといりえのろうし しろぎつねにたぶらかさるるず    うたがわくによし

白狐が化けた大名行列が長く続いています。列の後ろにあたる右の方は狐の顔をしていいますが、

しだいに変わり、列の先頭となる左の方では人間の顔をしています。

たまに、しぐさがおかしいのが混ざっていたり、すまし顔のヤツなど様々な姿が描かれています。

国芳は楽しんで描いたんでしょうね。

 

 

東京年中行事之内 一月一日各長官参賀之図  

歌川国利  明治10年1877年

とうきょうねんじゅうぎょうじのうち いちがつついたち かくちょうかんさんがのず  うたがわくにとし

元日、政府高官が宮中に参内する姿を描いています。もちろん想像で。

人物の横には「伊藤公」「大隈公」(もちろん伊藤博文に大隈重信)などの解説札が描かれていますが、顔は・・・別に似ていません。

遠近法的にもちょっとおかしいところがある稚拙な感じの絵ですが、大らかな明るさが伝わってくる作品です。

華やかな宮中の行事を、国民は浮世絵を通してみていたわけです。

 

 

チラシ表にも掲載しています

上野公園開花ノ図 揚州周延  明治20年1887年

うえのこうえんかいかのず  ようしゅうちかのぶ

いわゆる鹿鳴館ドレスを着た貴婦人が連れ立って、桜を楽しんでいる姿を描いています。

ドレスの柄、色使いも上品で、明治浮世絵の「美人画」といえるでしょう。

当時の風俗を教えてくれる美しい作品です。

 

 

・・・というところで、明治浮世絵の探訪展とは本当にお別れです。

それでは、またの機会にお会いしましょう!

 

 

幕末明治の浮世絵展概要&他の作品紹介へ

 

終了していますが一応・・・

幕末明治の浮世絵・探訪展

~幕末の歴史絵から明治の開化絵まで~

期  間 平成26年 3月1日(土)~3月30日(日)

時  間 9時~17時30分(入館は17時まで)

休館日 毎週火曜日

入館料 一般800円 高校・大学生700円 中学生以下無料

会  場 黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館 3階展示ホール

富山県黒部市宇奈月温泉6-3 TEL 0765-62-2000

セレネ美術館HP