地球浪漫紀行☆世界紀行スタッフの旅のお話し

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リヨンで見つけたチーズ

2009年09月02日 13時01分51秒 | フランス・モナコ
今より食事に時間をかける余裕があった時代、
リヨンの市民は、朝・夕に開かれるマルシェ(市場)に行き、
顔なじみの店主に勧められる新鮮な食材で、
その日のメニューを決めるほどに、売り手と買い手は、
食材を通しての信頼関係を楽しんでいたといいます。

昔のように、食材選びに割く時間が減ってしまった今でも、
リヨンのマルシェは市民の台所として昔と変わらず同じ場所で
人々の生活を見守っています。

豊かな食材が並ぶマルシェの中でも、ところ狭しと、
色も形もさまざまなチーズが積まれたチーズ屋さんは、
マルシェを訪れる楽しみのひとつです。
日本でも輸入チーズは増えていますが、やはり本場でいただく味は
ひと味もふた味も違う気がいたします。

本場のチーズを探すなら、やっぱりマルシェに行くのが一番です。
リヨン中央市場にある「ルネ・エ・ルネ・リシャール」と「マルティネ」には、
ローヌ・アルプ地方特産のチーズが豊富に取り揃えられています。
同じ材料、同じ場所で作られたチーズでも熟成期間によって風味や食感、
見た目もがらりと変わるチーズの魅力はつきません。

「サン・マルスラン」はまさにその代表格に上げられるチーズで、
表皮が内側と変わらないほどやわらかなフレッシュなものから、
カサッと割れるほど乾いた完熟のものまで、
熟成の度合いによる味の変化が楽しめるチーズです。

中世の頃、酪農家のほとんどは、地主から土地を借り
家畜の放牧をしていました。
搾乳量で決まる地代を少しでも減らすため、
集金日はいつもの半分だけ搾乳し、
集金後、改めて残りを搾ってその量を調整したといいます。
1回目よりも濃厚な2回目に搾られたミルクで作られたチーズが
「ルブロション」です。
ルブロションとは2度目の搾乳(ル=ブロシェ)という意味があり、
まさに人びとの知恵が産んだチーズです。
やわらかい匂いとしっとりとした食感が特徴の
この若い熟成チーズは、夏から冬にかけて出回る、
ローヌ・アルプ地方を代表するチーズのひとつになっています。

もうひとつ、「リヨンの山のお焼き」と名付けらた
「ガレット・デ・モン・デュ・リヨネ」を紹介します。
チーズの匂いが苦手という方にもお勧めの
ミルクのやさしい甘みが口に広がるチーズです。
今まで紹介したチーズは噛むほどに味わいが増すものでしたが、
「リヨンの山のお焼き」はほどよい匂いが特徴で、
薄皮に乗せられ、スプーンですくっていただく、
デザートとしても食べたくなるやわらかいチーズです。

残念ながらお土産としては不向きなチーズですが、
旅に出て、訪ねてみなければ発見できない、
目に焼きつくような景色があるように、舌に焼きつく味覚も
きっと旅の最高の思い出になると思います。

(佐々木 優嘉)



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