古民家SHIKIORI日記/Homenaje Project

アジア・アフリカ・ヨーロッパ、古民家SHIKIORIを舞台につながる音楽。
コントラバス奏者、松永誠剛のブログ。

ケープ生活8 最低5時間

2009-01-30 05:52:46 | Weblog
ドラムの友人のFrank Pacoを訪ねた、
以前から彼にアフリカングルーヴの手ほどきを受けたいと思っていたので、念願叶ってのセッションとなった。
Frankはモザンビークの出身、モザンビークはアフリカのグルーヴの宝庫とも云うべき場所。ケープタウンに住む多くのドラマーが彼から、モザンビーク的シンコペーションの手ほどきを受けている。
ヨーロッパやアメリカでも活躍している、ファーストコールドラマーだ。

Frankはとても落ち着いていて、物事を冷静に観ている、紳士的な人、ピアニストの奥さんとめちゃチャーミングな娘さんの三人で暮らしている。

とりあえず、彼のスタジオ(アフリカの多くのミュージシャンはかなりの録音機材を家に持っている人が多い)でレッスンスタート.....と云うかジャムなのだが。

いくつかの基本的な12/8のパターンを見せてもらった、基本形はセブに習ったのだが、細かいシンコペーションが星空のようにバリエーションがあるし、モザンビーク的な物はなかなか触れる事が出来ない。

「日本の音楽はどんな物なんだ?」
と云われ、「この道」でも弾こうかと思ったが、自分の曲を弾いた。(笑)
日本の音楽と云うのは「間」と「余韻」が一つのテーマだろう......
しかし、詠えない自分、自分の故郷の「響き」を自分一人で十分に伝えられない自分が悲しかった。

一音で自分のアイデンティティを伝えれるようになりたい、
文化を伝えたいとか云う話ではない、自分が生まれて最初に吸った空気の場所の響きを常に持っていたいのだ。
それが、自分の人生の足場になる物だと思う。

とにもかくにも、彼とのセッションはとてもクリエイティブで刺激的な物だった、僕では想像も出来ないような、グルーヴ、シンコペーションで音楽を豊かにしてくれる。

二人で得た結論は、「アフリカと日本は似ている」
本当に不思議なほど、音楽的に共感、共有出来るものが多かった。

手みやげの日本茶をすすりながら、
音楽ビジネスの話になった。

Frankもプロデュースの仕事なども多く行っている、
それが彼に習いたかった理由でもある、多くのアフリカンパーカッショニストやドラマーが居るが、グルーヴの事やタイムの事が大きくなりすぎて、一緒に演奏していて音楽的ではなくなってしまい、一種のマスタベーションで終わる。

彼は作曲も編曲もこなす、自分を客観的に見れる素晴らしい「音楽家」だ。
(客観的に見れなくても素晴らしいミュージシャンも居るが、彼らとツアーをするのは勘弁だ。ステージにいる時間よりも、一緒に生活する時間の方が長いから)

話が脱線したが、(笑)
「忙しくなり過ぎたから、エージェントを雇った。(笑)メールチェックやオフィスワークは3時間以内にするようにしている。練習不足だし、やっぱ毎日、最低5時間練習したい」

最低5時間の練習、45歳、ファーストコールドラマー.......
まあ、だからファーストコールなんだろうね。(笑)
多分、一日の集中力の面からいっても、5~6時間が限界だろう。

「何、練習すんの?」
「俺、スウィングがいまいち、スウィングしてないからさ、ベーシックな事をもう少し、ゆっくりなテンポで築きたいんだよね」

Frankはかなりスウィングするドラマーだと僕は思う。(笑)

とりあえず、彼を見習って僕も最低5時間は練習しようと思う、
時間は作る物だ、炊事は二の次だ!

色んな意味で良い時間を過ごせた、素晴らしい一日だった。
帰りのドライブでテーブルマウンテンにかかった雲によって、刻々と景色が変わっていく姿は荘厳な美しさだった。






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