悪人
2010年/日本
孤独ではない、皆そうだから
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uminekoさん
総合
85点
ストーリー
85点
キャスト
90点
演出
85点
ビジュアル
80点
音楽
80点
慈愛と孤独、無垢と欲望の交錯する、素敵な作品でした。そろそろネタばれレビューでもよいと思うんですけど、なんで監督は妻夫木君にこの難役に任せたのか、最後のシーンではっきりわかった。あの表情が欲しかったんだね。それにしても深津さんのおさえた演技がすばらしいです。賞とるのも当然。
個人的には大注目の真島ひかりさんがあんな役になっててちょっとおろおろでしたが、それもまた上手いんですよ。花マルあげたいなー。
愛を知った者だけが。知る哀しみがあるだろう。私たちは、その淵に立っているのにね。当たり前すぎて気づかないんだ。
捕まる瞬間、深津さんに手をかける、妻夫木君のやさしさを思う。彼女を不運な被害者に仕立て、無事に日常に戻れるように。
最後、被害者の父親とニアミスした深津さんが、そのまますれ違ったのがよかった。当たり前だ。善と悪は相容れないし、分かりあう必要もない。
そのリアリティこそを。私は高く評価したいです。