Mon´の日記

アーティストMon“Design-NeT”の日記。
HALE to KE(ハレとケ)な日々。
時々広島弁。

『F.+2』感想文。

2010年10月16日 12時58分47秒 | Weblog
怒涛のバタバタから ちょっとだけ落ち着いたので、
ずーーーっと先延ばしにしてきた、RONさん主演舞台『F.+2』の感想をゆっくり書かせていただこうと思います(#^.^#)


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「めんどくさい奴」「絶対友達になりたくないタイプ」……
でも その外的印象から、徐々に粕谷に内在する“血だらけの魂”が重く重く空気の下の方を這いながら客席に伝わってくるのを感じました。

一方、そんな粕谷に怒りのTAPを踏む中山くん(RONさん)。
“怒り”なんだけど、“怒り”のもう少し向こう側に“涙を流している魂”を感じた。
中山くんが、激しく踏めば踏む程…息が上がる程、魂から止めどなく涙が流れるのを感じた。
同時に、粕谷の魂がどんどん血を流すのを感じた。
中山くんのTAPはそれらを投影した…そんなTAPを感じました。

そしてここから…、何の涙なのか自分でもよくわからないのですが、最後までMon'は涙が止まらなくなっていました。


今回、こういう形でRONさんのTAPを観る事ができて本当によかったです。

さっき“TAPを感じた”と書いたけど、その通りで、
舞台後「自分は今まで音楽をやってきて、本当の意味で“感じる”という事をしてきたか?」と、改めて自分に問ってみた。
自分なりにはしていたつもり…でもそれは“自分なり”。
勿論、“音を感じる”“リズムを感じる”…というのはあるけれど…

今回-TAPを感じる-という事ができた事で、改めて“この境地”を気付かせてもらうことができて、本当に幸せでした。
RONさんに心から感謝ですm(__)m



これ…不思議なんだけど、
中山くんの怒りのTAPシーンで、中山くんの“魂”と、TAPをアメリカに伝えた人達“魂”が一瞬結び付いて見えて、私の魂も熱くなりました。

あのシーン、一体何を考えて踏んでいたのか、また聞いてみたいです。
中山くんになりきっていたのか…
それとも、そこに RONさん自身の精神を重ね合わせていたのか…
それとも連結させていたのか…
凄く聞いてみたい事が多いシーンでした。


そうしたら、不意に冒頭のシーンが脳裏を巡り出したのです。
光と闇…光と闇…が交互になりながら、中山くんの心の声とTAPがフラッシュバックしだしたのです。
それからというもの、粕谷と中山さんのやり取りの要所要所にこの冒頭がフラッシュバックするようになりました。

感想文の頭で、粕谷の魂を“血だらけの魂”と書いたけど…
自分自身が自分自身をボロボロにした果てを見た気がしました。
自分自身の限界を認められない、他を認められない、自分自身を許してあげることのできない人間はこうなってしまうのか…と、気が付けば過去自分に覆いかぶさった事実と重ね合わせていました。



………と、ここまでは作品の中身についての感想だったので、
次は、RONさんのお芝居の感想。

あまりにも自然過ぎて帰りの電車の中で、
「あれ?そういえば、ずっと舞台の上にいて、しかもめちゃめちゃ長台詞だったんですけど。。。」
と気付いて、鳥肌立ちました。

正直、TAP DancerとしてのRON×IIさんしかステージで見た事がなかったので、始まるまでワクワクしたりドキドキしたりでした(笑)

でも、始まった途端に吸い込まれました…

中山くんが話す感じとか…リハーサルの時のRONさんっぽい感じもあって、中山くんがRONさんに見える時がありました。

女の子と二人きりで話し、次第に好意を寄せていって、女の子が去った後の中山くん!
面白くて、思わず吹き出してしまいました。


要所要所のボケとツッコミが、ホントに現実かお芝居かわからなかった!

加藤さんのキレた感じの演技と、RONさんの素朴な青年の演技が絶妙で、引き込む所まで引き込まれました。(引き込まれ過ぎました…)

とにかく、台詞を喋っているというのを忘れてました。

RONさんと加藤さんのその絶妙なバランス感で、感情を掻き立てられました。





いやぁ~
久々にズーンと残る作品でした。

観客各々の見方・感じ方で、とんでもなく多くの切り口を見せる作品だと思いました。
観客側も本気で見ないと、本気で刻み込んでいかないと、観客さえも粕谷の的となってしまう…。
しかし、こちらも本気で臨むと、様々な切り口が、恰も自分に巻き起こった事実の様に体感させられる。

肉体と肉体、魂と魂…
素っ裸よりも、もっと先…剥がして剥がしていった人間の極限地への過程を見たようでした。


また、そこまでの作品…と感じたので、時折出てくる下ネタが、何だか無理矢理な感じがしたな。
…そこに持って行かなくても、十分伝わってるよ。
みたいな。



でもなぁ~こりゃぁ~、
出演者…特に主演のお二人は身も心も疲れ果てるだろうな…と思いました。


あぁ~
まだまだ感じた事がいろいろあるんじゃけど、語り出したらとまらんくなるけー、この辺で…。

再演があれば、もう一度観たいです。
きっと今度は、また違う視点・切り口から見ることのできる作品だと思うから。


ホンマにお疲れ様でした!


Mon“Design-NeT”
コメント
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