緋野晴子の部屋

「たった一つの抱擁」「沙羅と明日香の夏」「青い鳥のロンド」「時鳥たちの宴」のご紹介と、小説書きの独り言を綴っています。

小説書きの卵さんたちに

2017-09-18 15:28:38 | 読者さんレヴュー
「青い鳥のロンド」にレヴューをくださったブログの友人 池ちゃん から、こんどは小説執筆上のアドバイスをいただきました。 こつこつと孤独に小説を書いてみえる小説書きの卵の皆様にも、ご参考になるかもしれませんので、公開させていただきます。


こんにちは。僭越ながら気づいたことをお伝えします。

 

今回は特に女性向きな作品でした。それはセイラさんの個性ですから、さらに女性に特化させても良いのではないかと思います。
書き出しから光と風を感じ、とても良かったです。あと一つ欲しいのは「匂い」。

女性の脳は、地図を読んでも「○○ビルから○メートル」ではなく「クロワッサンの美味しいあの店の向い」であるとか、そういう"感覚"の情報が先に来ます。
嗅覚は思考回路を通さずに脳にダイレクトに来ますから印象に残りやすく、味覚・嗅覚から思い出も紡げますからね。
ですので食べ物の表現も、色や味以上に香り・匂いの表現によって、さらに女性に印象付けられると思うので、不本意かもしれませんが、嫌味にならない程度に最大限「匂い」も盛り込んでみてはいかがでしょう。
ストーリー以上に「食べ物」の印象付けは大事ですよ。

また、テーマはとても魅力的なのですが、読んでいて心に起伏が起こりませんでした。
それは、それぞれの「場」の書き出しも、主人公も会う友達のテンションも一定、つまり冷静なのです。ですので「場」が変わってもまた同じところが始まるような錯覚を覚えてしまいます。
「対比」の話を以前しましたが、友達一人一人の個性の設定をもっと大胆にしても良いのではないでしょうか。
 
○子は店に入ってくるなり「ねえ聞いてよ、失礼だと思わない? わたし頭に来ちゃった」と、言い終わるか終わらない内に大きな荷物を床にドンと置き、私の顔を覗き込んだ。隣のテーブルの学生が驚いた表情を見せたが彼女はお構いなし。○子はいつもこうなのだ。
 
例えばこうすると、主人公のテンションが一定であったとしても、前までの「場」の空気がパッと変わり、友達のせっかちな個性も瞬時に伝わります。
場が変わっても「いつも同じ感じ」という危険性を排除できますよね。
 
いつも彼女はボンゴレを頼み、話に夢中になりながら、手元を一切見る事も無くパスタと一緒に魚介の香りをくるくると凄まじい速さでフォークに巻き付ける。器用なものだ。
 
みたいな表現も、料理のイメージとともに○子の表情まで伝わってきそうですし、次に彼女が言いそうなことも豊かに湧いてきます。
別の友達は、また違う個性があると面白いし、場によって空気が変わり飽きさせない。
 
〇美はやはり早く来ていたようだ。どんよりした空気が辺りを取り巻くので彼女だとすぐにわかる。私は思わず「どうしたの? 大丈夫?」と心配してしまうのだが、結局はいつも愚にもつかないことで悩み、落ち込んでいるだけなのだ。「いつもの落ち込みね。元気で安心したわ」「ひど~い、何よそれ。何か奢ってよね」
「甘いものを食べると気分も明るくなるって本に書いてあったわ。ケーキでも食べよっか」
 
と、柑橘系の酸味が鼻をくすぐるタルトであるとか、何を食べさせれば彼女に似合うか考えるのもまた楽しい作業です。
 
これらの手法を使ったからと言って、エンタメに傾くわけではありません。
純文学や文芸作品などでも、料亭や旅館、あるいは蕎麦屋などで食べ物の描写が魅力的に描かれます。
これを生かさない手はありませんよ。
とりあえずお伝えいたしました^^


登場人物の個性の鋭角化、嗅覚の効用・・・なるほど、ですね。
次こそ・・・・頑張るぞ! という闘志が湧いてきたセイラでした。
池ちゃん、今回も的を射たアドバイス、ありがとうございました!

次々と来る 「青い鳥のロンド」 レヴュー

2017-09-12 15:26:38 | 読者さんレヴュー
次作の執筆に取りかかっている緋野ですが、9月に入ってからパタパタとレヴューが届きます。出版からすでに3か月、どうして今? と思いましたら、どうやら書店で注文してくださった方たちのようです。
出版のご案内を送ったのが確か7月の中旬だったと思いますので、下旬に書店に注文していただいたとして、本が書店に届くまでに1か月~一か月半かかったと思われます。 
出版・書店業界を悪く言いたくはないのですが、この遅さ! 取次制度に起因するものでしょうが、何とかならないのでしょうか。 これでは書店さんは、とてもネット書店には勝てません。

書店で注文してくださった方々、ご不自由をおかけしましたが、町の本屋さんの存続に貢献していただけたと思います。ありがとうございました。


              



    60代の女性(主婦) M さん からのメール


どんどん読めて一気に読み上げましたよ。ただ漢字が難しかったです。
よくあるパターンながら共感できる内容で興味深く読みました。

夢子さんや栄の魔女の存在は面白かったです。
小説としてはどうでもいいことなんですが、夢子さんの生活を支えている男性の奥様のことを考えてしまいました。
それと、あの小説、テレビドラマとかで連載ものだったら面白い、と思いましたよ。
よくある日常のことだけに共感する人も多く、楽しめるような気がしました。

 
Mさん、ありがとうございました。
私の小説はいつも、普通の人の普通の生活の中にあるものを描いていますので、よくあるパターンばかりと感じられることでしょう。ダイナミックさや奇想天外な面白さはないのです。
でも、退屈されなくてよかったです。
漢字のことは前記事の A さんのレヴューにもありましたね。ルビをふるべきでした。ごめんなさい。


 
     70代の女性(自営業) K さん からのメール


「青い鳥のロンド」 一気に読みました。
あんな小説が書ける緋野さんはあらためてすごいなと思いました。
女心、夫婦の機微など胸のすくようなタッチで描かれていて、もしあれが有名人の作品ならすぐ書店に並び、話題となったことでしょう。
 なかなか世に出るってことは難しいってことですね。
 
一つ、えらそうなことを言わせてもらえば、登場人物の生き方が従来の型に嵌っていて、いわゆる新しさがないこと。ドラマの「逃げ恥」が当たって、私的にはこれ何?って感じだったけど、文学の世界ではそういったありえないような取り扱いがアピールするのかも・・・・。
 
でも、わたしにとっては面白いいい作品でした。教室の生徒にも回し読みしたいと思っています。ありがとうございました。

 
Kさん、ご感想にアドバイス、ありがとうございました。
新しい生き方・・・まさにそれを模索しつつ書いたのですが、目を見張るようなものは生まれず、結局、四人はああいう形になりました。
「奇抜な発想を」ということは、いつも編集さんに指摘されるところですし、それがトレンドだと思います。ですが、そこに売らんかなの嘘臭さが漂うと、どうも我慢できなくて。
いっそファンタジーの世界を描いたものであれば、いいのですけれどもね。

文学は衰退の一途を辿り、いまや大衆文芸、それもドラマ的なものの洪水です。
ありきたりな人生を描いて、たくさん売れようというのは無理な話ですよね。
私は世に出なくてもいいんです。魂の通う誰かに、私の魂を残したいだけですから。


              

自分らしさを思う 50代女性 I さん

2017-08-17 17:55:02 | 読者さんレヴュー
かつての同僚 I さんに「青い鳥のロンド」のレヴューをいただきました。 I さんは何があってもへこたれず、いつも明るい方を向いて、解決策を見出して前に進む、根性のある女性でした。今も現役でフルタイムの仕事をこなす、50代後半に入った彼女のレヴューです。


「青い鳥のロンド」 読みました。
私も今まで33年勤めてきて、仕事と家事と子育てについて考えてきました。今は子どもはみんな就職し、孫もできて、嫁に夕食を作ってもらう環境です。子育て中に比べれば楽になったはずなのですが、年齢とともに体力は減退し、逆に職場での役職は上がり、今はこの過酷な場所で人間関係に疲れています。
実は昨日は熱でお休みをもらって寝ていたので、きょうは静養を兼ねて本を読ませてもらったというわけです。

読み通して、自分らしく働く意義を考えてしまいました。変な責任に押しつぶされている今の自分を思います。そしてその、「自分らしさ」というものがまた、よく分からないのです。 33年間、よく頑張ってきたとは思います。仕事と家事と育児の間を駆け抜けてきて、それぞれをなんとか回せて来られて、それぞれがなんとか収まるところに収まってくれて、けれど、何となく達成感が乏しいような気がするのです。
私は私らしく生きてきたのだろうか? 私は何をしようとしてここまで来たのだろうか? 何がしたかったのだろうか? と。

本とあまり関係のない、自分の話になってしまいましたね。
でもとにかく、この本は、幸せについて考える機会になりました。自分自身、夫、孫、嫁、それぞれの幸せというものを思いました。



I さん、ありがとうございました。ほんとうに過酷な、戦場を駆け抜けるような生活でしたよね。早くにリタイアした私から見ると、あなたの頑張りは驚異的です。あなたの33年に及ぶ頑張りに、心から敬意を表します。


「青い鳥のロンド」 緋野晴子著 (リトル・ガリヴァー社) 

* 全国書店でお求めいただけます。(店頭にない場合は書店にご注文ください)
* 楽天ブックス・Amazon 等ネット書店にもございます。
* 庶民の味方、図書館でリクエストして、購入していただくこともできます。

86歳男性にいただいた「青い鳥のロンド」レヴュー

2017-07-31 17:33:05 | 読者さんレヴュー
ご近所に住む86歳の歌詠みの男性O氏から、緋野の小説「青い鳥のロンド」にレヴューをいただきました。息子のアパートから自宅に帰ったある日、ふと郵便受けを覗いてみると、封書の中に、原稿用紙に書かれたお手紙が入っていました。
すっかり遅くなってしまいましたが、感謝と敬意をこめて以下に掲載させていただきます。


    青い鳥のロンドを読む
 
五月末、重い小包が届いた。7人に配布し、出版社に送金して、あとは夕暮れ時も、夜も、深夜も読み続けた。
86歳の私とは違った若い世代の世界があった。

 場所は名古屋の栄、街のど真ん中である。登場人物は、菜摘子・翔子・麗ちゃん・百音・そして若い夫。
夫の妻との思いがリアルに描かれている。会社のことも、編集長のことも、現実社会の描写がリアルだ。
50ページの描写がいい。「健太の布団にすべりこみ、小さな体を抱いて寝た」
90ページあたりが面白い。麗の行動と夫の反応。麗ちゃんの姿がリアルだ。
126ページも面白い。男というものについて・・・優しい男、夫の変化・・・いろいろなことが分からなくなる。このあたりの描写、うまい。
夢子さんと栄の貴婦人は現実の人ではない、夢の中の人のようだ。

 青い鳥とはなにか? メーテルリンク以来、人々は青い鳥について考え、書いてきた。青い鳥は人々それぞれにとって違う。緋野さんは、この小説の中の人物のように、青い鳥を見つけるために書いている。
 緋野さんは、一生懸命に書く。家族の世話をしながら、御主人の仕事を助けながら、時間を見つけてせっせと書く。夜も朝も、自分の青い鳥を求めて。
 だが、私には「青い鳥のロンド」のテーマは理解しにくかった。
私は短歌を作る人間で、私はふるさとを描くために書いている。86歳の明解な短歌を作っている私には、はっきりしたテーマが欲しい。漱石の「坊ちゃん」や伊藤佐千夫の「野菊の墓」、野間宏の「真空地帯」のような単純・明解なテーマが。
小説は百人百様であっていい。どんな風に書いても小説なのだ。小説は自由なのだ。だが、私にはテーマへの共感が欲しかった。

 でも、緋野さん、よくやったね。私の計算では300枚以上書いたと思われる。
介護、仕事、よくやっているね。あなたの青い鳥、真剣に読みました。
ありがとう。 ありがとう。
次回作も、近いうちに見たい。86歳、あとが少ないから。
             平成29年、五月末、土曜日書く。


一生懸命に作品の良いところを見つけて、私を励ましてくださろうとするO氏の温かさが心に沁みます。Oさん、ありがとうございました。

子ども時代を戦中に過ごし、ご家族を数人亡くされ、貧しさと闘って苦労されたOさん、安全・平和への活動、仕事、生活向上、地域社会への貢献・ふるさとの良さを残す短歌・・・・Oさんは、幸せとは何か?と迷うことなく、幸せの方向を誤らずに生きて来られた方なのではないだろうかと、レヴューを読みながら思った緋野です。
夫は外、妻は内、と夫婦の分業がはっきりしていた世代、働くことの第一目的が生活の向上であった世代には、平成の人間がめざす幸福や、平成の家族が抱える幸福への迷いは、理解し難いようです。
いえ、Oさんの世代というよりも、一般に男性読者の反応が鈍いのは、もしかしたら、男性たちの意識はOさんの世代とほとんど変わっていないからかもしれません。
この小説が投げかけているものは、幸せに迷うことのない人には、興味の湧かないものでしょう。幸せは人それぞれと言ってしまえば終わることです。
けれども、ここに登場する四夫婦の悩みは、単に彼らひとりのものではなく、この時代の若い家族たちの悩みです。そこを直視することが、より幸福な人間の未来に繋がると、作者の緋野は思うのですけれどもね。
やっぱり、どうも上手く書けていなかったのかもしれませんねぇ。反省。
 



遠隔操作透視の目?・・小説「青い鳥のロンド」レヴュー

2017-07-24 15:17:28 | 読者さんレヴュー
 
緋野のブロ友、池ちゃんの「辛口レヴュー」から、ぼーちゃんが、緋野晴子の小説「青い鳥のロンド」に興味を持ってくださって、Amazonで購入してレヴューを書いてくださいました。有難いことです。

いただいたお言葉を、ここに掲載させていただきます。(セイラというのは緋野のブログネームです)



セイラさん、読ませていただきましたよ『青い鳥のロンド』 セイラさんのブログ友の池ちゃんのレヴュー記事の中の『何とつまらない物語だろう』との表現が妙に気になり、私はどんなふうに感じるのか、どうしても読んでみたくなったのです・・・

読み始めてまず感じたことは、ほんとだわ 池ちゃんがおっしゃられるように・・・ごめんなさい つまらないお話・・

と思った理由は、四人のお話の話題・・・『勝ち組』 とか 『負け組』 とか私の嫌いな言葉ですし、それにお話の内容も、このお話ってセイラさんの自分史?
みたいに感じて、なんだかなぁ~って思いながら読み進んでいったのです。

ところが読み進めていくうちに・・・ん? セイラさん! もしかして、遠隔操作透視の目とやらで私の心の中を覗き見してませんか? 
と思われるほど、そうなのよ・・・ホント・・そうなのよねっ・・と、現実と物語がうまく入り混じってるような不思議なその世界に引き込まれている私がいたのです。

物語の後半からぐいぐいと引き込まれて、読み終わった後は、最初に感じた、何だかなぁ~と思ったお話も、生きてる内容に感じられ、何かしら一体感みたいなものが残っておりました。

本を読んで初めて感じた体験でした。

それと、セイラさんのあとがきも、今どきの、社会情勢をしっかりと見つめられて、感じてらっしゃる感性に心惹かれました。

青い鳥は自分の心の中にあると思います   幸せは心の持ち方で感じるものではないでしょうか? 辛いという字に一を足すと幸せという字になるように、たったひとつの見方を変えたら・・


ぼーちゃん、主題に迫るご感想、ありがとうございました。
どうやら 「見方を変える」 というところに幸せのヒントがありそうですね。
また、作者と読者の間に生まれる一体感とは、作者冥利に尽きるお言葉です。 
重ねてありがとうございます。
ぼーちゃんと、ぼーちゃんに出会わせてくれた池ちゃんに、感謝!



Amazon にいただいた 「青い鳥のロンド」 レヴュー

2017-07-13 22:55:35 | 読者さんレヴュー
自著の売れ行き調べのついでに Amazon を覗いてみましたら、まあ、嬉しい! どなたかがレヴューを
 
載せてくださいました。 しかも、☆ 5つ! 
 
こういうものって、きっと友達とか身内だろうと思われがちですが、正直、私の知らない方です。
 
(? 私が知らないだけで、ひょっとしたら予約者さんのうちのどなたかかもしれませんけれど、私のところに、
 
「載せたよ」という連絡は来ていません)
 
 
     男性こそ読んでください   というタイトルです。
 
家庭と仕事の間で揺れる30歳の既婚女性4人。

仕事にかける思いがある。家庭に対する思いがある。

そんな彼女たちの4者4様の悩みは今を生きる共働き夫婦のひとつの姿だと感じ

ました。 私は未婚ですが、彼女たちが抱える仕事の悩みには共感するものがあ

りました。同世代の家庭をもつ女性、働く女性はもちろんですが、家庭のある男

性にも是非読んでもらいたい一冊です。
 
 
カスタマー さんとありましたので、やっぱり Amazon で買ってくださった方でしょうか?
 
 私は自分の小説へのレヴューを集めて大切にしていますので、Amazon 掲載のものも、このブログに
 
いただいておきます。 Amazon で公開されているのですから、いいですよね? もし Amazon から
 
クレームが来るようでしたら、すぐに削除いたします。
 
お名前が分からなくて残念ですが、カスタマー さん、ありがとうございました。

緋野晴子著「青い鳥のロンド」に辛口レヴューをいただきました

2017-07-06 17:16:59 | 読者さんレヴュー

ブログの友人 池ちゃん が、緋野晴子著「青い鳥のロンド」にレヴューを書いてくださったというので、喜んで見に行きました。すると・・・え?

「なんてつまらない話なのだろう」 ですって? ムムムム・・・辛口。

 ・・・・?  辛口・・・?  え?

どんなレヴューでも読者さんからいただいたレヴューは緋野の宝物。
池ちゃんのお許しを得て、こちらにそのまま掲載させていただくことにしました。

     

この本は、先日ブロ友であるセイラさんが出版された、「たった一つの抱擁」「沙羅と明日香の夏」に続く3冊目の作品です。


       ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

ほんとうに幸せなのは誰なのか?
幸せの条件とは何か? 青い鳥はいるのか?
就職氷河期の中でなんとか思いどおりの道を切り開き、仕事も結婚も手に入れた4人の勝ち組女たち。
夢を追う菜摘子を取り巻く人々、ある日忽然と現れた栄の魔女と夢子さん。
30歳を迎えた彼女たちを待っていたものは・・・。
今を生きる男女に、幸福の真の意味を問う現代小説。(舞台は名古屋市 栄)

                             
あなたは青い鳥が見えますか? 
「一番好きだった人と、幸せの奪い合いをしている」菜摘子
「心の震えは何物にも代え難いわ。ああ、生きているって思う」百音
「他の人たちにも何か不幸があったらいいのに……」夢子
「何だかんだ言っても、私たちはそれでも勝ち組なのよね」翔子
「オマエは空っぽだって、喉の奥から嫌な声を出して笑うの」麗
「フッ、フッ、夢は掴んだとたんに消えてなくなるシャボン玉」 栄の魔女
「暗闇の中で、君と僕のことを想って泣いた」 護 
今を生きる男女に、幸福の真の意味を問う。

2017年5月30日発売
「青い鳥のロンド」 緋野晴子著(リトル・ガリヴァー社)1,296円

詳しくはヤフーブログ「明日につづく文学」をご覧ください
https://blogs.yahoo.co.jp/sailoringalaxy/40980799.html

 ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

ストーリーとは全く関係ない話ではあるが…。

「なんてつまらない話なのだろう」
57歳の男である私にとって、その内容は興味をそそるものでは無かった。恐らくは、この世の男、さらに年齢を重ねれば重ねる程に同じ印象を受けるであろうし、仕事から帰った時にこのような内容を妻が話したならば、右から左へ聞き流すか、あるいは耳の痛い話に「明日にしてくれ」と逃げるに違いない。

しかし、しかしである。
この本を女性が読んだら共感し、色々な感情が渦巻くのではないか。
男にとっては"どうでもよい話"であっても女性は違う。幸せの色も形も男と女では全く違うのだ。
例えば、他人と自分を照らし合わせるという"男にとってくだらない事"も、女性には"とても重要な事"であったりする。
また、「それでじゅうぶん満足じゃないか」という男の感覚も、「それはそうだけど」という、また別の"満たされぬ何か"が女性にはあったりする。
特別に何か不満があるわけではない、問題があるわけでもない。でも…。ただ…。
この漠然とした小さな感覚の相違が日常で繰り返されるうちに、妻は夫に対して「理解されていない」という不満が積みあがるのではないだろうか。

主人公は様々な個性の友人・女性に対し、パッと見は大きく感情を動かされることなく対峙する。
きっと男はこう思うだろう。「別に何も感じてないんじゃない?」
本当にそうなのだろうか。
おだやかに会話する心の奥底で、静かに様々な感情が渦巻いているのではないだろうか。
嫉妬、羨望、後悔。時には不愉快、鬱陶しさ、違和感、恨み、もどかしさ、嫌悪感、心の隔たり。
男には全く読み取れないが、女性はそれを嗅覚的に読み取り、敏感に反応するのであろう。

ところで、表紙の"青い鳥"が半分空に同化して鮮明に見えないのは諷喩なのだろうか。
プラトンならこう言うかもしれない。
「結局は"青い鳥"など存在しない。心の鏡であり、その時の自分を映し出す。見つけたと思った瞬間から形を変え、また新たな"青い鳥"が空を舞う。故に人は永遠に青い鳥を探すのだ」
主人公は青い鳥を見つける事が出来たのか、あるいは見つけられなかったのか。
見つけたと思った青い鳥は本当の青い鳥なのだろうか。ゆえにその色がはっきりと見えないのだろうか。
様々な人生においての"青い鳥"。私の悪い癖、深読みでしょうかね…。

この本では日常の風景が美しく描かれ、スムーズに物語が流れます。
冒頭に書いたように「つまらない」と感じる男こそ、この本を読むべきでしょう。
放棄したくなるタイプの男は女性の心理が分からず、いつの間にかパートナーの心が離れてしまっているかもしれません。「まさか」は自覚が無い所から発生するのですから。
この本を読み、何気ない会話から女性は何を感じるのか"女性の本質"を感じ取りましょう。頭の良い方であればきっと分かるはずです。
そして理解してからまた読み直すと、複雑で複合的な感覚や心理も読み取れるでしょう。
すると、、、。
知らぬ間に心が離れそうになっていたパートナーの思いが分かり、危機を脱することもあるかもしれません。
でも、もしあなたが女性なら、何も考えずに共感できる一冊です!


この小説は、いわゆる感動ものではありません。ストーリーとは関係のないこと(自分のことなど)を考えたくなるのが、この作品の特徴のようです。実に様々な感想が私の元に届いています。
男性、特に年配の方のご感想はどうも芳しくありませんね。男性にとっては心理的体験のない話であり、自分には関係ないと感じられるからでしょう。妻が夫と無関係ではあり得ないように、男性にとっても無関係な話ではないのですけどね。
逆に、30代~50代の女性には、たいへん深刻に受け止められています。「仕事・夫・家庭とどう向き合うかは、待ったなしの問題です」と。

人口の半分である女性にとって深刻な人生問題が、男性にとってはどうでもよい、つまらない話と捉えられるところに、この国の抱えている根深い闇があると、今回の小説に寄せられてくるレヴューを通して、そう思います。

それにしても池ちゃん、共感できる心理体験のない作品に、よくこれだけたくさん書いてくださったものです。ありがとうございました。


読者さんの呟きから

2017-07-03 18:14:16 | 読者さんレヴュー
ブログの友人 新上俊さん も「青い鳥のロンド」を読んでくださって、ご自分のブログに次のようなご感想を呟いてみえました。 小説の主な登場人物は仕事を持った女性たちですが、女性でなくとも、労働現場には様々な立場の人間がいて、働く人間の、仕事に対する心情ということに関しては男も女も違いはなく、共に十分ストレスフルなのだと、新上さんの記事を読みながら改めて思いました。
ですから、「青い鳥のロンド」は、性差にまつわることを除いては、登場人物を男性に置き換えて読んでいただいてもよろしいかと思います。
 
では以下に、新上さんの記事を引用させていただきます。
 
 理性の点から言うと私が言いたいことを書いているではないか、と思われる
 点がございました。そして私が会社勤めをしていた時に発した言葉と
 同じ言葉を見つけました。P81の最後から次頁について語られていた言葉です。

これは、商社の営業最前線で働いていた翔子が、妊娠によって前線から後方の事務に配置換えされようとしている時に、友人に語った言葉です。
 
「後方だって必要な仕事だってことは分かっているわ。でも、契約書の和訳や、決まった文書の作成や、データ入力や、電話対応、・・・・定年までやっても同じことの繰り返しで、創造性ってものがないのよ。私にとって仕事をするというのは、そういうものじゃなかったの。目標をどこに置いたらいいのか、働く意味が見えないもの」
 
私はゼネコンで海外の仕事をしていましたが当時建設会社では国内の仕事が忙しく、金がかかるだけで利益を出さない海外の仕事はお荷物扱いされ、ある意味邪魔者扱いされていて、ここで発せられた言葉と同じ気持ちになったのです。

私は就職氷河期ではないですが、オイルショックによる不況下の中、2浪という年齢ハンデを負い、数十社から不採用となり、ひ弱で絶対入社したくなかった建設業界を、大学の就職部から「英語力がある学生を探している会社がある」と紹介され、面接を受け合格して進みました。一部上場会社に勤務していることを誇りに思いながらも、社内で日陰で勤務している思いを持ちながら働きました。

新上さんはその後その会社を早期退職され、数十社に及ぶ転職を経験されたそうです。「青い鳥のロンド」のあとがきにも少し書きましたが、先進国の中で最も幸福感の低いグループに入るのが日本の正規雇用女性で、それより少しましなのが正規雇用男性です。日本の平均的な女性の幸福度は逆に高く、その差は世界一だそうです。
ここから見えてくるものは何なのでしょうか? そんなことを改めて思ってみた緋野です。
 
皆様も、小説「青い鳥のロンド」を通して、幸福な人間、幸福な日本人の在り方について、思いを巡らせてみていただけたらと思います。
 

  「青い鳥のロンド」緋野晴子著(リトル・ガリヴァー社) 1,296円

 * 全国書店でお求めいただけます。 (店頭にない場合は書店にご注文ください)
 
 * 楽天ブックス・Amazon 等ネット書店にもございます。
 
 * 庶民の味方、図書館でリクエストして、購入していただくこともできます。
 
   
 

レヴューをいただきました!

2017-06-27 17:57:59 | 読者さんレヴュー

 

  「青い鳥のロンド」に最初のレヴューとご紹介をいただきました!

 
ブログの友人 てるてるさん からです♪ 
予約してくださった方のお一人で、いつも一番にレヴューをくださいます。
前作「沙羅と明日香の夏」と、「いつの日かきっと次作も出版しますので、出せたら読んでくださいね」「待っていますよ」というお約束をしていました。
時折り温かいお声かけをしてくださって、6年間も待っていてくださった有り難い方です。
ほんとうは出版直後くらいの早い時期にレヴューをいただいていて、早くご紹介したかったのですが、100人近い予約者さんへの対応や、予約に尽力してくださった方々へのお礼や、父の初盆の準備、叔母の一周忌などが重なって、ずいぶん遅くなってしまいました。
てるてるさん、ごめんなさいね。

では、てるてるさんが記事にしてくださった、本の紹介とそのレヴューを、そのまま掲載させていただます

イメージ 1 

緋野さんはセイラさんというお名前のブログのお知り合いですが、今回3作目の出版になりました。
待望の新作で、わくわくしながら読みました。
 
  
1作目「たった一つの抱擁」、2作目「沙羅と明日香の夏」に登場する明日香さんがここにも。
主人公の姪っ子ですね。その時の記事はこちらです。
http://blogs.yahoo.co.jp/takateru13/16222441.html 私の知っている母親とは 「たった一つの抱擁」
http://blogs.yahoo.co.jp/takateru13/34818082.html 変わっていくことを発見 「沙羅と明日香の夏」
 
 
 
「青い鳥」のものがたり。
大学のサークルの仲良し4人組が社会の荒海に勇気を持って漕ぎだして8年後、共に30歳となった四つ葉会が一堂に会します。
懸命に頑張ってきて、それぞれが仕事も家庭も手に入れた。私たち勝ち組?夢は実現した?幸せを掴んだ? 問いかける彼女たちの前に立ちはだかる現実の壁、思うようにいかないもどかしさ、夫との関係・・・   こんなはずじゃなかった・・・。
主人公の菜摘子さんもまた、戸惑い悩み絶望的な思いを感じてしまう。
そんな彼女の前に現れたふたりの人物、「栄の魔女」もしくは「栄の貴婦人」、そして明るい夢子さん。
そのふたりとのふれあいとともに、主人公の周囲が踊り始めます・・・。
4人は、幸せの青い鳥を見つけることができるのでしょうか・・・?
 
ああ、素敵なお話ですね♪
読みながら、お話の世界に飛び込んでいきます。
男には耳の痛い(?!)指摘も・・・す、すまん!
ラストのシーン、わたしは違う風景を想像していました。あれは夢子さん?
嬉しくて、も一回読ませていただきました。
 
余談・・・、タイトルで検索したら韓流ドラマが・・・。でも、このタイトル、ずいぶん前から言ってましたよね。
ちょっと気の毒、間違って買っちゃう人がいたら、それはいいこと。よい出会いになりますよ。
舞台となった名古屋の栄、テレビ塔を初めて観たとき、きっと東京タワーみたいなのを作ったのだが、地盤がズブズブと・・・って、昔ブログに書きました。
す、すまん!

 
そうなんですよね。韓流ドラマより2年も前から「青い鳥のロンド」っていうタイトルを公表していて、うすればこのタイトルは奪われないだろうと思っていたんですけど、甘かったようです。
検索すると韓流ドラマの洪水で、その3ページめくらいにやっと私の小説が挟まっていました。その後もやっぱりドラマです。覚悟はしていましたけれど、こうやって埋もれてしまっているのを見ると、予想以上に悲しいものですね。 次作のタイトルもすでに公開したことがありますが、これからはもう内緒にしておこうと思った緋野です。

 (栄のテレビ塔に関する発言は・・・「け、けしからん!」   名古屋の住民代表 セイラ)

てるてるさんのおっしゃった 「ああ、素敵なお話ですね」 「ラストのシーン、わたしは違う風景を」というのがどういう意味か、皆さまご自身目で確かめていただけましたら幸いです。
 
てるてるさん、本当にありがとうございました。 
 
 

コーチャン様の 「沙羅と明日香の夏」 レヴュー

2014-05-28 14:55:35 | 読者さんレヴュー

久々のレヴュー記事です。早いもので、「沙羅と明日香の夏」出版からもうすぐ3年になります。
書店の店頭から消え、新たにブログに載ることもなくなり、すでに世間から忘れ去られてしまったと思って
いたこの頃、ふとしたきっかけから私とこの作品を見つけて、ご自分のブログに緋野晴子の「千里の道」や
「沙羅と明日香の夏」レヴューを掲載してくださった方がいます。
ライブドアブログの、川釣りと読書と詩歌のお好きな、平和を愛するコーチャンです。

その記事を発見して読んだ時は、感激で思わず目が潤んでしまいました。
「私を見つけてくださってありがとう」
「沙羅と明日香の世界をいっしょに歩いてくださってありがとう」
パソコン画面に向かってそう呟いていました。

読者さんのレヴューは私の宝物ですので、さっそくお願いして私の「読者さんレヴュー」カテゴリーに入れ
させていただくことにしました。レヴューとしては21番目になります。
レヴューがこんなにたくさんになるなんて、当初は思ってもみませんでした。( 感謝!)

では、コーチャン様のレヴューをそのまま転載させていただきます。


              命の足跡 
                 ~ 沙羅と明日香の夏


   
            緋野晴子 作 「 沙羅と明日香の夏 」 を読んだ

            中学3年の明日香は いじめを受けていたクラスメイトの
            沙羅をかばったことで 逆にいじめの対象となってしまう
            同じ高校に進学した二人は 初めての夏休みに
            山と谷に囲まれた田舎にある明日香の母の実家に
            一週間滞在する
            そこで体験した色々な出来事や人との交流によって
            二人は 命の大切さや生きることの意味などを
            深く考えさせられ 人間として大きく成長していく・・・

            読書をして 作者の送るメッセージに共感できたときは
            自分と同じ感覚をもった ” 仲間 ” を持てたような気がして
            とても嬉しい
            さらに 自分の気付かなかった考え方に触れられた時は
            人生に 新たな広がりを持てたような気がして
            「この本を読んで 本当に良かった~ 」 と思う

 
            「 沙羅と明日香の夏 」 は2011年6月初版発行であるが
            偶然に作者のブログ 「緋野晴子の部屋」を見つけたことから
            この本の存在を知った
            ブログ記事に共感できたので 彼女がどんなメッセージを
            私に送ってくれるのか楽しみで 本の入荷が待ち遠しかった

            中学でいじめる側だった里美が 明日香と沙羅に再び出会って
            「 もう誰も傷つけずに生きていきたい 
              人を助けて生きていきたい 
              いてくれてありがとうって言われる人になりたい 」
            と 二人に謝って涙を流した場面にとても感動して胸が熱くなった

            ここには みんな何かを背負いながら生きているのだから
            人間同士助け合って生きていこうよ というメッセージがあり
            本当の悪人なんていない 人間って信頼できる という
            作者のやさしさや人生観のようなものを感じた

            「 生きてみればいいんだよね 
            生きてみなくちゃわからないし 生きてみればわかってくる 
            何をすればいいのか 何をしたいのかも 」

             この言葉にはとても共感できる
             やはり生きることが大切なのだ という考え方を共有している
             のが嬉しかった

            「 人間は死んだら身体は灰となり 熱となり 空気や水の
             分子となり 土となり この地球と一体になる 
              その土や水や空気が植物の体を作り 動物の体となって
              そしてまた 空気を生み 雨を降らせ
             地球という星全体の命の営みを作り出す
              母の命は つまり地球の命と一体になったのだ 」

             こんな視点から人生を考えたことがなかったので
             とても新鮮な言葉に感じられた
             命を生み出した母なればこそ なのかも知れないが
             私の人生観を少し広げてくれる言葉になるかもしれない

            「 この広い宇宙の中で 私たちは地球というたった一個の
             小さな星の上で 私たちだけで生きているんですね?
             これから先も地球が死ぬまで 私たちだけで生きて行くんですね 」

             この言葉の深さと広さを 世界中の人々で共有することが
             できたなら どんなにか優しい世界が実現するだろうと思う
             安倍首相にもよく味わってほしい言葉だ

             このような発想を持つことが出来る緋野晴子さんに
             同世代の一読者として 人間同士の連帯の言葉を送るとともに
             敬意を表さずにはいられない


             あとがきで この作品は「命の足跡」の一つと述べた作者の思いは
             私の心を十分に優しく満たしてくれた




いただいたお言葉の一つ一つが、緋野の心を優しく満たしてくれました。 たくさんは売れませんでした
(コーチャン様の分を加えても546冊)が、書いて出版して、ほんとうに良かった。
形として残った作品はいつの日かまた誰かがきっと見つけてくれる、そう思えました。

きょう一人、いつかまた一人、遠い遠いいつの日にかまた一人、そうやって細々とでも見知らぬ誰かの心
に出会えるのだとしたら、なんと嬉しいことでしょう。
きっとまた、いつか誰かが・・・そう信じることができました。

コーチャン様、緋野に希望をくださって、ほんとうにありがとうございました。
今すこし、自分の目ざすべき小説に迷って停滞していますが、そのうち必ず頷ける作品を仕上げるつもり
です。
頑張りますね。


         「沙羅と明日香の夏」 緋野晴子著 (リトル・ガリヴァー社)


       神秘の奥三河を舞台にした、いじめに傷ついた少女たちのひと夏の経験。
       真夏の太陽と清流と蝉しぐれの中で、二人は何に出会い、どう成長していったか?
       生きることの深奥を見つめた青春小説です。

      (内容に興味を持っていただけましたら「沙羅と明日香の夏」カテゴリーをご覧ください。

  

           

                           

北風さんの 「沙羅と明日香の夏」 レヴュー

2013-04-27 16:01:34 | 読者さんレヴュー
                「沙羅と明日香の夏」 緋野晴子著 (リトル・ガリヴァー社)

        神秘の奥三河を舞台にした、いじめに傷ついた少女たちのひと夏の経験。
      ​ 真夏の太陽と清流と蝉しぐれの中で、二人は何に出会い、どう成長していったか?
        生きることの深奥を見つめた青春小説。


久しぶりに 「沙羅と明日香の夏」 にレヴューをいただきました♪ 

ブログの友人の北風さんです。 自分の作品を読んでいただくというのは、いつでもドキドキ・わくわく

するものですね。 北風さんのレヴューをご本人のブログからそのまま転載させていただきました。
                             
                     (レヴューも20番目を数えるまでになりました)


私のブログ友のセイラさん、(明日につづく文学)の本が出版されましたので(\1470税込み)買って来まし

た。「沙羅と明日香の夏」のタイトルです。

いじめ問題、登校拒否、異端、宇宙、友情、初恋、地球温暖化、などを

二人の高校生が心の傷などをかかえながら夏休みに田舎で経験、出会いなどで「命の足跡を残した」物語で

す。

夜勤合間の時間で読み始めましたが次が気になって仕事の時間が来ると時間とはこんなに早く過ぎるなか?

と恨みました。でも金曜日から読んで昨日読み終わりました。

かなり共感した事が有りました。

特に私は何時もNO1よりもオンリーワンを尊いと想っていますのでその様な物語でした。

此処でも一人、一つの出会いで自分の人生が変わる事が出来る、と読みました。

私は何時も自分が生きていた事が世界で一人でもいい、「私が生きていてよかった」と言って頂ける人が出来

るといいな、と想っています。

私は、あの人が生きているから、生きていたから、今の自分が曲がりなりにも生きて居れると言う人を持って

います。この本を読んで、私は友達などにはかなり恵まれている幸せを感じました。



北風さん、ありがとうございます。 迎え火のゆらぎを見つめながら、沙羅は 「明日香がいてくれてほ

んとによかった」 と言い、 明日香は 「私が生きてる限り、私の中に沙羅は残るよ」 って言うのでした

ね。北風さんのレヴューを読んで私も思い出しました。人生を変えるような出会いってあるものですね。

北風さんの心に残して頂ける部分があったことを、著者として心から幸せに思います。

この作品が北風さんに出会えたことに感謝!

あの人が生きているから今の自分が生きていられるとおっしゃる北風さん、お友達に恵まれている北

風さん、だから北風さんは、自分では北風だと思っていらっしゃるけれど、ほんとうは春風さんなのだ

と私は思います。

人が一生のうちに出会える人は意外に少ないもの。 出会えた人を大切にしたいですね。

牡丹が咲いて、野山は新緑に覆われ、先日は虫の初音を聞きました。 また夏がやってまいります。

ブログをお訪ねのみなさまも、この青春の夏物語を、ぜひ読んでみていただけたらと思います。

* 図書館で取り寄せていただくこともできますが、アマゾン等のネット書店を利用されるほうが早いと思い  ます。

池ちゃん 様の 「沙羅と明日香の夏」 レヴュー (その2)

2012-02-03 22:35:55 | 読者さんレヴュー
またまたレヴューをいただきました! 真冬にヒートする真夏の物語! (なぁんてね)

池ちゃん 様が今度は読者の観点で書いてくださったレヴューです。これも一つにカウントしたいと思います

ので、18番めのレヴューになります。(池ちゃん様のブログからの転載です)         


            *******************************************


読んで感じるのが、登場人物の心の内の丁寧な描き方です。

少女達、親、担任の教師。その立場によって感じる思いの違いも見事に綴られ、読む者に共感を覚えさせま

す。そこにヒーローは登場しませんが、等身大で描かれる登場人物達に、きっと誰もが自己投影してしまう

ことでしょう。また、この物語を通して一貫しているのが「優しさ」です。

優しさゆえに悩み、迷い、傷つき、葛藤が生まれます。

出てくる若者達も、みなどこか変わっているようで普通のようで、愛すべき人間達。

うまく自己を表現出来なかったり、自分だけ周りから取り残されて焦りを覚えたり。

それこそが、ごく当たり前の若者の実像なのではないでしょうか。

「命とは何か」そんなことを考えながら、「自分という存在」を見つめる時・・・。

いつの間にか通り過ぎていた、この頃の心を思い起こさせてくれます。

若者だけでなく、親となった今だからこそ読んでおきたい爽やかな一冊でした。   


             *******************************************


池ちゃん 様、二度もレヴューをいただき、ほんとうにありがとうございました。

私はこれからも等身大の人間を描くことで、その平凡に見える人生の奥に潜んでいる、それぞれに固有であり

ながら、かつ普遍的でもある人間の真実を描き出していきたいと思っています。

次回作も、出版できましたら、ぜひ、読んでみてくださいね。  

たくき さんの 「沙羅と明日香の夏」 レヴュー

2012-02-02 17:42:52 | 読者さんレヴュー
日本列島はこの冬一番の寒波に襲われています。

だからというわけでもないのでしょうが、この真夏の物語を思い出してくださる方が続いています。

出版から半年もたった真冬にまだレヴューがいただけるというのは、著者としてはなんとも嬉しい

ことで、心が温まります。

きょうのレヴューは たくき さんからです。 ご自分のブログにUPしてくださったものを、こちらにも

転載させていただきました。 17番めのレヴューです。


          緋野晴子著 「沙羅と明日香の夏」 を読んで

 この本を読み終えたのはちょうどカレンダーが秋に変った頃だったと思います。僕

は決まっていた出張にあわせ物語をゆっくりと読み進んでゆき、最後のページをめく

ったのはちょうど舞台のある奥三河への入り口となる豊橋駅を列車で通過した直後

でした。

 春に大きな災害が起こった直後であり、さらに言えば例年に無く季節のはっきりし

ない天候に、心も体も夏をそれと実感できず終わっていくのかと思いましたが、作者

の描いた奥三河の夏は確かに実感として残っていたようで、この奥に沙羅と明日香

のすごした土地があるのかと思うと、今、別かれたばかりの登場人物が愛しく懐しく

感じられました。

 文体は全体に優しく静かで、ところどころに清冽な力強さを感じさせられました。一

行目から、最終となる240ページの最後の行まで、そして半ページほどの空白をあけ

ての「あとがき」も全てが、飾りすぎず丁寧に綴られた味の良い文章であり、おそらく

努めてそうしただろう平易な言葉選びと相まって若々しく清清しく聞こえました。読ん

でいて本当に気持ちが良かったです。

 ストーリは日常のすぐそばにあるかもしれないことが題材になっていて、その点は

前作と同様だと思います。


 我々が普段気付かずに過ごしているだけで少し目を凝らせば見え、手を伸ばせば

触れられる程度の距離にある日常の傍の非日常。主人公にとってそれは林道のち

ょっとしたわき道を行くことだったり、天文学の知識を持った青年と話をすることでし

た。それを自分に置き換えてみたらどうでしょう? ましてや、主人公と同世代の可

能性にあふれた若い読者であればなお、いつもと変らない毎日を少し変えてみる悪

戯心(または勇気?)が芽生えるかもしれません。


 そして身近な僕たちの日常の世界のすぐとなりには、僕たちが想像もしたことの無

いような人生を歩んでいる人々がいること。なかには癒えない傷をもっている人も居

るかも知れない。普通なら背負いきれないような困難と格闘している人もいるかも知

れない。普通なのは自分なのか彼等なのか。そもそも普通とは何物なのか。その苦

労は大きいのか小さいのか。人は幸せでいたいとみな思だろうけど、ではどうなるこ

とが幸せなのか。


 大人にとっては、きっと幾度と無く考えただろうこと。大人になってゆく子供がきっと

一度は考るだろうこと。そういったことを、もう一度(あるいは初めて)考えるきっかけ

に、この本はなりえると思います。

 大人が手に取り、子供が思春期を向かえる頃までに手渡してやりたい。それが43

歳、二児の父である一読者の感想です。より多くの読者の手元に「沙羅と明日香の

夏」が届くことを願います。


描こうとしたこと、誰かの心に響けと願ったことが、確かに読んでくれた人に伝わった。

読んでくれた人の中にひと粒の種となって残ってくれれば、という願いが叶った。 

そんな気がして喜びに胸が震えました。

たくきさん、素敵なレヴュー、ほんとうにありがとうございました。

たくき さんのブログはこちら http://blogs.yahoo.co.jp/takuki_toyoshima 「たまには小説を書こう」 です。

ユーモアたっぷりの (時々たっぷりすぎて驚く) ショート小説・記事・コメント満載です。

ぜひ一度、お訪ねになってみてください。


  「沙羅と明日香の夏」 緋野晴子著 (リトル・ガリヴァー社) 1,470円                          

 * 全国書店でお求めいただけます。 (店頭にない場合は書店にご注文ください)
   (確実に在庫がある書店 :
     丸善&ジュンク堂・・・札幌店・旭川店・大宮ロフト店・千日前店・梅田ヒルトンプラザ店・鹿児島店) 
 * Amazon ・楽天 等ネット書店にもございます。
 * 庶民の味方、図書館でリクエストして、購入していただくこともできます。


                *** 内容紹介 ***
 
中学時代に <空気> という、捉えどころのないいじめに傷ついた沙羅と明日香。

高校生になっても、沙羅は生への意欲を失い、明日香は自己嫌悪に苛まれていた。

奥三河の田舎で過ごしたひと夏の経験 ・・・・・満点の星空、谷川の清流、ホタルの谷の思い出、アル

タイルや奇妙な三人組との出会い、湯谷での発見とハプニング、鳳来寺山の仏法僧、嵐の中の出来

事、御園の天文台から望む宇宙、そして・・・・・

  「あたし、命の足跡残したいな」

命と生を見つめ、魂の再生に向かう、楽しく・切なく・発見に満ちた青春ストーリー。 
     

中学生・高校生のみなさんはもちろん、かつて思春期と呼ばれる時代を経験してこられた大人の皆様にも、きっ

と共感していただけるものがあるだろう思います。 懐かしくも、ちょっぴり胸の痛いあの頃。 柔らかく、傷つきや

すく、生きることへの不安や、寒さや、妙に熱い塊を抱えていたあの頃を、楽しく思い出していただけることでしょう。

 

池ちゃん 様からの 「沙羅と明日香の夏」レヴュー

2012-01-29 20:23:37 | 読者さんレヴュー
「沙羅と明日香の夏」 の出版前から私の執筆を応援してくださっていたブログの友人 池ちゃん 様から、貴重

なレヴューをいただきました。 16番めのレヴューです。

もちろん、これ以前にいただいたレヴューもすべて、私にとって貴重な宝物には違いありません。

ただ、今回の池ちゃん様のレヴューは、読者というより筆者の立場で、「展開を想像しながら読み、自分が書

き手であったなら、という視点で」 読んでいただいたもので、私の今後の執筆の糧となるよう、そういうレヴ

ューを書いていただく約束をしていたものです。(読者観点でもう一ついただいていますが、それは次回に)

メッセージとして内緒で送っていただいたのですが、このブログは文学好きの方たちが来てくださる所ですの

で、私だけでなくみなさんにも興味深く読んでいただけると思いますので隠しておくのはもったいないです。

また、もとより大切なレヴューの一つですので、オープンにしてこの書庫に入れさせていただくことにしまし

た。


********************************************************



一度目は一気に、そして、二度目は気になった部分を確認しながら、三度目はじっくりと楽しませていただき

ました。やはり、語尾の処理、場面展開など、ブログで以前読ませていただいた物とは全く違います。さすが

はプロのチェックを通したものですね。

アメリカで出された「ベストセラー小説の書き方」にも書かれている通り、まず書き出しで事件が起こって話

が展開し、一気に話の中に引き込まれてしました。 全体に盛り上がりも配置され、一気に読まされてしまい

ました。


いじめの問題や少女の心の中は、やはり書き手の年齢と想像が色濃く反映されています。

でも、それが正解。いじめの現実を生々しく描けば良いというわけではありませんし、我々大人が共感出来る

のは、あくまでも書き手のフィルターを通せばこそ。 書き手と同じ様な感覚を持っているからこそ感じる共

感だと思うのです。


少し思ったのは、お婆さんが語る戦争のくだりです。

長くなるのは、書き手の意気込みなのでしょう。力が入るほど言葉が多くなりがちです。

例えば、娘達の質問に答える形も交えるなど、テンポを変えると言葉が頭に残りやすいのだと思います。

一つ調子で長くなると「一番つたえたいもの」が希薄になり、印象に残りにくい。

重要な部分ですので、最も伝えたいことを簡潔に表現し、あとはトーンを変えて書く事によって逆に生かされ、

メッセージが強く届くような気がします。


似たような箇所がもう一つ。 プラネタリウムでの星座の解説です。

これも彼の説明調の話が続き、星座に疎い人は「授業」の様な印象を受けてしまうでしょう。

聞いて驚くようなものや興味深いものを軸に据え、あとは会話中心に「すぐに忘れて良い情報」を散りばめ

るなど、情報過多によって読み手の思考が「トランス状態」に陥らない工夫があると、話の展開上「覚えて

欲しいもの」を印象づけられると思います。


一番気になったのが、最後の事故の救援です。

不自然なエピソードに感じてしまったのは、延々と続いた救援の割に、結果があっけなかったこと。

亡くなったと知ったときに、私はお婆さんの話とリンクして「生と死」について見つめるくだりが入るのか

な? と思いました。 そうすると、お婆さんの長い話が生きるし、このエピソードが入る必然性と、話に

一本の太い「軸」が生まれると思ったからです。

また、そこまで心の動きを中心に書かれていた流れが、ここに来ると出来事を追うのが中心となったことも

一つです。お婆さんの話を思い出し「とにかく死んじゃだめ!」といった心の叫びが強まると、また印象が

違ったのでしょうか。


そしてエピローグ。

過去を思い出すきっかけとなった人形の感触、工夫が感じられますし、とても良い導入に思いました。

ただ、本筋とあまり変わらぬタッチ・運びで進むため、暫く「一週間後?」「​1ヶ月後?」と思ってしまい

ました。それは「空気」だと思います。

窓から涼しい風が流れ込む、木々の音がするなど、五感に訴える何かがある。「あ​れからもう○年か・・

・​」などと、出来るだけ早く時の経過を宣言する。 すると、今までと違った「空気」と「時の流れ」を

即座に感じ、「いよいよ終わりだな」と読者も心・感傷に浸る準備が出来ます。

文の運びもテンポも変え、心の表現を抑えてトントントンと進める。

そして、一冊を終え読後感を決める印象的な結びを置く。

せっかくの素晴らしい一冊です。 爽やかな風を感じる読後感がふさわしい。そんな思いがしました。


勝手に色々と書いてしまい、申し訳ありません。これは批判でも評論でもありませんので御容赦願います。

ただ、賞賛は皆さん書かれるでしょうから、私は敢えて憎まれるために書かせていただきました。


             *******************************************************


こんなにもしっかり読んでアドバイスしてくれる友人がいることを、私は幸せに思います。 著者としてど

こがどうとオープンにお答えすることは控えさせていただこうと思いますが、いろいろと考えさせられる点

がありました。 今後の執筆におおいに参考にさせていただこうと思います。

文を書く人は切磋琢磨が肝心。ここは文学好きの方たちが多く来られますので、こういう記事も面白かろう

と思いました。本書を読んでくださった方は、是非ご自分の見方と比べてみてください。 

池ちゃん様、東北復興中のお忙しい中、私の著作のためにお心・お時間を割いてアドバイスいただき、また、

公開をご了承いただき、ほんとうにありがとうございました。 感謝! m(_ _)m


  「沙羅と明日香の夏」 緋野晴子著 (リトル・ガリヴァー社) 1,470円                          

 * 全国書店でお求めいただけます。 (店頭にない場合は書店にご注文ください)
   (確実に在庫がある書店 :
    丸善&ジュンク堂・・・札幌店・旭川店・大宮ロフト店・千日前店・梅田ヒルトンプラザ店・鹿児島店)
 * Amazon ・セブンネットショッピング 等ネット書店にもございます。(中古も出ているようです)
 * 庶民の味方、図書館でリクエストして、購入していただくこともできます。



avene さんからいただいた 「沙羅と明日香の夏」 レヴュー

2011-10-23 21:02:32 | 読者さんレヴュー
Yahooブログの avene さんが 「沙羅と明日香の夏」を読んでコメントをくださいました。

レヴュー書庫に入れるにはどうかな? と思われるほどの短い言の葉でしたが、aveneさんの、この世界を透か

し見るかのような視線に心惹かれるものがあり、レヴュー書庫にとっておきたくなりました。 15番目のレヴュー

です。

                    ***************************************


緋野さんの新作読ませて頂きました。


後半はまるで修学旅行のようにときめきますね。


これは中・高生の課題図書とするべきだと思いました。


主人公二人とアルタイル、三人組、潔く別れてゆく・・・蜘蛛の子を散らすように。


若いって美しいと感慨に浸ってしまいました。


                    ****************************************

私が惹かれたのは最後の2行です。 

「蜘蛛の子を散らすように」「潔く別れてゆく」ことを、著者の私は 「若さ」 だと気づいてはいませんでした。

登場人物たちの姿を 、「蜘蛛の子を散らすように」「潔く別れてゆく」 というふうに捉え、 そして、そうした 「若さ」

を 「美しい」 ものとして見つめている・・・そこに avene さんの avene さんらしい視線を感じました。

「読み」 とはやはり 「その人」 だなぁと改めて感じました。

野草の美しさをこよなく愛する avene さん、素敵なご感想をありがとうございました。

avene さんのブログはこちら http://blogs.yahoo.co.jp/avene945/  です。



「沙羅と明日香の夏」 緋野晴子著 (リトル・ガリヴァー社) 1,470円
                          
 * 全国書店でお求めいただけます。 (店頭にない場合は書店にご注文ください)
 * Amazon ・楽天 等ネット書店にもございます。
 * 庶民の味方、図書館でリクエストして、購入していただくこともできます。

愛知県では、次の書店の店頭に、たぶんまだ置かれていると思います。
 
 名古屋  星野書店 (近鉄パッセ)  三洋堂 (込中 本店)  
 豊  橋  豊川堂 (本店) (カルミア店) (アピタ向山店)
        精文館 (汐田橋店) (二川店) (三ノ輪店)
 豊  川  村松書店  精文館 (豊川店)  三洋堂 (豊川店)  あおい書店
 蒲  郡  精文館 (蒲郡店) (蒲郡三谷店)  くまざわ書店 (蒲郡店)  
 岡  崎  岡崎書房 
 刈  谷 くまざわ書店
 知  立  夢屋書店
 高  浜  三洋堂
 新  城  愛新堂
東 栄  宝文堂

静岡県
 浜松市天竜区佐久間町  田高書店

その他の県
 丸善&JUNKDO 10店舗・・・どこの店舗にあるかはホームページ http://www.junkudo.co.jp/detail.jsp?ID=0112771747 でお確かめください。

(売り切れの場合は書店にご注文ください)