緋野晴子の部屋

「たった一つの抱擁」「沙羅と明日香の夏」「青い鳥のロンド」「時鳥たちの宴」のご紹介と、小説書きの独り言を綴っています。

「沙羅と明日香の夏」 好調な滑り出し。

2011-07-28 09:14:43 | 千里の道
6月25日に「沙羅と明日香の夏」が出版されてから、ちょうど一ヶ月が経ちました。 書店に本が並び始めてか

ら、もう3週間近くになります。 この間、私は何歩くらい歩んだでしょうか?

慌ただしい日々でした。 ちょっと立ち止まって、整理してみようと思います。


 確か、書店営業 (11歩め) まで書いていたように思います。 その成果は、22店舗、合計147冊でした。

回った書店はその何倍もありましたが、日曜日しか回れなかったせいか、責任者の方に会えず、無駄足が多か

ったのです。 22店舗147冊が多いのか少ないのかは分かりません。 でも、とにかく自分の足で獲得した書店

の棚です。 「たった一つの抱擁」がどこに置かれたのか、置かれなかったのか、何一つ分からなかったことを思

うと、先日、書店の店頭に平積みになっている自分の本を確認した時は、感無量でした。

 
 12歩めは、注文予約を取ることでした。 書店回りを終えるとすぐ、出版前から予約の獲得に動きました。 注文

書のついた宣伝ビラを合計500枚も刷ったでしょうか。 そのビラを添えて、東三河地域の学校を中心に書籍の

案内を送ったり、市教委を訪問したり。  ちょうどあった同窓会でも配らせていただきました。 ブログでも予約を

お願いしましたね。 また、協力していただけそうな方に、依頼の手紙も書きました。

結果は・・・・・・今回は幸運にも何人かの支援者さんに恵まれ、合計242冊もの注文がいただけました。 

出版社への注文もありましたが、私個人への注文が多く、本が届くや否や、東西南北、新城市を隅から隅まで

お届けに駈けずり回りました。 (新城市がこんなに広かったなんて!)

また、郵送する所もあれば、お礼状を書いたり、お礼の訪問をしなければならない所もあって、丸三週間は、まっ

たく多忙を極めました。 ありがたい悲鳴ですが、「もう、擦り切れそう!」 というのが正直なところです。

 書店からどれくらい売れているのかは、もとより正確に掴めるものではありませんが、たまたま確認できた限り

では、書店17冊、図書館 3冊。予約分と合わせると、現在までに262冊は確実に売れたことになります。

今回の目標はひとまず300冊でしたので (もちろん、出版費用をカバーするという大目標はありますが)、そこ

までは届くかもしれないという希望がわいてきました。


 13歩めは、新聞社への掲載依頼です。 NHKを含め、8社への依頼を出しました。 新城市がご協力くださり、

広報課を通して依頼していただきましたが、さて、どうでしょう? 日々、山のように出てくる出版書籍です。新聞

社に有力な知人でもいない限り、拾ってはもらえないと聞いていますが・・・。

当たるも八卦、当たらぬも八卦のような世界ですが、それでも、できる限りの努力はしませんとね。


 と、整理してみますと、どうやら3歩ほどは歩を進めてきたようです。 

いやはや、なんともたいへんな3歩でしたこと! 早く本売りの少女を卒業したいものです。

 

夢追い人さんの 「沙羅と明日香の夏」 レヴュー

2011-07-26 11:33:47 | 読者さんレヴュー
レヴューの二人目は夢追い人さんです。
夢追い人さんは4回に亘って「沙羅と明日香の夏」をめぐる思いを記事にしてくれました。 
あまりに膨大な量ですので、その中から、作品に直接関わる部分だけを拾わせていただきました。
全文をお読みになりたい方は、夢追い人さんのブログ http://blogs.yahoo.co.jp/fwix4967/35600250.html をお
訪ねください。

(1回目)
まずカバーが明るいです。
で推薦人の言葉を読み、教育長、学校長、と私には縁のない方(自分の本も大学の恩師の教授に推薦を頂いて
いました。すみません)の言葉、経歴がかなり私と違うので後で読もうと思いつつ、頁をめくりました。 
そして直ぐ100頁まで一気に読んでしまいました。

イジメられる側の展開にひかれました。
更に女性ならではの細やかな視点に新たに気付くことがありました。

ここで書かれているイジメの表現で初めてイジメの辛さや実態を知ったといったら笑われるかもしれません。
私自身幼い頃からイジメにあっていますが、私自身は「無視される、相手にされない」という環境の中
で、周囲で何が起こっているかなど考えることもなく、周囲との会話や関わり無しに殻にこもり、自分のことだけ
を思って生きてきました。そしてこの本で、こういうイジメがあるのだと知りました。
私の学校(男子校の中高一貫校)では私のように無視の対象ではなく、イジメの対象になってしまいそれが原因
で退学してしまったと思われる生徒もいました。
私はただひたすら這いつくばって勉強も体育も校内最低の成績で卒業し、「一体何のために通ったのか」分からない時代でした。
長くなりましたが、微妙な表現がよく伝わる描写だと感じました。

「自然はこんなにきれいで植物も動物もありのままに生きている」という表現がありますが、これには賛同できない部分があります。
田舎の景色として観た場合には同意できるものもあるのですが、自然、例え森であってもその中は厳しい生存競争で太陽を求めて植物は争い生き残った植物だけが森を形成し、争いに敗れた品種は衰退し、森から姿を消してしまいます。
そして日があたらなくても成長する植物がその中を形成していると理解しているからです。動物はもっと分かりやすく食物連鎖を繰り返しています。
人間だけが同種の中で争っているのではないと理解しています。

しかし人の輪廻には共感します。例え輪廻を繰り返してもそこに意識の連続性があるかどうかが重要とのことは私が今考えていることです.

現実にはイジメには様々な理由があり、結果として悲惨な事態を招くことも少なくありません。それを思うと
最後の展開は作者の優しさが問題解決に向かわせたのだと感じました。

主題となる夏休みの展開は丁寧な取材で楽しく読むことができました。
世話になった家の様子や親の世代の戦争体験等は作者の実体験ともラップする描写のように感じました。

(2回目)
この本を読んで改めて自分は今まで何をやってきたのだろうと考えさせられてしまいました。
自分でやりたいことがなく、ただ、生きることだけで精いっぱいだと思っていた人生。
何かを懸命に学んだこともない人生だったように思います。
自分が今迷いに迷っているのも童話のアリとキリギリスのようなもので、一生懸命だと思った自分の人生がはたから見るとただのキリギリスだったのかもしれない、と思えてしまうのです。
「今からでも遅くはない」とは良く言われることですが・・・。

(3回目)
著者が表現した「見えない空気によるイジメ」について改めて考えさせられました。
というのはニュースで放射能汚染が伝えられているのを見てハッとしたからです。
原発の近くから来たことでタクシーの乗車拒否をされたり農産物や魚介類が受け入れを拒まれたりするのも
作者が言う「見えないイジメ」だと思えたからです。
改めて斬新な視点だと感心しました。

(4回目)
命の足跡を残したい。
沙羅と明日香の夏で語られる主人公の生きることに対する強い思いです。
男性一般と言っては言い過ぎになると思いますので、男性の一人としてこの言葉について思うところがあります。
それは目に見えるものを残したい。
例えば私が勤務していた建設会社では「○○の橋梁を作った」「新幹線の○○のトンネルを作った」という会話がありました。建設業界に限らず、技術職の方であれば、その方が開発した技術が人に役に立つ事に喜びを感じて自分が生きた証を残せたと思うのではないか、と考えています。
私は文系なのですがやはり後世に残るものを残したいという気持ちがあります。
今は私なりの宇宙観を問いかけたいという気持ちがあります。
本当に海岸で一粒の砂を探すような作業に思えますが、もう少し頑張って自分の「命の足跡」を残せるよう
色々考えてみます。


夢追い人さんの4回に亘るレヴューを読ませていただいて、著者としての幸せをしみじみ感じました。
ブログの友人セネカさんが言っておられました。「読むということは、その人自身を書くということだ」と。
そのとおりだなぁと思いながら、読ませていただきました。
同じ作品を読んでも、読む人ごとに響く箇所は違うものなのですね。 そして、その響く部分を掘り下げて考えていく時、それが、その人自身を書くことになるのだと思います。
こうして、読者さんは作品を通して著者の思いを読み、自分自身を書き、著者はレヴューを通して読者さんの思いを読む。 ブログというツールのお蔭もありますが、楽しいことだなぁと思います。

夢追い人さんのレヴューに背中を押されて、これからも、ほんのちょっぴりでも誰かの明日につづく作品を書き続けていこうと思う緋野でした。
夢追い人さん、ありがとうございました。

   「沙羅と明日香の夏」 緋野晴子著 (リトル・ガリヴァー社) 1,470円  
 
 中学時代に <空気> という、捉えどころのないいじめに傷ついた沙羅と明日香。

高校生になっても、沙羅は生への意欲を失い、明日香は自己嫌悪に苛まれていた。

奥三河の田舎で過ごしたひと夏の経験 ・・・・・満点の星空、谷川の清流、ホタルの谷の思い出、アル

タイルや奇妙な三人組との出会い、湯谷での発見とハプニング、鳳来寺山の仏法僧、嵐の中の出来

事、東栄町御園の天文台から望む宇宙、そして・・・・・

  「あたし、命の足跡残したいな」

命と生を見つめ、魂の再生に向かう、楽しく・切なく・発見に満ちた青春ストーリー。
 

 
 * 全国書店でお求めいただけます。(店頭にない場合は書店にご注文ください)
 * Amazon 等のネット書店にもございます。 
 * 庶民の味方、図書館でリクエストして、購入していただくこともできます。 
 

変わっていくことを発見・・・「沙羅と明日香の夏」を読んで(byてるてるさん)

2011-07-21 09:29:55 | 読者さんレヴュー
読者さんからのご感想が集まり始めました。最初にくださったのは、てるてるさんです。

以下、原文のままご紹介させていただきます。


「緋野晴子さんの「沙羅と明日香の夏」(リトル・ガリヴァー社)を読みました。

この小説は、このブログでお知り合いになりました「セイラ」さんがお書きになったものです。

前作の「たった一つの抱擁」は、読みながら主人公の母に思いを馳せ、想像を巡らせるという、不思議な体験を

した素敵な作品でした。

その時の記事はこちらです。http://blogs.yahoo.co.jp/takateru13/16222441.html ">
                 私の知っている母親とは 「たった一つの抱擁」


登場する主人公は、宮川明日香さん。あれ、前作の若い頃のお話なんだろうか・・・?

中学3年の頃、明日香さんのクラスでは、「いじめ」がありました。

なぜ、「いじめ」があるのだろうか?

いじめの対象とされていた、星野沙羅さんは、変わった子。

エスカレートする「いじめ」に、登校しなくなってしまった沙羅さん。

明日香さんは、ある行動に出ます。

高校1年の夏休みに、奥三河で過ごした1週間。素晴らしい自然や出会った人たちとの触れ合いの中で、

ふたりはとても貴重な経験をします。

みんな同じように、枠をはめてしまう。その枠に収まらない人は、「変わり者」「わがまま」「根暗」みたいな

「空気」に押しつぶされてしまう。

人の顔色をうかがい、いい子を演じていくことの苦しさ。

すべてのものが変化する。いい方へも悪い方へも。

当たり前のように見えて、なかなか気がつかない。

でも変わっていくことを発見し、驚きと戸惑いと喜び、そして感動。

さらに、お互いが影響しあうこと。

そのことを通じ、一歩前に進む勇気と力を身につけていきます。

このお話の中にはまりこみ、ワクワクしながら夏の経験。

満天の星と、癒しを与えてくれる自然、行ってみたくなりますね。

読み終わった後の余韻が心地よいです。

素晴らしい出会いに感謝しています。

多くの人に読んでもらいたいですね。」


とのレヴューをいただき、あくる日また、

「夏休みの奥三河での一週間。

背景が目に浮かぶようで、満天の星と癒される自然を舞台に、ふたりの少女が様々な人たちと出会い、

影響しあ って、成長する姿が描かれています。

ワクワクする思いで読み続け、読み終わると、「も一回」一気に読んじまいました。

素晴らしい作品に出会えましたね!」


と、ありがたいお言葉をいただきました。ワクワクと読んで、沙羅の発見に共感し、「も一回」読んでいただけたなら、

著者としてこんなに嬉しいことはありません。努力が報われた思いです。(涙)

そうなんです。ここに登場する明日香は、「たった一つの抱擁」に登場したあの明日香なんです。

ですから、明日香の両親が、あの小説に描かれた夫婦です。明日香から見ると、こういう両親に見えるわけですね。

前作で明日香の気持ちも知りたかったとおっしゃっていたわぐまさん、やっと知っていただけますよ。

あの両親からこういう明日香が育ちました。

てるてるさん、前作のご紹介までしていただいて、ほんとうにありがとうございました。 深謝!
ついでに、しばらく放置していた「たった一つの抱擁」の宣伝もさせていただきましょう。

            「 たった一つの抱擁 」 緋野晴子 (文藝書房) ¥1260
                     
                           


 これは、いつの間にか乖離してゆく夫婦の愛と性を、妻の側から見つめた作品です。壊れかけた夫婦

関係を立て直し、失われた抱擁を取り戻したいと苦悶する、妻の心の葛藤を描いています。

浮気や不倫といった特別な行動に飛び出すわけではない、ごく普通の夫婦のうちの一組ですが、この

妻はいくつかの奇跡を起こします。 

妻の心理にリアルに迫るため、日記の文体をとりました。

女とはどういうものか? 男とはどういうものか? 夫婦が愛し合い続けるとは、どういうことか?

・・・・そして妻は、ついに、女であることの輝かしい意味を、その手に握り締めることになるのです。

 一見すると、可愛い恋愛物のような表紙に仕上がっていますが、夫と妻の愛と性の真実を描いたシリ

アスな作品です。

妻であるあなたにも、夫であるあなたにも、読んでいただけたらと思います。


全国書店、Amazon・楽天ブックス・本やタウン 等ネット書店でお求めください。    
      
( bk1 には画像と内容説明が、7&Y と 楽天ブックス には読者のレビューが載っています。)

 

「沙羅と明日香の夏」 発売!

2011-07-14 21:54:48 | 沙羅と明日香の夏
ついに発売となりました♪



「沙羅と明日香の夏」 緋野晴子著 (リトル・ガリヴァー社) 1,470円

 * 全国書店でお求めいただけます。 (店頭にない場合は書店にご注文ください)
 * Amazon 始め多くのインターネット書店にもございます。
 * 庶民の味方、図書館でリクエストして、購入していただくこともできます。

愛知県では、次の書店の店頭で、たぶん平積みになっているところが多いと思います。
 
 名古屋  星野書店 (近鉄パッセ)  三洋堂 (込中 本店) 丸善 (名古屋店)(ロフト名古屋店)

 豊  橋  豊川堂 (本店) (カルミア店) (アピタ向山店)
        精文館 (汐田橋店) (二川店) (三ノ輪店)
 豊  川  村松書店  精文館 (豊川店)  三洋堂 (豊川店)  あおい書店
 蒲  郡  精文館 (蒲郡店) (蒲郡三谷店)  くまざわ書店 (蒲郡店)  
 岡  崎  岡崎書房 
 刈  谷  くまざわ書店
 知  立  夢屋書店
 高  浜  三洋堂
 新  城  愛新堂
 東  栄  宝文堂

静岡県
 浜松市天竜区佐久間町  田高書店
 
その他の県
 丸善&JUNKDO 18店舗・・・どこの店舗にあるかはホームページ http://www.junkudo.co.jp/detail.jsp?ID=0112771747 でお確かめください。


愛知県外では、どこの書店に置かれているか、残念ながら著者はほとんど把握できておりませんが、全国書店のどこかに配本されているはずです。 
ただ、1冊で小説のコーナーに立っている可能性が高く、ようく探していただかないと見過ごされてしまうかもしれません。 
書店員さんに 「ありますか?」 と尋ねていただいたほうが早いかもしれませんね。
 (店頭にない場合は、書店にご注文ください)
                  
  *** 作品紹介 ***

中学時代に <空気> という、捉えどころのないいじめに傷ついた沙羅と明日香。

高校生になっても、沙羅は生への意欲を失い、明日香は自己嫌悪に苛まれていた。

奥三河の田舎で過ごしたひと夏の経験 ・・・・・満天の星空、谷川の清流、ホタルの谷の思い出、アル

タイルや奇妙な三人組との出会い、湯谷での発見とハプニング、鳳来寺山の仏法僧、嵐の中の出来

事、東栄町御園の天文台から望む宇宙、そして・・・・・

  「あたし、命の足跡残したいな」

命と生を見つめ、魂の再生に向かう、楽しく・切なく・発見に満ちた青春ストーリー。      

中学生・高校生のみなさんはもちろん、かつて思春期と呼ばれる時代を経験してこられた大人の皆様にも、

きっと共感していただけるものがあるでしょう。 懐かしくも、ちょっぴり胸の痛いあの頃。 柔らかく、傷つきやす

く、生きることへの不安や、寒さや、妙に熱い塊を抱えていたあの頃を、思い出していただけることでしょう。

* 帯に、三人の方の推薦の言葉が書かれていますが、写真ではちょっと読めませんね。