さとみん絵本の世界

さとみんおすすめの絵本や本(児童書が主)と、うずまいている日々の迷いや気づき!!

ふくろうくん

2006-01-23 | 子どもと読んだ本
シリアスな雰囲気とおもしろどころを押さえたお話が5話入っています
お人よしでとぼけたふくろうくんですが、ちょっと哲学的なところもあります
あ、でも少しずれているのだけど

お話をよんでもらうのが好きな子だったら、はまってしまうかも

わが子もこのふくろうくんは大好きでした
とくに「なみだのおちゃ」
かなしいことをアレコレ考えてなみだをポットにいれるのですが
あー、そうそうそれってかなしいことだよね、と思うことがらが
けっこうたのしい!
ストーブのうしろにおちてみつけられっこないスプーンとか
うたえなくなったうた とか。だってうたのことばをわすれたから
なんてちょっと笑ってしまう

ふくろうくんはかなしくてなみだがたまっているのに
読んでもらっている子どもたちはにこにこしてくる
それをねらっているか?ローベルは・・・

そしてこの訳がいいんじゃないかな、三木卓さんの。
別に翻訳の勉強したわけではないけど
英語とはちがうこの日本語の言い表しがふくろうくんにぴったりしている

たとえば

「ぼく こんばん なみだで おちゃを いれよっと。」といいました
ゆわかしを ひざのうえに おきました。
「さあて、ぼくはじめるよ。」

”Tonight I will make tear-water tea"he said.
He put the kettle on his lap."Now ",said Owl,"I will begin."

されからほかのお話では
「STRANGE BUMPS」が「こんもり おやま」となっています

なかなかいい!英語版はこの本を知ってからだいぶ後になって読みましたが
「訳がすごくいい」ことに気がつきました。

5話の題名だけ列挙します
  "OWL AT HOME"
1.THE GUEST
2.STRANGE BUMPS
3.TEAR-WATER TEA
4.UPSTAIRS AND DOWNSTAIRS
5.OWL AND THE MOON

 「ふくろうくん」
1.おきゃくさま
2.こんもりおやま
3.なみだのおちゃ
4.うえとした
5.おつきさま
                          

アーノルド ローベル:作 / 三木 卓:訳
  文化出版局