さとみん絵本の世界

さとみんおすすめの絵本や本(児童書が主)と、うずまいている日々の迷いや気づき!!

ちいさなとりよ

2006-01-20 | 読んでみて!
その とりは こどもたちが みつけたとき しんでいました。

という書き出しではじまります

やや小型で青とみどりの寒色系の地味な本です
絵とことばは別のページに書かれています

死んでいたことりを弔うお話ですが、
子どもの世界ではとても大事なイニシエーションです
たいていの子どもはそのような体験をするのではないでしょうか
それとも今は、全くこのような経験はないのでしょうか

大切にしていたペットをはじめ、たまたまみつけた動物や昆虫の死は
その人の人生の中での、生きることの意味を考えるための
大切なひとつの体験ではないか?と思います
ちいさないのちの終わりを悲しむことに加え
ちいさないのちの存在に対して敬虔な気持ちを持つことができると思います

この本では
あなをほり、とりをしだの葉につつみ土をかぶせ、花をそえます
みんなで鎮魂のためのうたを歌い、哀しみの気持ちに浸ります

わたしの子ども時代のいくつかのエピソードを思い出しました

学校の帰り道を歩いていたらとりが死んでいました
すずめでした
そのまま通り過ぎることはできませんでした(暇だった?)
海の近くに住んでいたので、砂浜までそのすずめを手のひらにのせて運びました
やわらかくて小さくてほんのりあたたかい感触でした
砂浜ではあなをほってうめました。貝殻を墓標にして・・・

金魚や飼っていた昆虫が死んだときもよくお墓をつくってうめました
またたぬきを旅先で轢いてしまい(わたしは運転していなかった)
道路脇の雑木林のなかに葬ったことや
ハムスターのお葬式をしたこともあります
 モーツァルトのレクイエムをバックにひまわりの種を添えて・・



これは地味な本ですが、
ちいさな死、ちいさないのちへの慈しみをあじわうことができます

   M.W.ブラウン・文 / R.シャーリップ・絵 / 与田準一・訳
   岩波子どもの本