【涼宮ハルヒの憂鬱】佐々木ss保管庫

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佐々木スレ8-683 「赤いバーチェッタ」

2007-05-17 | その他佐々木×キョン

683 :赤いバーチェッタ・1:2007/05/19(土) 23:45:51 ID:SAka39um
僕は静かに夢を見る。
暖炉の傍のロッキンチェアで。
伯父さんの宝物、赤いバーチェッタの夢を。





見なければ良かった、と思った。
同時に、自分の目が信じられなくもあった。

それは八月も後半に差し掛かったある晴れた日のこと、
私はいつものように炎天の下を図書館へと向かっていた。
夏季休業中の課題などというものはとうの昔に終わらせていたが、
だからといって怠惰に過ごすなどというのはもってのほかである。
後期からは再び英文や数字そして無意味な単語記号の羅列が、
私の生活にさながら極海のメエルシュトレェムのごとく大穴をあけてしまうに違いないのだ。
日々の生活に少しでもゆとりと潤いを保ち続けるためにも、
今のうちにアドヴァンテージをとっておくのが望ましい。
かくしてそのような悲しい結論に達した私は、少しでも快適な環境を求めて
図書館の自習質へと足しげく通う事になったのだ。
しかしなぜ入学後わずか四ヶ月で受験生の真似事などしなければならないのか。
今年の春、やっと高校受験から開放されたばかりなのに。
それにしても暑い。ひたすらに。こうも暑いと食事も満足に喉を通らない有様だ。
帰りには久々にアイスでも買おうか。そんな事を考えながら歩道橋の階段を下り始めた矢先だった。

彼の姿を、見たのは。


684 :赤いバーチェッタ・2:2007/05/19(土) 23:46:56 ID:SAka39um
なんとも奇異な光景だった。
私が中学時代に唯一仲良くしていた男子生徒、
キョンという少々間抜けなニックネームを持った彼は、なんと自転車の後ろに
二人の女子生徒を乗せて遊歩道を疾走しているのだった。
私は急いで歩道橋を駆け下りたが、すでに彼の見慣れた自転車は遠く走り去っていた。
足の速さに自信がないわけではないが、さすがに息せき切って彼を追いかける、なんてのは私らしくない。
厳密には彼の知っている私ではない。それに…
いったいどんな声をかけていいのか、わからなかった。


かばんを無造作に床へ放り投げ、ベッドに顔から倒れこむ。
いつもならば薬用石鹸で念入りに手をあらい、うがいをした後ホームウェアに着替えるという
プロセスを踏んだ後の行動なのだが、それをするのさえ億劫だった。
だってキョンが、あのキョンが、女の子を自転車の後ろに乗せて走っていた。
それも、あんなに一生懸命の、楽しそうな顔で。
だめだ。考える事が多すぎる。


685 :赤いバーチェッタ・3:2007/05/19(土) 23:48:35 ID:SAka39um



週に一度の大冒険。
ひそかにこっそり堂々と。
伯父さんの赤いバーチェッタで風を切る。
夢は覚めない。




気がつくとひたすらに広い空の下にいた。辺りは一面の小麦畑。
その中を貫くように通る一筋の道の上で私はぼんやりと一人たたずんでいた。
突然後ろからジリリリと激しくベルを鳴らされて、慌てて飛びのく。
その弾みで足を踏み外し、小麦畑に転がり落ちてしまった。体のそこかしこを麦で刺し泥で汚す。
そんな無様な私を尻目に自転車はゆっくりと、不自然なくらいにゆっくりと遠ざかっていく。
そこでピンときた。あれに乗っているのはキョンだ。
私は急いで路上へ這い上がり全速力で自転車を追いかける。
だってキョンが待っていてくれるのだ。あの後ろに乗るのは私しかいない。
最初はなんて声をかけようか。おはよう、ひさしぶり、げんきだった?
そんな凡庸な言葉しか出てこない自分を呪いつつ走る。もうすぐだ。
気がつけばもう手を伸ばせば届く距離にキョンがいる。
どこへ行こうか。どこだっていい。今ならこの自転車でどこへでもいける。
「やあ、久しぶりだねキョン」
ちょっと乗せていってくれないか、そういいかけた私は途中で言葉を飲み込んだ。
荷台にはもう先客がいたのだ。セーラー服姿の女の子。さっきはいなかったのに。
「待って」
私の半ば叫ぶような呼びかけが聞こえていないのか、少女とキョンは談笑しながら去っていく。
なんで。どうして。
少女に問う。何であなたはそこにいるの。そこは私の席なのに。
キョンに問う。どうしてそんなに楽しそうなの。
中学を卒業して、私と別れて、つまらない毎日を送ってるんじゃなかったの?
…もう……わたしがいなくても…いいの?


686 :赤いバーチェッタ・4:2007/05/19(土) 23:49:53 ID:SAka39um



赤いバーチェッタは追いまくられる。
「とまれ! とまれ!」とまってはいけない。
縛り首にはなるものか。





最悪の目覚めだった。
夢の内容はまったく覚えていないが、今の状態を鑑みればどうにも良くない夢だったのはいやでもわかる。
なにやら頭は鉛でも埋め込まれたかのように重いし、全身が生ぬるい汗でぬれていて気分が悪い。
これは下着を履き替えなくてはいけないだろう。
特に顔は体の中で一番汗をかいているようだ。…きっと、目は真っ赤に違いない。

目覚まし代わりのステレオコンポを止めようと枕もとのリモコンを取る。
いつもはクールジャズやらルネサンス音楽やらで目覚めるのが常なのだが、今日はなにを間違えたかハードロックがかかっていた。
今鳴っている曲はなんだったか。RUSHの『Red Barchetta』だ。
いかにも80年代のRUSHらしいSFチックな歌詞の曲だったはず。
確か自動車が禁止された近未来の世界でヴィンテージ・カーを乗り回すという少年の空想世界の話。
……そのせいであんな妙な夢をみたのだろうか。いや、まったく覚えていないのだが。


夢見の悪い日は続いた。
何度も何度も同じ夢をみるうちに、だんだんと内容を朝まで覚えているようになった。
…そんなもの、いらないのに。

夢の中で、私は何度も自転車を避けて転び、置いていかれ、追いつき、
……絶望する。
荷台に座る少女の顔は見えない。目鼻があるのかどうかもわからない。
なのに、彼女が笑っているのが伝わってきてしまう。それを受けてキョンが笑うのも。
あの、呆れと照れと慈しみの入り混じった微笑を後ろの彼女に向けるのがわかってしまう。
そして私は毎回毎回、子供のような抵抗をしてみせる。
あるときは自転車を避けないでみたり。
またあるときは思い切り石を投げつけてみたり。
でも結果は同じ。彼と彼女は先へ行き、私は終わりのない景色の中に取り残される。

別に期待していたわけじゃない、なんていったら嘘になるだろう。
キョンが乾けば私が水をやり、私が淀んだらキョンが水を取り替える。
そんな二人は、やはり別々ではいられなくて。やがて何の前触れもなく再会を果たす。
そんな三文小説のような展開を。
でもやっぱり神様ってものは残酷で、違う土地の水でも見事に咲いて見せたキョンを私に見せ付ける。
私の世界は濁りきって、腐臭を放つほどになっているのに。


学校が始まるころには、私はまるで病人のように弱りきっていた。
それでも最後の意地で学校は休むわけにいかないので、調子が悪いのを騙し騙し石畳の道を行く。
ふと足元に目を留めると、蝉の屍骸を蟻の群れが運んでいくところだった。
私も、あのまま小麦畑に倒れていたら、蟻が運んでいってくれるだろうか。
そうしたら彼も振り返ってくれるだろうか。


711 :赤いバーチェッタ・5:2007/05/20(日) 02:16:48 ID:RRsyY6gQ
僕は逃げながら時計をのぞく。
そろそろご飯の時間になる。
早く帰らないと、間に合わない。
暖炉の傍のロッキンチェアで夢をみるんだから。
赤いバーチェッタは夕日を追う!



またここだ。
私は青空の下、小麦畑の道の上に立っていた。ベルが鳴る。転ぶ。
自転車が行ってしまう。…今までと同じように。

そこまで来て、なにやら無性に腹が立ってきた。
それは冷たいキョンにか、それとも不甲斐ない自分にかはわからない。
でもこのまま終わっていいはずがない、逃がしていいはずがないと思うと、
今まで萎えていた手足にも熱い血が廻りだす。
何で私ばっかりこんな情けない役回りをしなければならないのか。
キョンだって麦畑に転がり落ちなければ不公平じゃないか。
私は下腹に力を込めた。
「待てぇッ! キョォォオンッ!」
自分でも驚くくらいの声が出た。もうここまできたらイメージも何もあったものではない。
格好悪くたって、追いまくってやる!
どこまでも続く田舎道を、とにかく走る、走る…走る!!!
もうがむしゃらにめちゃくちゃに駆けた。もう目の前にあの自転車がいるのかどうかもわからない。
構うものか。今は走れるだけ走る、それだけだ。
と、突然目の前に真っ赤なオープンカーが現れた。こちらを轢き殺さんばかりの勢いで。
ぶつかる、と思った瞬間そのフェラーリと思しきオープンカーは私の目の前でぴたりと停まった。慣性などないかのごとく。
「…佐々木か? なにやってんだ?」
運転席からひょっこりと顔を覗かせたのは、ここ二週間ほどの間、焦がれて仕方がない顔だった。
「…キョン? だってさっき…」
「? なんだかわからんが、乗るか?」
首を傾げつつくいくいと手招きをする。私の話を聞こうとは思わないんだろうか。
「いいから乗れって。 なんかあるみたいだしな」
促されて仕方なく助手席に乗る。……この車は二人乗りか。
なるほど、赤い二人乗り車(バーチェッタ)ってわけか。
私が乗り込むと間髪いれずに、車は走り出した。
私とキョンの二人しかいないのに自動車の運転は大丈夫なのかとキョンの方をみると、
なんとステアリングやらアクセルやらが勝手に動いていた。
…もうここまでくれば、この程度のでたらめには驚いたりしないけれども。


712 :赤いバーチェッタ・6:2007/05/20(日) 02:17:56 ID:RRsyY6gQ
さあ、どうしたものか。
車に揺られる事数分。
すぐ横にキョンがいるというのに言葉がでてこない。
確か、話したい事があったはずだ。
いや、だからこそ何から話していいのかわからないのかもしれない。
その気まずい空気のなかで、私はひとつ重大な事に思い当たった。
「キョン、逆!」
「は?」
そうだ。私は自転車を追いかけた。で、車と正面衝突しそうになった。
車はUターンしていない。
したがってこの場合、私は自分の目当てのものからどんどん遠ざかっているという解を導き出せる。
「自転車! 自転車がいたんだよ! 僕はそれを追いかけて…」
「…自転車?」
なんとキョンは自転車なんかとはすれ違わなかったと言っている。
そういえば、このバーチェッタも突然現れたように見えたし、もうめちゃくちゃだ。

「佐々木」
極度の混乱状態に陥っていた私に、キョンがおもむろに声をかけてきた。
「なんで、そんなひどい顔してるんだ」
ひ、ひどい顔って。
確かに私は別段美人でも可愛くもないのはわかってるけど、
いくらなんでも女性に対してその物言いは失礼極まりない。
「い、いや、そういう意味で言ったんじゃねえよ。
お前はその…ほら、見た目はいいほうだろ、相当」
その物言いにも引っかかるものがあったが、
それよりふいにキョンから贈られたほめ言葉に、
私は体中が自転車を追っていたときとは別の熱を帯び始めるのを感じた。
みると、キョンも真っ赤になってうつむいている。
普段がふてぶてしいだけに、なんだか可愛い。
「だから、そうじゃなくってな…何でそんな泣きそうな顔してるんだよ。
いつもみたいに小難しい講釈とか垂れないのか」
泣きそう? 私が?
「そうだな、たまには小難しくない佐々木の話、ってのも聞いてみるか」
「わたしの、話?」
ああ、キミはひどいやつだ、キョン。
せっかくこらえられそうだったのに。自分自身を騙せたかもしれないのに。
「うう…きょん…」
ああ、情けない。まったくもって嘆かわしい。
声に余計な振動がかかっている。
「…ょんの……かぁ」
ヴィブラートというにはあまりにもみっともない声の震え。
もうまともにしゃべれなくなった口元に、頬を伝って塩の雫が入ってきた。
その私の左肩に、キョンの手が優しく置かれる。
それでもう、完全に堰が切れた。


713 :赤いバーチェッタ・7:2007/05/20(日) 02:19:13 ID:RRsyY6gQ
「落ち着いたか?」
「…うん」
車に乗り込んでどれだけたっただろうか。
散々泣き喚きながらキョンに当り散らすという前代未聞の醜態をさらした私を、
キョンは穏やかな表情でみつめていた。なんだか気恥ずかしい。
「気にするなよ。どうせ朝になったら忘れてる」
「? 何でそう思うの?」
「さあ…なんとなく、としか言いようがないな」
うそぶくキョンの右手をつねる。
「いてててて! な、なんかお前凶暴化してないか!?」
「ふん」
せめてもの仕返し。思い知れ。
「ったく、ウチのアホ団長じゃねえんだから…」
「お仕置き」
「おしおきって…なんだ今度は笑ってんのか、忙しい奴だな」
「…わたし、笑ってる?」
「おう、オペラ座の怪人チックにな」
だめだ、この男は。
今度は頬を思いっきりつねってやった。

「で、ほんとにどうなんだよ」
「なにが?」
「さっき、なんか色々言ってただろ。
俺がお前を置いてったとかなんとか…」
「う…」
さっき号泣してわめき散らしたときに口を滑らせたらしい。
「お前は、今が面白くないのか」
「…面白くないよ、全然。毎日同じ事の繰り返し。
それどころかだんだん悪くなってる。
もしかしたらこのまま年取って死んでいくだけなんじゃないかって、
時々すごく不安になる」
「そうか…」
キョンはなにやら難しい顔をして黙り込んでしまった。
何かまずい事をいっただろうか。
「なぁ、佐々木」
「なに?」
「この世界は、そんなにつまらないと思うか?」
…いきなり何の話だろう。妙にスケールが広がってしまった。
「俺もさ、現実はつまらん、そうに決まってるって数ヶ月前には思ってたよ」
「?」
「でもな、俺は知らなかっただけなんだ。
世界ってのは不思議な事、面白い事、いくらだってゴロゴロしてる。
ただ俺はそれに気づいてなかったから、つまらないって決め付けてたんだよ」
「わたしは、周りが見えてないっていいたいわけ?」
「そこまでいってないけどな。…なんかその口調は新鮮だな…
いやすまん、気休めみたいになっちまうけど、俺に出来た事がお前に出来ないわけないだろ? 
つまらないと思ってるものの中に、楽しい事の原石みたいなものが埋まってるかもしれない、
そう思ってみるだけで周りの景色がずいぶん変わってみえるはすだ。
…もっともそのせいで、俺の財布は軽くなる一方なんだが」
「…なんか最後が意味不明だが、まあいいか。
しかし、出費が激しいってまさかとは思うが、キョン、キミは妙な接客サービス系の店舗に入り浸っているんじゃないだろうね?」
「なんでそうなるんだ!?」
おおげさに顔をしかめるキョンに、茶々を入れながら笑う私。
忘れかけていた空気がそこにあった。


714 :赤いバーチェッタ・8:2007/05/20(日) 02:20:02 ID:RRsyY6gQ
と、和んでいると、突然後ろからものすごい爆音が迫ってきた。
驚いて振り返ると、私たちの乗るバーチェッタの横を一台の車が追い越していこうとしている。
…いや、あれはただの車じゃない。確かあれはビールと生ゴミを燃料に動く、
世界で一番有名な自動車型タイムマシンだ。
…なにやらエプロンドレスを着た若い女性が乗っていた気がするが、気のせいだろう。
そしてみるみる遠ざかっていくタイムマシンの後を、
上空からアダムスキー型の宇宙船と謎の赤い発光球体が追っていった。
なにこのカオス。
「俺はこれだけ見つけたぜ」
三者三様の変態的物体を見送った後、キョンがおもむろに口を開いた。
なんだかとても、うれしそうな顔と声で。
「お前にも絶対見つかるよ。だから、そうあせるな。自分を追い詰めるな。
きっと世界は面白い事で―――――」




ゆれるゆれる、ロッキンチェア。
今日も明日も暖炉の傍で。
僕の素敵な夢を乗せて。



なぜだかは知らないが、今日はとても素晴らしい目覚めだった。
このごろよくみた悪夢がまるで嘘のようだ。
…というより、いったい以前にどんな悪夢を見ていたのか。
思い出せないのは少し悔しかったけれど、
なんだかとてもうれしい事のような気がした。


715 :赤いバーチェッタ・ラスト:2007/05/20(日) 02:20:53 ID:RRsyY6gQ
「さて、これでよし、と」
鏡の前で一人ファッションショーを延延続ける事1時間。
そろそろ出ないと『自然に』落ち合えないだろう。
何でも世間は春休みだというのに毎日飛び回っているというのだから恐れ入る。
で、今日も今日とて活動日、集合場所は例の駅前だというから、
あの辺をうろついていればいいわけか。
…正直、橘さんの情報は今ひとつアテにならないんだけれども。
最近知り合った妙な子について思い出し笑いをしながら、私は玄関から外へ出た。
大きく深呼吸をする。
さて、これから長い戦いの始まりだ。
なんせ相手はあのキョンを四ヶ月かそこらであそこまで攻略したのだから
相当手強い相手とみなければならない。
まあ、キョンが惹かれるぐらいなんだから相当変わり者で、
それでいてこの上ないほど素敵な女の子に違いない。
「…だからといって、負けるつもりはないけどね」
自転車を飛ばしていると、すぐに駅が見えてきた。
自転車から降りて線沿いのスペースで駐輪できそうなところを探す。
最終日とはいえ流石は春休み、なかなか置く場所がない。

見ると、先客がいるようだ。
置き場所を確保するのはやはり大変なのだろう。
……なんてね。私があの後姿を見間違えるはずがない。
さあ、いったいどうなる事やら。彼の反応が楽しみでしょうがない。
だって、私も不思議なカードをそろえたんだから。
自転車と彼、その後姿になんとなく懐かしさを感じながら、
私は戦いの口火を切った。

「やあ、キョン」



おわり


717 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/20(日) 02:24:35 ID:RRsyY6gQ
以上です。
なんか最後が知りきれトンボ気味だったけれども、それは仕様です。
これからも細々と投稿していきたいんで、生暖かく見守っていてくれるとうれしいです。

ちなみに
RUSH - Red Barchetta
ttp://www.youtube.com/watch?v=O_Rxjs9ZdtE

和訳(下のほうに歌詞解釈も)
ttp://www5f.biglobe.ne.jp/~lerxst21/rush/mplic.html#redberche


暇だったら見てください。

佐々木スレ8-659 僕もニックネームで呼んでくれ

2007-05-17 | その他佐々木×キョン

659 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 22:46:48 ID:ipgqNoJQ
キ「お~い!ハルハル!」
ハ「なに?キョン。」
佐「………」



佐「ねぇ、キョン。」
キ「ん?どうした佐々木?」
佐「僕も凉宮さんみたいニックネームで呼んでくれないか?」
キ「佐佐佐佐」
佐「\(^o^)/」


660 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 22:50:49 ID:7oPKW+Co
>>659
これはひどいww


662 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 23:04:58 ID:0xrRCEsK
>>659
ちょwwwおまwww


663 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 23:18:52 ID:mZy7EuGO
佐々木のニックネームか……

佐々木っち
佐々木ょん
佐々木っこ
ササッキー

学校では何て呼ばれているんだろうな?
名前のないキャラは損してるなぁ


664 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 23:19:46 ID:RBsbc/Lj
>>663
アストロロボSASA


665 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 23:20:45 ID:CZ3Q/fk1
>>663
佐々木さん


667 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 23:23:01 ID:CKSqFD77
サッキーとか?

そういやリアルにあだ名がササッキーなんだがwwwww


668 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 23:24:23 ID:EfV5WVnI
ささやんでいいやんwえもやんみたいだけど…


669 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 23:24:55 ID:7oPKW+Co
さっちん…はないか


670 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 23:26:10 ID:wGsuTFEM
おたっきー


671 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 23:26:15 ID:EfV5WVnI
>>669
やめて、あんな風になる佐々木は厭だからw


672 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 23:27:00 ID:2lI8R0mX
サッキー竹田


673 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 23:30:05 ID:gEn1TZMc
さっちんなんて呼ばれてたら死亡フラグ立っちゃうよw

佐々木スレ8-652 「黒佐々木」

2007-05-17 | その他佐々木×キョン

652 :黒佐々木 :2007/05/19(土) 22:03:26 ID:5tDebCP8
橘さんがレズビアンだって?
如何にしてそのような結論に至ったのかに僕は興味があるね
キョン、君は恋愛関係にはとても鈍感のようだが、その一方で性的なことにはとても興味津々のようだね。
いや、それは良いんだがどうも性的関心が屈折しているようだ
以前、君の家にお邪魔したとき、君がお手洗いに言っている間に妹さんに
成人雑誌やビデオテープの隠し場所を教えてもらったことがある…
いや、そんな雑誌に興味を抱くのは決して悪いことじゃあない
そういう年頃だ。むしろ健康的だろう………                                 私だって興味はある

問題なのはそれらの本やビデオテープの大半がレズビアンものだったことだ
まあ、ホモ・ゲイものよりはマシだと思うが、だからといってレズビアンものばかり興味を持つのはいけない
そもそも同性どうしでそのような行為を行うだなんて非生産的だ
え、なんでそんなに必死になっているのだって?
別に私は必死になんかなっていないよ
キョン、君が道を誤らないように説法しているだけだ

なに?結局のところ橘さんがレズビアンか教えてほしい?
彼女はレズビアンそのものぢゃないよ
バイセクシャルだよ………くっくっく………
橘さんはキョン、君にも抱かれたいそうだよ
大丈夫だよ、キョン。親御さんには一緒に6泊7日の旅行に行ったと連絡しておくよ
そして私の両親も10日間もクック諸島に旅行に行ったよ クック ック
眠たくなってきただって?
藤原君からもらった(禁則事項)のへその粉末入りの睡眠薬が効いてきたようだね………くっくっく
よりによってその睡眠薬は(禁則事項)のエキスも入っているから
睡眠中も(禁則事項)が最大限に膨張してしまうんだよ
この蝋燭と鞭とロープは何だって?くっくっく………
愛しいものだからこそ無茶苦茶に壊したいものなんだよ

 
くっくっく………

佐々木スレ8-648 エッチなササッキー

2007-05-17 | フラグクラッシャーk

648 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 21:18:00 ID:qk+Pyw29
エッチな佐々木さんが見たいです。


649 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 21:36:43 ID:vbcMachU
>>648

あれ?俺がいるぞ?


650 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 21:46:55 ID:W56qA9pb
>>648

無意識の内に俺が書き込んだのか?
本能丸出しだな俺


651 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 21:57:42 ID:RBsbc/Lj
>>648-650

「正直な話、驚愕を覚えざるを得ないね。
いくら春季発動中だとは言え、もう少し言動に気を配った方が良いのではないかな。
ましてや昼日中から堂々と口にするとは、残念ながら、君たちに対する認識を改めざるを得ないな。
あ…しかしながらだね、キョン。君になら僕の…その、な、なんだ、エッチなところを見せるのも吝かでh

「キョン君おやつー」

「ドアを足で開けるんじゃありません!
ああ、すまん佐々木、聞いてなかった。エッジがどうした?スキーの話か?」

「…何でもない('A`)」


867 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/21(月) 11:22:42 ID:HnsdIZ+W
>>648
エッチな僕が見たい、か…くっくっ、僕にとっても少々興味深い提案ではあるけれど
その前に、エッチという言葉の意味を、キミは考えたことがあるかな。

諸説あるが、もとは1960年代に女子学生の間で用いられた隠語で
Hentai(変態)の頭文字Hを取ってエッチと称した、という説が有力。
ちなみに性行為一般を意味する用法は1980年代以降のもので
テレビ番組で明石家さんまが多用したことによるものだそうだ。
これは後述の通り、実は語義矛盾であるけれどもね。

次に変態という言葉にはふたつの意味があって
ひとつは動物の生育過程における形態変化(メタモルフォーシス)
例えば昆虫における、幼虫から蛹を経て成虫へ至るプロセスの意味。

もうひとつは今回の本題であるところの「変態性欲」の意味で
精神医学者リヒャルト・フォン・クラフト=エビング男爵による著書
「Psychopathia Sexualis」が「変態性慾ノ心理」の邦題で
大正2年に日本で翻訳刊行されたことで広まったとされるが
このラテン語のタイトルは、現代では「性的精神病理」と訳す方が妥当だろうね。
現代の精神医学では変態性欲という術語は、性的倒錯という語に置き換えられている。
いずれにせよこの意味での変態とは俗語に過ぎないということだ。

さて、所謂変態性欲とは正常な性行為からの逸脱という意味だから
何を正常とするかによってその範囲は大幅に変わってくるよね。
同性愛などの性的指向に対する差別的ニュアンスを含む場合もあるから注意を要するよ。異物嗜愛(フェティシズム)や服装倒錯(コスプレ・女装男装趣味)といった
性対象逸脱や、場合によっては正常位以外の体位をして
性的倒錯とする極端な立場も存在する。

さて僕は、キョンの匂いに対する異物嗜愛という変態性を既に獲得しているらしいね。
あるいはまだ僕自身も知らない変態性が隠れているのかも知れないよ? くっくっ
前述の通り変態性とはとても多岐にわたるものだからね。
良ければ、キミの性的嗜好を僕に教えてくれないかな? 詳しく…



おっと、それから。
僕がまだ高校生であるということも、お忘れなきよう。

佐々木スレ8-621 湯煙@佐々木(翌日)

2007-05-17 | その他佐々木×キョン

621 :湯煙@佐々木(翌日 :2007/05/19(土) 16:10:57 ID:Q7n0a1T9
毎日の朝は我が無邪気な妹によるフライングボディプレスという荒業によって
目を覚まさざるを得なかったという不健康な生活をしていた俺なのだが、
今日はどうしたことだろう。朝日が顔に当たるのを感じて目が覚めた。
おお、かなり健康的じゃないか。
早朝のひんやりした空気が肺を満たすことで気分はナイアガラクラスの滝から
放出されるマイナスイオンを十分に含んだかのように晴れ晴れとし、窓の外から
聞こえてくる鳥の囀りが美しい日本の四季の移り変わりを如実に示しているでは
ないか――――
なんてことを考えつつ、さて、俺の体が動かないのは何故だろうね。
ちょいと視界を下げてみる。

うん、佐々木だ。

どうやら俺と佐々木は抱き合っている状態にあるらしく、つまり、アレだ。
今ようやっと昨晩の出来事を思い出したって訳だ。
少しばかり顔が火照るのは、まぁ仕方ないだろう。
しかし、こうして見ると本当に年相応の女の子といった風体で、
一歩間違えばハルヒのような変態的超能力の保持者となっていたなんてことがわかる奴などいまい。
いや、こいつの寝顔を他の男になんか見せるつもりはないからわからなくていいんだけどな。
……すぅすぅとこちらの精神を壊滅させてくれるようなかわいい寝息が胸元にかかりこそばゆい。
というか、実は俺の右腕はもう痺れてしまっている。別に佐々木が重いとかそういう訳じゃないぜ。
いくら軽くとも、数時間下敷きにされれば腕は痺れるもんさ。
それでも、流石にこれ以上こんな状態なのは俺の精神的に良くない訳で。
いやほら男の生理現象として仕方ないんだろうが、それが佐々木に当たってるし、
「ん……」などと俺の理性を寸刻みにする声で佐々木はたまに身じろぎしたりするし、
他の奴に何と言われようと自称紳士な俺としては、朝から致すなんてよろしくない。
ええい、こんな時は物理を考えるんだ。
力学でまず考えるのは?運動方程式だ。では速度は?それを積分すりゃいい。
「ふむ、君は文系だと思っていたが、中々どうして、物理も大丈夫そうじゃないか?」
「………佐々木、起きてたのか。」
「ついさっきだけどね。くっくっく、それにしてもいい朝じゃないか。
天気は快晴、起きた場所はキミの腕の中。
寝顔を眺めることができなかったのと腰が痛むのが残念だが、
寝顔は今度の機会に取っておくとしよう。」
やめてくれ。俺の寝顔なんぞ眺めて何が愉しいんだ。
「楽しみというのは人それぞれだろう?それより、キョン、挨拶がまだだ。」
こんなあられもない格好してて挨拶も何もあったもんじゃないとか思わなくも無いが、
しかし佐々木は目を閉じて何かを期待しているような気配を漂わせている。
…まぁ、恥ずかしくはあるが。でも俺だって男だから、こんな時どうすればいいかは弁えているさ。
佐々木のやわらかい唇と俺の唇を重ねる。
キスなら昨日さんざんしたんだが、それでも飽きないんだから不思議なもんだ。
「くっくっく、おはよう、キョン。」
「ああ、おはよう、佐々――――いや、おはよう」
さて、こいつの下の名前を口にするのはもしかしたら初めてかもしれないが、
一瞬不意打ちを受けたように固まった後で浮かべてくれた極上の笑みを見ちまうと、
それこそ些細な問題だろうよ。

佐々木スレ8-605 貧乳ササッキー

2007-05-17 | 胸関連

605 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 14:26:15 ID:niJhkV8F
ところでp179の佐々木さんの発言に
今年は必ず寄せてもらう
ってのがありますがちょっとした死亡フラグでは?


606 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 14:37:09 ID:ipgqNoJQ
>>605
寄せて上げるに見えた。
ん?誰か来た。


607 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 14:43:47 ID:MyeJyq/m
>>606
お前は俺か.


あれ,宅配便かな?


608 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 14:56:06 ID:CZ3Q/fk1
寄せて上げようにも寄せる物が無いだろ

あれ空が暗く


609 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 15:12:29 ID:uxwIpIL6
そもそも佐々木が貧乳だという設定はどこから出てきたんだ?

って誰だよドアをノックしてんのは


610 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 15:21:47 ID:cCPa7BBM
世界の真理だ。


ってあれ? なんだろうあの黒い服のry


611 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 15:24:17 ID:cPgChNqT
ttp://moe2.homelinux.net/src/200705/20070518634261.jpg
画像見る限りじゃハルヒと同じくらいだと思うんだが


612 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 15:33:06 ID:Q7n0a1T9
行方不明者続出。

いやいや、佐々木は美乳だから大きさで負けようとも
勝負の舞台には立てるのだから問題ないのだよ。

うん、宅配便?俺宛?べ(ry


613 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 15:40:03 ID:EfV5WVnI
おっぱいだけじゃなくて、たまには男キャラの息(ry


614 :それは男の夢 :2007/05/19(土) 15:42:30 ID:1w9kZ0Le
と、皆が言っているわけだが、佐々木よ、お前は俗世間で言うところの貧乳なのか?

「あまりにも唐突な質問に驚かされるばかりだよキョン」

で、どうなんだ?

「くっくっ。なんなら今キョンにだけ見せようかい?」

そうだな、頼む。

「―――え?」

ここなら誰も来ないだろうし、いいんじゃないか?

「え?で、でも僕にも心の準備が……」

(キョンを赤面させるつもりが、このままだと僕が、僕が……)

(でもキョンがそれを望むのであれば……)

「ど、どうだいキョン?」

                 



恥ずかしそうに服をまくり上げる佐々木想像したらこっちが恥ずかしくなってきたZE


616 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 15:46:03 ID:1w9kZ0Le
なんか名前欄がそのままだったorz


617 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 16:00:11 ID:s3ndZOdx
コテハン記憶になってると陥りやすいな
職人乙


618 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 16:01:15 ID:gEn1TZMc
>>611
実際佐々木の胸はCくらいだろうな
ただみんな貧乳をネタにしてふざけてるんだよw


626 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 16:38:04 ID:qApbgsRP
>>618
そのネタが僕の精神をどれだけ不安定にさせるか、をキミが理解しているとは思えないのだがね・・・。
そうだね、キミにとっては悪ふざけに過ぎないのかもしれないが、思春期の少女がまだ成長途上の身体に対して、
祈りにも似た思いを抱き、悩み、また絶望するという思考サイクルを日々繰り返しているかもしれない、
と推測してみるのも、これからキミが異性と交流する過程での一助となるかもしれないよ?うん。
いや、あくまで一般論だよ、え?怒ってないよ、僕は冷静だよ。そりゃ、ちょっと声が大きくなったかもしれないが・・・違うよ、落ち着いている。僕は落ち着いているよ。
え?謝られても困るな。怒ってないんだから。そうだよ、なぜ謝るんだ?
いいかい?一般論だと言ったろう?特定の個人の話じゃあない・・・ましてや僕の。
・・・なんだよそのアイスは。お詫びってわけかい?しかもミルクアイスとはとんだ皮肉じゃないか。
いいかい、ミルクを摂取すればおっばいが大きくなるなんて俗論はry


627 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 16:59:11 ID:gEn1TZMc
>>626
ワロスw
ササッキーがおっぱいを大きくする一番の方法はキョンに胸をm(ry
629 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 17:25:19 ID:CV/jL0Jc
なあ、佐々木。

「どうしたんだい、キョン?」

大きいと、垂れるぞ。


634 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 18:35:06 ID:0bwHH/+C
貧乳貧乳って佐々木がかわいそうだろ!って書き込もうとしたら、
>>626に先を越されてた件。
みんなそんなに佐々木にさらわれたいか?!
そりゃ俺だってちょっとさらわれてみたいとか思うkアッー!

佐々木スレ8-598 佐々木男ver

2007-05-17 | その他佐々木×キョン

593 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 11:18:43 ID:BW4Sq39M
みんなGJ.佐々木可愛いよ佐々木

>>589
佐々木団って「源平藤橘」なんではないか? 藤原と橘がいるし、佐々木といえば源氏だし。
供養は周防=壇ノ浦で平家とか?

ところで遅レスだがキョン子ストーリーを読んでいたら、変なデムパを受信した。
じつは佐々木は男だったのだがハルヒパワーで女(佐々子)にされてしまった。
そのため男言葉を使っており、当初男には興味はなかった。
しかしキョンと知り合い、惹かれてしまった。
これがハルヒが怒りにふれ、佐々子は男佐々木に戻された。
ハッピーエンドにはならないのでSSにする気にはなれんが。ハルキョンならいいかも。


598 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/19(土) 12:44:30 ID:AIcv2Xf6
>>593
本来の性別が男なら、さほどのバッドエンドでもないような気がした。
あとは、佐々木に女の時の記憶が無ければ。
電波受信。

――――――――
「んが?」
俺が突っ伏していたバーの机から上体に起こしたとき、
隣の席に居た佐々木はブランデーグラスを指で弾いていた。
「お疲れのようだね。仕事が忙しいのかい?」
‥‥俺は、どれくらい寝てた?
「まぁ大した時間じゃない。30分というところだよ」
「そうか。酒に負けるとは、俺も老いたのかもな」
「20代の後半で早くも老いか。実に君らしい」
佐々木は薄く目を細めると、席から立ち上がり、コートを手に取った
「なかなか有意義な時間だった。そろそろ家路に着くとしようか」
もういいのか?
「あまり遅くなると京子がうるさいからね。君の所だってそうだろう?」
「あいつは飲んで遅くなると連絡したときからとっくにご機嫌斜めだ。
 やれやれ、酒くらい自由に飲みたいものだ」
「くっくっ、可愛いじゃないか」
俺と佐々木は地下のバーから連なって出て地上に出た。

「お互い自由にならない身ではあるが、酒の楽しみは禁酒令があるからとも言うね。
 また誘ってくれたまえ、親友よ」
ああ。他ならぬ中学時代からのお前の頼みなら、いつでもな。

立ち去る佐々木の後ろ姿を見送りながら、ふと、さっきのバーで見た夢を思い出す。
薄く目を細めて笑うショートカットの美少女。
俺のどこの記憶にもない、あれはいったい誰だったのだろう。

佐々木スレ8-574 佐々木×古泉

2007-05-17 | その他

574 :1/6:2007/05/19(土) 04:00:31 ID:UraJxel1
「――学食はここですね」
涼宮ハルヒの対とも称される彼女――佐々木が転入してきた初日の昼休み。担任教師殿より
彼女の案内役を仰せ付かったが為に、僕はこの休み時間で校内を案内して回る事となっていた。
しかし昼休みなのだからまずは食事からだろうとそう考え、ここまでやってきたと言う経緯である。
「なるほど――しかしこの利用者数対総席数を鑑みるに、この学食はいささかキャパシティ不足で
 あると判断せざるを得ないようだね? いつもここの平均利用率はこんな感じなのかい?」
苦笑いを浮かべながらそう話し掛けてくる彼女。
「申し訳ありません、生憎と僕は余り利用した事が無くて」
これは僕の正直な意見だった。いつもは購買か、或いは学校周辺のコンビニエンスストアで手軽に
摂取可能な食糧を調達していた。ここ数ヶ月は落ち着いていたとは言え、昔はスクランブル続きで
悠長に食事を摂っている時間など無かったから、今でもその癖が抜けていないのかもしれない。
「しかしこうも混み合っていたとは――涼宮さんが学食の拡張を望んでいるのも肯けますね」
「この有様を見れば誰でもそう思うだろうさ。今日来たばかりの僕ですらそうなのだから――
 どうだろう、とりあえず味定めと言うのは。古泉君も久方振りなのだろう?」
――何を言い出すのだろう、この女は。何故僕があなたと食事を同席しなければならないのか。
「まあ、僕がキミにとってのペルソナ・ノン・グラータであろう事は重々承知しているがね。
 無理強いはしないし、そんな権利も僕には無い。だけど――」
喉の奥でくつくつと鳴る不思議な笑いをしながら、彼女が続ける。
「僕に聞いておきたい事の一つや二つ、キミにだってあるのだろう?
 僕の方にしてみたところで、キミに確認しておきたい事だって何も無い訳ではないのさ」
やれやれ、と言うのは彼の専売特許だと思っていたのだが――
どうやら穏やかな昼食と言う訳には行かないのだろうな。
「仕方ありませんね――転入初日の女生徒を助けると思って、御一緒いたしましょう」


575 :2/6:2007/05/19(土) 04:01:54 ID:UraJxel1
「キョンよお、何でお前ばっかりモテてるんだよ……俺は納得いかねえぞ」
谷口、国木田、俺と、二年生になっても何ともまあ代わり映えのしないいつもの面子で昼飯を食って
いた時の事、谷口がそんな事を言ってきやがった。
誰がモテてるってんだよ……万年カーニバル状態のハルヒだけでも頭が痛かったってのに、今度は
終日ペダンティックな佐々木のヤツまで加わってしまった。俺の近年の運勢には間違いなく女難の相
が出ているに違いないね。
「気付かぬは己ばかり、ってか? 色男サマはつらいね、この野郎」
こら谷口、箸の先端を向けて突付くジェスチャーはやめろ。おっかないんだよ。
「あの佐々木って女、ありゃファンが相当な数つくぜ。俺的評価でAランクは下らないね」
谷口評価などアテになるものか。しかし佐々木のヤツ、中学時代は表立たなかったものの男子人気は
相当にあったらしいな――もっとも、それも国木田から漏れ聞いただけの話ではあったのだが。
「それにしても驚いたよね。まさか佐々木さんが転入してくるなんてさ」
さてその国木田だが、こんな事を言ってのけている。
「どこがだよ、ちっとも驚いた素振りなんて見せてなかったじゃねえか。お前があの時九組の転入生は
 佐々木だって教えてくれりゃ、俺だってあんなに驚かなかったのによ」
「そうだった? 僕としてはかなり驚いた方だと思ったんだけど」
相変わらずマイペースな奴だぜ。こいつときたらきっとこの国の首都がブラックホールに飲み込まれても
わーすごいねーとかで片付けちまいそうだ。
「何言ってるんだいキョン、流石にそんな事があったら僕だって悠長に学校に来てたりしないさ」
そうかもな、と俺は相槌を打ったが、こいつの事だから学校に来ていなくても家のテレビの前に
釘付けになってニュースウォッチャーをやってそうな気がしないでもない。おとなしそうな外見とは
裏腹に肝っ玉の座った奴であるからな。
「まあ九組って言うのが佐々木さんらしいと言えばらしいから、それで驚きが多少減らされてたかもね。
 英語と数学は彼女の十八番だったから」
言われてみれば、佐々木と国木田とはテストの点で何かと張り合っていたっけな。
かつてのライバルと再び同じ学校となった事で、こいつとしても何やら闘志が湧いているのかもしれない。
もっとも俺は中学時代より蚊帳の外であった訳だが――
「いいねえ、秀才のスレンダー美人かー……
 ったく、そんなのがこのダメキョンに夢中だってんだから、世の中不公平だぜ」
「うるせえ」
谷口の与太話に付き合ってたらいつまで経っても弁当が減らん。こいつは無視だ、無視。


576 :3/6:2007/05/19(土) 04:04:33 ID:UraJxel1
「――意外とお食べになるんですね?」
先に席へと着いていた彼女の前にある盆を眺めての、率直な感想だった。
大盛のカツカレーにグリーンサラダと味噌汁。
華奢な外見をしているから食が細いのだろうと言うのは何の役にも立たない先入観だな――
「そうかな、これくらいは普通に頂いているよ? よく食べてよく眠らないと頭脳という奴は
 ちゃんとした仕事をしてくれないからね。あとは適度な運動かな」
「なるほど」
彼女の前の席に腰掛けながら、返事を一つ。笑顔を張り付けるのも忘れない。
「まあ、食の割に線が細いとからかわれた事もあったがね。
 自分としてはもうちょっと肉が付いて欲しいと思わなくもないのだけれど――」
彼女は自らの胸元をちらりと一瞥する。僕の視線もつられてそこへと――おっと、いけない。
「――それで、お話とは?」
意図せず飛ばしてしまった不躾な視線を誤魔化す為に、話題を変える。
「ああ、そうだったね――滅多に無い機会だろうから、不要な韜晦はやめようと思う。
 と言っても、キミがどこまで信じてくれるかは僕には判りかねるがね」
「――では僕も遠慮なく伺いましょう。あなたにとって、彼は何です?」
僕の何の奇もてらわぬ質問に、彼女は苦笑する。
「また何とも、直截な質問だね。いいだろう、韜晦は無しだと言ったのは僕の方なのだから」
向かいの彼女の顔から笑みが消える。これがこの女の本当の顔なのだろうか――
「キョンは僕のスペシャルだよ。他の誰も彼の代わりにならない。僕はキョンの事が好きだ。
 友情から来る好意だけではなく、一人の少女として、彼の事が愛しい。
 いつだって彼の傍に居たいと、時々抑えられなくなりそうな感情を覚える事もね。
 この感情の事を恋愛と言うのなら、今の僕は正に恋患いなのだと、そう言えるだろうさ」
「――また何とも、直截なご返答ですね」
まさかここまで正直な返答が来るなどとは予想外もいいところだ。
春先に僕達の前で彼の事を「親友」と言った彼女とは別人であるかのように思われる。
「しかし、何故彼なんです? 彼は何の変哲も無い、ただの一般人だと言うのが僕らの見解です。
 橘京子達の組織にしたところで、それについては異は唱えないでしょう」
「それについては僕に聞くまでも無く、一年間キョンの友人をやってきたキミも判っている事じゃ
 ないのかな、古泉君?」
「僕が――? 何をですか」
「それでは逆に僕からキミへと問わせてもらおうか、古泉君。キミは何故キョンの友人をやっている?
 キミの『アルバイト』については橘さんからも伺わせて貰っているが、今でも仕事上の演出で
 彼の友人を装っているのならば、大したものだと僕は思うよ」
僕が彼の事をどう思っているかだって――? 確かに彼女の言う通り、彼へと近付いた目的とは
彼の傍に居た涼宮ハルヒに他ならなかった訳で、まずは協力者として彼を味方に付ける為に
友人関係を偽装していた事は否定はできない。
だが――
僕は何時からか、彼と話す事それ自体が楽しみに思えるようになっていた。
聞かせた者を煙に巻くような、我ながら小賢しいと思える話にも何だかんだと文句を付けながらも
付き合ってくれる物好きは彼以外には有り得なかっただろう。
「あ――」
そうだ、何故だか判らないが、彼と話している時間は僕にとって非常に安らげる時間なのだ。連日
連夜の『アルバイト』で心がささくれ立っている時も、彼と話す事で苛立ちが治まった記憶は何度も
ある。聞き上手な彼の性格もあるのだろうが、不思議と気のおけない彼と言う存在は貴重だった――
「気付いたようだね――回答は要らないよ、きっと僕と同じだろうから」
向かいの席の彼女は微笑んでいた。思い人の良さを話相手に理解された事による喜びから来る
笑みなのだろうか――この笑顔を独り占めできるであろう彼に嫉妬を覚えてしまう。
いや、何を考えている、古泉一樹。目の前の彼女は僕など歯牙にも掛けてはいないのだと理解しろ。
そうでなければ僕なんかに彼女がこんな話をする訳がないのだ――


577 :4/6:2007/05/19(土) 04:06:29 ID:UraJxel1
「さて、今度は僕の方から問わせてもらおうか――いや、そんな緊張しないでくれたまえよ」
くっくっと笑う彼女に言われて、我知らず全身の筋肉が緊張していた事に僕は気付いた。
いけないな、まだ警戒心が解けていないのか――
「それで、ご質問とは?」
何気ない風を装って返してみたが、どうにも表情が巧く作れているのか自信が無い。
一体彼女が僕の何を知りたいと言うのだろうか。
「キミ達――より正確に言えば、キミの組織と橘さんの組織の事さ」
『機関』の事を? 一体何故? 何の為に? いけない、僕は混乱しているようだ、落ち着け――
「キミ達は四年前に何らかの原因で超常の力を授かったと聞いている。
 古泉君達に授けたのは涼宮さんで、橘さん達には僕がそうした――と言う事らしいね?」
「ええ、そうです。何故だか理由は判らないけれど、僕らは何か普通と違う力を得た。
 そしてそれが涼宮さんから与えられたのだと言う事も、やはり理由無く理解できてしまった――」
「橘さんも似たような事を言っていたよ。涼宮さんを僕に置き換えたらそのままだ」
「彼女達の立場ならばそう言わざるを得ないでしょうね。何しろその為の組織なのですから」
「それが故にキミ達の組織は互いに相容れないと、そういう理解で問題ないかな?」
「ええ」
何も言うまでも無い。橘京子達が属する組織の解釈ではなく、我々『機関』の認識こそが正しいの
だと、僕には判る。そう判ってしまうのだから仕方がない。
「それにしては妙な話だと思わないかい? 別々の人間にそれぞれ力を与えられたからと言って、
 何故そこで反目が起きるのか――まるで聖典の解釈の相違から来る宗教論争のようだよ」
「――何が言いたいのでしょう? 遠回しな表現はやめようと仰ったのはあなたの筈ですが」
「おっと、これは失礼してしまったね。ではもう少し直截に言わせて頂こうか。
 キミ達と橘さん達、両者へ起こった事が両方とも事実であると仮定した場合、
 神的存在――何ともむず痒いが、敢えてこう表現させて頂こう――が両立してしまう。
 しかしそれは有り得べからざる事態であると、キミ達は認識している。
 だからキミ達と橘さん達は対立せざるを得ない。しかし、だ――」
佐々木は湯飲みを手に取り茶を一口含んだ。
「涼宮さんも僕も神的存在などではないと仮定したらどうなる?」
「え――?」
そんな事、考えた事も無かった。
何故だか判らないが判ってしまうあの感覚が、僕達に思考停止をもたらしていたと言うのか?
「――しかし、ならば僕達にこの力を与えたのは誰だと言うのです?」
そうだ、まずはここから明らかにして貰わねば――
「涼宮さんと僕が関わっていた事は否定しないよ。むしろ僕達は古代宗教で言う『かんなぎ』――
 神的な力の触媒として機能していたのではないかと、そう思っている」
「ま、待ってください、ではあなたの考えている神的存在とは――」
喉がカラカラで声がかすれる。喉を潤す為に湯飲みを持ち上げた僕の手がやたらと震えていた。
「キミにも判っているんだろう? キョンだよ」


578 :5/6:2007/05/19(土) 04:10:10 ID:UraJxel1
「まさか――何故彼が?! 彼は『機関』の調査でも何の変哲も無い普遍的な人間である事が判明
 しています。何の特殊な生まれでもない彼が何故――」
「僕や涼宮さんの生い立ちも精査したのだろう? 僕達は何か特殊な生まれをしていたのだろうか?」
「――いえ、そのような事実は確認されていません。
 しかし涼宮さんは僕達『機関』にとって特別な人間でしたから――」
初めから僕らにとって特殊な人間だったから、それ故に何の疑念も抱いていなかった。
「しかし、彼が何らかの力を揮ったと言う事実は確認されていません。ならば彼が――」
「キョン独りでは力を揮えないのだと、そう仮定したらどうだろうね?
 彼は――そうだな、コンピュータのオペレーティングシステム、いわゆるOSの機能として存在する
 システムコールの塊の如き存在と解釈できるのではないかと、僕はそう思っている」
「――申し訳ありませんが、計算機理論についてはあまり詳しく無いのですよ」
「失敬、僕もコンピュータに関しては素人だから上手く言えるかどうか自信は余り無いのだが、
 なるべく平易に説明できるように努めてみるよ。その上で聞いてくれると嬉しい。
 OSと言うのはコンピュータ全体が上手く動く為の調停者としての役割を持っている訳だが、
 その他にコンピュータでよく使われる処理のセットを予め用意していて、利用者が簡単にその機能を
 再利用できるような仕組を持っている。これがシステムコールと呼ばれている代物なのだけど、
 今重要なのは、このシステムコールと言うのは利用者の要求により動くもので、OSそれ自体が
 自発的に機能を発動させる事は無い、という点だろうね」
「と言う事はつまり、涼宮さんやあなたが利用者であり、彼があなた達の願いのようなものを認識して、
 それを実現する為に彼が力を発動させていると、そういう事ですか?
 しかしそれならばやはり彼が力を揮った痕跡のようなものが認識される筈ですが」
「そう、そこさ。このシステムコールと言うものはそれを実行した利用者の権限で動作し、追跡や
 記録も成されるものでね。つまり涼宮さんが願った事は涼宮さんが実行者として、僕が願った事は
 僕が実行者として、周囲には認識されていたのなのではないかと、そう思うのさ」
まさか――そんな事が?!
「しかしその話では彼に何かを願えば、誰でも何もかも叶ってしまうのでは?」
「恐らく、彼が無意識下で特権的利用者を承認しているのだろうね。選別の基準など知るべくも無いが、
 彼が特別な誰かの願いを叶えてやりたいと、意識はしていないにせよ思った時に、彼の力が祈願者を
 通じて実現してしまっているのではないだろうか?」
確かに――筋は通っているように思える。
祈願者である彼女達。
力の塊であり祈願の承認者である彼。
祈願者を触媒として発動される神の如き力。
しかし――いや、ならば、何故今までこんな事に思い至らなかったのだろうか?
「ハードコーディングに等しいレベルで刷り込まれた常識と言うものは、それを信じる当人にとっては
 否定しがたいものだろうさ。ましてやレゾンデートルに関わるものならば尚更だ。
 しかし真実への道と言うものは常識を乗り越え、非常識の受容から拓ける事だってある。
 天文学において天動説が地動説へと取って代わられたように。コペルニクス的転回というやつだね。
 さっき僕が話したのは全て僕の仮説だが、僕のような小娘にも反論を許してしまう程に、
 キミ達が真実として信じて寄り添っているものも、脆く儚い存在かもしれない」
涼宮ハルヒが扉で彼が鍵なのだと、僕はそう思っていたが――
逆、だったのか?
彼が扉で彼女達が鍵なのだと、そう考えるべきだったのか?
「まさかあなたは彼の力を狙ってここへ?」
「ノーだね。キョンがどんな力を持っていようがいまいが関係ないよ。僕はキョンだから彼の事が
 好きなんだし――ついでに言えば、彼に何かを願った覚えはあるかと言うのもノーだ。
 ああなったらいいね、とか、こうなったらいいね、なんてものを一々憶えていられよう筈もない」
森達は気付いているのだろうか。『機関』の上の連中はどうだ?
いやそれよりも――橘京子達は?
「ちょっと待ってください、この話、橘さんには?」
「一応、させて貰ったよ。残念ながら彼女には受け入れて貰えなかったようだったけれど」
無理もない、自分の足元の地盤を崩すような話だ。
僕ですら理性では解釈できるが感情がそれを否定しているのだから――


579 :6/6:2007/05/19(土) 04:12:10 ID:UraJxel1
「あら、古泉くんに佐々木さんじゃない? 今日は学食だったんだ」
「やあ、涼宮さん。私がちょっと無理を言ってね、彼を付き合わせてしまって」
「ふーん、そうなの――古泉くん、そのおソバもう伸びてるわよ。ダメよ食事を粗末にしたら」
向かいの佐々木のトレイを見れば、既に空っぽの食器しか残っていなかった。
あれだけ話しておきながらいつの間に?
「――はは、参りましたね」
苦笑を浮かべた後、伸びきった蕎麦を一口啜った。
醤油の味しかしなかった。


それにしても、妙な話を聞かされてしまったものだ。
小娘の適当な仮説と一笑に付すのは簡単な事だったが、否定しきれない真実の響きが含まれている
ような気がして、いつまでも頭から離れてくれそうにない。

――『機関』のお偉方どもはこの事に気付いているのか?
或いは気付いていながら、僕達を――?

真実を知る為には自分で調べるしかないのだろうな――
明日も睡眠不足に悩まされそうだなと、下校中にそんな事を思った。

---

お粗末さまでしたと言うか一体どこが佐々木SSなんだ・・今は反省している。
あと●に何かヤバ目のフラグが立ったかもしれない。FCKに期待している。

佐々木スレ8-493 「夢」(1)

2007-05-17 | その他佐々木×キョン

493 :夢 :2007/05/18(金) 22:34:18 ID:Q8u/kFth


―――なぁ佐々木、お前と一緒にその……ま、毎年桜が見たいんだが。

―――ほぅ、それはキョンなりのプロポーズかい?

―――あ~、まぁ……その、うん。そう思ってもらって構わないぞ。

―――喜んで受けよう。

―――って即決かよ!? 少しは悩んだり迷ったりしろよ、一生の事だぞ!?

―――おや? キョンは僕に悩んだり迷って欲しかったのかい?

―――グッ……そ、そんな事ぁ無いが……もうちょっとこう……

―――くっくっ、キミが思い描いている情景は映画や小説の中だけさ。それにね……

―――? なんだよ。

―――愛しい人から待ち望んだ言葉をかけられたんだ。悩む訳ないだろう?

――― ―――ッ! はぁ……やれやれだ。

―――くくく、それよりも……幸せにしてくれるんだろうね?

―――あぁ、俺の人生かけてお前を幸せにしてやるよ。

―――そうか、それじゃあよろしく頼むよキョン。

そうして大学3年時に満開の桜の木の下で俺達は永遠を誓い合った。
言葉ほど綺麗な会話じゃなかったけど、まぁ「俺達らしい」って言葉がお似合いなプロポーズだったと思う。



494 :夢 :2007/05/18(金) 22:36:53 ID:Q8u/kFth
蝉の騒がしい鳴き声で目が覚め、ひどい眠気に襲われながらゆっくりと目を開くと、見慣れた天井が目に入ってくる。

「おや? 起きたのかいキョン」

どこから風が? そんな事を思って身を起こそうとした時に、ふいにベッドの横から声がかかった。

「あぁ、佐々木か……おはよう」

声のする方向に首を向けると佐々木がベッドの横に腰掛けていて、その目は崩した線のように笑っていた彼女は
一瞬だけ目をパチクリとさせると、とても懐かしい―――大切なモノを見る様な目で微笑んだ。
はて? 何か変な事を言っただろうか。

「あぁ、おはようキョン。随分と眠そうだが身体の調子はどうだい?」

あぁ、なんか知らんが猛烈に眠いな。
このまま二度寝しちまいそうなくらい眠いぜ。
夜更かしをした覚えは無いんだがなぁ。

「そうか。いやなに、眠いという事はそれだけ心身ともに疲弊しているという事さ。
 睡眠の目的は、心身の休息、記憶の再構成など高次脳機能にも深く関わっているとされ、
 下垂体前葉は、2時間から3時間の間隔で成長ホルモンを分泌する。放出間隔は睡眠によって変化しないが、放出量は多くなる。
 したがって、子供の成長や創傷治癒、肌の新陳代謝は睡眠時に特に促進され、もっとも必要な物とされている。
 ことわざにある『寝る子は育つ』というのもこの辺から来ているのだろうね。
 その他、免疫力やストレス物質の除去などがあるが、完全に解明されていない部分も多いんだが……まぁ僕らには関係無いさ」

そんなに動き回った覚えは無いんだがね。昔の不思議探検の方がよっぽどハードな気がするぜ。
それにしても相変わらず無駄に博識だなぁ、お前は。
それにリアリスト過ぎて夢が無い。っとそうだ、夢といえば懐かしい夢を見たな。

「ふぅん、夢か。ちなみにどんな夢だったのか教えてくれないか?」

あ~、……ぶっちゃけお前にプロポーズした時の夢だった。

「おやおや、それはまた随分懐かしい夢だね。ふむ、夢というのは様々な説があるが一般的には見る者の願望が現れるというよ。
 それはつまりキョンがもう一度誰かにプロポーズしたいという願望の現われかな?」

よしてくれ、緊張でガチガチになるのも、あんなに恥ずかしい思いをするのもお前に対してだけで十分だし、
お前以外にそんな事をするつもりも無い。

「くっくっ、そうだね、キョンの言う通りだ。僕もキミ以外にプロポーズをされるつもりも受けるつもりも無い。
 ふむ、これは俗に言う以心伝心というヤツじゃないか?」

長年お前と過ごしてきたからな。その位の芸当は出来てもなんら疑問に思わんね。 

「ああ、違いない。それより長門さんと九曜さんにも目覚めの挨拶が必要なんじゃないかい?」

なに? と佐々木の視線のを追うといつから居たのか長門と九曜が佐々木と反対側の椅子に腰掛けていた。
あ~……すまん、別に無視してたわけじゃないんだが、その……気が付かなかった。

「いい」

「―――別に……気にしない―――」

そうか、助かる。
二人の返事を聞いて安堵する。全然気が付かなかった……
眠気のせいだろうか、どんなに存在が希薄でも慣れ親しんだ二人の気配をこの距離で感じない訳が無いのだが……


495 :夢 :2007/05/18(金) 22:38:19 ID:Q8u/kFth

「しかしお前等はいつまで経っても容姿が変わらんなぁ」

流石に制服は着ていないが身体的な外見はほとんどあの時と変わっていないと思う。
自分に近かった長門の髪に触れ、優しく―――感謝の気持ちを込めて撫で続ける。
長門の少しシャギーかかった髪は見た目とは裏腹に柔らかく、フワフワしていて気持ちが良かった。

「最近は天蓋……いや、周防とも仲良くしてるか?」

「天蓋領域と―――周防九曜という固体と面識を持ってから仲違いをした記録は存在しない。
 情報統合思念体と天蓋領域も友好的な関係を築いている。問題無い」

「そうか」

「そう」

なら良いさ。
仲が悪いより良い方が良いに決まってる。
いつぞやの雪山の時の様に長門が苦しむ姿なんぞ見たくもないからな。

「……そう」

この対有機性コンタクト用ヒューマノイドインターフェイスである長門と知り合ってからかなり経つが長門も長門なりに
感情を外に出すようになって来た―――それでも俺から見れば、だが―――そのせいか
今の長門がどんな感情を抱えているのかも判断が付くが、なんというか『寂しい』って感情なのかね?
何故そんな感情を抱くのか考えようとしても眠気のせいで頭が回転せずハッキリしない。
そしてもう一人の宇宙人である周防九曜に視線を向ける。
初めて会った時は言い様の無い寒気が襲い、恐怖が俺を支配したが、今では長門と同じように多少なりとも
コイツが何を考えているのかその無表情の向こうにある感情を読み取る事が出来る様になった。
今周防が立っている場所だと手が届かないのでどうしようかと思案していると
その考えを察してくれたのか、向こうから音も無く近付いて来た。

「すまんな周防」

そう言って長門と同じ様に頭を撫でてついでに手櫛で梳いてやる。
彼女の艶やかな黒髪はサラサラとしていて極上のシルクのような肌触りをしており、手櫛は少しも引っかかる事無く梳けた。

「あなたの―――手は―――とても……暖かい―――」

そうか?
自分ではそんな事解らないし、至って普通だと思うんだがな。

「わかってると思うが長門と喧嘩なんかすんなよ?」

お前等が本気で喧嘩したら、それこそ日本どころか世界が破滅しそうだ。
それは勘弁して欲しい。

「―――あなたが―――それを―――望むなら―――」

「そうか」

如何にもコイツらしい物言いに苦笑する。
長門と同じ様にその無表情な顔から何を考えているのか読み取ろうとするが
周防からも「寂しい」という感情が見え隠れしていた。
長門といい周防といい、なんかあったんだろうか?


496 :夢 :2007/05/18(金) 22:39:44 ID:Q8u/kFth

「でも自分でやってみたい事、して欲しい事があったら周りに遠慮しないでドンドン言えよ?
 お前は長門以上に感情のコントロールが巧くないみたいだし下手したら長門の時の二の舞いだ。
 自分の気持ちを溜め込んでも言い事なんざ一つもないんだからな」

1ミリ程度の首肯を持ってそれに応じるコイツを見て「やっぱり長門とコイツは似てる」と思い、顔がほころぶ。

「―――あなたの―――笑った……顔は―――とても―――綺麗ね―――」

おいおいやめてくれ、男が綺麗とか言われてもあんまり嬉しくないぞ。

「おいおいキョン。僕の事は放ったらかしかい?
 キミの女たらしは今に始まった事じゃないが目の前でそうイチャイチャされては僕も堪らないのだが」

底冷えする様な声に慌てて佐々木の方を向くと、拗ねたような顔をする佐々木の顔で俺を睨んでいる。

「女たらしにイチャイチャって……お前なぁ」

「くくく、冗談さ。僕だってキョンとはそれなりに付き合いは長いからね。
 キミが意識してそういう事をする訳無いと知ってるし、信じているさ。問題は無意識でそれをする事だ。
 そのくせ他人から寄せられる好意には殺人的に鈍いと来てる。これは一種の才能かもしれないね。
 よく今まで生きていたモノだ、普通なら誰かに刺されていてもおかしくないよ」

「勘弁してくれ……刺されるって単語は俺の中の思い出したくない記憶ワースト上位を2つも占めてるんだ」

「……いや、冗談だったのだが、まさか本当に刺された事があるのかい?」

あー、一回目は未遂で、二回目は脇腹にブッスリだった。
止めよう、思い出しただけで刺された箇所がチクチクするんだ。

「そうだったのか……いや、悪い事を聞いてしまったな」

俺の名誉為に言っておくが、決して女性関係でそうなったんじゃないぜ?全部ハルヒ関連だからな。
……いや、一回目はともかく、二回目は女性関係なのか?
寝惚けた頭でそんな事を考えていると猛烈な眠気が襲ってくる。

「キョン? 眠いのかい?」

あぁ、なんか知らんが睡眠不足みたいだ。
すまんが……ちょっと……眠る。

「そうか……そうするといい。勿論夢の中で僕の事を想ってくれるんだろう?」

はは、そうだな。
自分で好きな夢が見れるのなら俺もお前の夢を見たいよ。
例えしわがれた婆さんになってもお前は綺麗だからな。

「うん……その言葉を聞いて安心したよ。ゆっくりと眠るといい」

「あぁ、そうさせてもらうか―――おやすみ佐々木」

「あぁ、おやすみ……キョン。良い夢を」


                              「夢」(2)に続く

佐々木スレ8-493 「夢」(2)

2007-05-17 | その他佐々木×キョン

497 :夢 :2007/05/18(金) 22:42:16 ID:Q8u/kFth


『おやすみ』それが彼が残した最後の言葉となり、言葉通りそのまま眠るように逝ってしまった。
でも私はそれほど驚かなかった。なぜなら彼の顔は私の両親が亡くなる前とよく似た表情を……眠たそうな顔をしていたから。
葬儀は彼と私の肉親、それと親しい友人だけで簡単に行った。
キョンの妹さんとその友人であるミヨキチと呼ばれた子の泣き顔が印象に残った事を覚えている。
私は……不思議と涙は出なかった。喪主を務め、葬儀に参列してくれた人にお礼を述べる。

最後に目を覚ました時に私の事を旧姓で呼んだのは何か意図があったのだろうか?
それとも彼の事だから何も考えずに夢に影響されて呼んだだけかもしれない。

「質問がある」

葬儀も終わり、後片付けも一段落して、そんな事を考えながら休憩を取っていた。
歳のせいか最近やけに身体が疲れやすくなってきた。といつの間にか九曜さんを連れた長門さん傍にいて私に声をかけてきた。

「なにかしら?」

「彼が生命活動を停止する前から私の―――『私達』の中に解析出来ないエラーが連続して発生している。
 それは情報統合思念体にも天蓋領域にも解析出来ないエラー……未知のエラーが私達に発生している。
 そして同じ波形のエラーがあなたの中にも発生している。だからこのエラーの正体を知っているなら教えて欲しい」

あぁ……そうか。人間なら当たり前に理解出来るこの『感情』が彼女達には理解出来ないのだ。
長年一緒に過ごした為か、彼女達が宇宙人に作られた存在という事をすっかり失念していた。
そう思うと私も彼に毒されていたんだなぁ、と改めて実感して笑いが零れてしまう。
そしてそんな感情を彼女達にもたらした自分の夫に目を向け、やっぱりキョンは女誑しなのかな? という思いも出てきた。

「それはね長門さん……『悲しい』と言う感情なの」

彼の遺影に目を向けたまま、優しく―――諭すように告げる

「今まで存在していて当然と思ったモノが忽然と消えてしまう事に対する戸惑いや悲しみ、虚無感、無力感。
 そういった感情を貴女達は今学んでいるのだと思うわ」

「―――よく―――わからない―――」


498 :夢 :2007/05/18(金) 22:43:57 ID:Q8u/kFth
最初に知り合った頃に比べて九曜さんも彼と会って大分変わったからな、心の整理が付かないのか……

「うん、今はまだそれで良いと思うの。でもね、時間が経つにつれて、その感情は重く、大きくなってのし掛かってくる」

彼に抱きしめてもらう事はもう出来ない。
彼の笑い声も二度と聞けない。
彼はもう二度と私に話しかけてくれない。
そんな世界に生き続ける意味はあるのだろうか?
いっそこんな世界を捨てて彼の居る世界へ旅立ってしまおうか?
……でも私はまだ幸せな方なのかもしれない。何しろあと数年も生きれば彼の元に行けるのだろうが、彼女達は違う。
彼女達には『死』という概念が存在しない。つまりその悲しみを背負ったまま永遠と生き続ける事を意味するのだ。
自分だったらとても耐えられないだろう。

「「ごめん……なさい」」

えっ? と思った。だって彼女達に謝ってもらう理由が思い付かない。

「何故……貴女達が謝るの?」

むしろこれからの事を思えば彼女達の方が辛い筈だ。

「―――わから―――ない……でも―――」

「あの人なら、きっとそう言うと思ったから」

そう言う彼女達の言葉を聞いて

「あぁ、それはとても……とても彼らしいな。」

そう素直に思える自分がいた。


499 :夢 :2007/05/18(金) 22:45:16 ID:Q8u/kFth
寝ても覚めても彼の事ばかり思い出してしまうのはこの家には彼との思い出が多すぎたせいもあるだろう。
彼がいなくなって初めての春が来る頃には私は次第に衰弱していった。身体ではなく、『心』が。
そしてそれに呼応するように身体も弱っていった。
まさに「病は気から」とはこの事だろう。昔の人はよく言ったものだ。
彼との間に生まれた娘も「一緒に暮らそう」と言ってくれたが、私は今の家を離れるつもりは無かった。
この家にはキョンとの思い出が沢山残っていたし、彼の約束が残ってる私にそこを離れるなんて事は出来なかった。
だから私は一日中睡眠ばかり取っていた。
寝ている間は彼の居ない世界を見なくて済む。それどころか夢の中で彼に会えるのだ。
ただ春に近付くにつれて眠る頻度は減って行き、縁側に腰掛けて庭にある桜の木を見上げる時間が増えた。
ここに元からあった木ではなく「あたしからの結婚祝いっさ~! 喜んでもらえればうれしいにょろよ!」と言って
鶴屋さんが家にある桜の木を一本、勝手に植え替えてしまったのだ。
当然最初は「そんな物をもらう訳にはいかない」と遠慮していたのだが、あれよあれよと言う間に準備は進んで
気が付けば元々そこに生えていたかのようになってしまった。
植物というのは環境や土が変わると枯れてしまったり、駄目になってしまうものも多いのだが
幸いにしてこの桜はそんな事にはならず毎年こうして見事な桜を咲かせてくれている。

「ねぇキョン、毎年と僕と桜を見るって約束だったじゃないか。
 僕は桜を見てるのに今キミは傍に居ない、これは一種の契約違反じゃないだろうか」

思わずそんな呟きがもれてしまう。
あぁ、今まで意識しなかっただけで自分はこんなにも彼を想い、惹かれ、愛していたのだと理解する。
なのにそれでも―――それでも涙は出なかった。
元々自分が涙を見せるような人間でないのは判っていたが、彼が亡くなっても涙は出なかった。
何故だろう? 彼がもうこの世界にいないのは理解しているのに……
もしかして私は彼の事を本当は愛してなどいなかったのだろうか? そんなありえない考えまで浮かんで来てしまう。

「佐々木さん」

いきなり自分の旧姓を呼ばれてドキッとした。
今日は誰かが訪ねてくる予定は無いし、備え付けのチャイムが来客を告げる音を聞いた覚えも無い。
仮に訪ねてきたとしても今の私は結婚して彼の姓を名乗っている。間違っても旧姓では呼ばれないはずだ。
一体誰が、何処から? そう思って視線を巡らせると桜の木の下に一人の女性が不安気な様子で立っていた。

「あなたは……朝比奈さん?」

そう、彼女は朝比奈みくるに良く似ていた。
私は高校を卒業するまでの彼女しか知らないが、彼女が成長したらきっとこんな美人になったに違いない。

「あっ嬉しい! 覚えててくれたんですね!」

そう言う彼女には先ほどまでの表情は既に消え、とても嬉しそうだった。

「あの人がよく話してくれたわ。美味しいお茶を入れてくれる未来人の先輩がいる、と」

そうですか。と言って懐かしそうに微笑む彼女は見る者全てを魅了するような可憐な笑顔を浮かべていた。
同性の私から見ても可憐な女性だと素直に思える。

「未来からわざわざお茶の話しをしに来た訳でもないのでしょう?」

「えぇ……佐々木さんは最近寝て過ごしてばかりいるんですか?」

「あら? 未来ではそんな事も判ってしまうの?
 そうね、寝ている最中は―――夢の中ではあの人と一緒に過ごせるから……」

「そうですか……私は今仰ったように未来から―――ある物をあなたに届ける為にやってきました」


502 :夢 :2007/05/18(金) 22:46:41 ID:Q8u/kFth
「わたしに?」

さて、わたしにも未来人の知り合いは二人の男女がいたが、男性の方はそんなに協力的とは言えなかったし
勿論彼と朝比奈さん以外に未来人の知り合いはいない。では一体誰が、何の為に?

「全てはコレに入っている映像が答えをくれる筈です」

そう言って彼女はポケットから一個の小さな箱のような物を手渡してきた。
ただその箱は鈍い銀色をしていてどこにも溶接したような後がなく、また蓋も無かった。

「これは一体どうすれば?」

「そのまま持っていてくれればすぐに判ります……それでは三十分ほどしたらまた伺いますね」

えっ? と思い顔を上げるとそこにはもう朝比奈さんの姿は影も形も無かった。
姿を見えないようにしたのか、それとももうこの時間世界から消えてしまったのか知らないが……なるほど
未来の科学技術は大した水準に達している様子だ。

「さて、問題はこのシルバーボックスかな?」

中身は何なのか? 
どういう使用法なのか? 
どうやって開けるのか? 
そもそも中身が入っているのか? 
解らない事だらけだ。
そうしてなにか手がかりは無いかと手探りで弄っているとカチッとスイッチが入るような音が聞こえたかと思うと
突然目を開けていられないほどの光が辺りを覆った。
光が収まった時に目の前にいる人物を視界に納めた時、私は自分の目が今の光でおかしくなってしまったのではないかと思った。

―――だってそれは

「な、なん……で」

―――私が一番会いたくて

「きょ―――ん?」

―――もう二度と会えない人だったから

そう。目に前には昔の―――結婚してから5年目くらいの―――彼が立っていた。真っ直ぐに此方を見つめている。

「本当に……キョン、なのか?」

そっと手を伸ばすがその手は何も掴む事無く空を切り、彼の身体も通過してしまった……つまりコレは幻の一種なのだろう。

「は、はは……そうだね。キミはもう……この世界には居ないんだもの」

自虐的な笑いが浮かんで、そんな顔を彼に見られたくない。そんな事を思って思わず俯いてしまう。
でも―――それでも、こうしてキミを見る事が出来て嬉しい。そう思える自分も確かに居たのだ。

『えっ!? これもう始まってるんですか!?』

いきなり彼が驚いたような声を上げたので、顔を上げてそちらを見てしまう。
そこには少し困ったような顔をした彼がいた。


509 :夢 :2007/05/18(金) 22:59:38 ID:jt9vZE85

『あー、えっとだな……佐々木、見えてるか?』

―――あぁ……見えてるよ、キョン。

『あまり想像したくないが、これをお前が見てるって事はおそらく俺はお前より先に死んじまったって事だと思う。
 お前を幸せにするって約束だったのに、お前より先に逝っちまったって時点でお前はもう不幸だと思ってるかもしれない』

―――全くだ、ひどい男だよキミは。

『これは予想でしか無いんだが、お前は俺が死んでも泣かないと……いや、少し違うか。お前は『泣けない』と思う。
 自惚れさせてもらえるなら俺達は互いが互いを大事にしていた。
 だからお前は俺の死って事実を『理解』はしても『納得』はしないだろうと思う。
 そして今の家から離れずに俺との思い出ばかり追ってるんじゃないか?』

―――そう……だね。キョンの言う通りだ。僕はキミの幻影を追ってばかりいるよ……

『それ自体は俺も嬉しいと思う。お前にそれだけ想われてるって事だからな』

―――当たり前さ。キミは僕が愛したただ一人の男性なんだぞ?

『だから俺を忘れろ、とは言わん。『俺への想い』に縛られないでくれ』

―――…………。

『俺はもうお前の傍にはいられない、死んじまったんだ』

――― ―――ッ!

『でも陳腐だと思われるかもしれんが、俺はお前を見守り続けて行きたいと思ってるからな。
 いつまでも俺に拘ってるお前は見たくないんだよ』

―――あぁ、そうかも知れないね。

『だからな佐々木、思いっきり泣け。泣けば多少はスッキリする。人目なんざ気にするな。
 俺はお前を抱きしめてやる事はもう出来ないが、お前はお前の納得出来る人生だった、と。
 俺と結婚して幸せだったと胸を張って言えるような人生を送ってくれ』

―――もうキミの姿が滲んで見えないよ……キョン

『あー、色々御託を並べてみたがお前と桜が見たくてこの映像を撮ってる。
 しばらくは何にも喋らないからお前の横でお前と桜を見させてくれ。
 最後に……佐々木、俺はお前と結婚して幸せだ。今もそして死ぬ瞬間も、死んでからもその思いは変わらないと確信を持って言えるよ』
 
―――えぇ、私もよ。

『じゃあな、愛してるよ―――』


511 :夢 :2007/05/18(金) 23:01:10 ID:jt9vZE85


そうして私のいつもの「佐々木」ではなく、下の名前を彼に呼ばれた瞬間が限界だった。
私は泣いた。人目をはばからず、彼が死んでから今まで、溜め込んでいた悲しみを吐き出すような慟哭だった。
目の前に彼がいてくれる。例えそれが実態の無い映像だとしても彼が傍にいてくれるだけで私は幸せだった。
私は彼の死を理解はしていたかもしれない。でも、心の中ではそれを納得していなかった。認めていなかった。
だから泣けなかったのだと思う。
そして桜の木が静かに枝葉を揺らし、私の姿を隠すように桜吹雪を舞わせていた。

「ふふ、男の子に泣かされたのなんて何年振りだろう、なんだか泣き疲れちゃったよ」
涙を拭ってウトウトして独り言を呟いたつもりだった。

「俺の肩でよけりゃ貸してやるぞ?」

だからその言葉が聞こえた瞬間は幻が喋ったと思った。

「失礼なヤツだな。幻でも夢でもこうしてお前を想ってやって来たんだぜ?」

えぇ、そうね。それでこれはあなたの夢? それとも私の夢かしら?

「別にどっちでもいいだろ? 大事なのは俺がいてお前がいるって事だけさ」

ふふ、そうね。さて、それじゃあ改めて桜を見に行きましょう。

「家の桜じゃ駄目なのか?」

せっかくだもの。あなたにプロポーズされた桜を見に行きたいわ。

「あそこまでか? かなり距離があるんだが……」

いいじゃない。どうせ夢なんでしょう?
夢の中でくらいあなたとデートを楽しみたいわ。

「やれやれ」

さ、行きましょう。
そう行って彼の腕に抱きつき、体重を預ける。
あぁ、彼の体温だ。彼の匂いだ。コレが夢ならば、永遠に覚めないで欲しい。

「ま、これは夢だからな。お前が望めばそれも出来るんじゃないか?」

それは良い事を聞いたわね。じゃあずっとここに居ようかしら?

「お前がそれを望むならな」

そうして私は愛する人と歩き出す。
一歩一歩を踏みしめる様に、歩き出す。


512 :夢 :2007/05/18(金) 23:02:37 ID:jt9vZE85

そうして彼女が再びやって来るとそこには風に揺られてざわめく一本の桜の木と縁側に腰掛けて静かに眠る彼女の姿があった。

「佐々木さん、起きてください風邪を―――」

風邪をひいてしまうと思い声をかけ様として、彼女はそれを止めた。
彼女はとても安らかな、幸せそうな顔をして眠っていた。
その眠りは二度と覚める事は無い。けれど愛する人と本当の意味で永遠になれたのだから、彼女はきっと幸せなのだろう。
夢の中できっと二人は幸せに暮らすのだろうから。

「おやすみなさい佐々木さん―――どうか……良い夢を」

桜の木がその言葉に答えるように微かに揺れた。


~Fin~


513 :あとがきという名の懺悔 :2007/05/18(金) 23:03:51 ID:jt9vZE85

はいお終いDEATH

コンセプトは

・桜の木の下で告白。
・キョンが先に逝ってしまう。
・悲しみに暮れる佐々木にキョンからのメッセージが届く

大本のネタは、いきものがかりの「SAKURA」をBGMに書いてたら思いついた。
「寝ても覚めても~」の辺りから以下の曲をBGMで流しながら読んでみてくれ
ttp://www.youtube.com/watch?v=mlpSeZpCs0c&mode=related&search=

これらを目標にしてやった筈なんだが……佐々木とキョンが結婚した場合の佐々木の言葉使いがどうなるか全く判らないのと
佐々木視点の言葉使いの難しさから途中で書いてる本人も何がどうなってるのかサッパリな状況になってきた。
前後の会話が成り立ってねぇ!!
佐々木が見ていた夢でどっちの意味に取れるようにしようかと言う脳内会議があったがあえてこのままで。
う~ん即興SSは難しいボスケテ

この即興SSで学んだ教訓
・お酒に酔って変なテンションで話を書くと碌な目に合いません。

佐々木スレ8-480 ササッキーのバストサイズ

2007-05-17 | 胸関連

480 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 21:33:39 ID:7mJhqa0d
キョンは僕の乳のサイズに並々ならぬ関心を寄せてくれているが、僕のレゾンデートルはそこにしか存在しないのかい?


481 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 21:39:50 ID:szquGu9R
男の浪漫ってやつですよ

男の浪漫と言えば、風呂覗きネタだな


482 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 21:40:47 ID:XvgAw10j
>>480
佐々木さんには乳ではなくおっぱいと言って欲しいのです


483 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 21:42:45 ID:l1aNHF+7
またおっぱいな流れになって失踪者が続出しそうな悪寒w


484 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 21:50:26 ID:iyPQnFHA
>>481
修学旅行かなんかで旅館に泊まる

風呂入ってるとクラスの男子が覗きを画策

キョン止めに入るが結局キョンだけ女湯にダイブ

キョン袋叩き

軽傷負ったキョンに呆れながらも佐々木が手当て



とりあえずこんなんか?


485 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 21:52:14 ID:fvWH3h1S
てかキョンはおっぱい星人だから佐々木の胸に興味をしめさないだろ…
常識的に考えて…

おや?PCの様子が…


486 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 21:57:44 ID:Cq0MsJ7I
>>484

修学旅行に来ていた某ふもっふでハリセンで彼女は最高よな人たちと仲良くなる

一緒に奥多摩に旅行に行く

覗き


完璧だな

佐々木スレ8-474 旧約萌書比翼の章より

2007-05-17 | その他

474 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 20:46:32 ID:J7AWN8KD


 寒さに震える我が同胞よ。その涙を拭け。うつむくな。上を見るんだ。
 あの山を見ろ。あれが天に最も近き場所。すなわち神の頂である。
 我らが恋焦がれてきた夢の結晶たちは、全てあの頭頂を目指し険しき獣道を登り続けてきたのだ。たとえその道すがら砕け散ったとしても後続は歩むことを止めない。幾千幾万が砕け散ったことか。ただひたすら頭頂を目指し……
 その姿は一つの意思を持った行進である。果てしない登頂。それが夢の結晶の宿命である。
 しかし先達が切り拓いてきた道は、皮肉なことに彼ら自身の砕け散った欠片によって塞がれてしまった。後続は偉大すぎる先達の欠片に足を傷つけられ歩みを止め、そして自身も砕け散る。
 ああ、遥かなるかな頂よ!
 ……残ったのは、夢の残滓だけ。夢の残滓だけだ。
 しかしだ! しかし、であるぞ諸君!
 あの光を見ろ! あれこそ現世に降臨した光だ。彼女こそ最も美しき結晶になりうる存在。
 彼女の背中には翼がある。欠片の道を越え頂を目指せる翼が。
 その翼の片方は彼女自身のもの。そしてもう片方は、彼女の思い人が与えてくれる翼。
 誇るがいい。今我々は一つの伝説を目撃しているのだ。頂へと到達する存在が現れたのだ。
 比翼の少女。
 彼女こそ新世紀の女神であるのだ。



旧約萌書比翼の章より

佐々木スレ8-443 佐々木かわいいよ佐々木

2007-05-17 | その他

428 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 18:02:18 ID:ajpmg4L/
一時間以内に「佐々木かわいいよ佐々木」の書き込みが10回未満だったら佐々木は俺の嫁


429 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 18:02:51 ID:VozmIqcV
佐々木かわいいよ佐々木


430 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 18:03:36 ID:nB6q4qGG
佐々木かわいいよ佐々木


431 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 18:04:01 ID:v2akvK3E
佐々木かわいいよ佐々木

分裂持ってないもんだから、キャラがわからなくなってきた


433 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 18:10:24 ID:v2akvK3E
>>432
持ってないだけで、全巻一通り立ち読みした

佐々木かわいいよ佐々木


434 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 18:11:20 ID:XvgAw10j
>>432
ひとえに愛だよ!愛!

俺も分裂読んでないのにSS書いたりしたぜ


435 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 18:12:46 ID:QKdcCEDh
佐々木かわぃぃよ佐々木


436 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 18:23:53 ID:iyPQnFHA
「佐々木かわ、か、か、かわ…………」
(くそ、佐々木かわいいよ、なんて口に出していえるかよ)









「ん?キョンからメールだ」
『佐々木かわいいよ好きだ』
「…………キョン///」


438 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 18:31:48 ID:zWetWvo+
>>428
ん、まだ1時間は経ってないな。ならば今言うとしよう。
1日1回、「佐々木かわいいよ佐々木」


439 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 18:32:12 ID:J7AWN8KD
佐々木の可愛さはキョンとセットになって発揮されると思う。

まあ、とにかくだ。
佐々木かわいいよ佐々木


440 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 18:32:42 ID:emOTtcw1
佐々木かわいいよ佐々木


441 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 18:34:33 ID:UczlznxC
全巻立ち読みってマジカ

佐々木かわいいよ佐々木


442 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 18:34:51 ID:0lUCYweG
佐々木可愛いよ佐々木

たった一冊でここまで好きになったラノベキャラは初めてだ
あの長門でさえ消失まで四冊かかったというのに……


443 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 18:37:04 ID:ajpmg4L/
「さっきから妙にうれしそうだが、いったい何をやってるんだ佐々木?」
「愛されているという確固たる証拠がほしくなってね、
年甲斐もなくくだらない書き込みをしたんだが、いやはや僕は皆を侮っていたようだ
まさか30分で10回とは、ね」
「? よくわからないんだが、もう少し簡単に説明してもらえるか」
「要するに僕は皆に愛されていて幸せだ、ということだよ」

佐々木スレ8-416 「それは男の夢」

2007-05-17 | その他佐々木×キョン

416 :それは男の夢 :2007/05/18(金) 15:54:39 ID:9cPtluXL
突然だが、地元で行われる祭りに佐々木と行くことになった。
当初の予定ではSOS団で行くことになったのだが、直前になってハルヒが家の事情とやらで欠席となり、
すると途端に朝比奈さんも長門も古泉も急に都合が悪くなり、俺1人だけで言ってもつまらんしやめようと思ったところに
丁度タイミング良く佐々木から誘いの電話があり今に至る。
「しかし待ち合わせ場所が俺の家で良かったのか?本来なら俺が迎えに行くべきじゃなかったのか?」
『くっくっ。構わないよキョン。僕がそうしたかったのだから』
家の近くまで来たらしい佐々木が電話を入れてきたのはちょっと前のことだ。
窓から外を眺めるが今のところ姿は見えない。
「ところで今どの辺りだ?まさか迷っているなんて言わないよな?」
『僕がキミの家を忘れたと思っているのかい?もうキミの家の扉の前さ』
な、なんだってー!!
壊れんばかりに携帯を握りしめ、それほど広くない家の中を走り出す。
「ハァハァ…」ガチャ
「やぁキョン」『やぁキョン』
目の前からと手にしている携帯からと佐々木の声が聞こえてくる。
「今日は晴れてよかったよ。先日までは雨の予報が出ていたからね」
「……あ、あぁ」
「どうしたんだいキョン?僕の着物姿に釘付けなのかい?」
正直に言おう。その通りだ。だがそんなことを口にするわけにはいかない。
「外が思ったよりも暑かったからちょっと立ちくらみを起こしただけだ」
「くっくっ。まぁそう言うことにしておくよ。では改めて訊くとしようか。今日の僕はどうだい?」
くるりと一回転する佐々木。
あぁ、そうだな。似合っているぞ。やはり着物は胸が控えめな方がよく似……
「どうしたんだいキョン?続く言葉を是非とも訊かせてもらいたいな」
「いやなんでもない。素直に似合っているぞ佐々木」
「ありがとうキョン。ところですこしあがらせてもらってもいいかな?やはりまだ外は暑くてね、
休ませてもらってからお祭りに行こうと思うのだけど?」
それは構わないぞ。ジュースぐらいしか出せないがいいか?
「贅沢は言わないよ」
って、俺の部屋に行くのか?居間の方が涼しいと思うぞ。親も妹と一緒に今は出かけているしな。
「いや、キミの部屋がいいな。キミに1つお願いもあるしね」
願い?なんだ?
先に俺の部屋に入った佐々木は、腰に巻かれていた帯を少しほどいてその先を俺に手渡し
「さぁキョン。その帯を力一杯引いてくれ。僕は精一杯声を出すよ」
……すまん、なんだって?
「いいから引っ張ってみてくれ」
なんだかよくわからんが、言われるままに渡された帯を引っ張る。
「あ~~れ~~」
なぁ教えてくれ。俺はどうリアクションすればいいんだ。
「ノリが悪いよキョン。こう言うときは、いいではないかと言ってくれないと。ほら、あ~~れ~~」
「い、いいではないか。いいではないか」
まったく、なにをしているんだ俺は。どこの悪代官だ。
「お戯れを~。お戯れを~」「キョンくんただいま!あのねハサミ貸して!明日の体育の授業で使うの!」
ザ・ワールド!!
佐々木はどうか知らないが、俺の中では今確実に時が止まっていた。
着物を着た女性の帯を引っ張る俺を妹の奴はどう思うだろうか。
「お母さんあのね!キョンくんが佐々木お姉ちゃんを脱がそうとしているよー」
見たまんまを親に告げ口する妹を誰が攻められようか。だがその前に事情説明をさせて欲しかった。
「キョン…」
ほどけた分の帯を手元にたぐり寄せ、俺を見上げてくる佐々木の目はなぜだか涙ぐんでいる。
「キョンになら…僕のすべてを見せてあげられるよ」
せめて冗談っぽく言ってくれ頼むから!


余談だが、このあとえらい剣幕で部屋にやってきた母親にちゃんと事情を説明するのに時間がかかったせいで、
祭りに行くのは日が傾きだしてからになってしまった。


421 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 16:13:53 ID:iyPQnFHA
悪代官ごっこだったら



橘「佐々木さんこれを」サッ
佐「おおー、これは!橘さん、あなたも悪ね」
橘「いえいえ、佐々木さんほどでは」
佐橘「ほーっほっほっほ!」






さて、橘京子はいったい何を佐々木に差し出したのでしょう


424 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 17:07:53 ID:l1aNHF+7
>>416
ササッキーw

>>421
キョンのプロマイド写真


425 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 17:44:26 ID:ELz2n22L
>>421
喫茶店でキョンが水を飲んだコップ

佐々木スレ8-413 「聖なる侵入」

2007-05-17 | その他

413 :聖なる侵入 :2007/05/18(金) 15:50:46 ID:QVZlWlsQ
ををををっ!!
こんなところに!!
キョンが落ちているっ!!
まっじっでぇぇぇー!!
どうするどうするどうする拾って帰るかあわわわわわ
「んれー?佐々木さぁん、どーしたんですかぁ?」
「ききき京子ちゃん!」
「ぁ、これキョンさーん。キョンだぁ。これこれぇ」オイオイオイ
「待って!あんまり、動かなさいほうがいいかもっ」
「くんくんくん。ぁたし、これぇ、持って帰ったほうがいいと思いまー」
…あ、あなたもそう思うの? って
「ちょ!!!京子ちゃん!!」
ダダダダダダダダダ
「突き突き突き突きぃ~」
「やめっ!ハウス!あんた何やってるの?」
「やわらかくして運びやすくしてまー」
「駄目よ!逆効k」
ふわ~~~~わわわわ
「快眠。お、君たち。ここで会ったが」
ちょ!!
起きたキョン!!
でも落ちてるキョン!!
ふたつに分裂!!
「ぉ。ぉいこらきょ~ん。大丈夫かぁ。っはっはっはー」
「よお橘。お父さんの入れ歯は」
えーー待て待て待て、落ち着け私。これは何かの暗喩に違いない。うぬー
「とぉーとつですがキョンさん、ぁたしと一緒に来てくださー」
「そうか。橘の言うことなら」
え!?何その展開
「ここではまずいのでぇ、そのぉ、奥~」
「そうか、奥か。奥のほうがいいのか」
「奥が良い~」
!!!!!
「こらちょっと君たち待て!」
「んぁ?」
「そこから一歩でも動いてみなさいこの落ちているほうのキョンを」
「あ。それ落ちてる俺」
ボワッ
京子消えた!!!
「いかんいかんいかん。よく見つけてくれた佐々木。ありがとう」
え?
「礼を言うよ」
ちゅっ☆
「//////ー!!」
ドキドキドキドキ
「ああっ、あのあのあのあのキョン!」
ボワッ
キョン消えたー!



ってなんでー!!
「………」
ハッ
落ちてるキョーン!!

※くりかえし


414 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 15:52:36 ID:yW310aOF
電波


415 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 15:54:35 ID:5A9cRhDq
まあ、暑かったからな。


422 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/18(金) 16:24:39 ID:UczlznxC
>413
ちょ、何なんだこれww
本気で吹いたww