【涼宮ハルヒの憂鬱】佐々木ss保管庫

2chの佐々木スレに投稿されたssの保管庫です

佐々木スレ6-136 おっぱいぷにぷに

2007-05-06 | 胸関連

136 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/06(日) 01:06:19 ID:fYWCTtzp
ぷにっ「ひぇっ!?」

ぷにっ「あわわー!?」

ぷにっ「先生ー!」


「1つ質問をしてもいいかなキョン?
その、なんだ。ゲームの中とは言え女性の胸に触れるのはいかがなものと僕は思うが」

「いやな、この購買部の女性の声が朝比奈さんによく似ているもので、つい」

「朝比奈さん?あぁ、キミの高校の先輩だったかな?」

「あぁそうだ。国木田から教えてもらったんだが、あまりに似ているものだからこれをやるたびについ…な」

「そうなのか。僕はその朝比奈さんには一度しか会っていないから判りかねるが……
 僕ので良かったらなんど触られても──「おっ!予選開始か」

「1回戦はノンジャンルか。久しぶりに優勝したいものだ。って、どうした佐々木?心なしか落ち込んでいるように見えるが?」

「そう見えたのならそれは杞憂だよキョン。くっくっくっ……」




ttp://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1177902261/938の続きですた。
(元ネタQMA 購買部)

佐々木スレ6-118 小ネタ

2007-05-06 | その他

118 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/06(日) 00:20:34 ID:uigYdrI0
佐々木は泣いていた
この世の何より純粋で無垢な涙を流しながら、心の中の言葉を紡いだ

「キョン、僕は君の傍に居ていいのかい……?」
俺の答えは決まっている
その答えを伝える決心もできている

「ああ…もちろんだ…………いや、違うな。ずっと傍にいてくれ、佐々木。親友としてじゃなく、恋人として!」

この言葉を伝えた瞬間に、もうあの日常には戻れない事も知っていた。……それでも俺は佐々木に伝えなきゃいけないんだ。
俺は自分の心に嘘をついたまま生きていけるほど器用じゃないんでね

「…僕は君から大切なモノや時間を奪ってしまうかもしれない。それでも、傍に居ていいと言ってくれるかい?」

そう。もうハルヒ達との時間は過ごせなくなるかも知れない。
それでも、その時間を代償にしても、俺は佐々木と歩むことを決めちまった

「何度も言わせるな。俺はお前の傍にいたい。佐々木に傍に居てほしい。」

「ありがとう……キョン。僕も、君と一緒にいたい」
俺達は寄り添って生きていくんだ。
俺たちに二度目の別れはいらない。




何か、ここだけ浮かんだよ……orz
明日にでもPCで肉付けしたいと思う

佐々木スレ6-113 「月の悪戯」

2007-05-06 | その他中学時代ss

113 :月の悪戯:2007/05/05(土) 23:58:34 ID:SiInKB/f
……どうしたんだろ?今日の私は少しヘン。
さっきからキョンが話も半分くらいしか耳に入ってこない。
何だか夢の中にいるみたい……。
「お~い、着いたぞ」
キョンの言葉で、ふと我に返る。
もう着いちゃったの?
ふふっ、ホント……どうしちゃったんだろ……
「キョン、見て……満月だよ」
「ん?あぁ~ホントだ。全然気がつかなかっよ」

チュッ

「!!?お、お前」
「くっくっ、いつものお礼だよ、キョン。じゃあ、また明日」
キョンったら、ほっぺた押さえてボーッとしちゃってる。
私もちょっとドキドキしてるよ。
いつもは恋愛感情は精神病だなんて言ってるのにね。
満月のせいかな?ホント……今日の私はヘンだよ。


114 :月の悪戯(佐々木の部屋):2007/05/06(日) 00:02:41 ID:mIslY5oM
うあぁぁぁぁぁっ!わ、私は何て事をしてしまったんだあぁぁぁっ!
明日からどんな顔でキョンに会えばいいのっ!
誰か教えてっ!
……いつも通り送ってもらって……月が綺麗だなって……
キョンが月を見上げてるのみたら……つい……
ほっぺに……チュッて………
んあぁぁぁっ!お、思い出しただけで、か、顔が……!
へ、変な女と思われたかな?いや、変だったけど……
ん~バカバカバカバカバカバカ!私のバカァ!
と、とにかく…明日キョンと学校であった時のシュミレーションしとこう……
キョンはこういう事には疎いから、なんとかなるハズ。
今回ばかりはキョンの鈍感が救いだよ……
だから、明日からもいつもと変わらないね……


ホント……鈍感なんだから………………キョンのバカ……

佐々木スレ6-104 佐々木×キョン

2007-05-06 | 中学卒業ss

104 :18:2007/05/05(土) 23:14:44 ID:0RE1JwLp
桜が舞う・・・にはもう少しといった感じの、それでも肌寒さを感じない程度に
適度な暖かさを感じながら俺は中学の3年間を今日、終えた。
つまり、今日は中学の卒業式だ。

「これからは寂しくなるね。キミと会ってからの一年はまさに光陰矢の如く早かったように思えるよ。
僕の中学生生活においてもっとも輝かしい期間だったよ。」

感慨深くそう述べる佐々木だが、そこまで言われると逆に気味が悪い。
そんなに俺のことを持ち上げても何も出てきやしないぞ?

「くっくっ どうやら僕はこの一年でキミに図々しい女だと見なされていたらしいね。
同じ校舎で同じ時間を過ごせるのは今日が最後なんだ。
惜別の言葉くらい送ってもかまわないだろう?」

やれやれ、と口にしようとしたが佐々木の言った通りだ。
これで俺と佐々木の関係も終わる。いや、別に付き合ってたとかじゃなくてだな、
友人としての関係という意味であって・・・って俺は誰に弁解しているんだろうね。

「確かにな。お前みたいな奴とは二度とお目にかかれないだろうな。」
「だろうね。安易なトートロジーを述べるつもりはないのだが、僕は僕であって
僕以外の誰でもないのだからね。それに・・・キミもね。」

最後の言葉に変に熱がこもっていた気がしたが気のせいだろう。

それにしても、この小難しい話しも今日が最後かと思うと今更だが寂しくなるな。


106 :18:2007/05/05(土) 23:18:10 ID:0RE1JwLp
などと思っていると佐々木がポツリと呟いた。

「ねぇ、親友。僕のこと、忘れないでおくれよ?」





俺が佐々木に(でなくても他人に)キョンではなく親友と言われるのは初めてだ。
ついでに言うと俺の本名及び苗字はあだ名を知られて以来言われていない。

佐々木がなぜ俺を「親友」と呼んだのか。その心中はわからない。
だが、いくら俺でもこんな場合なんて答えなければならないかはわかっているつもりだ。


若干の気恥ずかしさを覚え、俺は頭を掻きながらこの一年間の佐々木との思い出を胸に秘めこう答えた。

「あぁ、当然だ親友。」

もし佐々木を忘れることのできる奴がいたとしたら俺はそいつを24時間体制で監視したいものだね。

「そうかい。くっくっ ありがとう。キョン」
いつも通りの独特に笑う佐々木の表情は、今まで見たことのないような綺麗な笑顔だった。


桜が舞うにはもう少し・・・と言ったが前言撤回だ。桜はここにさいていたんだな。




やっとSSが書けたのだが他の職人が神過ぎてなんか見劣り感が・・・orz

佐々木スレ6-97 「佐々キョン バカップル」

2007-05-06 | 胸関連

97 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/05(土) 22:47:17 ID:MOX5ulcF
佐々キョン バカップル
『あつい』
キョン「暑い…」
佐々木「………」
キョン「暑い…」
佐々木「いい加減にしてくれ。キミが『暑い』と発したのはこれで38回目だ」
キョン「何で数えてんだよ…」
佐々木「無論、愛しのキョンの事…だからだ」
キョン「…そうか」
佐々木「それに『一緒に勉強しよう』と誘ったのはキミの方からだろう?せっかくのデート日和を潰してるんだ。せめて有意義に過ごそうじゃないか」
キョン「わかったわかった」
・・・
佐々木「………」
キョン「…暑すぎる…上だけ脱ぐが気にするなよ」
佐々木「…ああ」
キョン「………」ヌギヌギ…
佐々木「………」ブバァッ!
キョン「佐々木!なんで鼻血なんか出してんだ!」
佐々木「大した事はないよ。ただキミの裸体を見て妄想が広がっただけなんだ」
キョン「そうか…」
佐々木「そうだ…」
キョン「体調悪いなら勉強はやめて昼寝でもするか?」
佐々木「そうだね…」
ギシッ
ゴロン
キョン「ほら、腕枕してやるから来いよ」
佐々木「!」
キョン「嫌か?」
佐々木「…まさか」
ギシッ
ゴロン
コテッ
佐々木「熱い…」
キョン「そうだな…確かに今日は暑いな」
佐々木「違う、熱いんだ…僕の体がね…」


その後、何があったかは言わない。俺と佐々木、二人だけの秘密だ。

…夏の『暑い』日に…
…二人の『熱い』体…
しかし、
…佐々木の胸は『薄かった』事を記して置こう。

END


98 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/05(土) 22:54:49 ID:0GSJT6Hg
>>97
二人で小さなビニールプールで水遊びですか?
ととぼけてみる。


99 :名無しさん@お腹いっぱい :2007/05/05(土) 22:56:28 ID:n0q2mcGw
>>97
最強的なバカップルだ。佐々っ、佐々っ、アーーーッ!!


100 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/05(土) 23:01:06 ID:mp0oNsWh
>>97
薄いって味が?


101 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/05(土) 23:05:58 ID:s2RSmbrf
>>100
(*゜д゜*)


103 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/05(土) 23:11:08 ID:pW+UIEen
>>97
なんというエロス…
情熱を持て余す…

佐々木スレ6-81 「スクウェア・ラブ」 (「ファーストキスは誰のもの?」の続き)

2007-05-06 | 佐々木×キョン×ハルヒ

81 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/05(土) 22:05:47 ID:t1NnuJHr
前スレ852
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1177902261/852

「ファーストキスは誰のもの?」の続きを投下します。
7レス程度。


82 :スクウェア・ラブ:2007/05/05(土) 22:06:53 ID:t1NnuJHr
「キョン、あんた今度の土曜日、佐々木さんを誘いなさい。彼女の証人喚問をするから。
会場はキョンの家で良いわ」


先日のハルヒが発端で起こった騒動にまたしても俺は巻き込まれ、ハルヒの命令により図
らずも当事者となってしまった佐々木を誘い出し、ハルヒの前に連れてこなければならな
いことになった。
やれやれ、明日は待望の休日なんだぜ。たまには日がな一日自分の部屋でゴロゴロとして
いたいし、ゲームで一日を費やすってのも悪かない。
アホの谷口や国木田と街に繰り出すのだってありだろう。

そういった何でもない休日を俺は望んでいるんだ。非日常的な出来事など、俺が退屈し
きった頃にやって来るってのがちょうど良いってもんだ。でないと俺の精神衛生上よろし
くない。
しかしこの団長様は、自分を中心に世界が回っていると信じて疑わないアレな女だからな。
結局何が言いたいかというと、上官の命令は絶対だということだ。あいつが大将なら俺は
二等兵で、その命令を履行しなければ、考えるだに恐ろしい懲罰の対象となってしまうの
だ。

いや、これ以上考えるのはよそう。これでは、世の中がいかに理不尽なものであるかを新
卒社員にこんこんと居酒屋で説教している、先輩風を秒速25メートルでビュンビュンと
吹かせる中堅社員のようだ。


俺はベッドから体を起こし、机の上で静かに眠っているケータイを掴みあげると、軽快に
操作してディスプレイに佐々木の電話番号を表示させた。
ああ、俺の携帯が佐々木の番号を律儀に記憶しているのは、先日佐々木に会ったとき、
佐々木が俺に番号とアドレスを書いた紙を手渡してきたんだ。これからは再び友誼をはか
りたいと言ってな。

ディスプレイの表示が消えないうちに通話のボタンを押して佐々木のケータイへの接続を
待つ。
2コールの後、電話に出た佐々木の声が受話器を通して俺の耳に浸み入った。
『やあ、キョンじゃないか。キミから電話を受けるとは光栄至極の限りだよ。それで、
いったい用件は何かな? これから1時間ほど語り合いたいというならやぶさかではない
が』

明朗ながらも難解なしゃべり方というのが佐々木の特徴だな。俺に取っちゃ懐かしいし、
普段も古泉で慣れているから、聞いていることは別段苦にもならないが。
「それは次の機会にで取っておこう。今日お前に電話を掛けたのは他でもない。明日は暇
か? もし用事がなければ俺の家に来てもらえると有り難い。だが無理ならそれはそれで
口実になるからいいのだが」
『キョン、キミが何を言いたいのかいまいちわからないな。僕に来て欲しいのかい? そ
れとも来て欲しくないのかい?』

佐々木はやや非難めいた口調で俺にそう問い返した。無理もないことだが。
「いや、すまん。こちらにも色々とあってな、お前が無理ならそれで良いんだ。ハルヒの
やつにもそう言っておくさ」
『キョン、涼宮さんも来るのかい? キミはさっきそれを言わなかったね。……だから僕
はてっきり……いや、何でもない、忘れてくれたまえ』


83 :スクウェア・ラブ:2007/05/05(土) 22:07:40 ID:t1NnuJHr
てっきり何だろう? 俺は佐々木の心情を察すことに長けているわけではないので、まる
でわからなかった。
長門の表情を読み取ることなら右に出るものはいないんだがな。
佐々木はそれから2秒ほど沈黙した後、
『……明日、キミの住まいに伺おう。特別何処かへ出向くといった予定は、幸い僕のスケ
ジュールにはないのでね。ところで、涼宮さんは何の用なのかキミは知っているのかい?
 もしや僕に関わることではないだろうね?』
妙に鋭い。しかし、答えづらい質問だ。
以前佐々木が妹のイタズラで、毒リンゴを食わされた姫君のようにやすらかに眠っている
俺にキスをしてしまったことをハルヒは聞き出すつもりなんだろうが、今ここで言うのは
何やら気恥ずかしい。

だから俺は、それは直接ハルヒに聞いてくれと逃げの一手を打ち、翌日の時間を取り決め
て電話を切った。佐々木はもう少し話をしたそうではあったが。
いよいよ明日―――か、俺は無事でいられるだろうか。疑問だね。
朝比奈さんにでも聞いてみれば、明日俺の命が終えるのは既定事項だなんて言われちまう
かもしれないな。
さて、明日に備えて寝るとするか。



翌日、時計の針が一時を指す15分ほど前、約束通りにまずハルヒが訪れ、間をおかずに
佐々木が徒歩でやってきた。
ハルヒは佐々木と顔を合わせると、粉末を入れすぎた抹茶を飲み干してしまった後に無理
矢理浮かべたような、表現し難い笑顔で佐々木に当たり障りのない挨拶を行い、だが佐々
木はそれを感じているのかいないのか、ハルヒ対して軽く会釈をし、にこやかな笑顔を返
した。
俺はハルヒと佐々木の間に滞っている微妙な空気を感じ取りつつ、玄関に現れた俺の母親
に二人が挨拶をしている様を見つめていた。
母親は約1年ぶりの佐々木の訪問を受けて、懐かしそうにして佐々木と軽く言葉を交わし
た。

その時、母親が俺とハルヒに対して意味深な視線を向けたことが引っかかったんだが、な
んのつもりだろうな。
そういや、俺の母親は以前俺が佐々木と一緒の大学に行くものだと勝手に思いこんでい
たっけな。
俺の母親も国木田や中河と一緒で、俺と佐々木が付き合っているという勘違い組か?
やれやれ、そんな勘違いをハルヒの前でおくびにも出さないでくれよ。後が恐ろしいぜ。

これ以上母親と話していて、俺にとって都合の悪いことをしゃべられると精神上よろしく
ないと判断した俺は、二人を促し、俺の部屋へと案内した。
だが部屋にはいると、ハルヒは妹も佐々木の証人喚問に同席させるようにと俺に命令し、
それを受けてやむなく俺は妹と、ついでに遊びに来ていたミヨキチも俺の部屋へ招き入れ
た。
ミヨキチは自分が注目されていることにはにかみながら、俺に勧められておずおずと座布
団に腰掛けた。
そのミヨキチの姿を見たハルヒと佐々木は、一様に驚嘆の表情を見せ、
「へえ、これがミヨキチって子なのね。な、中々きれいな子じゃないの。確かにあんたが
書いてたとおり、とても小学生には見えないわね」


84 :スクウェア・ラブ:2007/05/05(土) 22:08:27 ID:t1NnuJHr
と、ハルヒはどう見ても友好的でない表情で俺を睨み付けた。
「なるほど、妹さんの友人の子かい。どうやら彼女は栄養とホルモンの状態がよほど良い
んだろうね。とみに彼女の一部の肉体的数値が、現在の僕のそれを上回る可能性がありそ
うなことには、恐懼の念を抱かざるを得ないよ」
佐々木はそう言って、視線を自分の体へと落とした。俺には佐々木がやや肩を落としたよ
うに見えた。
なんのことだろうな。見たところ、ミヨキチは佐々木に比べれば背が低いと思うんだが。

そんな二人の俺との会話を耳にしてミヨキチは、何やら顔を赤らめて恥ずかしそうに俺た
ちのやりとりを見守っていた。
それから10分あまりのやりとりの後、ハルヒはそろそろ時間だとばかりにベッドに立ち
上がって開口一番、ここに佐々木を対象とする第二回証人喚問の開催を宣言したのである。
「ではこれから第二回証人喚問を行うわ。証人は佐々木さんよ」
なお証人に妹、オブザーバーとして特別ゲストのミヨキチが出席している。
なおハルヒは宣言し終えると、そのままベッドにあぐらをかきどっかと座り直した。

ハルヒのその言葉聞いて、佐々木は不審気な顔つきで俺をまじまじと見つめ、
「どういうことだい、キョン? 僕はそんな話は聞いていないのだが、これから何をする
つもりなのかい?」
「ちょっとキョン、あんた佐々木さんに言わなかったの? 職務怠慢ね。このことはマイ
ナスポイントとして、あんたに罰ゲームをさせるときに考慮しておくから覚悟しておきな
さい」
こうして二人から責められ、俺は上司と部下から板挟みにされる中間管理職のような惨め
な気分を、この年にして味わう羽目になった。

つうか、言えるわけないだろう。俺が佐々木からキスをされたことをハルヒの前で証言し
て欲しい、などと当事者の俺が言えるかよ。
ハルヒ、お前はもうちょっとデリカシーってもんを標準装備した方が良い。オプション扱
いは勘弁してくれ。
ハルヒは佐々木に体を向き直ると、鬼瓦のような表情から閉店間際のスーパーのように険
しさ4割引の表情へとメタモルフォーゼさせ、

「佐々木さん、そこにいるアホキョンがあなたにちゃんと説明しなかったのは謝るわ。で
も、あたしはどうしてもあなたに聞きたいことがあるの。だから、あたしの質問に答えて
もらえるかしら?」
有無を言わせぬハルヒのその表情に妙な迫力を感じたのか、さしもの佐々木も首肯せざる
を得なかった。
ハルヒはそれを確認するとおもむろに口を開き、

「佐々木さん、あなた以前そこにいる妹ちゃんのイタズラでキョンとキスしちゃったって
のは本当なのかしら?」
2時間ドラマのクライマックスで、犯人はあなたですと指し示す刑事のような表情で佐々
木に対し質問を行った。
俺はこれから起こるであろう荒れ狂う嵐に思いを馳せ、戦々恐々とする思いで成り行きを
見守った。


85 :スクウェア・ラブ:2007/05/05(土) 22:09:18 ID:t1NnuJHr
その言葉を聞いて、妹はコクっと頷いた後にやりと笑い、ミヨキチは驚きを隠せない表情
を浮かべた。
そして佐々木は一瞬冷え切ったガラスのように固化したが、表情も変えずにすかさず、

「涼宮さん、キミは何が言いたいんだい? そうとも、あれはキョンの妹君がちょっとぶ
つかってしまってね、それで僕はキョンと粘膜同士の接触を図らずもしてしまったわけだ
よ。それは確かに否定しようのない事実さ」

さすが佐々木だ。こんな状況でも実に冷静に……って、あれ? 何かが……。

「キョン、というわけだからあなたは気にしないで欲しいの。だって不可抗力だもの。
ね?」

おかしい……。
佐々木ってこんな口調だっけか? いや、男女で口調を使い分けているってのは分かって
いるんだ。しかし、なんだこの違和感は?

「どうしたんだい、キョン? 惚けた表情をして。キミは僕とキスしてしまったのがそん
なにショックなことだったかい? それだったら謝罪の言葉を述べたいと思うが、僕とし
てもそれは複雑な気分だね」
いや、いつもの佐々木だな。だが何だったんだ、さっきの違和感は……?
俺の錯覚だろうか。それとも俺の方が動揺していたのか。

「佐々木さん、あなたがキョンにキスしたのは不可抗力だったって言いたい訳よね? で
もね、そもそもあなた、どうして寝ているキョンをのぞき込んでいたりしたの?」
ハルヒは傷口をえぐるように、さらに核心に迫った。
しかし佐々木はそれには動じずに、
「何も問題はないでしょ。わたしはキョンの寝ている姿に純粋に興味を覚えたの。いつも
難しい顔をしているキョンが、考えられないような無邪気で無防備な顔で眠っているんだ
もの。見つめてしまうのもしょうがないことでしょ?」
何か恥ずかしいぞ。それにいつもの佐々木らしくない、ストレートな物言いに思えるのは
俺の気のせいだろうか?

しかし佐々木といい妹といい、俺をいったい何だと思っているんだ。俺の寝顔はそんなに
ガキっぽいというのか?
って、ミヨキチまでコクコク頷いているじゃないか。いつの間に俺の寝顔を見たんだ。

「じゃあ涼宮さん、今度は私から尋ねさせてもらうけど、あなたはどうしてそんなにキョ
ンにこだわるの? キョンが誰とキスしていたって、あなたには関係ないはずでしょ?」
思いも掛けない佐々木の逆襲に、あっという間に守勢に立たされたハルヒは『ぐっ』と詰
まり、しばらくの間答えられなかった。
「しょ、しょうがないじゃない。あたしはSOS団の団長で、キョンは団員その1なんだか
ら。団員の風紀の乱れを気に掛けるのは団長のつとめでしょ!?」
やっと紡ぎ出した言葉だが、無理があった。と言うより無茶苦茶な屁理屈だ。


86 :スクウェア・ラブ:2007/05/05(土) 22:10:27 ID:t1NnuJHr
しばらくの間、2人の間で鉄を切断したかのような火花がバチバチと飛び交ったような気
がした。
「涼宮さん。あなた、詭弁という言葉を知っているかしら? 今のあなたの言葉がまさに
それよね」
佐々木はじっとハルヒを見据えてそう非難した。
耐え難い空気だ。神々の戦いといおうか、このまま世界が滅亡してしまうんじゃないかと
思えるほどだ。
ええと、俺この部屋を出て行っても良いかな? そろそろ胃がキリキリと痛み出してきた
んだが。

しかしそれだけに止まらず、佐々木はガゼルの首筋に噛み付くリカオンのように、トドメ
だとばかりにハルヒに禁断の言葉を突きつけた。
「涼宮さん。あなた、キョンのことどう思っているの? 聞かせてもらえないかしら?」
俺の体中から、何か嫌なものが吹き出してきて、ガマの油として売り出せそうな勢いなん
だが、いったいこれはどうした事だ。
だがハルヒは意外にも押し黙り、
「あ、あたしはキョンの事なんて……どうとも……思って……いないわ」
ハルヒはたどたどしくそう答えるのが精一杯だった。いつもの勢いがないのはどう言った
ことだろう?

だがそこまで答えたハルヒは、最後の抵抗とも言える質問を佐々木に投げつけた。
「佐々木さん、じゃあ聞くけど、あなたこそキョンのことどう思っているわけ? あ、親
友なんてのはなしだから、正直に答えてね」
ハルヒはそんなことを言っているが、佐々木には『親友』それ以外の答えがあるのか?
あいつは恋なんて精神病の一種だと言い切った女だぜ。お前と一緒でな。
しかし佐々木は、俺がこれまでに見たことのないような逡巡と、動揺ともとれる表情の変
化を見せ、仄かに頬に朱が差して見えたのだ。

「わたし、わたしは……キョンのこと……」
そこまで言いかけたとき、今まで静観していたミヨキチが突然口を開いた。
「あ……あの!!」
一瞬で静まりかえるハルヒと佐々木。そして唖然としながらここにいる全員がミヨキチに
注目した。
「ミヨキチちゃんなあに?」
「わ、わたしもあります!」
なにが?

「わたしもお兄さんとキスしたことがあります!!」

「ええーー!?」

見事にハモる俺たちの驚愕の声。いったい何度目だ?
焼けつくような非難の視線を重機関銃のように俺に乱れ打ちするハルヒと佐々木。
そのロリコンを見るような眼はやめてくれ。俺はノーマルだから。

ミヨキチはこれ以上ないという赤くした頬をしながら、
「あの、わたしもお兄さんの寝顔を見ていたら、押されて……」
押されてって、妹にか?
おとなしくうなずくミヨキチ。


87 :スクウェア・ラブ:2007/05/05(土) 22:11:55 ID:t1NnuJHr
佐々木だけでなくミヨキチまでとは、妹のやつ……。

―――常習犯かよ!!

だが衝撃の事実に口もきけない俺達。
それにどうしてこのタイミングにミヨキチが突如として告白したのか、その意図が掴みか
ねた。
だがハルヒは石化が解けたようにゆっくりと口を開き、
「あんた、いったいどういことよ。このロリキョン!」
「キョン、僕は人の趣味についてとやかく言うつもりはないが、犯罪はよしたほうがいい
よ」

さっきまでいがみ合っていた二人とは思えないほどの見事な連携攻撃。
「いや、だから不可抗力だと言っているだろ?」
そんな二人の前に立ちはだかるようにミヨキチが俺の前で、
「お兄さんを責めないでください。わたしはその、気にしてないと言ったら嘘になるかも
しれませんけど、不可抗力ですし、それに決して嫌だなんて思っていません。むしろ……
いえ、なんでもありません!」

ミヨキチは真っ赤になったまま、妹とともに部屋の外に出て行ってしまった。
ハルヒと佐々木はミヨキチのそういった様子を見つめていたが、不意に俺を睨みつけた。
なんだ、俺を責めるようなその視線は?
だがハルヒは緊急停止した原子炉のように急速に熱が冷めた表情になり、
「ふう、なんだか白けちゃったわね。もういいわ。キョン、罰ゲームは貸しにしといてあ
げるわ。この辺でお開きにしましょうか?

何だかわからないが救われた気分だ。
ミヨキチには感謝してもしきれないな。今度お詫びを兼ねて何か御馳走してやろう。

だが、もしあのまま二人のいさかいが続いていたとしたら、佐々木はなんて答えたんだろ
うな。




10分後、俺は撤退する敵軍を物見に立った斥候のようにハルヒを見送った。
そして俺は佐々木を家まで送るため自転車の荷台に彼女を乗せた。
そして陽が傾きつつある中、ママチャリを漕ぎゆく。

「キョン、今日のことでひとつ思ったんだが、君は実に女性に振り回される人間だな」
そうだな。俺もそう思うよ。やれやれ、厄介なことだがな。
「そこでだ、キョン。僕は思うに、君のような人間には僕のような参謀役が必要だな。特
に涼宮さんのような人が相手では……」
「そうだな、できればずっと付いていてくれると助かるよ」

「キョン……それは……?」


88 :スクウェア・ラブ:2007/05/05(土) 22:13:56 ID:t1NnuJHr
「ああ、何しろお前は『親友』だものな」

「……キョン、自転車を止めてくれないか?」
俺が何か気に障ることを言ってしまったのか、佐々木はムッとしたような表情で、突然俺
に停車を命じ、さっさと降りた。
そして……、
「キョン、キミには責任を取ってもらわなければならないな」
責任? 何のだ?

「しらばっくれてもらっては困る。もちろん、僕の唇を奪った責任だ。それを取って欲し
い」
「ちょっと待て佐々木、お前もあの時、不可抗力といっていたじゃないか。それを今に
なってなぜ?」
「しかし、僕の唇を奪った事には変わりないだろう?」
唇を奪われたのは俺の方だと言いたかったが、佐々木の迫力に負けて言い出せなかった。
そしてやむなく佐々木に責任を取ると約束した。

「それではキョン、こういったのはどうだい?」

佐々木から提案された責任の取り方を聞いて、俺は大いに血の気が引いた。

再び俺の目の前に暗雲がたれ込めた事を感じつつ、頷くしかなかった。


終わり

**

以上です。タイトルは三角関係のさらに上の、四角関係のようなものだと思っていただければ
よろしいかと。
では。

佐々木スレ6-69 小ネタ

2007-05-06 | 佐々木視点のss

69 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/05(土) 21:20:13 ID:IrHdB6dW
中学生の頃「好きな人はいないの?」と事を聞かれる度に、
そんな人はいない、と答えていた。
ただ、いつも頭には彼の顔が浮かんでいた。
私と彼の間には確かに特別な感情が存在していた。
しかし、それは友情であって恋愛感情ではなかった。
お互いにそれ以上必要とはしていなかった。
卒業式の日、私達はごくありふれた挨拶だけで別れた。
私達の友情は変わらないとお互い知っていたから。
今でも時々「好きな人はいないの?」と聞かれる事がある。
私の答えはいつも変わらない。
そんな人はいない、と言っていた。
彼の顔を思い出しながら……。

そして、私達は再び出会った―――


中学生の頃「好きな奴いないのか?」と聞かれる度に
そんな奴はいない、と答えていた。
ただ、いつも頭にはアイツの顔が浮かんでいた。
確かに俺とアイツは一緒にいる事が多かった。
だが、そこに友情はあっても恋愛感情は無かった。
お互い恋愛感情が入り込むと友情が壊れてしまうと分かっていた。
卒業式の日、俺達はいつも通りに過ごして、そして別れた。
俺達の友情は変わらないとお互い知っていたから。
今でも時々「好きな奴いないのか?」と聞かれる事がある。
俺の答えは変わらない。
そんな人はいない、と言っていた。
ただ、思い浮かぶ顔はあの頃とは違っていた……。


そして、俺達は再び出会った―――


なんとなく書いてみた。
特にオチも続きもないww

佐々木スレ6-57 「さくら」

2007-05-06 | その他佐々木×キョン

57 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/05(土) 20:22:07 ID:MfIF6NPm
キョン以外とくっつくササッキーは考えたくないけど、どうにもこうにも実りそうに無い関係なのが辛いっす
ずっと思い出を引きずって彼女が駄目になりかねないのに、一途に想っている姿しか見たくないんだよな
ああ、最低な人間かも俺orz


58 :さくら :2007/05/05(土) 20:26:08 ID:/y7MO347
>>57
ケツメイシ「さくら」より佐々木視点でお送りします




世界に色なんてなかった。
今こうして見上げているソメイヨシノは、本来持ち得ているはずの淡い色彩を失い大きく美観を損ねている。
そう見えるのは私だけなのだろうけど。

セピア色の世界は見慣れた色彩となった。いや、「見慣れた」というのは大きな語弊がある。
私はまだ、この世界を受け入れられていない。
卒業から1年。キョンと別れてから二度目の春。思い返せば、私の色はあの時から薄れていったのだ。


さくらの花が散る。一片の花びらが大地へ舞い落ちていく。
記憶が舞い戻る。一枚の花弁が舞うたびに、キミを思い出す。


橘さんと落ち合う場所は、公園の入り口を予定している。
時間まで1時間の猶予が残されているが、こんなにも早く待ち合わせ場所に赴いたのには私なりの理由というものがある。
あと少しで、私の凍てついた時間が融解する。かといってこの殺風景な世界には何の未練も無い。
最後に、止まってしまったあの頃を追憶したかっただけだ。ただそれだけ。
私の足は自然と、思い出にすがるように桜並木の奥へ向かっていく。


記憶とは所詮、過ぎ去った時間の1シーンでしかない幻。時流に身を委ねるうちに、不確かで不鮮明な形となり、いずれ消えてしまうほど儚いものだ。この桜のように。
咲き誇る姿を見せては刹那に花を散らし、若葉が映えては冬に裸となる。そうして、再び新しい蕾を宿しては開花する。
決して同じ花冠を咲かすことは無い。一度竺から離れてしまった花びらを、再び咲かせることはできないのだ。
これが人の記憶との符号点。日々蓄積されていく情報に、受け皿から押しのけられ零れ落ちていく。落ちたら最後、二度と読み返すことはできない。

私にはそれが耐えられなかった。彼と共に歩んできた証が消えることを、私の心が許さなかった。
何度も読み返した。何度も見続けた。何度も掘り起こした。
そうやって常に手元へ置いていた。端まで追いやられないように、思い出が消えてしまわないように。



59 :さくら :2007/05/05(土) 20:27:27 ID:/y7MO347



捨ててしまえば、どんなに楽になるだろうか。
昔日の二人を眺めて、この現実にいつも心を痛めていた。
私の隣に彼はいない、私の言葉が彼に届かない、私の想いは現実の前に霧散してしまう。
残酷な事実だけが、私の胸を無慈悲に穿ち続けている。

――忘れてしまえばいい。今からでも十分間に合うから

理性の訴えに、何度耳を傾けたことだろう。
恋愛なんて精神障害の一種、一時の感情に惑わされた気の迷い。自分自身にそう言い聞かせて、過去の虚像として割り切ろうとしていた。
けれど、結局捨てることができなかった。忘れることを心が頑なに拒んでいた。
捨てれば、私の世界は色を取り戻す。彼に縛り付けている鎖から開放される。
そのことを知りながらも、私は最後まで心に残すことを選んだのだ。

もう、私の拠り所としていた理性でさえ抑えることができないまでに成長した彼への思い。
でも……彼がいなければ、私の心が満たされることはない。

忘却することなどできない、許さない。
現実を受け入れることもできない、認めない。
そんな半端な気持ちでいたから、彼に連絡をとることもできずに月日を重ね、色付いていた世界から色彩が抜け落ちてしまったのだろう。



けど、それも今日で終わる。
だからこれは、私にとって最後の世界になるはずだ。


60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/05(土) 20:27:48 ID:0q6m7b7S
>>56
いやいや、そこでフラグクラッシャーが・・・・・・

「そういえば、今日は祭りがあったね。キョンは行くのかい?」
いやあ佐々木よ、塾の日と重なってると、さすがにそんな気にはならんぞ?
「そうだな、塾がいきなり休みになるとかすれば考えなくもないが、あいにくと俺と
お前が通う塾は今日も通常営業だったはずだ。学校で勉強し、塾でもそれほど
良くない頭を酷使し、そこから気分転換になるからといって祭りに出掛けるほど、
俺の体力も精神力のゲージは高くない」


61 :さくら :2007/05/05(土) 20:28:30 ID:/y7MO347



暖かい風が頬を撫でる。春の薫りというのだろう、あの独特ともいえる匂いが私の嗅覚を刺激した。
1年前と変わらない芳香、情景、春の靡き。登場する存在は一つだけを残して過去の景色と重なった。

ぽっかりと空いたまま、埋まることの無いたった一つの空白。どこにいても、何をしても喪失感が付き纏う日常。
気付いた時にはもう手遅れだった。無くしてしまったピースの代用など存在しないのだから。
だから、目を閉じて完成した絵を夢想する。失ってしまう前の、輝いていたあの日々を思い出す。
けど、その絵に触れることは叶わない。触れようと手を伸ばせばすり抜けていく過去からの幻に、今を生きる私が干渉できるはずがなかった。
視界を開けば、キミの姿は望んでいた景色から切り取られ、陽炎となってどこかに消えてしまう。
残る情景はセピアの写真。被写体が変わろうとも、彩りが元に戻ることはなかった。

別れてしまったあの日から、何も変わることが無かった私の世界。
散っていく桜に語りかけても、答えは返らない。
私の耳に響き、心に染み付いているキミの声、今はもう聞こえない。


62 :さくら :2007/05/05(土) 20:29:18 ID:/y7MO347



突然の頬をくすぐる刺激に、私は一瞬思考が凍結した。
それはまるで、指先が僅かに触れたように微かな感触だった。
振り返る――――わかってる、彼はここにいない。後ろから差し伸ばされた彼の手は幻想なのだと。
それでも希望が突き動かす。彼がここにいるのだという淡い期待が、私の冷静な理性を伏して体の行動権利を支配していた。

首を回らした先にキョンはいない。
ただ、私の肩に一片の花びらが舞い落ちていた。
摘んで目の前に掲げた。光源を遮ることもできないほどに薄い一枚の散華。
こんな小さなカケラですら彼と勘違いしてしまうほどに、私の心は病んでいるようだ。
恋愛とは、やはり精神障害だ。理屈を凌駕してメンタルを絶え間なく変動させるこの気持ちを、病気といわずして何と言おう。
でも、私は患ってしまった。あれほど彼に恋愛の非効率さについて説いていたというのに、いざこうして直面するとあらゆる理論すらも意味を成さないのだ。

目を閉じればキミに会える。傍にいる。そんな錯覚さえ信じてしまう。
その度に、嘗ての日常から移り変わった現実を思い知らされていたというのに。
私の視覚が、記憶が、心が、何度でもキミの姿を再生し続ける。
今となっては願おうとも戻ることができない眩しかった日々が、私を置いて目の前を通り過ぎていく。
走馬灯のように駆け巡る記憶の断片に、私の心は囚われたままだ。

それも今日が最後だ。
これから私は、もう一度キミとこの時間を共用するのだから。


63 :さくら :2007/05/05(土) 20:30:12 ID:/y7MO347



「――――佐々木さん」


ここ最近で聞きなれた声が、私の幻想を打ち砕く。
音源に視線を送れば、案の定橘さんが真剣な面持ちで立っていた。


「そろそろキョンさんが到着する時間です。行きましょう」


もうそんな時間なのかい?感傷に浸ってただけなのに、これほど時間が進むのを早く感じてしまうとは。
もっとも、そんなことは離れ離れとなったこの1年で痛いほど実感している。



私はこれから、偶然を装って彼に会う。そういう段取りになっている。

伝えたいことは幾らでもある。それでも私は、本心を語ることは無いだろう。
一人でいる時は何度も理性を打ち破っているというのに、彼の前では顔を覗かせることも無くなる。そんな気がするのだ。ここまでくると人格障害に近い。

少なくともまだ、私は"僕"として彼と接していくことになる。それはきっと辛い痛みとして私の心に重く圧し掛かってくるであろう。
それでも私は耐えられる。空洞ができたように中身の伴わないこの1年間と比較したら、どれほどの辛さになるというのか。
親友、それが私と彼との関係。キョンの認識においての私の立ち位置。
その場所に私がもう一度上がるだけ。それだけで私の世界は色を取り戻すはずだ。
セピアの情景は今日で終わる。時間はかかるかもしれないが、あの輝いていた時間を取り戻せるのならば苦にはならない。
その為に、私は彼に会うことを決心したのだから。



けれど――――もしこの気持ちが彼の前でも溢れ出してしまったら、私は一体どうなるのだろう?



未来への不安と期待が渦巻く心を落ち着けて、私は新しい世界に向けて歩み始めた。






佐々木スレ6-55 フラグクラッシャーk

2007-05-06 | フラグクラッシャーk

55 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/05(土) 19:55:55 ID:stihhL3c
そういや中3時代は祭りとか花火大会とか無かったんかね
浴衣姿で登場した佐々木にドギマギするキョンとか
内心超緊張してるササッキー


56 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/05(土) 20:06:55 ID:pW+UIEen
>>55
そういうのはあったと思うよ
二人で結構いろんなとこに遊びに行ってたと思う
祭りと聞いて某サイトの佐々キョンで祭りに行ってる絵を思い出した


60 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/05(土) 20:27:48 ID:0q6m7b7S
>>56
いやいや、そこでフラグクラッシャーが・・・・・・

「そういえば、今日は祭りがあったね。キョンは行くのかい?」
いやあ佐々木よ、塾の日と重なってると、さすがにそんな気にはならんぞ?
「そうだな、塾がいきなり休みになるとかすれば考えなくもないが、あいにくと俺と
お前が通う塾は今日も通常営業だったはずだ。学校で勉強し、塾でもそれほど
良くない頭を酷使し、そこから気分転換になるからといって祭りに出掛けるほど、
俺の体力も精神力のゲージは高くない」

佐々木スレ6-12 >>1乙

2007-05-06 | >>1乙

12 :名無しさん@お腹いっぱい。:2007/05/05(土) 13:52:54 ID:yjG539zR
>>1
「>>1お疲れ様、まぁコーヒーでもどうかな。もう6スレ目、一週間弱で1スレッド立っている
計算、でいいのかな? この書き込みのペースがそのまま維持されたと仮定して、来月
までに10スレに到達しそうな勢いじゃあないか、ここはお礼を言うところだね。感謝している。
そんな僕の感想は横に置いておくとして、だ。5スレは小ネタと長文SSが交互に来るメリハ
リの効いたスレッドだったように思う。鑑みてこの6スレ目はどんな風になるのだろう。とても、
そうとても楽しみだ。まぁもっとも、僕の親友たるキョン、彼のフラグクラッシャーぶりには磨
きが掛かっているのだろうけどね、ちょっと、泣けてきたよ。ねぇ彼にフラグを無視されたり、
クラッシュされないような旗を構築するにはどうしたらよいだろうね。よい知恵があったなら
僕に教えて貰えないだろうか」

 佐々木さんは少々お悩みのようです。