答案の書き方を教えてください。
そのように訊かれると,一瞬,戸惑う。
なぜなら,問題によって適切な書き方は異なるし,合格者の間でも異なるので,
「答案の書き方」を一概に答えることは困難だからである。
それでも,この質問はよく受け付ける。
そして,私自身の経験からしても,司法試験の学習上の最大のテーマは「答案の書き方」である。
そこで,今回は,法律の学習を始めたばかりの人向けに,憲民刑に通じる答案の書き方を解説しようと思う。
まず,答案の書き方は,説明型の問題(以下「一行問題」という。)と事例解決型の問題(以下「事例問題」という。)とで,大きく異なる。
法律を始めたばかりの人にとっては,一行問題の方がはるかに書きやすいのではないかと思う。
なぜなら,これは,中学校や高校で親しんだ「語句説明問題」の延長線上にあるからだ。
要するに,「論ぜよ」と言われている語句について,知っていることを書けばよい。
整理して書こうとすれば,その語句が何を意味するか(定義),付随する知識としてどのようなものがあるか,などを書いていくことになるだろう。
法律に関する「一行問題」においては,
定義→趣旨→要件→効果
の順で書くというのがお約束である。
これに加えて,適宜一般的に論ぜられる論点や,具体例などを付しながら論ずることができれば,実力を示すことができるだろう。
むしろ初学者になじみがないのは,事例問題だと思われる。
事例問題は,法律を使って紛争を解決することを求められる。
あえて近いものを挙げれば,既存の定義・定理を駆使して答えを導く数学だろう。
事例問題で問われているのは,①結論と,②そこに至る思考過程である。
②の出発点は,条文であり,自明の原理であり,争いのない定義である。
そして,ここから先については,「条文」すなわちその法律の特性によって,考え方が異なってくる。
憲法については,当該権利が憲法の条文によって保障されていると論じたならば,その次に当該権利に対する制約があるか,制約が正当かを論じて行くことになる。
制約の違憲審査は,遠く条文を離れ,広い意味での利益衡量の世界となる。
民法については,条文等の原則論によると不都合はないか,不都合を修正するための法的構成はないか,を論じて行くことになる。
もちろん,不都合がなければ,修正論に入らずに条文を適用して終わる。
刑法については,ひたすら条文(≒構成要件)にあてはまるかあてはまらないかを論じて行く。
あてはまれば原則として犯罪成立だし,あてはまらなければ犯罪不成立である。
その意味で,思考過程は簡単明瞭である。
ここに書いたことはあくまで,おおまかなものである。
ただ,必ず意識してほしいのは,「思考過程が訊かれているのだ。」ということである。
そのように訊かれると,一瞬,戸惑う。
なぜなら,問題によって適切な書き方は異なるし,合格者の間でも異なるので,
「答案の書き方」を一概に答えることは困難だからである。
それでも,この質問はよく受け付ける。
そして,私自身の経験からしても,司法試験の学習上の最大のテーマは「答案の書き方」である。
そこで,今回は,法律の学習を始めたばかりの人向けに,憲民刑に通じる答案の書き方を解説しようと思う。
まず,答案の書き方は,説明型の問題(以下「一行問題」という。)と事例解決型の問題(以下「事例問題」という。)とで,大きく異なる。
法律を始めたばかりの人にとっては,一行問題の方がはるかに書きやすいのではないかと思う。
なぜなら,これは,中学校や高校で親しんだ「語句説明問題」の延長線上にあるからだ。
要するに,「論ぜよ」と言われている語句について,知っていることを書けばよい。
整理して書こうとすれば,その語句が何を意味するか(定義),付随する知識としてどのようなものがあるか,などを書いていくことになるだろう。
法律に関する「一行問題」においては,
定義→趣旨→要件→効果
の順で書くというのがお約束である。
これに加えて,適宜一般的に論ぜられる論点や,具体例などを付しながら論ずることができれば,実力を示すことができるだろう。
むしろ初学者になじみがないのは,事例問題だと思われる。
事例問題は,法律を使って紛争を解決することを求められる。
あえて近いものを挙げれば,既存の定義・定理を駆使して答えを導く数学だろう。
事例問題で問われているのは,①結論と,②そこに至る思考過程である。
②の出発点は,条文であり,自明の原理であり,争いのない定義である。
そして,ここから先については,「条文」すなわちその法律の特性によって,考え方が異なってくる。
憲法については,当該権利が憲法の条文によって保障されていると論じたならば,その次に当該権利に対する制約があるか,制約が正当かを論じて行くことになる。
制約の違憲審査は,遠く条文を離れ,広い意味での利益衡量の世界となる。
民法については,条文等の原則論によると不都合はないか,不都合を修正するための法的構成はないか,を論じて行くことになる。
もちろん,不都合がなければ,修正論に入らずに条文を適用して終わる。
刑法については,ひたすら条文(≒構成要件)にあてはまるかあてはまらないかを論じて行く。
あてはまれば原則として犯罪成立だし,あてはまらなければ犯罪不成立である。
その意味で,思考過程は簡単明瞭である。
ここに書いたことはあくまで,おおまかなものである。
ただ,必ず意識してほしいのは,「思考過程が訊かれているのだ。」ということである。