サンズ・トーク

とあるバス停

夏の外房を車で流していると、とあるバス停前をよぎった。
昼下がり、空いている県道をバイクが走る。



勝浦の在の県道。一帯は、特にショッピングもなく、仕事場もなく、だから勤めようとする人たちは、市街地へ、首都圏へと出てゆく。そして帰ってこない。集落が過疎化しつづけ、高齢化が進む。
農業の人は軽トラックなどで動ける。運転免許に縁のない、身内のいない人は、1日数本の路線バスで買い物に行く。病院へ通院する。だから、路線バスは交通弱者にとっては貴重な足なのだ。

このバス停、草深いこの地の利用者にとっては、かけがえのないアクセス機能なのだろう。
バスをよりどころにする地元の人が、バス停をきれいに整備し、郵便ポストも配して整えている。
でもおそらくバス会社は発展性のない赤字路線で、持て余しているに違いない。

男はつらいよの寅さんを思い出す。
たまに帰ってきたやくざな寅さんが、とらやの身内と諍いを起こし、柴又の駅からまた出奔してしまう。残されたさくらは、おにいちゃん、行かないでと寅にすがる。
ここのバス停にだって、帰郷しずらい身内に縋りつきたいお年寄りの物語があるに違いないと思うのでした。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「とある話題」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事