「評論家」という最悪最低な職業の、更にその真似事

事象を己自身の価値判断で論じることはとても恥ずかしい事である。
ましてや一文にもならないのに書くなんてただのバカ

商店街の苦悩

2010-12-21 08:01:08 | 雑感
昨夜はTVタックルが放映されていました。
商店会の方も出ていたのですが、どうも意見がパネラーと噛み合わない気がしてイライラが募りました。
商店会の人は民主党政権は商店会の衰退に歯止めを掛ける方針を出していないと提議していただけなのに、補助金が欲しいのか、と問題を矮小化された感が高かった。
そしておきまりの「どこそこの商店会は成功している」「チェーンを入り込ませない」という自助努力論になってしまったのは残念でした。

商店街が抱える問題はいくつかあるのですが

1.大手流通とはそもそも仕入れ価格が違うので価格では太刀打ちが出来ない
2.大手流通はそもそも商品で儲けようとは思わない、商習慣が違う
3.問屋、市場がなくなり仕入れ先が無くなっている

などがあると思います。

1は分かりづらいと思います。
本来は良い物を安く仕入れるルートを探すのも商店の責任なので一方的に大手が悪いと言っているつもりはないのですが、大手はバイイングパワーを背景にして、現実の取引価格を無視した仕入れ値を設定できるので、公平な商習慣ではないこともあります。
最近の話ではサンマの不漁にも関わらず、事前取り決めの価格で縛り、仲買人に多大な負荷を与えたこともあります。
仲買は仲買で、さんまで損をしても、この先の取引を考えると損を被るのもやむなしとした事もあるのですが。
それにしても、このような商売に自営の商店は太刀打ちできません。

そして一番厄介なのは、仮に破綻しても大手は国が面倒を見てくれるのですが、商店はあくまで自己責任であると言うことでしょうか。
ダイエーやそごうの例を見れば一目瞭然です。
昨夜のTVタックルでも新聞記者だかが補助金が欲しいのか、と随分な事を言っていましたが、商店に補助なんて来ません。
ダイエーやらの大手流通の立て直しに巨額の税金が投じられても、です。

2はもっと深刻です。
大手の流通は商品の粗利が低くなってもテナント代で儲かるようになっているので、そもそも商店とは形態が違うのです。
その上商品もできるだけ経費が掛からないように人件費が少なくなるようにしているので、給料を貰う人が減る、即ち商品を買う総体の量が減ってしまうことになり、ますます小さな商店にはお客がこないことになります。

そこで、政府の出番なのですが。
政府は口を開けば「デフレ対策」と言いますが、やっている事はデフレ推進です。
というのも、公正取引委員会はメーカーが価格を保持するような商売をしても(取引先を守るため)、それは消費者保護の原則に外れると指導や調査に来ます。そして価格を自由に設定できるようにしてしまいます。
やっている事は積極的なデフレ推進なのに、デフレ対策で金を使っても意味はないでしょう。
メーカーも公取委の指導が入ればイメージが悪くなるのでオープン価格との表記しかできなくなり、結果、商品の適正価格が無くなってしまうことになります。
商店が適正な価格で売ろうとしても、スーパーの卵みたいに儲からなくても数で粗利を確保、みたいな商売をされる所に敵うはずはありません。
ここまでなら消費者保護ですけど、現実は雇用の悪化に拍車を掛けるだけです。
メーカーも売り手も経費削減で人を雇わなくなりますし、経費を削減すると言うことは経営に関する設備や消耗品の買い控えにも繋がりますので、結局の所景気の悪化に加えて税収が減る訳で、なんのことはない、国は消費者保護という名目で消費者を窮地に陥れているだけだとしか思えません。

3は既に今更かも知れません。
かつて日本は優秀な品が多かったです。
それは消費者の手に渡る前に、問屋と商店が共に目利きを問われたからです。
変な物を売るのは売り手の暖簾に傷がつきますので、それは禁忌でした。
しかし、今は下手すると派遣やアルバイトが本部から来た商品を陳列しているだけの時もあります。
ミートホープの商品に疑問が持たれなかったのも納得です。
最近でも真綿布団(絹のわたを使った布団)の中身が綿だったという話もありましたが、布団屋さんにその商品を見て貰ったら即「綿ですね」と判定されました。
こんな甘アマな商売が、それでも消費者に支持されるのですから由々しきことです。

近い将来、本当に質の良い商品は日本では消費されず、日本人は中国人も買わないような劣悪なコピー商品ばかり消費する時代になるのでは、と懸念しております。

そのためにも、商店街にはもっと頑張って貰いたいと、一商店主としても心から思うのですが。


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