鮎毛バリ釣りと金沢サクラマス情報その2

金澤孔雀鮎毛バリ本舗 「けばりや中山」
加賀伝統工芸研究所 ・毛バリ部門

アユを呼び戻した「手取川」

2009-11-01 11:09:00 | 「魚道」と「河川整備」の問題点と対策案
アユを呼び戻した「手取川」
手取川は、平成5年に
手取川の白濁で鮎の平均釣果0匹でした。


その原因かは判りませんが、
手取川の源流沢で、土石流が発生しました。
白山登山道の出発点、別当出会から最初に渡る吊り橋も
落ちてしまいました。
白山の登山道になっている砂防新道の砂防が崩れて
手取川ダムの水が、火山灰土で白濁してしまいました。

砂防ダムの監視カメラの映像が
何度もテレビ放送されました。
ダムの水にさらに打撃を与えたのは、
2004年土石流で破壊された別当出会の吊り橋

写真は、北國新聞より

○白濁した手取川の水を飲料水にするために使われた薬剤
県の水道水の浄水場の沈殿池で使われた
1年間の白濁沈殿薬品代金が約8000万円だった。
最低10年間は、手取川の水が白濁していたので、
8億円が県税で支払われた。

手取川ダムの吐き水の真下に、
石川県の浄水場の取水口があります。
 
沈殿された泥は産業廃棄物です。
産業廃棄物の上澄液を飲料水として
飲まされていました。

土石流後、手取川から鮎の姿が消えてしまいました。
平成15年まで10年間、手取川ダムに沈殿した
火山灰土を排出ぜず、白濁したダムの底水を
少しずつ流し続けて、鮎師から×印を出されました。

ダムの白濁した底水を積極的に排出作業が行われました。

ダムの底水を流し終えた後、鮎が増え始めました。
遡上鮎を増やす産卵場所を整備する事業にも取組み、
試行錯誤の結果、鮎が遡上するようになりました。
今年は、天然遡上の鮎が300万匹遡上しました。
全国から鮎釣りに来られました。

漁協や釣師の協力で、鮎が手取川に戻ってきました。
釣師も戻ってきました。

しかし、2009年7月豪雨があり、
またもや火山灰土が、手取川ダムに入りました。
手取川ダム、手取川第2ダムから白濁した水を
吐き水から増水し流し続けて、
8月20日頃まで流し続けました。

水が澄んでから、20センチメートルを超える鮎が
釣れ続けました。
以前ならば、数年かかる廃土作業を2ヶ月で終了しました。

鮎は、綺麗な川に優先的に遡上してきます。
増水の度に海に流された鮎は、
水が早く澄む河川に遡上します。

澄んだ水が流れる川にする事で、鮎が川に戻ってきます。

「町おこし」

鮎を釣る
鮎が川にいなければ、鮎は釣れません。
鮎が沢山遡上すると、全国から鮎を求めて
釣り人が集まります。

鮎は、今は無視されている里川に生息しています。
里川にある中産間地は、国土の8割です。
知り合いが、中産間地が疲弊していると言っていました。

中小河川でも、鮎が遡上して鮎が釣れます。

平成5年以後
アユが釣れなくて、困っていた時に
高橋博士の講演会に参加したした漁協の関係者が、
講演会が終った後に、急遽、博士を自動車に乗せて
懇願して手取川を案内しました。

疲弊した川を元に戻すのには、時間もお金も掛かります。
しかし、素人が0(ゼロ)から考えていては遅すぎます。

即、行動。
博士を現場に案内して意見を求めた。
講演した内容が、高知県の河川であったが、
気候の異なる北陸で成功するかは、
やってみないと分からない。

即実行
産卵場を複数条件を違えて作成しても、
成功するとは限らない。
成功するかしないかは、実験しないと分からない。

さまざまな条件の下で、失敗を繰り返すことで模索する。
方針に沿って実行するのは、地元の人。

地元のやり方と専門化の意見の融合で、
新しい方法が確立される。

ダムから流れる水の問題もある。

ダム管理者は、漁協の意見は無視する。
科学的な根拠がない限り、無駄なお金は使わない。

しかし、博士の意見には、耳を貸す場合もある。

最先端のアユが育つ河川整備を指導して頂ければ、
アユが河川に戻ってくるかもしれない。

博士の書いた本

○「ここまでわかったアユの本」
著 者 :高橋勇夫(たかはし いさお) 農学博士
     東 健作(あずま けんさく) 農学博士
○最新刊
テンネンアユガソダツカワ
「天然アユが育つ川」

高橋 勇夫【著】
築地書館 (2009/08/15 出版)


川に鮎がたくさんいたのは、ほんの数十年前のことです。
川に生活ゴミを捨てなくなり、下水処理施設が完備され、河川整備が進み安全に暮せるようになって川に鮎や鮴がいなくなりました。

数十年で壊した川を元に戻すには数十年かかります。
元に戻す行動は、少しづつ始めないと元にもどりません。
できることから始めましょう。
次の年代の人は、川に魚がいない今しかしりませんので、
元に戻すことは困難です。

自然の循環を大きな流れでとらえて、支障になる事を減らしていきましょう。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする