脳内機長のフライトログ

「脳内機長のフライトログ」の記事置き場です。

旅客機のお食事

2010年03月02日 22時42分03秒 | Microsoft Flight Simulator
ど~も~。脳内機長でぇーす。

脳内機長の愛車、本日ガソリンを入れてきました。
「ガソリン満タンはいりまぁーす!。」まるで愛車が、ガソリンをノズルから「ゴクゴク」飲んでいるみたい。
「げっぷぅ~。」と言ったか言わないか。「毎度ありがとうございますぅ!。」
本日は、「航空機の燃料関係」の話なぞ・・・・・。

脳内機長の愛機「B747-400」はエンジンが4つ。飛行中は、4羽の雛が口を「パクパク」開けて「エサ、
ちょうだい!」状態。せっせとエサを運ぶ親鳥がいないと仕事しないぞ。


=その1 旅客機の燃料タンクの構造=

一般的な旅客機は燃料タンクを主翼内に持ってます。大型旅客機では、通称「インテグラル・タンク」と呼ばれ、
翼の中央部を構成する箱型の構造部材であり「トーション・ボックス」や「トルク・ボックス」とも呼ばれて
います。
主翼内のインテグラル・タンクは主なタンクとして片側それぞれに2つほどのメインタンクと翼端側に1つのリザーブ
タンクを持つものが多く、最翼端部には燃料ダンプ用のタンクを備える機体が多いです。また、中央翼内にセンター・
タンクを持つものも一般的であります。センタータンクのような胴体内の燃料タンクは壁面を2重にして、たとえ
漏洩が起きても機体内に溜まらないよう設計になっています。
長距離路線用の機体では主翼だけでなく水平尾翼の中にもインテグラル・タンクやスタビタンクとも呼ばれる燃料
タンクを持つものがあり、調整式安定板では機体内で水平尾翼同士を結ぶ中央部分もタンクになっています。
タンク間は、配管によって接続され、ポンプによって燃料を移送することで重心位置の調整やエンジン停止時の
燃料配分の変更が行えるような構造です。
また、上空を飛行中は機外温度がマイナス30-50℃にもなるため、何も対策を講じなければ燃料内にわずかに含まれる
水が析出して氷となり、燃料供給系内の狭部を詰まらせる恐れがあります。これを防ぐために燃料タンク内には
エンジン圧縮機の高圧段からの抽気による温風等(ブリード・エア)を通すパイプによって、燃料は概ね10℃ 程度
より冷えないように保温されています。


=その2 燃料の意外な使い道=

B747-400 が搭載出来る「最大燃料搭載限度」は全部のタンク合わせて 175 トン。燃料の重さはバカになりませんで、
燃料を搭載したインテグラル・タンクのおかげで、No1 及び No4 エンジン(外側のエンジンってこと)は通常より
1m も下がってしまいます。ですが、これが飛行に重要な要素となります。
まず、燃料は主翼内のインテグラル・タンクに搭載されます。これにより主翼に「下向きの力」をかけます。
これを主翼の先端のタンクより付け根のタンクという順番に燃料を使用します。主翼先端のタンクが「カラ」になる
ことにより、主翼が外に反り返りやすく(丁度バンザイをする姿になる)揚力が得やすくなり、付け根のタンクの
燃料により、翼に掛かる加重を受けやすくなります。


=その3 旅客機の給油=

通常燃料補給は、ポンプ車が飛行機の主翼左側に来て駐機場地下に埋設された「燃料配管」より給油します。
地下配管設備の無い空港では、タンクローリーにて給油します。当然両者は、グラウンドにアースされ、静電気に
よる火災を防止します。
ポンプ車の能力は、毎分 3,600 リットル!!。それでも平均 25 分の給油時間がかかります。


=その4 燃料の内訳=

B747-400 の燃費は、タキシング時(エンジンを始動してから離陸するまでに使う燃料)がおよそ1トン、離陸時の
最大値で8トン毎時×4基で 32 トン毎時、高度 30,000 フィートで4トン毎時×4基で 16 トン毎時、 31,000
フィート巡航時で3トン毎時×4基で 12 トン毎時になります。

燃料は、飛行に必要な燃料(バーンオフ燃料)以外に、上記の「タキシング燃料」と「予備燃料(リザーブ燃料)」を
計算して積んでいます。「予備燃料とは」

①オルタネート(代替)燃料
天候不良や事故等で目的地の空港に着陸できない場合に使う、代替空港(飛行計画時に指定される)まで飛行
できる分の燃料。

②コンティジェンシー(補正)燃料
予め計算してあったバーンオフ燃料に差が出てしまった場合(急な天候変化など)に使用するための燃料。
通常は、目的地までの飛行時間の約10%分を搭載します。

③ホールディング(待機)燃料
代替空港付近上空で約30分間飛行できる分(約10000ポンド)の燃料。

④エキストラ(臨時)燃料(場合によって)
天候などで運行が不確定の時に余分に搭載する燃料。

⑤ストアド(貯蔵)燃料(到着空港によって)
目的地で燃料を補給できない場合(給油設備がない等)に搭載。

になります。


=その5 緊急事態発生!=

もし、機体に「重大な事態」が起き、離陸空港に引き返す場合は、燃料を空中投棄します。(関連記事は
2月7日「止まれ・・・・・!」参照)主翼端部に「ジェティソン・ノズル」(燃料投棄ノズル)があり、
毎分2トン!のスピードで燃料を投棄出来ます。燃料投棄は、影響の無い「海上」にて行い、投棄された
燃料はほとんど「気化」してしまうそうです。

では、実際どのくらいの燃料搭載量が必要か・・・・・?これには、簡単に説明の付かないある「係数」が
あります。この続きはまた明日。(・・・・・に書けるかなあ?)


愛車のタンクは「満タン」、脳内機長の財布は「カラ」!! (T_T)

by 脳内機長