あなた
また
雪が降り積もりました
白の世界が
淋しいくらい
閑かです
時どき
排雪車が
大きな
音を残して
去って行く
如月って
本当に寒い
平安時代の
「清少納言」の
「冬」では
火など急ぎ熾して、炭持て渡るも、いとつきづきし
云々……
お茶のとき
炉に炭を熾し
ひと点前が終わった頃
尉になって…と……
所作一つひとつに
意味があって
そんな世界が
わたしは好き…
人生と同じ
あなたが居なくなって
わたしは
身体が悪くなって
と
色々あって…
止めてしまったお茶です
が…
こうして
古い本を繙き
昔を忍ぶと
心の中で大きな
波が騒めいています
大島紬を着て
博多帯をきつくキリっとしめると
いつの間にか
背筋もシャンと伸び
結界を越えない
わたし…になっている
何をやめても
この世界からは…
抜けられない…
雪は静かに舞ってます