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『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

炭火を熾し 尉になって…それを眺めるのが好きです

2020-02-10 12:57:20 | Weblog

                     

       あなた
     また
     雪が降り積もりました

     白の世界が
     淋しいくらい
     閑かです

     時どき
     排雪車が
     大きな
     音を残して
     去って行く

     如月って
     本当に寒い

     平安時代の
     「清少納言」の
     「冬」では
     火など急ぎ熾して、炭持て渡るも、いとつきづきし
     云々……

     お茶のとき
     炉に炭を熾し
     ひと点前が終わった頃
     尉になって…と……

     所作一つひとつに
     意味があって
     そんな世界が
     わたしは好き…
     
人生と同じ

     あなたが居なくなって
     わたしは
     身体が悪くなって
     と
     色々あって…
     止めてしまったお茶です

     が…
     こうして
     古い本を繙き
     昔を忍ぶと
     心の中で大きな
     波が騒めいています


     
大島紬を着て
     博多帯をきつくキリっとしめると
     いつの間にか
     背筋もシャンと伸び
     結界を越えない
     わたし…になっている

     何をやめても
     この世界からは…
     抜けられない…

     
     雪は静かに舞ってます