あなた
雨はやみました。
陽は出ることなく寒い…
「カタクリ」が顔を出しても、寒さで花開くことなく重いくびを
下に向けたまま。
可哀想に。
グズグズと寒さが続き、春が来ない。
「花冷え」と言ったら、いいのかな?
春の優しい暖かさが戻ってくると、時の花と言われる幾種類もの花が、
一斉に咲き誇るであろうに…
今年の初花「クロッカス」ほかの花が咲いても未だにヒッソリと
可愛いく咲いて。
曇り空は似合わない春の日。
寒くってもツツジの花だけ咲いて…
淋しい庭を彩ってくれて…
風がでたのか、ツツジの花が揺れて、散ってしまいそう。
『ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためし
なし。』 鴨長明
方丈記冒頭部分、この冒頭部分が平家物語と重なりあって…
世の儚さ、無常さを、しみじみ噛みしめさせられる。
あなた
明日は晴れるといいね…