『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

「カタクリ」の花が寒さに首を下げたまま、固くとじ……咲けないで。

2015-04-16 14:57:16 | Weblog

                        

   あなた

 雨はやみました。

 陽は出ることなく寒い…

 「カタクリ」が顔を出しても、寒さで花開くことなく重いくびを

 下に向けたまま。

 可哀想に。

 グズグズと寒さが続き、春が来ない。

 「花冷え」と言ったら、いいのかな?

 春の優しい暖かさが戻ってくると、時の花と言われる幾種類もの花が、

 一斉に咲き誇るであろうに…

 今年の初花「クロッカス」ほかの花が咲いても未だにヒッソリと

 可愛いく咲いて。

 曇り空は似合わない春の日。

 寒くってもツツジの花だけ咲いて…

 淋しい庭を彩ってくれて…

 風がでたのか、ツツジの花が揺れて、散ってしまいそう。

 

 『ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。

 淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためし

 なし。』  鴨長明

 方丈記冒頭部分、この冒頭部分が平家物語と重なりあって…

 世の儚さ、無常さを、しみじみ噛みしめさせられる。

 あなた

 明日は晴れるといいね…