私がリワークに通っていた最終日(9/30(火))に「精神疾患について -うつ病を中心に-」というタイトルで、
講座が開かれました。
今日の内容は大真面目で、ちょっと重く長い内容です。
興味のある方は、ご覧くださいね。
1.精神疾病の国際疾病分類(ICD-10)
(WHO世界保健機構が作成した、疾病及び関連保健問題の国際統計分類の2003年改訂版)
の中では、F30-F39 気分[感情]障害に分類されます。
その中に、「うつ病」「双極性感情障害(躁うつ病)」「気分変調症」が含まれています。
2.世界の精神障害者数
だいぶ古いデータですが・・・
WHO調査(1986年) 世界人口49億人のうち
・神経症 1.4億人(2.9%)
・気分障害(感情障害) 1.2億人(2.4%)
・精神発達遅延 1.1億人(2.2%)
・統合失調症 0.56億人(1.1%)
・てんかん 0.45億人(0.9%)
・痴呆疾患 0.3億人(0.6%)
ということで、うつ病などの気分障害(感情障害)は、世界中で見られる、ありふれた病気とのことです。
3.「うつ病」と「うつ状態」
うつ状態を呈する疾患は様々あります。
・うつ病
・双極性感情障害(躁うつ病)
・気分変調症
・アルコール依存症 etc
うつ病 ≠ うつ状態 なのです。 うつ状態の方が範囲が広いのです。
4.気分障害の有病率
生涯有病率 時点有病率
①うつ病 男性 5~12% 男性 2~3%
女性 10~25% 女性 5~9%
②双極性感情障害 約 1%
(躁うつ病) (男女差なし)
③気分変調症 約6% 約3%
やはりありふれた病気のようで、割合はとても高いですね。
うつ病を生涯有病率で見ると、男性で、10人に1人、女性で、5人に1人がなるようです。
5.うつ病の診断基準(ICD-10)
<主症状>
・抑うつ気分(気分が落込む)
・興味と喜びの喪失
・活力の減退(疲労感の増大、活動性低下)
<他の症状>
・集中力と注意力の減退
・自己評価と自信の低下
・罪責感と無価値感
・将来に対する希望のない悲観的な見方
・自傷あるいは自殺の観念や行為
・睡眠障害
・食欲不振
これらの症状が2週間以上続く時、うつ病と判断されるそうです。
6.うつ病の原因
・まだはっきりわかっていない。脳の神経伝達物質が関係しているようだが・・・
・発症に影響する要因 ストレス、体質(今まで育ってきた環境も含めて)etc
・うつ病の原因を追究するよりも、状態の改善に何が出来るのかを考えたほうが良い!
7.うつ病の急性期の治療
①休養
・軽症の場合は、仕事を休む必要がないことも多い。大事!
・仕事のペースを落とし、充分な睡眠・休養をとるように心がける。
②薬の内服
・坑うつ薬が中心
③可能であれば、環境調整
仕事の負荷の軽い部署へ異動させてもらう etc
8.うつ病の治療に使われる薬
①坑うつ薬 種類は複数あるが、効き目にあまり違いはない。副作用の違い。
三環系坑うつ薬
四環系坑うつ薬
SSRI
SNRI
②坑不安薬
③睡眠薬
④その他の薬
⑤坑うつ薬に関する注意点
・効果が現れるまでに時間が掛かる。効果発現に2~4週間かかる。
・急に中止したり、減らしたりしないこと。
自分の判断で急に中止したり、減らしたりしないこと。必ず主治医と相談すること。
⑥うつ病は、良くなったり悪くなったりしながら、少しずつ良くなるが、
回復しても、良い日もあり、悪い日もあるのが普通である!!
9.うつ病相の再発
①うつ病は、再発しやすい病気!!
1度うつ病相を経験した人 ⇒ 60%以上が再発、
2度だと70%、3度だと90%に増える。
②再発しやすい条件
・再発を繰り返している。
・症状が残存している。
・早期の薬物の中断
③うつ病の再発の予防
1)薬物療法の継続
坑うつ薬には、再発リスクを下げる効果がある。
・症状が治まった後も、数ヶ月間は、同じ量の坑うつ薬を内服した方が良い。
・再発リスクが高いと思われる場合には、もっと長期間の内服を維持した方が良い場合もある。
2)認知療法
うつ状態になりやすい考え方がある。しかし、認知療法を使うことで、
その考え方を変えることは出来る。
3)ライフスタイルの見直し
人生全体を見渡して、優先順位を考え直してみましょう!!
10.双極性感情障害(躁うつ病)
1)躁状態の症状
<気分の高揚>
多幸感、陽気、楽観的、気分が移ろいやすい、いらいら、怒りっぽい行動、
過活動、注意力散漫、脱抑制、睡眠時間の減少・・・
<思考・感覚>
誇大的、考えがどんどん移り変わる
<病識>
乏しい(病気と思っていない)
「調子がよい」と感じる時は、要注意!!
2)躁状態(急性期)の治療
①早く治療を始めることが重要!!
②状態によっては、入院が必要になることもある。
③薬物療法
・気分安定薬 (躁状態、うつ状態ともに波を小さくする働きがある)
・その他の薬
3)双極性感情障害(躁うつ病)の再発予防
①薬物療法
気分安定薬
②再発の兆候に気付く
・眠らなくても疲れない
・活動の活発化
・思考が変わりやすくなる
・気分の高揚
・イライラしやすくなる。怒りっぽくなる。
・非現実的な計画
・浪費傾向 など
自分で活動をセーブすること!!
③認知療法
ということで、リワークの最後のプログラムは、大真面目でかつためになる内容でした。
みなさんも「いいとこどり」して、参考にしてくださいね。
復職 5日目 です。
良ければ、クリックをお願いします。

講座が開かれました。
今日の内容は大真面目で、ちょっと重く長い内容です。
興味のある方は、ご覧くださいね。
1.精神疾病の国際疾病分類(ICD-10)
(WHO世界保健機構が作成した、疾病及び関連保健問題の国際統計分類の2003年改訂版)
の中では、F30-F39 気分[感情]障害に分類されます。
その中に、「うつ病」「双極性感情障害(躁うつ病)」「気分変調症」が含まれています。
2.世界の精神障害者数
だいぶ古いデータですが・・・
WHO調査(1986年) 世界人口49億人のうち
・神経症 1.4億人(2.9%)
・気分障害(感情障害) 1.2億人(2.4%)
・精神発達遅延 1.1億人(2.2%)
・統合失調症 0.56億人(1.1%)
・てんかん 0.45億人(0.9%)
・痴呆疾患 0.3億人(0.6%)
ということで、うつ病などの気分障害(感情障害)は、世界中で見られる、ありふれた病気とのことです。
3.「うつ病」と「うつ状態」
うつ状態を呈する疾患は様々あります。
・うつ病
・双極性感情障害(躁うつ病)
・気分変調症
・アルコール依存症 etc
うつ病 ≠ うつ状態 なのです。 うつ状態の方が範囲が広いのです。
4.気分障害の有病率
生涯有病率 時点有病率
①うつ病 男性 5~12% 男性 2~3%
女性 10~25% 女性 5~9%
②双極性感情障害 約 1%
(躁うつ病) (男女差なし)
③気分変調症 約6% 約3%
やはりありふれた病気のようで、割合はとても高いですね。
うつ病を生涯有病率で見ると、男性で、10人に1人、女性で、5人に1人がなるようです。
5.うつ病の診断基準(ICD-10)
<主症状>
・抑うつ気分(気分が落込む)
・興味と喜びの喪失
・活力の減退(疲労感の増大、活動性低下)
<他の症状>
・集中力と注意力の減退
・自己評価と自信の低下
・罪責感と無価値感
・将来に対する希望のない悲観的な見方
・自傷あるいは自殺の観念や行為
・睡眠障害
・食欲不振
これらの症状が2週間以上続く時、うつ病と判断されるそうです。
6.うつ病の原因
・まだはっきりわかっていない。脳の神経伝達物質が関係しているようだが・・・
・発症に影響する要因 ストレス、体質(今まで育ってきた環境も含めて)etc
・うつ病の原因を追究するよりも、状態の改善に何が出来るのかを考えたほうが良い!
7.うつ病の急性期の治療
①休養
・軽症の場合は、仕事を休む必要がないことも多い。大事!
・仕事のペースを落とし、充分な睡眠・休養をとるように心がける。
②薬の内服
・坑うつ薬が中心
③可能であれば、環境調整
仕事の負荷の軽い部署へ異動させてもらう etc
8.うつ病の治療に使われる薬
①坑うつ薬 種類は複数あるが、効き目にあまり違いはない。副作用の違い。
三環系坑うつ薬
四環系坑うつ薬
SSRI
SNRI
②坑不安薬
③睡眠薬
④その他の薬
⑤坑うつ薬に関する注意点
・効果が現れるまでに時間が掛かる。効果発現に2~4週間かかる。
・急に中止したり、減らしたりしないこと。
自分の判断で急に中止したり、減らしたりしないこと。必ず主治医と相談すること。
⑥うつ病は、良くなったり悪くなったりしながら、少しずつ良くなるが、
回復しても、良い日もあり、悪い日もあるのが普通である!!
9.うつ病相の再発
①うつ病は、再発しやすい病気!!
1度うつ病相を経験した人 ⇒ 60%以上が再発、
2度だと70%、3度だと90%に増える。
②再発しやすい条件
・再発を繰り返している。
・症状が残存している。
・早期の薬物の中断
③うつ病の再発の予防
1)薬物療法の継続
坑うつ薬には、再発リスクを下げる効果がある。
・症状が治まった後も、数ヶ月間は、同じ量の坑うつ薬を内服した方が良い。
・再発リスクが高いと思われる場合には、もっと長期間の内服を維持した方が良い場合もある。
2)認知療法
うつ状態になりやすい考え方がある。しかし、認知療法を使うことで、
その考え方を変えることは出来る。
3)ライフスタイルの見直し
人生全体を見渡して、優先順位を考え直してみましょう!!
10.双極性感情障害(躁うつ病)
1)躁状態の症状
<気分の高揚>
多幸感、陽気、楽観的、気分が移ろいやすい、いらいら、怒りっぽい行動、
過活動、注意力散漫、脱抑制、睡眠時間の減少・・・
<思考・感覚>
誇大的、考えがどんどん移り変わる
<病識>
乏しい(病気と思っていない)
「調子がよい」と感じる時は、要注意!!
2)躁状態(急性期)の治療
①早く治療を始めることが重要!!
②状態によっては、入院が必要になることもある。
③薬物療法
・気分安定薬 (躁状態、うつ状態ともに波を小さくする働きがある)
・その他の薬
3)双極性感情障害(躁うつ病)の再発予防
①薬物療法
気分安定薬
②再発の兆候に気付く
・眠らなくても疲れない
・活動の活発化
・思考が変わりやすくなる
・気分の高揚
・イライラしやすくなる。怒りっぽくなる。
・非現実的な計画
・浪費傾向 など
自分で活動をセーブすること!!
③認知療法
ということで、リワークの最後のプログラムは、大真面目でかつためになる内容でした。
みなさんも「いいとこどり」して、参考にしてくださいね。
復職 5日目 です。
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