眉山のふもと

徳島のくらし

西日本新聞記者のフフホト取材

2020-10-26 11:45:41 | フフホト

内モンゴル、奪われる言葉と誇り…「漢語教育強化」当局の弾圧厳しく

中国の内モンゴル自治区をはじめ6省・自治区の少数民族が通う小中学校で今秋から、モンゴル語など少数民族言語を使う授業を大幅に減らし、標準...

西日本新聞ニュース

 


10月26日の西日本新聞の記事です。
監視が強まる現地に入っての勇気ある取材です。
上の画像をクリックしてぜひお読みください。
2ページ目に自治区出身で現地情勢に詳しい楊海英・静岡大教授(歴史人類学)インタビューがあります。

感動した部分を下にコピペさせていただきました。

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当局の監視をかわし、フフホトに住む女性教員から証言を得ることができた。

 彼女によると、9月に教育改革が始まる前後、保護者や教員らが抗議の声を上げ、子どもたちは授業をボイコットした。地元放送局の従業員約300人もストライキを起こして抗議した。

 警察はデモに参加した保護者ら100人以上の顔写真をインターネット上に公開。出頭を呼び掛けたり、1人千元(約1万5800円)の懸賞金付きで情報提供を求めたりして摘発に乗り出した。「違法な抗議活動をした」「ネットで人々を扇動した」として、当局がウェブサイトなどに公表している分だけで、9月下旬までに少なくとも170人以上が逮捕された。

 会員制交流サイト(SNS)のモンゴル語のチャットグループは突然閉鎖され、子どもを登校させない家庭への懲罰も実施された。公務員は解雇され、牧畜業の親への補助金は打ち切られた。登校しない生徒は退学処分になった。一方で、子どもの登校率が高い地域には2万元(約31万5千円)の報酬が給付された。

 体調不良を理由に子どもを休ませた親もいたが、「内モンゴルに安全な場所はありません」と女性教員は訴える。「監視カメラが各地にあり、携帯電話やメールの交信はすべて当局に監視されています。密告も推奨し、抗議活動は2週間でほぼ鎮圧されました」

 悲嘆に暮れて自ら命を絶つ人も出た。9月4日には西部のアルシャーで女性公務員(33)が、13日にはモンゴル国との国境近くのエレンホトで女性教員が自死した。「彼女たちの死や政府のやり方をどう受け止めるか。モンゴル族でも、教育改革の影響を受ける子どもがいる家庭かどうかで温度差がある」と指摘する。親族で意見が分かれたり、漢族の夫と不仲になったりした人もいるという。

 モンゴル族の友人は、漢族と同等の立場を得るため中国語を学び、医師になって漢族の夫と結婚した。少数民族の出自を消したいとすら思ってきた。しかし教育改革を知った後、60代の入院患者が話す伝統的なモンゴル語を聞いて「美しい母語をいずれ聞けなくなると思うと涙がこぼれた」と打ち明けたという。 女性教員は「私は中国政府を甘く見ていた。ウイグルや香港への弾圧を聞いてもどこか人ごとと思っていました」と話し、力を込めた。「暮らしの中でなるべくモンゴル語を使い、子どもたちに教え、母語を守ります」        
(フフホトで坂本信博記者)
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