恥を知れ

サディスティック・サディーの生かさず殺さず日記

6/29

2011-06-30 05:21:59 | oni

こんなに長くなるとは想定外_ノ乙(、ン、)_
でも今書かなかったら一生書けないから書く

アイ狂言で里人が現れ
僧は不思議な潮汲みの老人に出会ったことをそれとなく話す
すると里人は、ああそれはきっと融の大臣の亡霊ですよ、とこともなげに言うではないか
曰く
六条河原院は廃墟となった今もなんともいえぬ趣があり名所として訪れる人も多い
融の亡霊が現れるというのも地元では結構有名な話
しかし我々は融の亡霊を見たことがない
どうも「尊(たっと)き御方」など選ばれた人しか見えないらしい
御坊様あなたは間違いなく「尊き御方」のようですから見えたのでしょう
よろしければ融の亡霊をなぐさめ供養してあげてほしい、云々
で僧は快諾し
後場へうつるわけだが

おいらちょっとびっくり
こういう夢幻能におけるワキ僧とは
もっぱら主人公たるシテを目撃するための形式的な役のように思ってたのだが
この僧は出会うべくして融の亡霊に出会ったのだなあ
まあ今回は亡霊さんが最上級に高貴な人物であるから目撃する側にもそれなりの格が求められたのかもしれないが
もしかしたら他の曲に登場するワキたちも
本当はみんな相応の理由があって選ばれてシテに出会っているのかもしれない
僧ならだれでもいいというわけじゃなく
やさしそうとか実力ありそうとか趣味合いそうとか
僧がふともらした孤舟に帰る思い
それは一時の共感だったのかそれとも自身も孤独な境遇であったのか
おそらく後者だったのではないかと思う
そしてこの共鳴が融の亡霊のスイッチになった

僕たちには見えないけどよかったら融の霊を供養してあげてね
という里人の言葉も地味に衝撃だった
見える人が選ばれていることを僻むでもなく低俗な好奇心テカテカになるでもなく
かつてこの地にいた高貴な御方の御霊安かれとただ純粋に思っている
この曲に出てくる人みんな心のきれいな子ばかりや・・・(´;ω;`)
まあアイ狂言に複雑な人間性もたせてもしょうがないんだけど


後場はいよいよ融そのひとがかつての姿で登場
さっそく低俗な表現で恐縮だが
イケメンクルー?イケメンクルー?とwktkすること数分
さっと揚幕が上がり貴公子登場
まさに
イケメンキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!
の心境
ちなみにロン毛バージョンだったよ(;゜∀゜)=3ムッハー
まっくろでつやつやでサラッサラの御髪
麗しゅうございます融様
思わず融様と呼びたくなってしまう麗しさ
でもねあながちおいらだけじゃなかったんよね
融様が登場した瞬間身を乗り出したの
斜め前に座ってた和服の大姉様方とかね
ガタガタッて音が聞こえそうだったw(自分含め)
声まで若くなってるし
すごいなー役者さんってやっぱりすごいなー
濃紺色の装束にはちょっとびっくりしたけど
今まで見た本や写真では淡い色が多かったものだから
しかし今思えば月夜を模した柄だったのかな
夜空のような濃紺の地に満月を思わせる金の円い文様
袖に通された紐の朱色が目に鮮やかで
後ろの囃子方の楽器の紐とみごとにマッチしている
袴は純白
面は中将かなあ
よく見えなかったけどきっとイケメンだったに違いない
だって佇まいからして完璧にイケメンだもの
ほんとにすみません
すみませんが最後までこんな感じです

ここからはずっと融様のターン!
月光降り注ぐ六条河原院の廃墟にて
華麗に舞い踊る貴公子
舞台を縦横無尽に駆けめぐり
くるくると軽やかに回っては
激しく舞の袖を振り
金色にきらめく扇を翻す
かかかカッコイイ・・・!
早舞というそうだけれど能でこんなに激しい舞をみたことがない
囃子方も全力全開
当時の人にとってはハードロックの如き激しさだったんではなかろうか
もうねほんとにカッコイイ
きっと融様の全盛期の御姿だったんではないかしら
こんな貴公子がいたら当時のおなごたちも(心の中で)身を乗り出して見つめていたであろうなあ
若かりし頃の融様が舞っていた間
六条河原院もかつての姿をひととき取り戻していたと妄想
自慢の御庭ですもの
見える人にずっと自慢したかったはず
大好きな場所で思いの丈を舞い尽くした融様が安らかに成仏されんことを願う

前場は僧と老人の会話にしんみりしたり考えさせられたりしたけど
後場はただただ融様のカッコよさに惚れるだけの簡単なお仕事でした

別の大姉様の集団が
いやーすごかったわー
現代のダンスみたいだったわねえ
とか話してた

囃子方もほんとよかったな
笛が絶品だったし
大鼓と小鼓の音ってこんなに綺麗だったんだって思った

結論:融様マジかっこよす
さすが光源氏のモデルの一人ともいわれるだけのことはある

あらすじだけではわからないこともいっぱいわかったし
きてよかった



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