四つ葉のクローバーを探して

毎日過ごす時の中で、ちっちゃなHappyや大切な何かを。四葉のクローバーを探すように見つけていけたらいいな。

『ルーズヴェルト・ゲーム』

2012-03-22 | My Library
池井戸 潤
講談社
発売日:2012-02-22
池井戸さん作品2作目読了。中小企業の生き残りをかけた闘いが見事に描かれていて、読み応え十分。vs同業他社。vs株主。vs市場。景気悪化。そんななかでの社会人野球部の存続問題。いろんな角度から企業の生き残りの悲喜こもごもを描いていて、ドキドキワクワクしながら読みました。企業っていろんな顔を持ってるんだと、改めて思わされました。



最初のとっかかりは、なかなか入りこめなくて。
・・・というよりも。
前作の「下町ロケット」を引きずりすぎてたのかもしれません。
だからちょっとそのテンポに期待してた部分もあって、いつ大逆転がおきるんだ?!的な。

企業とスポーツの関係って、昔とはだいぶちがってきていて。
業績が悪くなって、リストラが普通に行われるようになってくると・・・
企業の看板を背負ってスポーツをし続けることは難しくなってきてしまうのは仕方ないことではあると思うけど。
複雑な気持ちがそれぞれの立場であるんだなぁって。
普通に働いてる人にしてみたら、業務内でも練習してる選手はプロとして捉えるだろうし。
実際の選手にしてみたら、プロでそれ一筋ではやっていけてないわけだから、いつかはプロにっていう思いとか。
結局、強ければ生き残れる、勝てば廃部になることはない・・・・
そういう思いとは関係なく、企業の業績、経営陣の方針で簡単に存続不可になっていく。

青島製作所野球部もまた同じで。
ただ・・・。
仕事とはまた違ったところでのつながりだったり、社員の気持ちだったり・・・
その微妙な関係性の描き方はさすがだなぁと思いました。
みんな、その与えられたポジションのなかで、一生懸命で。
会社の中だったり、外だったり、過去のことだったり・・・
いろんな事件が、色々からみあって。
どたばた、どきどきするけど。
最後の結末はいい感じで。
やっぱり「夢」をみさせてくれるなぁって思いました。

辛いとき。
苦しいとき。
それをのりこえるための支えになるなにかって必要だなぁ。
企業でも、その規模に関わらず、なにかあったときに一体になれるものがあれば、
それはどこかで強みになるのかもしれません。