『翁さん、今日わ。見ましたか?、山が萌え始めましたよ。夏日の陽気で山が眠りから覚めました、ホホホホ。ブログにはダイコンバナがありましたね。それはそれで雑草も元気に伸び始めて、昨日は畑の除草をしまして』、『おや、理江さん、暫くだわ。そう、もう3週間ほど独身生活で、“一人寝る夜のお爺” だわ、ファハハハ。いやあ、やっと春だが、あちこちで夏日の気温に、一気に初夏だな』
『弘子さんや澄子さんはいろいろお手伝いをしているようですが、私は何も出来ませんで。それにしても翁さんはパワーありますよ、ホホホホ。奥さまと病院の近くでお花見をされましたか?、この時期は家屋敷の思わぬところに桜の古木があり、綺麗な花を咲かせて』、『いや全くだな、あちこちと車を走らせていると、雄大な桜木に驚かされるね。これが日本の原風景だと思うわ、ハハハハ』
『日本古謡「さくら」がありますが、<さくら さくら やよいの空は見渡すかぎり 霞か雲か匂いぞ出ずる、いざやいざや見に行かん>は江戸時代からあったそうで、大昔から花を愛でて』、『百人一首に<久方の光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ>、この時代の桜は “ソメイヨシノ” ではなかったらしいが。4月にはあちこちに桜祭りのポスターが、今年はその時までに花が散ってしまうらしいわ』
『私もご近所の常子さんと誘って、近隣の市町村の桜を探して見てきます。常子さんは絵手紙をやっていますので、スケッチもしながらでしょう。ついでに奧さんの顔も見ましてね、ホホホホ』、『婆さんの容態も安定して元気そうなので、明日は久しぶりのゴルフ、新緑には早く、芝生もまだ芽が出ていないで禿げ芝だろうが、楽しんでこようと思って。さてと明日の掃除でもしてだ、ハハハハ 』
あとがき==野口雨情の「春のうた」、桜の花の咲く頃はうららうららと日はうらら・・・、そう「麗ら」な光景がまだ見られるわ、ガハハハ==放念の翁