憔悴報告

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『ケータイ刑事 銭形愛』鑑賞記 其ノ四 ~王の帰還~

2006年03月29日 | TVシリーズ
やる気ゼロだった前回のレビューから数話を経て、ついに帰ってきた古厩智之
おもしろい!
やあっぱり桁違いにおもしろい!
古厩サン最高!!

というわけで20話『呪いの賛美歌殺人事件』。
聴くと必ず死ぬと言われる呪いのレコードを巡る殺人事件。
ウワサによるとサダーニャという女霊の呪いで、ルーマニアではもう149人も死んでるんだそうな。
まあそういう小ネタはどうでもよくて、とにかく音のドラマである。
ふたりの刑事が、通報を受けて現場に向かう。
カットが切り替わると無音状態で風の音だけが「ビュオォー・・・」と。
ものすごく単純なことなのに、たったこれだけのことなのに、それだけで物語は動き出す
そう、これが映画である。

さらにこの回では、BGMがほとんど鳴らない
ほぼ無音状態で人間の声違和感ありまくりの字幕だけがひときわ目(と耳)を引く。
あおいちゃんが決めゼリフ言うときも、いつものテーマ曲が流れない。
無音によって浮き彫りになった音の異常さが滑らかにドラマを呼び込む。
いよいよ犯人が明らかになったそのとき、件の呪いの曲「聖なる日曜日」が厳かに空間を満たしていくのだ。

いや、ここでの古厩智之の作劇は本当に単純で、よくあるものなのだ。
俳優が説明的なセリフを口にするときは、俳優が常に体を動かしている、またはカメラが動く。
そして、物語にとって重要なシーンでは、俳優もカメラも微動だにしない。
極めてオーソドックスなオフビート・ドラマ
それだけで、ほとんど「技術」とも呼べないような初歩的な段取りだけで、これだけのものが作れる。
前回古厩サンが担当した4話からずーっとただ話が進むだけの観てて苦痛ですらあった凡々ドラマばっかり観てきたせいで、この人が天才に思えてしまう。

そして最後、音のドラマはカラオケ・シーンで幕引きとなる。
先日観たばかりの『さよなら みどりちゃん』でもまったく同じことしてましたよね。->古厩サン
こういう使いまわしはまったく構わない。
だって、シーンは同じでもドラマにおける意味合いが全然違うんだから。
歌と言えば、『ロボコン』でも長澤まさみがトラックに揺られて歌を口ずさむシーンが印象深かったな。
それもまた、まったく意味合いの異なるシーンの使いまわしなのだ。
オリジナルとは、こういった組み合わせの違いによってのみ生み出されていく。

業務報告
●『さよなら みどりちゃん』のレビューは面倒だから書くのやめようと思ってたんだけど、やっぱ書こうかなどうしようかな。
●とりあえず古厩サンには『時効警察2』(の何回か)と『ケータイ刑事 THE MOVIE 2』を任せた。
頼むから、お願いだからやってくれ。
●あと若いコが主演する映画も全部やってくれ。
もうみんなこの人に丸投げでいいよ。
『ラフ』とか『ハチクロ』とか全部撮り直し!
●メイキングより
あおいちゃん「あたし、古厩サン好きなんですよ」
山下真二「前からそう言ってたもんねえ。まあ、ワタシの恋敵ってことですね」
●このドラマも残り6話となりました。
このまま、古厩智之劇場で終わってしまうのでしょうか?

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ロボコン。 (せぷ)
2006-04-01 00:09:31
古厩智之の作品は、おそらく『ロボコン』しか観たことないんですけど、あの映画の長澤まさみはすっごくかわいかったですよね!

唯一疑問に思ったのはエンディングが鈴木蘭々が歌っていたことですね。

普通に長澤まさみに歌わせればいいじゃん!って思ったのは自分だけでしょうか。
返信する
エンディング曲 (ryodda)
2006-04-01 08:35:25
そういえば鈴木蘭々でしたね、すっかり記憶がとんでましたが。

あの時点ではほぼ無名の長澤まさみに歌わせるってのはリスクが高すぎってことかも。

蘭々の歌も合ってた気はしますけどね。
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